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<見敵、そして危険を知るモトキチ。>

<見敵、そして危険を知るモトキチ。>

モトは、乗っていたバイクのシフトペダルを蹴ると一速へギアを叩き込み、右手を捻ってスロットルを開いた。そのまま後輪を滑らせ方向転換。
理由は簡単。今夜も不良の溜まり場になるであろう駐車場で、タバコを吸いつつぽけーっとしていたのだが、横合いからいきなりナイフを投げられたからである。
「君、人外だよね。」
『投げナイフにその格好・・・人外狩りかにゃー。』
黒い影。加えて、アースセイバー所属のシノ達から聞いた黒づくめの人外狩りの話をちょうど考えていた時の事だった。
(よだきいなー。とりあえず轢いとくか。)
ウイリーしながら、真っ直ぐシン・シーに向かって走って行くモト。
間一髪のところでシン・シーは避けた。が、擦違いにタイヤを切られた為にモトもすっ飛んだ。
「危ないなぁ、流石人外。」
『刃物振り回して所構わず襲撃するきさんに言われとう無いわ。』
「こんな所でなにしてるんだい?」
『関係無かろうが。』
「別にいいじゃないか。」
壁に叩きつけられて、ギャグのように逆さまになっていたモトに、余裕の笑みを浮かべながら近付くシン・シー。
『此処に溜まるバカガキ共が問題起こす前に注意しに来とうよ。』
「・・・君、方言おかしいね。」
『思念が混ざりまくっとーや。やかましいずらね』
「まぁ、今から死ぬんだしどうでもいいか。」
『そいつぁどうかな?』

モトがニヤリと笑う。転がっていたメットを投げつけると、一気に立ち上がった。
「おや、元気だね。」
『タフなのも取り柄じゃ。』
壁に吹っ飛んだバイクが霞みがかると、オフロードバイクに変わった。
「逃げる気かい?」
『面倒事は避けるたちでね。』
「乗る暇をあげると思うのかい?」
『心配せんでもええぞ。たっはっは!』
バイクが突然シン・シーとモトの間を割るように走ってきた。モトはバイクの右ハンドルを掴むとブレーキを急激に握る。当然リアが浮いてジャックナイフになった所を…
『喰らえやガキィッ!』
バイクのリアのフレームを蹴り、シン・シーに向けて車体を振る。オフロードバイクは比較的軽いのだ。今度は直撃し、シン・シーがよろめいた。
その隙を見逃さず、モトはバイクに乗るとその場から走り去った。



バイクを適当に走らせていたモトだが、ウスワイヤ周辺が騒がしい事に気付いた。
(・・・なんや、騒がしいな・・・何かあったんな?)
バイクが再び霞みがかり、ピザ屋のバイクに変化した。
(念の為にカモフラしとくかのー・・・。)

そして見てしまった。特殊能力者保護施設である、ウスワイヤの現状を。

(な・・・なんじゃこりゃあ!?軍隊かなんかにでも攻め込まれたんか!)
何ヵ所からか煙が筋のように噴出し、警報が鳴り響くウスワイヤを見てしまった。

しかし、モトは敢えてその場から離れるという選択肢を取った。なぜなら、もう敵がいるようには見えなかったからである。
恐らく襲撃された後なのだろう。それに、モトは面倒事が嫌いだ。
(間違われて襲われてもかなわんしなー。)



その日の詳しい話をモトがシノから聞く話は、また次回。

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最終更新:2011年11月15日 18:31