夜、私は布団の中で今日のことを考えていた。
…あの後、タイヨーさんは自分のことを教えてくれた。
にわかには信じられないような話だったけれど、意外とすんなりと受け入れることができた。
私をからかっているような感じはなかったし、きっと本当なんだろう。そう考えることができたことが理由かもしれない。
「……ふふ」
ついつい笑みがこぼれ、誰も見ていないのに慌てて寝返りを打つ。
何でだろう。教えてもらったことが、すごく嬉しい。
…父さんと母さんとは、こうした話をしたことがなかったからかな。
何となく、信頼されている気がする。それが嬉しい。
「…い、いやいや。それじゃ父さんと母さんを信用してないみたいじゃないか。
そんな薄情な娘じゃないぞ、私は」
自分に言い聞かせるように、わざと声に出して言う。
普段はあまり考えないようにしていたけど、両親のことを思い出すと、言いようのない寂しさが込み上げる。
「…次はいつ帰ってくるのかな」
誰にも分からない問いを、宙に投げかける。
もちろん、答えは返ってこない。
(…タイヨーさんは、いつまでいてくれるのかな)
次に浮かんだ問いは、言葉にすることをしなかった。
それは私のわがままだと分かっている。
言ってはいけないとも、自覚している。言ったってどうにもなるものでもないということも。
でも、もしも…
もしも許されるのであれば…
「………」
…やっぱり言葉にするのはやめておこう。
考えないようにして、眠ってしまおう。
そうすれば、大丈夫だ。思い出すこともない。
…きっと、忘れる。大丈夫。
寂しがりの隠す願い
(もしも、願うことが許されるのであるならば)
(少しでも長く、この温かさが続きますように)
最終更新:2011年10月13日 18:02