- 企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
- 1
:鶯色:2011/04/04(月) 16:19:48
- ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
•本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
•時系列は本編(2002年のGW4月28日~)よりも前の話が主になります
•本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
•人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
•ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/27.html
前スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
51:しらにゅい:2011/04/09(土)
13:17:42
- >>25-27
ロリコン・・・むちゃしやがって(敬礼
能力制御装置・・・え、もしやKEAくんが命名?
えーマジ!?厨二ネーム?!キャハハ!!キモーイ!!
厨二ネームが許されるのは小学sあすいません調子乗りましギャアアアア!!!
私もアヤちゃんと同じ制御クンで良いと思います(キリッ
>>46-49
流石ロリコンぱないぜロリコン←
制御クンもなかなか万能ですね・・・
確かにホウオウ様の口調って難しいですよね!
というか扱うにもなんだか気が引ける・・・流石ホウオウ様・・・!
百合は形容範囲内ですw見たい気持ちもなくはないのです、が!
年齢制限をかけると誰でも利用出来なくなってしまうので、
我慢しときます・・・うぐぐ(ぇ
>>28
不思議な文章ですね・・・こういうの大好きです(ジュルリ
カンクローの友人であるアカノミ視点のお話ですが、
今のいかせのごれは不穏そのものですからね・・・
しかしカンクローの変化もありますから、この一時的なものが
例え消え去っても、彼自身のことでアカノミは気が病んで
しまうかもしれません。うぬぬ・・・
>>30
私はおおいに興味がありますが何か(ry
抽象表現は分かり難さが難点ですが、これが分かれば
すっごいニヤニヤすることが出来るんですよね・・・!
ニヤニヤしたい、ニヤニヤしたいですぅぅぅ!!!(*´Д`)
それにしてもこの二人凄い和む(ぇ
>>29
泣いても良いんだよ!泣かない人間なんていませんし、
冬也くんの言うとおり「誰かの為に泣けるって素敵なことじゃない。」
ところで冬也くんあそこでバイトしてたんですか!
う、羨ましい・・・(ぇ
- 52:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/09(土)
13:44:48
- 成程、年齢制限の事を忘れていた!
じゃあ軽く!軽うううううううううく!!すごく軽く!マイルドにします!
すんません。普通にマイルドにします(゚д゚)
- 53:大黒屋:2011/04/09(土)
13:49:38
- 心なしかネタが尽きてきた気がするのは自分だけだと信じたい(
名前のみ、スゴロクさんより「火波 スザク」「蒼井 聖」、サトさんより「スイネ」をお借りしました。
個人特訓
ぐっと廃ビルの瓦礫を踏みしめ、由衣はもう一度あたりを見回した。
先日のスイネの件でなんだかいつもより疲れたのもあったが、いつもの調子が出ないような気がしていた。
今日も何故かスザクの姿を見なかった。
まぁ、昨日の様子もあるし、風邪はひいていないだろう。
「…っかしいな、今日も来てないのかよ?」
いつもなら来ている男の姿を、ここ数日見ていない。
アースセイバーにはいったのだから態々ここで特訓する必要はないが、報告だけでも入れようと思い、学校の帰りにはここにきている。
「しゃーねーな。一人でやってるか。」
帰り道で拾ったポイ捨ての空き缶を数個、適当な位置に並べる。
「今日はこれ、つかってみるか。」
鞄を開け、中から小さな袋を取り出す。
中を開くとそこには、黒い粉が入っていた。
少し手にとり、掌に神経を集中させる。
砂鉄が黒い粉…火薬を包み込んで形を成す。
出来上がったのは拳銃だった。小型のものだが、完成度に申し分はないだろう。
「…でも、見たことあるけど撃ったことないんだよなぁ;」
出来上がった銃を見ながら、由衣は呟いた。
両手でしっかりと握り、正面にある缶に銃口を向ける。
変に力が入りながらも、その引き金を引いた。
大きな音とともに由衣の上体が反り返る。
「ってぇ!;」
尻もちをついた由衣は震える両手を見た。
(甘く見てた…。大きいものになると屈強な男でも肩が飛ぶと言うが、ここまで衝撃が強いとは…;)
正面を見る。狙っていた缶は微動だにしていなかった。
「…これ、危ないだろうなぁ;命中率も保証できないし…。」
拳銃が形を変える。小さなカプセルに変わると、由衣はそれを元の袋に収めた。
「拳銃が駄目だったら何があるんだろ?」
威力もスピードも申し分ないが、今の由衣には早すぎる。
かといって街中の戦闘であの鉄柱を振りまわすわけにもいかない。
「…今度聖さんあたりにでも訊いてみるかな。」
由衣は立ち上がり、指を缶に向けた。
指先に砂鉄が集まり、一気に缶に向かって放たれた。
軽快な音を立てて缶に突き刺さったのは、3本の針。
しかし、先端部分だけで貫通はできていなかった。
「こっちは威力がない…か;あーあ、うまくいかねえな;」
不良だった当時の感覚だけではなんとかならないのは分かっていた。
しかし、ここまで行き詰るのも予想外だった。
今まで一人でやって来たせいだろうか。
とにかくここまで強さを求めることを今までしなかった。
勿論、能力者としての話だが。
「…やっぱ帰るか。一人じゃすすまねぇや。」
並べていた缶を集めると、由衣は鞄を拾い上げた。
砂埃を払い、レストランへと向かった。
「…そういや幹久朗さん、能力者っつってたけど、能力使ったところ見たことないな…。なんでだろ?」
- 54:スゴロク:2011/04/09(土)
14:23:01
- 「もう一度、自らの翼で」のすぐ後の話です。「旅行と鴉と青い鳥と」の余談、みたいなものですが。
「……あれ?」
「? 姉様?」
目を覚ましてからしばらく、ランカ達と一緒に近況(と言ってもここ数日のことだけど)について話をしていた僕は、ふと、あることに気付いた。
母さんから聞かされた今のトキコと、こうなる前の自分。共通して、何か矛盾しているような気がした。
(強さと、弱さ……あれ、ん、うわっ)
確信した。何だ、そりゃ矛盾もいいところだ。歪んで当然だ。
「おい、スザク? どうした」
怪訝そうなゲンブの声に我に返り、思わず頭を押さえつつ言う。
「………ようやっと気付いた。馬鹿だろ、僕」
「は?」
「いや、こうなる前の僕の話。こうなる前、僕はどういう存在だった?」
何かを言おうとしたゲンブを遮るように、マナが全くいつもの調子で言う。
「弱さを振り切ったつもりで、縛られたまま。だから弱さを殺して、強さだけになった。そんな存在だった」
「そう、それだ。その認識からして、そもそも間違ってたんだ」
「え、えと……どういう、ことかな、綾ちゃん」
「つまり、だ」
僕が気付いた矛盾というのは、
「『強さ』と『弱さ』っていうのは互いの対義語だろ? どっちかを殺したら、バランス取れなくなるじゃないか」
「! それは、確かに」
「??」
「……なるほど。歪むのも当然、か」
ランカだけ理解できていないようだ。それでもいいんだけど、この場で置き去りにするのはちょっと気がとがめた。それを察したかのように、ゲンブが代わりに口を開く。
「人間の心というものは、強さと弱さが混じり合って出来ている。その片方を無理に外す、殺すのは、言ってみれば柱時計から振り子を外すようなものだ」
「え、それって」
「ああ。振り子をなくしても時計は動くが、大体狂う。心も同じだ。無理に弱さを、あるいは強さを殺せば、そこから歪みが生じる」
「更に言えば、スザクの言うとおり二つの言葉は互いの対義語。裏を返せば、それぞれがお互いを定義しているということ。だから、片方がなくなれば」
「! そっか、強さ、弱さっていう定義自体から外れちゃうんだ」
マナの言葉でようやくランカにも得心が言ったらしく、そっかぁ、と頷く。
「強さあってこその弱さ、弱さあってこその強さ。だから、それを無理に分けてた前の僕は、酷く歪んでた」
分かれてしまえば、それは方向性の違う歪みでしかない。それに気付かず、使い分けて(いるつもりで)いたんだから、そりゃ歪んで当然だ。
「歪みで歪みを正そうとして、余計状況は悪くなる一方。だから、僕は一つに戻る決断をした」
「結果がそれか。確かに、今までより落ちついて見えるぞ」
「それはどうも」
かすかに頷いた所で、
(あっ)
