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第二十二話「ホノオ」_仮

コウスケ(以下モ):は…?
モ:…なんだここ…
モ:確か俺火の玉に焼かれて…
モ:やぁーっべ…
モ:ここって死んだときに来る「お花畑」ってヤツかよ…
モ:くそだりぃーっ
モ:どーにかして戻れねーかなー…
モ:ん?
モ:お、人居んじゃん。
モ:あいつ…
妹:?
モ:お…
妹:この猫ちゃんあなたの?
モ:え…
モ:ああ、昔飼ってたけど死んじまったんだ。
モ:半年ぐらい前、俺と火事に巻き込まれちまって…
モ:お。
妹:…。
妹:あなた、「悪夢」を持っているの?
モ:は?
妹:火事が原因なら、火を操ったりできそうね。
モ:おいおい、
モ:いくら俺でもそこまで空気読めねぇよ。
妹:あら、ごめんなさい。
妹:まだ気付いてなかったんですね。
モ:(何だこの子…)
妹:一度「死んだ」経験を持つ事を「悪夢」って言うの。
妹:大事な事だからあなたも知っておいた方がいいよ。
モ:……。
妹:どうぞ
モ:あ、わり…。
モ:そんで?何だよその悪夢ってのは。
妹:死んだ時の事思い出したりしてる?
モ:いや、そのへんの猫を見る度思い出してっけど…
妹:なら…まだあなたが「死んだ事実」を消し切ってないのかな。
モ:は?
妹:「悪夢」は「死」そのものを克服する為のものなの。
妹:能力を取り入れ、「悪夢」を「進化」として完成させる為には
妹:あなたに死を与えた「原因」を「死因」の能力で抹消する必要があるの。
妹:この子は原因の「理由」であって「きっかけ」は別にあるのかもしれない…。
モ:待てよ、もし俺がそれなら…
モ:俺が誰かに「殺された」から生き返る事ができたってのか?
妹:「悪夢」は人が作った物。
妹:人の体が死との「同化作用」を起こした現象なの。
妹:人は人を越えなきゃいけない所まで来ちゃったけど…
妹:これでやっと人間は先に進む事ができるわ。
モ:難しい話だなオイ。もっと分かりやすく言ってくれよ。
妹:その火事は何で起こったの?
モ:それがわからねーんだよ。

コヨリ(以下コ):なぁに?その猫ー
モコ:俺ん家の近くの電柱で拾ってよー、
   何か見過ごせねーからそのまま連れてきた。
B子:身勝手ねー、フツー捨て猫学校に連れてくるー?
モコ:だってうちマンションだから飼えねーしよー。
タカ:じゃあ捨ててこいや。
モコ:ひでーこと言ってやんなや。
   この騒々しい学期末に気持ちをほぐしてくれるかもしれねえだろ。
   名前も考えたんだぜ、「ユカ」って。
ユカ:それ、私の名前じゃん…。
モコ:お前の家はダメだよな、ゴリラ飼ってるし。
タカ:俺猫嫌いだし。つーか死ね。
コヨ:じゃあさ、「スト跡地」の廃ビルで飼っちゃえば?
   私誰も手をつけなくなったビル知ってるよー。
モコ:何だスト跡地って
ケイ:「ストラウル跡地」…
   1997年、超技術開発団体「ストラウル」の基地があった場所で
   壊滅により周囲が巻き込まれ廃墟になったゴーストタウンだ。
   ウスワイヤの調べで危険が無い事は証明されたけど
   いまだに復旧が行われてない今近付くのは危険だよ。
コヨ:ケイイチきもい
ケイ:あ?!
B子:また始まった妄想族のうんちくが。
   思った事すぐ口にするとろくな事ないよ。
ケイ:こっちはただ…
モコ:女の気を引かせるのにもコツってもんがあるぜケイ君。
ケイ:そんなんじゃないっつーの!
B子:でもスト跡地って構造よくわかんなくて迷いそうなのよねー。
コヨ:わたしもう何度か入ってるから全部覚えてるよ。
モコ:まじで!じゃ帰りにチャリで連れてってくれや!
コヨ:まっかしといて!
B子:ずるいなぁ…
モコ:よかったなーユカ!
ユカ:その名前で呼ばないでよもう…。
タカ:何日持つか賭けようぜ。
モコ:バカヤロか

