「………あの…」
「…ん?」
「……この本、お願いします……」
「あ、はいはい。えーと…『世界爬虫類図鑑』上下巻ね。
…はい、オッケー。貸し出し期限はなるべく過ぎないようにね」
「…はい。ありがとうございます」
「こちらこそ。これからも本読んでねー………ん?」
ブゥーン…
「うわっ!!蜂!!?」
「………大丈夫です」
「だ、大丈夫って……」
「………」
「…な、何で普通に君の指に乗ってるの?刺されないの?」
「………大丈夫。刺しません…」
「で、でも怖いよ…」
「…………」
(窓際へ歩いていき、開いている窓から蜂を放す)
「……これで、いいですか…?」
「あ、ああ、うん。……ごめん、ありがとう」
「…いえ…」
「……凄いんだね、君…」
「………」
「……どうして、そんなことができるの?」
「………。先輩は……信じますか?」
「……?」
「不思議な力……。……信じますか?」
「不思議な…力?んー、どうだろう……そういうのは本の世界のものだろうしね。
でも、本当にあったら素敵だよね。不思議な力」
「………ありますよ」
「え?」
「………ありますよ、“不思議な力”。……この世界にも」
「……そう、なの?」
「……きっと。先輩も、出会います。…すぐ近くに、あるから」
「…はい?ど、どういうことなの?」
「……そのうち、分かります……。……それでは。本、ありがとうございます…」
「…え?あ、う、うん……」
「……何だったんだ、あの子……?」
図書委員長と人見知りと“不思議な力”
「……………」
「どーしたの、佑。難しい顔してさ」
「何か悩みでもあるのか?」
「……海猫、ショーゴ。すっごい変なこと聞いてもいい?」
「ん?」「何?」
「……“不思議な力”って…あると思う?この世界に」
最終更新:2011年12月29日 21:12