視界にアオイが入った所で唐突に思いだした。そうだ、そういえば。
「…………ああ、ところでゲンブ?」
「なんだ?」
「旅行の件なんだけど」
唐突にゲンブが固まった。
「…………な、なんのこと、だ?」
「後で話があるから、ヨ・ロ・シ・ク♪」
目覚めて早々に何だけど……「出歯亀」呼ばわりで済むと思ったら大間違いだ。誰の何を見ようとしたのか、たっぷりと思い知らせてやる。
「姉様、お手伝いしますわ」
アオイもいそいそと近づき、そう言う。――――何で知ってるのかはまあいい。多分マナだろう。
視線を向けると、くすりと笑った。やっぱりそうらしい。
「ま、待て、お前たち」
「いやあ、それは難しいな。なあ、アオイ?」
「ええ、そろそろ限界ですもの。ねぇ、スザク姉様?」
『フフフフフ……』
「???(妙な迫力の二人に首を傾げる)」
「………(予想通りの展開にため息をつく)」
「………(末路を予想して冷や汗)」
―――――合掌。
火波姉妹、「後片付け」をする
(例え朱鷺が忘れても)
(朱雀は決して忘れない)
(未遂で済んでも報いは与える)
というわけで、ゲンブの災難でした(ぇ
- 55:大黒屋:2011/04/09(土)
21:57:27
- 本当は前後編に分けるはずだったのですが、思ったより長くなったので前中後編に分けることにしました;
星の過去に前々回触れたので。
天ノ川ノ叫ビ~赤ト銀~
風になびく銀の髪と白いマント。
ストラウル跡地の廃ビルの屋上。人がいないのは先程確認したから大丈夫だ。
はっきり言うとここに来た意味はないわけだが。
このところ籠りきりだったので外の空気が吸いたくなっただけだ。
当然ミサキも肩を並べている。
マスクさえなければさぞかし綺麗だろうにとは思うのだが、仮にも口裂け女。言えるわけもない。
「…ねぇ、クランケ。この間の話なんだけど…。」
「ああ…僕の過去、だっけか。」
「正確には、星とのかかわりが知りたいのよ。」
「探偵と怪盗が本当は相入ってはいけないことくらい、私も知ってるわ。それでも、どうして貴方は星を「親友」と呼べるの?」
「…それを話すには、星の辛い過去を語らなければならない。」
景色を眺める目をそらさないまま、クランケは答えていた。
「しかも、星自身は記憶を「預かってもらっている」から、はっきりとは覚えていない。」
「でも、その過去があるから、僕は「千郷」を取り戻せた。僕の過去は彼女なしでは語れない。彼女には本当に、感謝しかないんだ…。」
記憶を預かってもらった星は包帯で左目を隠し、そのまま月光と探偵事務所を開いた。
裏路地でひっそりと行っていた事業はなかなかうまくいかなかったが、それでもなんとかやってのけていた。
そして時は流れ、14歳の時。事務所を開いて6年。
天才的な才能を買われ、アメリカで弁護士の資格を取得した。
偶然も相まって、その時は上々だった。
真実を論理的に導き出す探偵の経験は生かされ、真犯人を次々とあばいていったのだ。
ある意味、この時が星にとって一番栄えた時期だった。
「その星がある日突然弁護士をやめた。18の時だったかな。」
クランケは目を伏せる。ミサキは黙って、その話を聞いていた。
「ニュースには上がらなかったよ。有名だったけど、仮にも能力者だし。」
「腕の立つ弁護士だったんでしょ?何で急に…。」
「彼女に否はなかったんだ。」
「僕が、彼女の名誉を全て奪ったんだ…。」
弁護士の名誉を奪うのは簡単なことだった。
裏のルートを通じて偽の証拠を送り、そのことを相手の弁護士に送ればよい。
必ずその裁判で証拠が偽だと分かり、使用した星自身の信ぴょう性が問われだす。
案の定その裁判を最後に、彼女は弁護士バッジを失った。
それと同時に、月光は実家の寺に帰り、陰陽師の修行をするよう言いつけられた。
結果として、星は月光とも引き離されてしまったのだ。
浪人となってしまった星はアースセイバーを手伝うことでなんとか生活をつないでいたが、彼女にとってつらいのはそれではなかった。
手を休めるたびに思い出す、剥奪のあの瞬間。
一番の理解者を失った、自分の無力さ。
徐々にそれは、彼女を追いつめていた――。
「ちょっとまって、おかしいじゃない。月光と離れ離れになったなら、今あそこに月光がいるわけないじゃないの?」
「そうだね、普通に考えれば、あの二人は引き離されたままだ。」
クランケは頷いた。
「その二人がもう一度ともに生活するようになったのも、僕のせいでね。」
今考えれば、キングは星と僕を引き合わせたかったのかもしれない。
ここまで星のターニングポイントにかかわっているのだから。
失意の底に堕ち続けて2年。
その星に転機は突然、意図もしない形で訪れた。
突然、空のポストが音を立てた。
中には、真っ白い封筒がひとつ。
月光を預かったという内容の、脅迫状だった。
- 56:大黒屋:2011/04/09(土)
21:58:29
- 獣道を通ってこちらに向かってくる星を、モニター越しにクランケは見ていた。
「賢者の石」の媒介である星の観察、能力者としての質の測定が主な目的だ。
そして、弱いならば容赦なく切り捨てろとも言われていた。
キングの一家がホウオウに取り込まれて約20年。当時の彼は、冷酷だけだった。
パニッシャーを数十体回収し、こちらの意志で動く様に改造した。
遠隔操作で、星の様子を観察する。
勿論、脅迫した通り月光を捕え、閉じ込めていた。
「星殿をどうするつもりがか!」
「お前が知ったところで意味はない。少し黙っていろ。」
「何もかも失った星殿の、何を要求するつもりがか!」
特殊なガラスが張られたケースの内側を、月光はたたいた。
腕力のある月光でも抜け出すのは困難。木刀も、捕まった際にとられていた。
寺に戻った後も、月光は星を心配していた。
引き離されたときに見た星の最後の顔が忘れられずにいたのだ。
そんなこと知る由もないクランケは、冷たい目を月光に向けた。
「黙っていろと言ったのが聞こえなかったか…?」
掌に収めていたスイッチを入れる。
ケースの中に電撃が走り、一声吠えた月光はそのまま前に倒れた。
遺跡のような建造物を見上げる星。
あの中に、月光がいる。
一歩踏み出したその時、茂みから何かが飛び出した。
遠隔操作で操られるパニッシャーたちが、星を囲む。
星は慌てることなく、ただ静かに目を閉じた。
ポケットにそっと手を入れる。
パニッシャーが一斉に星に襲い掛かって来た。
近すぎる距離。避ける余裕などないのに、星はただそこに立ちつくしたまま――。
鉄同士がぶつかる音もしなかった。
ただ気がつけば、パニッシャーの胴は吹き飛び、ガラクタと化していた。
右手に刃渡り5センチの小さなナイフを持つ星を中心に…。
「…成程。使えそうだな。これが媒介だというのももったいない話だ。」
強く地面を蹴り、遺跡に突っ込む。
立ちはだかるパニッシャーを、時折人間では成しえないアクロバットを交えながら、ナイフで斬り倒していく。
「先天性の能力までももっていたか。」
クランケはモニターから離れると、ホウオウグループからもらったレイピアを手にとった。
「だが、勘違いしないでほしい。お前のその力は、全て賢者の石のもの。お前のものじゃない…。」
レイピアを抜き、鞘を捨てながら扉の前にたった。
「人間としてのお前は、何もできない屑だ。」
星が扉を開き、一歩踏みいると同時に、レイピアの切っ先が星の体を斜めに走った。
どのくらい時間が経ったのだろう。
息の詰まっていた星の口から、荒い息が漏れだした。
左目を隠していた包帯は、先程の一撃で解けていた。
「ほう…、あの一撃に耐えるなんてな。」
クランケは星を見下ろす。星はクランケを睨みつけた。
「かつて最高の怪盗と言われた『ギルティー・キング』。その命により、目に『賢者の石』を埋め込まれた。」
台詞を読むように、淡々と言葉を紡ぐ。
「天河 星。お前が地に落ちるなど、運命だったんだよ。」
生気のない血の色の眼。そこから流れ出すのは、濁った血の色の涙。
このまま気絶させホウオウに連れて行こうと、懐に隠した注射器に手を伸ばした。
「黙れ…。」
耳に届く低い声。
左目から発せられる強い光。そのまぶしさに、クランケは目を閉じる。
次に目を開けた時。星の手には先程までなかった帯剣が握られ、よろけながらもたちあがっていた。
「てめえにはわかんねえよ。私や月光がどんだけ辛い思いしたかって。」
気迫。それだけでもクランケを怯ませるのには十分だった。
「じっちゃんなんて関係ねぇ。私は…。」
帯剣を振り上げ、星は叫んだ。
「天河 星だ!!!」
帯剣とレイピアが幾重にも交差する。
瀕死の女にこんな力が出るわけない。クランケは焦った。
そして、同時に気付く。
彼女の眼に、恨めしいはずのクランケの姿は映っていなかった。
ただその眼には、かつての「親友」が映っていたのだ――。
隙をついて離脱する星。
向かうは月光の閉じ込められたケース。
飛び上がり、剣を思い切り振りあげた。
クランケが制するが、最早遅すぎた。
ケースは、騒音をたてて真っ二つに破壊された――!
