「なんだとぉっ!!;」
昼間の暇な時間、転寝をしていた星は一通のメールで飛び起きた。
送り主は流也。『V=S捕捉。現在Ⅰ校付近。追跡開始』という短文だったが、星には十分理解できた。
が。
「タイミングが悪すぎる…;」
そう、今なによりも人手が足りない。
月光は3日間秋山家の寺院に泊ると言っていた。
クランケと
ミサキは妖怪の治療でウスワイヤに泊まり込みだ。
モエギ達にこんな重荷を背負わせるわけにはいかない。
結論、一人で捜索しなければならない…。
とはいえ捜査に人手は最も重要なものの一つだ。
自分が捜査できる能力を持ってればいいが、生憎そんなの星にはない。
(こんなところで人脈の無さが影響するのか…。)
机に思い切り額をうちつけながら星はうなだれた。
しかしながら。
(V=S捕捉…ってことはあいつはやっぱり死んでなかったのか。)
となるとこれはなお厄介である。
既に行動を起こし、誰かを壊したかもわからない。
相手が相手だ。何とかして人を稼げないものか。
「…あ、そういえば。」
星は何かに思いあたり、壁にかけてた薄手のコートのポケットを探った。
かくしてそれは見つかった。
小さな紙切れ。月光が泊まり込みに出かける前に星に預けたメモだ。
中に書かれた内容はいたって単純。
『人手が足りないから手伝ってほしい』といった旨である。
人手が少なくて困ってるときはこの紙を妖怪に見せてほしいと彼は言っていた。
今まさにその時なのだろう。こんな形で役に立つとは思わなかった。
さて、その協力要請はどうしようか。
寺院の妖怪達は恐らく手が離せないだろう。
学校にいる妖怪に協力要請もいかがなものか。動ける時間が限られているのだ。
人間に抵抗がある妖怪も駄目だろう。となるとあとは何処があったか…。
「…!そうだ、あそこがあったじゃねぇか!」
元来がらでもないので一度も立ち寄ったことはないが、このメモがあれば大丈夫だろう。
大まかな事情(というほどでもないが)を伝えればなんとか協力してもらえるだろうか。
とにかくいかないと分からない。彼女は薄手のコートにそでを通した。
「あれ?お星様?」
廊下に出るなり
ヤマブキにはちあわせた。どこにいくのと聞いてくる。
「すまねぇ、一刻を争うんだ。今日はもう事務所を閉めてもいいから、大人しくしていてくれ。」
返答を待たずに走り出す。できるだけ早く人手を集め、調査に乗り出さなければならない。
無縁者、出動
(完璧な無縁というわけではなさそうだが)
「すみませんちょっといいですか…って、風真さん!?なんでこんな所に!」
最終更新:2012年01月06日 12:59