「今日も無垢の盗掘者は来るのか…しかしこれは俺の為に用意された供物だ。今日こそ渡さん」
「……相変わらず痛いねー、あんた」
3年の教室で痛い発言をしている阿久根 実良。
同級生の角枚 海猫は哀れむ様な目でそれを見ていた。
とそこへ。
「ごきげんよう! 冥闇の使途様!」
「………」
「やあ、エルフの王女。それとここでは阿久根と呼んで普通に接してくれ」
「あら。私とした事が…失礼しました!」
突如現れた新手に頭を抱える。
「…想」
「何ですか? 冥土の格闘家…いえ、海猫せんぱい」
「…あんたもさっさと厨二病治しなよ」
想、と呼ばれた少女は不本意そうに頬を膨らませた。
「海猫せんぱい。信じがたいのは分かりますが、私の発言は全て―――」
「はいはい、真実って言いたいんでしょ」
「分かってるなら厨二病なんて言わないで下さい。今は普通の人間『百々江 想』として振る舞ってますが、私の正体は光の森に住む妖精エルフ一族の王女『モア』なんですから」
「そーねー」
適当に返す海猫。
「ところで王女、昨日も魔物討伐してたのかい?」
「はい、殺戮兵士を倒しました!」
(昨日の任務ね…)
海猫は想と
パニッシャー討伐任務を思い出す。
任務中でも痛々しい想の様子に再び頭を抱えた。
「殺戮兵士? 初めて聞いたな」
「そういえば阿久根せんぱいは初耳でしたね。昨日は数の多さもあって大変でした」
「そうか。どんな魔法を使ったんだ?」
「えっと、まずは『ライトニングサンダー』を!」
(ただのスタンガン…)
「でも殺戮兵士は体が機械で出来てるんで、あまり効かなかったんです~」
「機械に電撃は効果ないからな…それで?」
「次は動きを封じてみようと、『フリーズロック』を使ってみました。でも駄目でしたあ…」
(ドライアイスで機械兵器が凍傷になるか!)
「それで次は新しく覚えた魔法を使いました」
「新しい魔法?」
「………」
そっぽ向く海猫。
そして想の口から出た言葉に遠い目をし出した。
「『ミラクルウォーター』です!」
「………」
「如何にも強そうだな…どんな魔法だ?」
「はい! これも敵の動きを封じる魔法でして、不思議な性質の液体を放つと動けなくなるんです!」
(…ウスワイア製の…水飴…)
「そうだ阿久根せんぱい! 今度良かったら、一緒に魔物討伐に行きませんか?」
「ああ…その誘いに応じたい所だが、生憎まだ力を取り戻せて無いんでな、すまない」
「そうですかあ…残念です~。でも、冥闇の使途ですからやっぱり凄い技とか使うんですよねっ?」
「勿論だ! 力を取り戻した暁には、特別にお前にだけ見せてやろう!」
「わあっ、楽しみにしてますね! 私も新しい魔法また覚えますから!」
(……この二人見てるとスカイアッパー喰らわしたくなる…)
厨二病先輩とエルフの王女(という妄想をしているJK)
「…って事があってさ、もうあの二人が同じ場所にいるともう痛いってレベルじゃないよねー、結局入れなかったし。特に想ちゃんなんか先輩より激しいしね」
「…………」
最終更新:2011年10月12日 13:58