- 57:大黒屋:2011/04/09(土)
21:59:10
- 崩れ行く遺跡。そこから人影が飛び出し、少し離れた森に着地した。
気を失っている星と月光。それを救い出したのは紛れもない。
クランケその人だった。
「…なんでお前なんかを、助けてしまったんだろうか。いや、もうそんなこと関係ない。」
聞いてるはずのない言葉を、クランケは星に投げかけた。
「興味がわいた。極限の状態においても、他人を優先したお前にな。」
専門分野だ。応急手当に時間はかからなかった。
命に別条がないのを確認し、クランケは立ち上がった。
「観察させてもらう。勿論、研究対象として、だがな。」
その時のクランケの眼は、先程までの冷酷な目とは打って変わっていた。
「僕に変化が訪れたのも、その時からだった。あの後星に謝罪したら、笑顔で許してくれた。今考えりゃ不思議なものだけどね。」
クランケは微笑んだ。
静かに聞いていたミサキも、頬笑みを返す。
「あの時から星は変わっていたというかなんというか…。」
「…一つ気になったんだけど、貴方の一族ってホウオウにいるんでしょ?貴方の直接的な長…キングとはどうなったの?」
ミサキの疑問に、彼は複雑な表情を見せた。
「キングは、ギルティー・キングは…。」
「殺されたよ。」
- 58:大黒屋:2011/04/09(土)
22:01:17
- すみません、かきわすれてました!
スゴロクさんよりホウオウ兵器「パニッシャー」をお借りしました!
- 59:十字メシア:2011/04/11(月)
00:01:19
- 「……」
「どうしても話したくないなら」
「いや、話す」
ミユカは店長の言葉を遮る。
「シグたん、話してもいい?」
ミユカの問いに頷くシグマ。
話してもいい、という事だろう。
「シグたんは元々ホウオウグループの兵器だったの」
ミユカが告げた事実に、店長は思わずシグマを見る。
「…こんな幼い子が?」
その言葉が勘にさわったらしく、シグマはむっつりした表情をして、
「俺、チビだけど強いもん!」
だがその言葉にミユカは―――。
「まだ訓練終わってない人が言う言葉じゃないでしょー」
「うー…」
テーブルに突っ伏すシグマ。
その表情はさっきよりもむっつりしている。
「…能力は凄いんだけど」
「でも」と、ミユカは付け足して続ける。
「でも?」
「…捨てられたの」
「え?」
店長は思わず聞き返した。
実際、シグマの能力は知らないが、アースセイバー独立隊員であるミユカが言うのだから、強力な能力に違いない。
なのに捨てられた。
店長の疑問を察したかのような表情をし、ミユカは言った。
「シグたんは、『戦い』をよく分かってなかったみたいなの」
「…戦いを?」
兵器にとって大事な『戦い』―――それを全く理解してなかった?
「シグたん自身も、理由は分からないみたい。それに…」
「それに?」
「…常識も知らなかったから」
その時―――。
「出来たよー!カルボナーラとヨーグルトパフェ」
由衣が完成した料理を持って、奥から出て来た。
「おー!待ってました~♪」
歓声を上げるミユカ。
対してシグマは―――。
「何か上手そうな匂いだな!これ!!」
と、金色の瞳を輝かせて言った。
まるで宝物を見つけた子供の様に。
- 60:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/11(月)
22:24:44
- ふと思いついたネタ1
あくまで「ネタ」系として書いたので、ホウオウをネタに使うのを不愉快
に感じられる方にはオススメしません、ごめんなさいっ!!!
「ホウオウ様、失礼いたします」
「…!!!」
「ホ、ホウオウ様……?………」
「これは、違う、」
「失礼しました」
(待って未来のマイワイイイイイイイイイイフ!)「事情を説明させろ」
「はい」
ホウオウはアヤちゃんフィギュア(7800円、みにすか☆えでぃしょん)
をひっくり返して撮影していた。
(いいわけが思い浮かばない…)
「ホウオウ様、要件だけ言います」
「…」(空気重いよ!ヤバいよっ!!)
「今回は、新たな人員をクローン形式で派遣します。」
「クローンのベーs」
「『神龍』と呼ばれる男です」
(アイツ嫌いなんだよ。気どりやがって。ぶん殴りたい)「…」
「…連れてこい」
「了解しました。おい、来い!」
「おうよ」
「おうよ」
「貴方も量産型神龍になりませんか!?
お姉様に命令されてムチで打たれるだけの簡単なお仕事です!
ご連絡はお近くの豚まで(ry」
セキ「ブベックッションッ!!!!ブヒィ…」
『緊急警報!緊急警報!!研究基地でバイオテロ発生!!繰り返す!!!』
セキ「…」
ホウオウのお部屋
「…ッ!」
「ホウオウ様、室内でダークムーヴのご使用はおやめ下さい」
「ああん?来いよ」
「舐め腐ってんの?かかって来いよ黒男が」
「お姉さん、御褒美はまだですか?」
「せいっ」バチコォン
「あぁ、正拳突きが鳩尾にっ…!最高!」
「俺、同じクローンとして恥ずかしいわ」
「俺もだわ」
- 61:十字メシア:2011/04/11(月)
22:29:33
- 「そりゃあ、私が作ったんだもの!」
―――かなっちーだったら、危険な意味・・・になるよね・・・
そんな事を考えながら、ミユカはカルボナーラをフォークに絡ませ、それを口に入れた。
「あー、美味しい~」
とろけるような笑顔のミユカ。
一方でシグマはというと―――。
「うー・・・」
ミユカの真似をするつもりで、一生懸命カルボナーラをフォークに絡めようとしている。
だが何度も口に持っていこうとすると、カルボナーラがするりと、フォークから落ちてしまうだ。
それを繰り返している内に、シグマの目に涙が浮かび始めた。
すると―――。
「不器用だねぇ。貸してごらん」
それを見かねた店長が、シグマからフォークを貸り、カルボナーラを絡ませる。
「1回回して絡ませただけじゃあ駄目なんだよ。4回はしなきゃ。ほら、やってごらん」
「う、うん」
シグマは再びカルボナーラをフォークに絡ませる。
勿論、店長の言うとおりに4回回して。
そしてそれを口に持っていく。
さっきまではその度にフォークから落ちてしまっていたが、今回は落ちる様子も無い。
「お、シグたん出来るじゃん!」
「えへへ・・・」
照れくさそうに、シグマはカルボナーラを食べる。
「・・・美味しい!」
目を輝かせてシグマが言った。
何度も美味しい、美味しいと言いながら食べる姿は、生物兵器である事を忘れさせてしまうぐらい、年相応の子供らしく見えた。
その勢いですっかり完食させてしまった。
「私より後に食べ始めたのに、凄いなぁー」
苦笑いのミユカ。
彼女もたった今完食したところだった。
ヨーグルトパフェでもシグマが先に完食してしまった。
「美味しかったぞ!ゆいっちー!!」
突然あだ名で呼ばれた由衣は驚いたような表情をしたが、すぐに笑顔になった。
そしてシグマの頭をわしゃわしゃと撫でた。
その後、少しの会話を交えた後、2人が会計を済ませて出ようとしたその時―――。
「シグマ」
店長がシグマを呼び止める。
「何だ?」
「例えあんたが戦えなくても、皆はあんたの事仲間だと思ってるからね」
「!」
微笑する店長。
そしてシグマは「おう!」と力強く返事し、ミユカの後を追った。
- 62:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/11(月)
22:32:36
- 数日後
「ホウオウの部屋の前の護衛とかたりーわー」
「おい、今日午後カラオケ行かねえ?」
「いいなソレ」
クローンの一人はコミュ力豊富で、兵士達とうちとけている。
「あ、あのっwヒェフッwww」
「何だお前、気持ち悪いな」
「あん?やんの?」
「500円持ってないー?」
「…」
一人は完全にぼっちタイプである。
「でさ、そのムチのさばき具合がさ」
「いいんだよなー!アイちゃん!俺はハイキックを喰らいたいね!」
「パンチラエディションでだろ?」
「「くぅーッ!」」
「お前らちょっと来い」
「あっ!ちょっと!神龍だけ叩かないで俺にもご褒美くださいっ!」
「えいやっ」ドゴォッ
「ハイキックフウーフ!フウーウ!ハイキフーゥ!ハイフウーワ!フワ!フワーフ!」
「せいっ!せいっ!」ドゴッ、バキッ、グシャッ
「たまらん、我が人生に一片の悔い無し!」
もう一人はこありさまである。
「「「ホウオウサマ、シツレイシマース(棒)」」」
「…」
「相変わらず無口だなオイ、やんのかコラァ?」
「…zzz」
「おい見ろ、良く見たらミクロ単位の鼻ぢょうちんが!」
「つまり、」
「「「落書きしない手はないな」」」
「では俺がデフォでおでこに『肉』の字をあしらい」
「第二デフォはまぶたに目を」
「極めつけに瞬間接着剤で頭とスーツの裏に計2着くっつける」
「最低だなこのホウオウ」
「つーかお前どっから盗んできた?」
「シャワールームの脱衣所。」
- 63:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/11(月)
22:35:00
- そして、
「ホウオウ様、失礼しまs…」
「これにはわけが」
「失礼しました」
「待って未来のマイワイイイイイイイイイイイイイイイフ!」←声に出てる
彼の背中と頭についていたのは、アイちゃんの下着であった。
あとがきのような何か
反省しています。
画鋲をしいた床の上で焼き土下座をしても足りないくらいですね。
ちょっと手首切ってきます。あがががが
- 64:(六x・):2011/04/12(火)
00:53:06
- 感想だよ。もう60レス超えた!早いなあ。
>しらにゅいさん
冬也は、泣くのを我慢するあまり泣けなくなってしまったのでああいうことを言ったんです。
…トキコが心配です。帰ってこれるんでしょうか(六x<)
>スゴロクさん
スザクが助かってよかったです!みんな幸せなのが一番だね(六x^)
そしてお母様が素敵過ぎて泣いた。きっと、これからもスザクやみんなを見守ってくれるんでしょうね。
ゲンブさんェ…
凪とアオイちゃん交流したいんですが、よろしいでしょうか?
