「不動さん、遊ぼ!」
「ガキかよwほんと悩みなさそうだよなお前。ちょっとうらやましい。」
「…」
「また不動と話してるし」
「狙ってんのかね?そういえば空橋とも仲良くしてたよあいつ。男なら何でもいいんじゃない?」
「かわいい顔して男喰っとるかもしれんねーw」
「不動って不良っぽいしありそうww」
「丸聞こえだっての。感じ悪ぃな全く…。」
「ミコトは人間食べないし、不動さんも不良じゃないのに。変なのー。」
「…お前さ、無理しなくていいから。」
「はい?」
「あれしてくれとかこれしてくれって言われて、いちいちやらなくていい。明らかに変な事言われてるのに笑う必要もない。俺にしたら、誰にでもいい顔して愛想振りまくとか狂気の沙汰だわ。」
「え…?」
「そんなんじゃいつか付け込まれて嫌な思いするだけだ。昔の俺みたいにな。」
「不動さんの言ってること、よくわかんないです…」
「よくわかんないって、俺はお前のためを思って…」
「不動さん、ミコトもう帰りますね…。」
「あ…ちょっと待て、崎原」
「来ないでください。」
『悩みなさそうでうらやましい』
『苦労とかも全くしてないんだろうな』
『やっぱりお嬢様は違うよねー』
何度も耳にしてきた言葉。
お嬢様かどうかはわかんないけど、苦労してないわけじゃないし、楽ばかりしてきたってのも違う。
悩みと言えば、こういう事を言われるのが悩みかな。
まぁ、みんなはミコトじゃないから私の本心がわからなくて当然かもしれない。
さっきからずっと引っ掛かってるのは、不動さんに言われた言葉
『もう無理しなくていいから。』
何かしてあげることで誰かの役に立てたら嬉しい。
友達の悪口聞いて不快になることはあっても、「あの人、今ミコトの悪口言ったな」って思ったことはない。
普通にしてたつもりだったのに、不動さんには誰にでもいい顔して無理してるように見えてたんだね。
空橋くんや、他のみんなもそうなのかな
…だったら、ミコトの今までやってきたことは何なの?
「あ、崎原さん。」
「空橋くん…」
「なんか疲れてない?無理しちゃダメだよ。」
また、無理しちゃダメって言われた
そんなに無理してるように見える?
ミコトはどうしたらいいの?
「空橋くんまで…ひどいです!」
「さ、崎原さん!?待っ…行っちゃった。」
「…天真爛漫な少女の崩壊、久々に楽しめそうですね。」
すぐそこで見ていた男に、冬也は気付けなかった。
最終更新:2012年01月06日 12:49