モ:ただの廃墟だからそこで飼おうっつー話だったのによ。
モ:何であんな事になっちまったのかな…
妹:その火事の現場には怪しい人とかいなかったの?
モ:うーん…。

でわ(以下で):あーあー、燃えちまった。
で:コウスケが猫飼ってるって知った奴のイタズラなんかな。
タ:まぁーあいついろんな奴から恨み買ってそうだしな。
で&タ:あ。
コ:コウスケごめん!
コ:誰も出入りしてなかったから私何もないと思って…
コ:今まで火事なんて起こった事なかったのに!
コ:多分ユカもまだあの箱の中に…
モ:……。
モ:なー、こいつ俺が来たらいつも箱の中で待ってるぜ。
モ:すぐにどっか逃げると思ったが律儀な奴だなぁ。
モ:このダンボールに捨てた飼い主の匂いがついてるからか?
コ:きっとコウスケがここで飼うって言ったからよ
モ:まさか
モ:まー、どうあれ面倒見んのが楽でいいぜ。
モ:ほらよ今日は気分を変えてコーヒー牛乳だ。
コ:ちょっとちょっと…
モ:……。
タ:おい!
タ:どう見たって全部燃えちまってんだろうが!
タ:死にに行くようなもんだろボケか!
モ:だったら!
モ:賭けようぜ…
モ:もし俺もあいつも無事に出られたら…
モ:あいつに首輪買ってやれよ…。
モ:物事の確率なんていつも同じだろうが…。
モ:「できる」か「できない」か…
モ:「二つに一つ」だぜ。
タ:おい!!
タ:行くなっつってんだろが!死ねや!
コ:コウスケ!ごめんね!!
コ:本当にごめんね!
モ:……。
コ:ごめんねー!

モ:誰も…居なかったな。
妹:そう…
モ:…。
妹:もう一度よく考えてみて!!
モ:ウェ?!
妹:人の未来がかかってるの!
妹:このまま放っといても何度も何度も
妹:何度も何度も何度も何度も同じ事の繰り返しなんだよ!!!
モ:?????
モ:て言うかよ、君一体誰なんだよ。
モ:見ず知らずの女の子に指図されても燃えねーよ俺!
妹:……。
ユウキ(以下ユ):答える必要はない。
ユ:その男の名前は「コウスケ」。
ユ:お前の言う通り火によって「悪夢」を得た男だ。
モ:お前…
モ:ユ…
モ:!?
ユ:……。
ユ:これで全員揃ったな。
ユ:「あの三人」は自分で気付いたが…
ユ:お前はこうでもしないと気付きそうにないからな。
モ:お…お前ユウキか…?
ユ:…知りたい事は全部知ったはずだ。
ユ:コウスケ…
モ:…。
ユ:これは「夢」だ。
妹:兄さん!
モ:え
妹:あーあ…
ユ:(そう…夢だ…)
ユ&タ:(これは…ただの「夢」だ…)
タ:(えーと、最後に寝たのはいつだ…?)
タ:(バイトの後は夜通しでバンドの練習してたしな…)
タ:(ケイ君家行く朝もアレしてたし…)
タ:(その前の日は…学校の帰りがけにパチスロ行って…)
タ:(だりぃな…)
タ:(どう考えても夢じゃねぇ…)
タ:………。
タ:!
タ:……?
タ:………。
ケ:ふー…
ケ:間に合った…
マ:なんやー!
マ:誰や起こすんわ!!
マ:お?
タ:おい!ケイ君これどういうことだ!
タ:もう一度初めから話せや!
ケ:いや、ちょっと待って。
ケ:話すのは後にしよう。
マ:おい!その赤いのってアレちゃうんか!!
ケ:来るぞ。
ケ:!?

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最終更新:2011年10月15日 15:43