>大黒屋さん
由衣ちゃん特訓ですか!凪でよければ練習相手になりますよー。
氷と鉄なら鉄のが有利そうですが。
- 65:スゴロク:2011/04/12(火)
01:02:00
- >(六x・)さん どうぞどうぞどうぞ!! もう遠慮なく使っちゃってください、是非!
うちの子達は全員フリーですので、使いたい子がいればどしどし使ってくださって結構です(^∀^)
ゲンブに関しては……印象と違うかも知れませんが、あの人20歳なんで。まあ、しょうがない衝動だったということで。
- 66:スゴロク:2011/04/12(火)
03:03:40
- 今回の時間軸は「もう一度、自らの翼で」の直後です。休日ということで。
「え? ……了解。まあ、いつまでもこのまま、というわけにも行かんからな……一応言っとくが」
『わーった、わーった。……まあ、俺は別件で用事があるんでそっちにゃ関われん、心配するな』
「どうだか。あんたは知らない能力者と見ると、端から敵視する悪癖があるからな」
『……それについちゃ理由がある。昔、嫌なものを見たんでな』
「は?」
『別の機会に話してやるよ。それより急ぎな、おっさんああみえて意外と気が短ぇぞ』
「了解……」
それを最後に通話を終え、携帯を閉じる啓介。
後ろで洗濯物を畳んでいた真衣が、その背中に声をかける。
「啓兄ちゃん、誰から?」
「ん……聖さんから」
聖の名が出た途端、真衣の表情がこわばる。彼女にとって聖は、あくまで自分の命を狙った警戒すべき人物でしかないのだ。
無論啓介もその辺りの事はわかっているので、
「心配するな。お前に危害を加えるような奴は俺が排除してやる。……誰であろうと」
「う、うん……それで、用事は?」
「それだ。……実は獏也教官からの伝言らしいんだが」
「近い内にウスワイヤに来てくれ、と。お前の能力について話があるそうだ」
「……そういえば、大さん?」
「な、何だ……?」
火波姉妹が念のために帰宅し、マナがいつの間にか消えたあと、ボロボロになっていたゲンブにランカが声をかけた。振り返ると、そこにはいつになく真剣な顔をしたランカの姿があった。
「どうした?」
「綾ちゃんからこの間聞いたんだけど……旅行で呑み過ぎて潰れたってホント?」
「ぐ!?」
どうやらスザクは全部話してしまったらしい。ランカの目が完全に据わっている。
「引率で行ったんでしょ? 何で監督せずに放置するの? そのせいでみんな二日酔いになったらしいけど」
「む、それは」
「それは、何? 責任放りだしちゃダメだよ、覗きはもっとダメ。そりゃ綾ちゃんだって怒るよ」
―――全部筒抜けだったようだ。
「ぐ……」
「大さんだって男だから、わかんなくはないけど……今度やったら、凪さんに言いつけるからねっ」
「わ、わかった」
入院生活が長かったランカには、友人と呼べる人は少ない。暇を見ては会いに来ていたスザクとマナ、あとは何かと顔を出しに来てくれていた凪くらいだ。なぜかはわからないが、ランカは彼女をスザクと同じくらい慕い、頼りにしている。最近はあまり会っていないようだが、信頼は少しも欠けていないのが見て取れる。
「ならいいけど。大さんも子供じゃないんだから、綾ちゃんやみんなを困らせたらダメだよ?」
「ど、努力しよう」
「努力じゃダメ、絶対そうして。でないと信用なくすよ?」
「む、それは」
「後が続かないなら思わせぶりな事は言わない! ……はぁ、そんなだからドン亀って言われるんだよ」
一番言われたくないあだ名を言われ、一瞬にして不機嫌になるゲンブ。しかし、ランカの据わり切った目線を浴びて一気に崩れる。
(う……)
「とにかく、自分の行動には責任持って、人に迷惑かけないこと! ホントだったら子供の時に教わることだよ」
「……あいにくと、俺の子供時代は散々な思い出しかなくてな」
「施設」時代のことを思い返し、呟く。が、ランカはまったく怯まず、
「知ってるよ。私が言いたいのはね、ウスワイヤっていう『組織』にいるんだからそれくらいは学習して、ってこと。誰も教えてくれなかったわけじゃないでしょうに」
「………」
「次は、気をつけてね」
仏頂面のまま頷き、ゲンブはその場を後にした。
- 67:スゴロク:2011/04/12(火)
03:05:38
- 「もぉ……大さんってば、いつもああなんだから」
若干膨れつつゲンブを見送ったランカだが、しばらくそうしていて部屋に戻ろうとした時、玄関のチャイムがなった。
「? はーい」
返事をしつつ玄関に向かい、ドアを開ける。と、
「ああ、こんにちは」
「? こんにちは」
そこに立っていたのは、全身を黒で装った、長身の男だった。一見して怪しいとわかる外見だったが、敵意がないためランカは彼を警戒しなかった。
「あの、お父さんに御用ですか? お父さんでしたらちょっと出てますけど」
「いえいえ、そういうわけでは。………」
「………?」
突然沈黙し、ランカを見つめる男。ランカには、それが何を意味するのかさっぱりわからず、ただ首を傾げるだけ。
「……効かない? いや、そうか……」
「? 何か?」
「ああ、こちらの話です。いや、ちょっと勘違いをしたようで。では、これで」
「は、はあ……」
困惑しきりのランカを残し、男は愛想笑いを残してその場を去った。
「ふぅむ……能力無効とは予想外でしたね。これはワタシでもどうしようもありませんか」
男……ヴァイスは、白波家を後にしつつそう呟いた。シギという男に関しては、予想外にガードが固かったために様子見に徹しているのだが……正直暇だ。何か暇つぶしにでもなれば、とシドウの娘を引っ張りこもうとしたのだが、結果はこの通り。「マニピュレイト」が通じなくては始まらない。
「他に、何かないですかねぇ……ん?」
屋根から屋根へ跳び移りつつ移動していたヴァイスは、その途中で一組の男女を見つけ、足を止めた。
黒と見紛うばかりの緑の髪をした少女と、ヘアピンをつけた紺色の髪の少年。
どこかに出かけるのだろうか、少年の方がやけに弾んだ表情をしている。
(ほほう……)
ヴァイスが興味を引かれたのは、どちらかというと少女の方だった。少年の様子に、苦笑しつつも楽しそうな表情を浮かべている。満更でもない、と言った感じか。
(……あの少女、壊してみたら面白そうですね)
そして、そのための手段は、酷く簡単なものに思えた。そのすぐ近くにあるではないか、今。
(すぐにかかるか……時間を置くか。さて、どうしますかね)
赤い髪の少女―――あれはどちらかというと「壊れかけ」だったが―――もある。彼女自身を壊した所で面白みはないが、彼女に想いを寄せる火波 スザクを壊すには役立つだろう。
とはいえ、二兎を追う者一兎をも得ず。過去の失敗で、ヴァイスはそのことを痛感していた。
(ま、早めにかかりますか……)
思いつつ、ヴァイスは姿を消した。不意に駆け抜けた風から、逃れるように。
歩み出す少女、蠢く悪意
(日常はただ続いて行く)
(一人の少女の勇気と)
(一つの想いの危機と共に)
名前のみネモさん「七篠 獏也」、名前は出てませんが(六x・)
さん「凪」「冬也」、描写だけですがしらにゅいさん「トキコ」をお借りしました。最後の伏線は拾って下されば僥倖です。でなければ自分で処理しますが。
- 68:(六x・):2011/04/12(火)
16:45:18
- >スゴロクさん
許可がでた!ありがとうございます。
ランカちゃん…凪と仲良くしてたら「養豚場のブタでも見るかのような冷たい目」がうつっちゃったんでしょうかww
何やら新展開の予感。そして冬コンビがピンチな件について。凪が壊されたと仮定して、助けるのは冬也か風真か、それとも…
うまく繋がりそうなので、アイスブラスターの伏線回収をお任せしてもよろしいでしょうか?
