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背中合わせと負平等

「何が起きようと我関せず。この学校で何が起きても、ストラウルで事件が起きても、駅構内で事故が起きても、私は何も知らない振り。そういう風に見えるのは私たちだけかしら。」

神江裏 灰音ちゃん?」

学校のとある一角に突如現れた二人組は、その灰色の背中に問いかけていた。
灰色は振り返る。後ろの男にも平等な視線を向けて。
<…やあ、胡間に来間じゃないか。>
「毎日会うのに久しぶりな気分ね。何でかしらね。」
胡間は笑った。来間の代わりも兼ねて。

<それで、神江裏 灰音に何の用かな?>
「別に?逢いたかったから逢った。それだけよ。」
まるで大げさな演技をするように胡間は歩く。
「そちらはどう?誰かに逢ってみたいとは思わないの?」
<神江裏 灰音は常に平等。誰かに会いたいなんて思ったこともない。>
「そう。寂しい人ね。」

<どうして寂しいのかな?>
「だって、逢いたいと思える人がいないってことじゃない。それはすごく、寂しいことだと思わない?」
<思わないね。神江裏 灰音に特別な存在はないよ。>
「…それもそうね。私は、いつも一番大切な人のそばにいるし、貴方は大切な人を作らない。ある意味同じかもね。」

「でも。」
胡間は振り返って灰音を見た。
目つきが急に真剣になる。
「貴方も人間なら、これからも大切な人を作らないというわけにはいかない。」
灰音越しの来間も静かに頷く。
「人は誰しも支えられて生きる。永久に一人など、傍観などありえない。たとえそれが、なにかの能力だったとしても。」
<…。>

「…って、かっこいい台詞が吐けるような人間になりたいなぁ、なんて。」
そういうときには、もうすでに彼女の雰囲気は元に戻っていた。
<…それで、結局何がいいたかったのかな?>
「なーんにも。ただ、かっこつけた台詞を人前でいってみたかっただけよ。」
胡間は笑い、踵を返した。

「…そうそう。一つ教えてあげる。来間からの助言。」


背中合わせと負平等


「そう遠くない未来。神江裏 灰音(アナタ)は神江裏 灰音(アナタ)でなくなる…ってさ。」

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最終更新:2011年10月21日 20:36