ズグン、と胸が疼いた
『大丈夫かスイネ。顔白いぞ』
『ええ…平気よ』
と、
ハヤトにはそう言ったが、実のところあまりいい状態ではない
奇跡的に身体から離れた心を繋ぎ止め一命をとりとめたとはいえ
内部の破損されたあちこちを治す技術を持ち合わせた医師はアースセイバーにはいない
『(…)』
『
シスイのこと、ありがとな』
『…え、なに』
『いやだから…あのままだったら俺、わけわかんねーやつ!で終わってたと思うし』
『…そんなこと、ないわ』
『えっ』
『あなたとシスイは親友じゃない。本当は誰よりお互いを理解してるんでしょう。大丈夫よ』
『……おう』
照れたようにぽりぽりと頬をかくハヤトに
にこりと笑いかけて、くるりと踵を返す
『どうした?』
『少し疲れたから眠るわ』
『病み上がりだもんな。無理すんなよ。あとちゃんと部屋には鍵をかけて…』
『はいはい。わかってるわ』
──────
『…ん…』
さわりと胸に触れる
ズキリとした痛みが走り、思わず眉をしかめた
『…困ったわね』
車イスから降り、ぼすりとベットに身体を埋めて目を閉じた。
『苦しいですか。ファスネイ・アイズさん』
『…!?』
いきなり頭上から降ってきたヘリウムを吸ったような声に飛び起きる
『…あ、なた、は』
『お久しぶりですね』
いつか、スイネを襲ったフルフェイスだった
その距離はほんののわずかしかない
あのときはユニコーンで対峙することができたが
スイネの身体の痛みは増していくばかりで、身動きも取れない
『なぜ、進入できたの…?!』
『シスイさんを傷つけた相手が誰なのか、知りたくはないですか』
『なっ…』
『あなたの胸の痛みの理由を教えて差し上げましょうか』
『こないで…!』
『出生の秘密を知りたくはないですか』
『!!!!!』
『一緒に、来てくれますね?』
【彼ら】の痛み
最終更新:2011年11月07日 14:28