最後の伏線回収しときました。
名前のみ、大黒屋さんの「由衣」をお借りしました。
風使い、警告する
「口答えか、私に口答えするのかポークビッツ野郎。」
「ち、違いますよぉ!そして失礼です!」
「はっww今でもつるプリのくせにw」
「なんで知って…いや、いつ見たんですかー!///」
「あ?そうだったの?適当に言っただけなんだけどwww」
「う…酷いなぁ。まぁ、そういうとこも含めて好き…だけど///」
「何だって?はっきりしゃべれよ。」
「え…っていうか、イヤホンついてたら聞こえないじゃないですか!凪姉のバカ///」
「逆ギレすんなし。」
冬也がふてくされてしまったのに対し、凪は「わけがわからないよ」という表情。
そんなやりとりを、黒に限りなく違い緑の髪を束ねた男が見ていた。
「品がないのが気になるけど…こいつら本当に姉弟みたいだな。それにしてもあの男…凪に変なことしようとしてるな。最近嫌な風が続くのはそういうことだったか。」
風真はそう呟くと、風に乗って去った。
「!?」
「凪姉、どうしたの?」
「今、親父がいたような…。」
「まさかwいや、ボクと凪姉がデートしてると思って尾行してきたとか…」
「あるかもな。由衣達と遊びに行くだけなのによ。帰ったら尋問だな。」
- 69:(六x・):2011/04/12(火)
16:47:13
- 「はー、今日は楽しかったなぁ。ん?」
「冬也くん、久しぶり。」
「ふ、風真さん!?なんで…」
「君にちょっと言いたいことがあってね。いいか、落ち着いて聞くんだ。今、冬也くんの周りには嫌な風が吹いている。それも、君一人だけが危ないってわけでもなさそうなんだ。こないだのお友達のこともあるから、気をつけるんだよ。」
「ボクだけじゃない…まさか、先輩達も!?」
「はっきりとは言えないけど、そういうことなんだろうね。とにかく、あまり一人にならないようにするんだ。じゃあね。」
「はい。あ、もういない…早いなぁ。(この人、なんとなく誰かに似てるんだよな…誰だろう。」
「凪、おかえり。」
「ただいま。外で待ってるなんて珍しいじゃん。そんなに遅くなってないだろ?」
「…いいから、お父さんの部屋に来てくれ。」
「は?まぁいいけど。私も話したいことあるし。」
「じゃあ、凪からどうぞ。」
「ん。親父、今日私を尾行してなかったか?確かに冬也とは途中まで二人だったけどさ、他に友達と遊びに行っただけで変なことはしてないからな?心配してくれてるんだろうけど、あんまり過保護にされるのもちょっとなーって。」
「いやいや、さすがにそんなことはしないさ。ところでお父さんも話すけど、最近物騒みたいだから気をつけるんだよ。凪みたいに可愛い女の子は特に狙われやすいからね。」
「親父w大丈夫だっ…(え?なんでこんな怖いの?怒ってる…のか?」
「お父さんはな…お前にあいつと同じようになって欲しくないんだ。」
「ちょ、親父、わかったから。わかったからそんな強く抱きしめんな苦しい。」
「っ…ごめんな。ご飯できてるから、凪は先に行っててくれ。」
「ん。」
「雪斗…」
風真は一枚の写真を見る。
帽子をかぶった青年と、薄水色の髪で眼鏡をかけた青年が写っており、そこにはこう書かれていた。
『風真&雪斗、初勝利☆彡』
- 70:スゴロク:2011/04/12(火)
17:33:44
- >大黒屋さん いえいえ、ランカのあれは素です。実は「旅行と鴉と青い鳥と」の時の「説教」フラグの回収でして。
アイスブラスター、任されました! さて、どう演出しようか……。
おお、親父さんの過去がちらりと。こちらはこちらで展開してますね、楽しみです。
- 71:しらにゅい:2011/04/12(火)
20:53:16
- 感想投下!
>>53
出だしから不穏な空気ですね・・・か、勘繰り過ぎでしょうか?´`;
ホントなら能力者なんだから能力を使えば良いとは思いますが、
守る前に巻き込んじゃったら駄目ですもんね・・・!
両方を上手く扱いこなせる日は果たしてくるのだろうか・・・
いや、由衣ちゃんだから絶対出来るさ!
>>55
そんな過去が・・・!
うーん、嘘によって栄光を崩された上に、誘拐をされる・・・
星さん凄惨すぎますぜ・・・(´;ω;`)ブワッ
クランケさんのかつての冷酷さがこの話から伝わってきます。
しかし星さんの行動にその仮面も引き剥がされ、
今の彼が出来上がった・・・ってか、笑顔で許す星さん、
マジで懐深い・・・!ねえさーん!
>>54
分かりやすい解説有難う・・・!ランカちゃんと同じく把握出来ましたw
どちらともなくてはならない存在、それを欠かしてしまえば歪みが生じてしまう。
うお的確に突かれてる気がするぞトキコ・・・!
そして亀さん合掌。しかし同情はしない(ぇ
>>66
啓介くんにも進展が・・・?
そしてランカちゃんに忍び寄る魔の手が!うおおお離れろぉぉ!!(#゜Д゜)
って凪姉さん冬也くん狙われてるよぉぉ!!
いよいよヴァイスが本格的に動き出しそうですね・・・!
>>60,>>62-63
こいつのクローンであることが恥ずかしいと言わせるホウオウ様www
誰かー、奥さん呼んできてー!変態がいまーす!!
>>68
お互い鋭いなぁ・・・ん?あいつ?あいつとは一体誰なんだお父様!!
普段は馬鹿っぽい(ぇお父さんとギャップがあって個人的にはツボです(ry
- 72:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:16:58
- *カニバリズム表現有
「・・・?はいはーい?」
『ロビンさん!緊急事態です!』
「ん?どうしたの、アルト君?」
『搬送予定にあった囚人達が惨殺されてて・・・!』
「えっ、それ全員?」
『かろうじて息のある囚人もいますが、早くしないと・・・』
「あちゃー、じゃあ殺しといて。」
『・・・え?』
「あと、そっちに『処理係』回しておくから、その子が来るまで待機してて。」
『でも、まだ生きてる人が!』
「生かしといたってどうせあっちに着いたら衰弱すると思うよ?
だったら今楽にしてあげたほうが、その人の為になるんじゃないかな?」
『・・・・・・・・・』
「大丈夫だって、所長には僕からちゃんと言っておくから、
アルト君は何も心配しなくていいよ。」
『っでも・・・』
「何か質問ある?」
『いえ・・・・・・分かり、ました。』
「ん、それじゃあね。」
ピッ
- 73:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:26:32
___そんなやり取りをして電話を切ってから数十分後、
今俺の目の前では、一人の少女が目の前の肉片に喰らい付いている。
「ん、んぐ」
ケーキを鷲掴みにして食べる、まさにそれがぴったりな少女であるのに、
彼女が一心不乱に食べているのは血と肉と骨で出来た肉団子、
先程まで虫の息であった一人の囚人の死体なのだ。
子供のように頬張っては口元を赤で濡らしていく、
嗅ぎ慣れていない腐臭に吐き気を覚える。
彼女はぐら子。それは単なる呼び名で、正確な名前は初めからない。
生まれながらにして能力を持っていた為か、彼女との初対面は見世物小屋だったらしい。
所長が何を思ったのかその子供を買い、以来、ぐら子は刑務所内で『処理係』として
刑務所内で働いている。
『処理係』というのはその名の通り、刑務所内で死んでしまった囚人の死体を処理する仕事だ。
カルーアトラズ刑務所に収容される囚人の多くは能力持ちの極悪犯罪者。
その為、彼らの親族と自ら名乗り、遺体を引き取りにくる者は滅多にいない。
だから積み重なる死体の処理が必要なのだ、それも人も寄り付かない離島の中で。
その点について、ぐら子の能力は非常に適している。
『満たされない胃袋(ハングリーケイヴ)』
所長の命名したぐら子の特殊能力で、彼女が一度口付けた物は何でも食べてしまう。
それが鉄であれ、鉛であれ、果ては人間であれ、
その小さな口に何でも収容してしまうのだ。それが栄養として、肉としては蓄積されるものの、
人間の欲求の一つである『食欲』は永久に満たされることはない。
24時間365日、腹を空かしたままだからこそ、いつでも『処理係』として回せるのだ。
「げふっ、あむ」
ぐら子にとって、自らの行為はいつものように『食事』としか認識されていない。
それなのに、俺らは何故こんな年端もいかない少女にえげつない事をさせているのだろうか。
この子だって能力者でなければ、今頃はトキコちゃんと同じく高校に通っていたはずだ。
いや、能力者であっても、いかせのごれにいたならば、きっと・・・
そんな事を考えながら憔悴した眼でぐら子を見つめいたら、彼女はその視線に気付き、
死体の腕を咥えながら近寄ってきた。
- 74:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:30:26
「ある、げんきないの、どったの?」
「…いや、なんでもないよ。」
「たべる?」
「いらない。」
「うー、ざんねん。」
そう言って、近くに座るともぐもぐとそれを食べ始める。
気を紛らわせようと俺は彼女に話しかけた。
「…ぐら子、おいしい?」
「おいし、ある、やっぱたべる?」
「いらない。」
「うー」
「………」
「ある、げんきないの、しぎいないから?」
「え?」
「ある、しぎ、いつもいっしょ。でも、きょう、べつべつ。」
「それは仕方ないさ、俺はロビンさんの付き添いだし、
シギは例の男の調査にメリーと行ってるし…」
むしろ、今日は一緒じゃなくて良かったのかもしれない。
スザクちゃんの異変、収容していた筈の囚人の虐殺。
顔を知っているシギならばそれをネタにすることはまず間違いないだろうし、
特に後者は、十中八九トキコちゃんの仕業であると彼ならばまず疑うからだ。
いや、ロビンさんにはああ言ったけれども、ここで殺人を行ったのは彼女かもしれない。
人形を乱暴に扱って、誤って身体の一部分を千切り、中身の綿をぶち撒かす。
囚人たちの殺され方が酷くそれと似ている。
騒ぎの蚊帳の外であるぐら子はそんな俺の思考を察することなく、
きょとんと首を傾げ、尋ねてきた。
「れいのおとこ?」
「上が追っているとある能力者のことさ。
いかせのごれに最近、そいつと酷く類似する奴が現れるらしくてね。」
「んー・・・たべれる?」
「食べれない。」
「えー」
