「え、米?大丈夫、それだけもう先に買ってるから(笑)」
「…はい?;」
その日の夕方、買い物を済ませて帰って来た佑は早速太陽に交渉していた。
しかし、話題を上げるなり直ぐに切り返されたのだ。
「あ、あれ?タイヨーさんって、確か台所に入らなかったはずですよね?」
「ああ。というか俺基本料理できないし。」
笑いながら言う太陽に、佑は首をかしげた。
では何故先に米だけを買ってきたのだろうか。しかもこのタイミングで。
「…その顔、何で米だけ買って来たんだろう?って思ってるだろ?」
にやにやしながら言う太陽に、佑は頷いた。
「そうだな…ま、大したことじゃないし簡単に説明すっか。」
「普段の食事…平日は朝晩だけだが、食卓にご飯が並ばないことは基本無い。毎日よそうはずだからその量は大体決まってくる。」
慣れた調子で太陽は言う。
「だが、ここ3,4日の間、少しだけだがその量が減った。1日だけなら偶々かもしれないが、日にちが続けばそうじゃないことは分かる。」
「だから単純に米の量が減っていて、次を炊けるか否かの量しか残ってないだろうなと推測したってわけだ。」
ま、一応米櫃の中は確認したけど、と彼は付け加えた。
「すごい、全く無意識だったんですが…。」
「ついでに米「だけ」買ってきたのは、他の買い物ができても米の重さはかなりある。幾ら重い本の運搬をしていても、お前にはきついだろうなと思ったからだ。」
最後のどや顔さえなければほぼ完璧な推測である。
「そっか、なら米の心配はしなくていいですね。よかった。」
佑笑って鞄からメモを取り出した。買う物メモに書き込むためだ。
その時、そのメモに紛れて一枚紙がでてきた。
太陽がそれに気付き、拾い上げる。
「ん?なんだこれ?」
「あ、それ、新聞部の新聞です。」
佑の言葉を聞きながら、彼は一面記事に眼を通した。
「…。」
「これ、どのくらいの頻度ででるんだ?」
「え?えっと…週に1部だったと思います。」
「そっか。結構面白い記事書いてんじゃねぇか、これw」
一面記事には大きく、こう書かれていた。
『怪盗イノセント・プリンス再来!』
熱血刑事の小さな推理
「…そういえば、タイヨーさんって、仕事何してるんですか?」
「まだ内緒w」
最終更新:2011年10月05日 21:28