「必ずしも同一人物とは限らないし、情報も定かじゃない。
もし収容されたとしても、きっと開発部や研究部の連中に・・・」
開発部、研究部。
その言葉を聴いた瞬間、ぐら子の顔が強張り、咥えていた腕が地へと落ちていった。
…そりゃ、そうだろうな。
カルーアトラズ刑務所専属の開発部、研究部は
『いかに刑務所内から脱走者を出さないか』
をモットーに能力者に対する研究と対策を日々奮闘している。
もちろん、その素対となるのは能力者・・・刑務所で収容されている囚人達である。
どんな研究が行われているのか、については所長はまったくノータッチ。
もちろん看守である俺らも何をしているのかは知らないし、お互い不干渉、
が暗黙の了解となっている。
ぐら子は彼らに特別何をされたわけでもないが、
いつも夜中に奇妙な声が部屋から聞こえてくる、と言って怯えているから、
あまり良い印象を抱いていないのだ。
それは、俺らも同じこと・・・なんだけどな。
- 75:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:31:43
「………」
ぐら子は開発部の名を聞いた後から、黙って処理し始めた。
「………」
俺もつられて黙り込んでしまう。
・・・分かってる、自分たちが何をしているのかも、
どんなに最低な行いをやっているのかも。
けどそれは、カルーアトラズの信念の元故に行われる行為なのだ。
『犯罪者を許すな』
『犯罪を犯した者に人である権利はない』
『その罪も人も許すな』
『能力者であれば、尚更のこと』
かつてただの看守であった時、おかしいと教官に口答えし、
拳で顔を殴られた時にそう怒鳴られた。
ないがしろにされる犯罪者であれど、彼らは俺らと同じ人間だ。
帰るべき故郷もあるし、待っている人達もいる。
子持ちの父親も母親だっていた。
しかし、一度ここに収容されてしまえば、二度と日に出ることはない。
それはあまりにも可哀想だ、とシギに喋ったら、お前はお人好しだ、と笑われ、
殴られた箇所を引っ張られたっけな。
翌日、その教官は殉職し、違う教官が入ったのはまた別のお話。
「…まだ、大丈夫…」
自分に言い聞かせるように呟く。
シギが隣にいれば茶々を入れてくるだろうに、
今この場にいるのは異常を知らない『処理係』のみ。
だから、能力者でない自分がこうしないと、俺は俺を保っていられなくなる。
自分が能力者だったら、きっと酷い自己嫌悪に襲われてるに違いない。
まだ、俺は能力者に対して人を捨てることは出来ない。
まだ、壊れない。
「・・・まだ、大丈夫・・・」
もう一度、自分にそう言い聞かせた。
或る男の独白
- 76:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:37:29
「・・・・・・っ・・・!完成だー!」
「おっ、何々どうかしたかー?」
「げげっ、由衣!」
「何その反応・・・見られて困るものとかあんのか?
・・・何それー!?美味しそう!!」
「だっ、駄目だ駄目だ駄目だ!!これはやんねーぞ!!」
「えぇー?そんだけあるんだから少しぐらい寄越したっていいだろ、ケチ、このオトメン!!」
「オトメン言うなやかましい!!」
「チハルー、注文来て・・・何してんだ?」
「正人ー!聞いてくれ!ハルちゃんが美味しそうなケーキ作って独り占めしようとすんだよー!」
「ハルちゃんって呼ぶなっつってんだろ!!」
「ハルちゃん、食い意地張るのはよくないぞー。」
「正人てめっ!!お前も便乗すんな!!」
「そんなことよりチハル、注文来てんだけど。ハンバーグセット二つ。
あとケーキ三つ、それぞれ一種類ずつな。」
「・・・へいへい・・・」
「それが出来たら、私と正人、あと奏の分のケーキセットもー!」
「 か ね は ら え !! 」
「そこはハルちゃんのおごりだろ?・・・この前、帰りのバス賃無いーって泣いてたの誰だったっけかな~?
しかも、未だにお金返ってきてないんですけど。」
「う・・・」
「ケーキセット3つが嫌ならこのケーキを頂こうかね~、えっへっへっへ。」
「!それは絶対駄目!!」
「えー!?いいだろ別に!!」
「駄目ったら駄目!!そ、それはだなぁ・・・」
「お、携帯・・・?あれ、この待ち受け・・・この人、確かサヨ」
「ぎゃあぁあぁあああ!!!見るなぁぁあああ!!!」
「・・・へぇー?ハルちゃん、あの人にお熱なんだー?聞きまして奥さん?」
「えぇ聞きましてよ、ぷぷー」
「お前等やけにノリが良過ぎねーか・・・?」
「で、このケーキをプレゼントしようとしていたわけかぁー、
ハルちゃんの作るお菓子は確かに美味しいからねぇ?顔に似合わず。」
「包装とか縫い物とか、売ってておかしくないぐらい上手だからなぁ。顔に似合わず。」
「うるせぇー!!」
「もーお姉ちゃん!注文来ないってお客様が文句言って・・・?何これ、美味しそう。んぐ」
「「「あ」」」
レストランただいま営業中!
「ご、ごめんなさいチハルさん・・・!」
「ハ、ハルちゃん・・・また作ればいいじゃん?ね?」
「・・・・・・・・・」
「・・・どうしたんだい?チハルの奴。」
「ちょっとしたアクシデントに見舞われたみたいです・・・」
- 77:しらにゅい:2011/04/12(火)
21:48:10
- >>72-75 名前のみ火波スザク(スゴロクさん)をお借りしました。
時系列は『或る男、走る』→『朱鷺の幻視』の後になります。
アルトはアオイを追ってたはずなのですが、スザクの異常をいち早くトキコに
知らせた方が良いと判断した彼は、トキコを探しに今まで奔走してました。
が、たまたま辿り着いたところ(『朱鷺の幻視』から数十分後ぐらい)、
搬送するはずの囚人が殺されていたので・・・というところで話が始まります。
うん、こじつけなんだ(´・ω・`)←
しかもまたキャラかよ!?みたいな・・・サーセンorz
ぐら子についてはアルトが語った通りです。
>>76 お借りしたのは楠原亜音、夏香由衣、夏香奏(大黒屋さん)、
一条寺正人(スゴロクさん)、名前のみサヨリ(本家様)でした。
今の流れからまったく外れたお話になります、ある意味お口直し(ぇ
チハルの詳細は後で挙げさせて頂きます!
とりあえずチェシャの元の人物であるということだけ表記しておきますw
- 78:スゴロク:2011/04/12(火)
22:29:15
-
>しらにゅいさん カルーアトラズって二重の意味で凄い所ですね……。能力犯罪者の場合、能力者の存在そのものが秘密であるがゆえに、その処理も秘密裏に行わねばならない、その行き先として存在してるのがカルーアトラズなんでしょうね。
言ってることもわかりますが、聖さん的には受け入れ難いかな? と。
そして番外編、正人が登場してますね、ありがとうございます。このごった煮感、最初の頃のしらにゅいさんを見てるみたいで凄くほっとしました。
実は、私の作品では正人の存在がアースセイバーでも知られていないため、まともに扱えないと言う……orz
対抗してってわけではないですが、気分直しにスザク視点の番外編と行きます。音楽がネタです。
「鳥さーん、何読んでるのー?」
「ん? トキコか。これだよ」
「んー……『魔法使いサラバント』?」
「恋人を亡くした魔法使いの物語だよ。ええと、どんな話かって言うと」
「あー、言わないで。読む時楽しくなくなっちゃうから」
「ん、それもそうだな」
「他にはー?」
「そうだな……『恋人を射ち墜とした日』とか『永遠の少年』とか『タナトスの幻影』とか色々あるけど……好きなのはこれかな」
「? うわっ、それ持って来たの? 全部?」
「ああ、『黒の預言書』シリーズだ。これは凄いぞ、全然別の話なのに全部繋がってるんだ」
「???」
「読めばわかるさ。貸そうか?」
「う、ううん、いい。頭痛くなりそう……」
「そうか? 面白いのになぁ」
朱雀と朱鷺、図書室ひとこま
(読んでいた本は全て持参)
(蔵書は一冊も読もうとしない)
(図書委員の二人はため息をついた)
余談。
「ところで鳥さん、一番好きな本は?」
「これかな、『LOST』シリーズの『緋色の風車』と『緋色の花』。続けて読んだら泣きそうになるぞ、悲しくて」
「……何だって、わざわざそんなの読むの? 元気出るの?」
「いや、全然。むしろ落ち込むかな」
「…………鳥さんって、一体……」
しらにゅいさん「トキコ」をお借りしました。悲願だった会話文オンリーです。
本のタイトルは……まあ、言わずもがなということで。
- 79:スゴロク:2011/04/13(水)
18:36:51
- >(六x・)さん
すみません、書いてる途中で根本的な謎にぶつかりました。
アイスブラスターってどういう武器ですか? とくに決まってなければこちらで演出させていただきますが。
- 80:(六x・):2011/04/13(水)
18:44:38
- >スゴロクさん
冷凍ビーム発射銃か氷属性パワー増幅器で迷ってまだ決めかねているという←
スゴロクさんの方で演出してくださってかまいませんよー。
風真の過去話もそのうち投下しますね。
- 81:スゴロク:2011/04/13(水)
22:34:20
- (六x・)さんの話を引き継ぎまして……
「……驚きましたね。ウィンドマイスターが関わって来るとは」
どこともつかぬ場所で、ヴァイスは呟いた。他でもない、凪とか言う少女の様子を見に行く途中、明らかに自分のことに気が付いていた男のことだ。
風真……風を操る先天性の能力者であり、その実力は折り紙つきの強者。噂だけは聞いていたが、まさかこんな街にいるとは予想外だった。調査不足か。
(趣味はともあれ、人格者でもある……意外と厄介なのが敵にいましたね)
オタク趣味と言う欠点(?)はあるものの、面倒見が良いため意外に仲間は多い。本人も感知力が高く、しかも攻撃範囲が広い。ヴァイスにとっては相性最悪とも言うべき男だった。
(白波 シドウはあしらいやすかったのですが、これはそうも行きませんか)
凪を狙うならば、どうしても彼が邪魔になる。出て来られたら御破算だ。最悪、シギも諦めて逃走せねばならない。
(それでは本末転倒ですねぇ……)
とはいえ、彼を恐れてあんな「逸材」をみすみす逃すのはさすがに惜しい。あれほど強くまっすぐな者は、なかなかに得がたい存在だ。ならば、どうアプローチをかけるか? そもそもどうやって壊しにかかるか?
(ふむ……)
ヴァイス自身は実のところ、壊した後には興味がない。壊すこと自体でもない、壊れる「瞬間」を求めているのである。それは例えば、子供達が冬の道路に張った氷を踏んで割って遊ぶのに似ている。
もちろん「歪む」のを見るのも楽しいが、「壊れる」時を見届けるのもなかなかに面白い。
そして、今回の相手は歪みそうにはない。壊してしまうのがいいだろう。では、どうやって?
(……どんなに強い人間にも、アキレス腱になる部分がある。そこを突ければ、あるいは……)
歪める、壊す対象に対して、知識を得ることは惜しまない。少なくともそういう意味では、ヴァイスは人間を誰よりも理解していた。凪のアキレス腱は何だ?
(って、考えるまでもありませんか)
一緒にいた少年に間違いないだろう。彼をどう使うか……。
しばらく考えて出した結論は、
「……古典的な方法(テンプレート)で行きますか。あの手の性格なら、これが一番効果的だ」
そして、
「ついでですから、あの機械兵も使ってみますか……ク、クククッ」
- 82:スゴロク:2011/04/13(水)
22:34:50
- 翌日放課後。僕は出際に鉢合わせた凪と話しつつ、家路についていた。
トキコも見たけど、話をしようにも質問攻めにあってしまって不可能だった。泣く泣く明日に回したのはここだけの話。
心身ともに調子は最高……だったんだけど、午前中がまるまる無断欠席扱いになっていたため、評定が落ちてしまっていた。あと、携帯を確認した所アルトからの着信があったため、「心配なく、みんな元気なので」とだけメールを返しておいてある。個人的には信用できるが、周りの人間を考えるとそれが限界だろう。
「とほほ、世の中上手く行かないなぁ」
「そりゃしょーがないって。アオイちゃんが血相変えて走ってたの見たぞ」
「ああ、聞いた。心配かけちゃったな、実際」
(んー、全部話したいところだけど……)
僕の知る限り、凪は能力者ではない。僕自身はウスワイヤにもアースセイバーにも属していないが、一般人を不用意に巻き込むのは倫理に反する。だからこそ、全てを話すことは出来ない。
幸い、能力関連の話を抜かしても筋の通る経緯だったので、特に怪しまれてはいないようだ。
「それにしても、噂のドジもそこまでいくと神がかりだな。いきなり倒れるとは」
「これはドジとは関係なーい! ていうか僕はドジじゃ……うわっと!?」
「……コケた。言ってる傍から」
な、なんでこうなるんだ……何にもないところなのに。
「やっぱりドジだ、お前」
「だーかーら、違うって言ってるだろーっ」
と言いつつ、最近では自覚せざるを得ない状況が続いていたりする。うぅ、何でこんなことに。
「ぷっ、はははっ……?」
「凪ーっ、笑うなよーっ! ……ん?」
起き上がって文句を言おうとしたその時、誰かが凪に何かを渡しているのが目に入った。
見たことのない男で、渡したのは手紙か何かのようだ。
何なんだ、とぶつぶつ言いながら、凪が中身を開いて目を通す。と、
「―――!!」
一瞬で顔色が変わった。な、何だ?
「凪? 何て書いてあっ―――」
「な、何でもない! 何でもないから!」
「ちょ、凪!?」
尋ねた途端、凪は首を振って一目散に駆け出して行ってしまった。明らかに様子がおかしかった……どうしたんだ?
「………何か、起こったのか」
- 83:スゴロク:2011/04/13(水)
22:35:20
- 「……ぅ……」
冬也が気付いた時、そこはどこか知らないビルの中だった。中を見回すと、調度品や家具、備品に類するものは全くなく、どころか壁紙の一枚もない、明らかな廃墟だった。
「ど、どうしてこんな……うっ!?」
思わず身じろぎをしようとして、身体の違和感に気付いた。―――手が動かない!?
「やっと目が覚めましたか」
「!?」
突然声をかけられた。肩を跳ねあげて視線を向けると、そこに立っていたのは、黒い帽子に黒いコート、黒い服に黒い靴、手袋まで黒で染め上げた怪人。唯一、帽子から覗く長髪だけが、色あせたように白い。
「な、なんだあんた……一体何が!?」
「おやおや、思い出しませんか? 最後に何が起こったか」
「!? ……」
慌てて記憶を探る冬也。謎の手紙を受けて学校を飛び出し、着いた先で突然意識が消え……。
「そう、ワタシが操ったのですよ」
「!?」
「ワタシの能力は、他者の意識を操る事と、他者に能力を目覚めさせること。そして目的は、他者の壊れる瞬間を見ることです」
「な………」
狂っているとしか思えないその言動に、アースセイバーの一員として以前に、個人として冬也は絶句する。
そんな彼には構わず、怪人は言う。
「さて、こうしてアナタを御招待したのには理由が在るのですが……説明しましょう」
「……」
「ワタシはついこの間、とある少女を見かけました。芯の強く、真っ直ぐそうな感じがしましたね」
いきなりの暴露に、冬也の背筋を冷たいものが伝う。
(まさか……!!)
そして、それは的中する。
「なので、ワタシは彼女を『壊す』ための第一段階として、アナタをここに連れて来たわけですね」
「そ、それは……その人は、まさか……」
「凪、とか言いましたかね」
「!!!」
最悪の、形で。
「あ、あんた!! 凪姉をどうする気だよ!!」
「おや、たった今説明したはずですがね。壊すのですよ、もちろん」
「や、やめろ! そんなことさせてたまるか!」
必死で身を揺するも、背後の鉄柱に手錠で縛りつけられた体はその場を動いてくれない。
「大人しくしていてくれませんかね。ま、そのままでもいいですよ。どっちみち、彼女はとっくのとうに呼び出しましたから」
「なっ!!」
「さぁて、手筈通りに行くとしますか……ククク、早く来ないとワタシの方から出向いてしまいますよ? クク、ククククク……!」
もはや冬也には一瞥すらくれず、怪人は含み笑いを響かせながらその場を後にした。
「ま、待て……く、そぉっ……」
後には、ただ無力な少年だけが残されていた。
- 84:スゴロク:2011/04/13(水)
22:36:01
- 「さて、そろそろですかね」
外に出たヴァイスは、その場所……跡地に立っていた。何が起きてもおかしくないこの場所だ、自分がいても別にいいだろう。
無論待つは、呼び出しをかけた一人の少女。
「っと」
帽子の下から片方だけの視線が見つめる先に、目的の人影が姿を現した。
限りなく黒い緑の髪を持った、少女。
「言われたとおりに一人で来たぞ! 冬也はどこだ!」
「唐突ですね。まあいいでしょう、神は拙速を尊ぶ……と言いますし」
「どこだと聞いてるんだよ!」
「怒鳴らなくともお教えしますよ。ワタシの背後のビル、その4階の階段から数えて6番目の部屋です。もっとも、簡単には通しませんが」
言い、黒い薄手の手袋をはめた指を一鳴らし。瞬間、彼と少女……凪を阻むように、大群が現れた。
それは、無数の目と銃器を持った、命なき機械の兵士ども。
「その部屋に往くのなら、この『パニッシャー』を突破することです」
「……上等だ。相手になってやる」
言う凪の目が水色に変色し、右手に氷のサーベルが現出する。それを見て、ヴァイスは一歩下がる。
「おっと、ワタシは失礼しますよ。まだやることがあるのでね」
言い残すと、殺戮機械と戦い始める氷の剣士を横目に、人間離れした跳躍でその場を去った。
これで第一段階は終わった。パニッシャーの本体……端末である兵器部分を統括するAI部分、それを偶然発見したのはまさに僥倖だった。擬似的なものであろうと、判断する力があるなら「マニピュレイト」で操れる。
これほど融通の効く手駒はそうはあるまい。
「さぁ、て……次の段階へ入りますか」
閉じることのない機械の右目を光らせ、足音高く笑う道化師。
いつの間にか、空には月が昇っていた。
月光を跳ね返し、透徹の刃が舞う。
「っああっ!」
一閃する氷の剣に断ち切られ、一機が煙を吹いて沈黙する。「パニッシャー」とか言う機械は、狙いこそ正確だったが動きがバラバラだった。撃って来るタイミングが滅茶苦茶なせいで、同士討ちさえ何度か起こっている。
動きの遅い奴から順番に狙って行けば、剣を使う凪でも十分に戦えた。
とはいえ、
「ちっ、数が多い……」
これが唯一の問題だった。倒しても倒しても減らない。統制はないも同然だったので脅威ではないが、邪魔だ。
(時間がかかり過ぎる……冬也は!?)
見上げるビルに囚われている弟分が心配だった。あの黒ずくめの男、冬也をどうするという宣言や、自分に対する要求はしなかった。せいぜいが夕方渡された、「相方の少年を預かりました。地図の場所へ一人で来るように」という手紙くらいだった。だが、それが返って不気味だ。何の要求もないということは、何をするかわからないということでもある。その形のない不安が、凪の判断力を摩耗させる。
―――だからと言って、それが致命的になるような状況でもなかったが。
「どけぇぇっ!」
焦りがさらなる力を呼ぶ。右手に持っていたのと同じ形状の剣が、振り切られた左手にも現れる。
まるでそれが自然な姿でもあるかのように、縦横無尽に、しかし淀みなく二振りの刃が閃く。
放たれる銃撃はしかし、正確ゆえに当たらない。狙って撃った時、既にそこに凪はいない。
その場にいた機械兵が全て沈黙するまでに、10分はいらなかった。
- 85:スゴロク:2011/04/13(水)
22:36:42
- 「全滅ですか。まあ、予定通りですがね」
配置した機械兵は倒されることが前提だ。「準備」の時間を稼ぐのと、凪の判断力・思考力を摩耗させるのが目的だ。ああいう手合いに効果的な「壊し」方はいくつかあるが、ヴァイスが今回選択したのは、その中でも最高にタチの悪いものだった。
「さて……そろそろ出番ですよ。クククク……」
笑う道化師の前に、少年は為す術を持たない。
「はぁっ、はぁっ……」
パニッシャーを全て撃破した時、凪の手に剣はなかった。最後の一機を止める際に折れ飛んでしまったのだ。
上がり切った息を何とか整え、冬也の所へ向かうべく走る。戦っている内に距離が離れてしまったらしく、目標のビルは存外遠くに。
脳裏に浮かぶのは、いつか自分が言った言葉。
『私がお前のナイトになってやる!』
だったら、今、自分が行かないでどうするのか。
「待ってろ、冬也……―――!」
ビルの入口が目視できる距離まで来た所で、凪の足が止まった。入口から中を遮る闇から抜け出るように、拍手をしながら黒ずくめの男が出て来たからだ。
「いや、素晴らしい。さすがの力ですね」
「嬉しくもない賞賛どーも。……私の弟分返してもらおうか」
「おや? ワタシは『倒せたら返す』などとは一言も言っていませんが」
「何!!」
反射的に声を荒げると、男は大袈裟な身振りでわざとらしく、
「おお、怖い怖い。怒鳴らないでくれますかね、ワタシはこれでも臆病なので」
などと言ってのけた。心底楽しそうに。
(コ、コイツ……)
「冗談はさておき、探し人ならこちらですよ」
男がすっ、と身を引くと、入れ替わるようにしてふらふらと歩いて来る人影があった。
暗くて見えづらいが間違いない、冬也だった。
「冬也!」
呼びかけて走る。一方の冬也の方は、疲労しているのか答えず、動きもどこか危なっかしい。
その肩を掴み、凪は呼びかける。
「冬也、怪我とかしてないか? 私が来たからもう安心だぞ」
「………」
「? 冬――――」
銃声。
- 86:スゴロク:2011/04/13(水)
22:37:14
- 「!? な……」
一瞬何が起こったのかわからなかった。一瞬先に不穏な空気を感じ、横に飛び退ったのが幸いした。が、代償に左手が霜に覆われ、凍てついていた。押さえつつ、無意識に後ずさる。
「冬、也、何を……!?」
「………」
答えない冬也。その手に握られるは……白を基調に青いラインが走る、拳銃のような武器。
それが何なのかは、いつの間にか入口の屋根に飛び上がっていた男から解説が来た。
「『アイスブラスター』という武器ですよ。能力犯罪者の鎮圧用に開発されたのですが、いかんせんアースセイバーだと使いようがないとのことでしてね。ちなみにそれは、あなたの家から頂いてきたのですよ」
「!?」
「おや、知らないのですか? ま、知らないならそれでいいでしょう」
それ以上男は口を開くことはなく、入れ替わりに冬也が攻撃を再開した。
のろのろとした動きで「アイスブラスター」を構え、凪をポイントして放つ。
「ッ!」
感覚のない左手を抱えつつ、かわす。動きが動きなので当たらない自信はあったが、それだけだ。
さっきまでとは全くわけが違う。守ると約束した弟分を傷つけるなど、考えた事もない。確かに、何回か因幡の白ウサギだの何だの言った事はあるが、本気でそうしようと思ったことはない。
そして、凪をもう一つ驚かせたのは、冬也の射撃能力だ。
(なん、だ、この正確さ!?)
瞳は虚ろながら、その銃撃は正確に手足を狙って来る。動きが遅いせいで避けるのは容易いが、いつまでもは持たない。
「どうす……なっ!?」
息つく間もなく次の衝撃が襲う。十数発目の銃撃をかわしたところで、突然冬也が自分のこめかみに銃口を向けたのだ。
「っ、何やってんだっ!!」
まさに電光石火。一瞬で走りこんだ凪の右手は、銃口を弾いて空に向けていた。一瞬遅れて青いマズルフラッシュが閃く。
「一体……」
「知りたいですか?」
屋根の上から声。男は、信じ難い事実を語る。それはそれは、楽しげに。
「彼にはあなたをその銃で攻撃する事と、もう一つ、いつまでもあなたが手を出さない場合、自分の頭を撃つよう暗示をかけてあります。いくら鎮圧用とはいえ、ゼロ距離で頭に撃ち込めば……わかりますね?」
「!! こ、の、外道……ッ!!」
「ああ、それです、その顔です。いいですねぇ、それが見たかったのですよ。手間をかけた甲斐があるというものです」
凪の怒りなどどこ吹く風と言った調子で、男は楽しそうに嗤う。
「ですが、まだ足りません。ああそうそう、暗示を解く方法はワタシが解くか、彼を殺すかのどちらかですので、よろしく。ついでに言えば、ワタシは言わない事はあっても、嘘をつくことは基本ないですから」
「――!!」
「では、さようなら。ワタシは遠くで観戦しますので、お気遣いなく殺し合って下さい」
言うが早いか、男は漫画のような跳躍力で屋根を蹴り、夜に紛れて姿を消した。
「待て、こ……くっ!」
追おうとした凪の前に、冬也の放った銃弾が着弾する。さっきまでの挙動を見るに、どうやら男の言った事は本当らしい。このままやられるわけにも行かない、だからと言って冬也を傷つけるのも論外。が、攻撃しなければ冬也は自殺してしまう。
まさに、八方塞がりだった。しかも懸念はさらに発生する。
もしここで凪が倒されれば、攻撃がなくなって冬也の自殺のトリガーが引かれてしまう。つまり、このままではどの道冬也は助からない。
「………」
「冬也、しっかりしろ! 私がわからないのか……!?」
答えは返らず、来るのは銃弾。
やむを得ずかわすと、今度は銃口が冬也自身に向く。
「っ!」
断腸の思いで蹴りかかると、銃口がゆっくりと凪に向けられる。が、
「!」
銃撃が放たれる前に、冬也の体は後ろになぎ倒されていた。
それでも表情一つ変えず、起き上がって凪に銃口を向ける。
「なんで……なんでだよ、冬也……何でこんなことに……!!」
状況は悪くなる一方。切り拓く術を持たないまま、刻一刻と破滅へのカウントダウンは進んでいく。
- 87:スゴロク:2011/04/13(水)
22:39:17
「…………」
一人佇み、瞑目し、能力を最大解放する。
(溶けて、合わせて、広がれ、『私』)
その姿が、夜に紛れるように薄れ、消える。
どこまでも、どこまでも、自分が広がっていく、そんな感覚。
流れる視界の中に、「その人」を捉える。
「――――『見つけた』」
「!?」
「その声」が凪の耳に届いたのは、右手に再び剣を握ろうとした、その瞬間だった。動きがないために銃口を自分に向けようとしていた冬也の腕が、何かに押されるように後ろに流れ、それに引っ張られるようにしてたたらを踏む。
「落ちついて。方法はある」
「お前は……」
突然横に現れた少女に、凪は見覚えがあった。以前、「みんなを助けて」と泣きながら訴えて来た、あの女の子だった。
「あなたは、スザクを、みんなを助けてくれた。だから、私があなたを助ける、今度は」
「スザク……?」
「そう。でもそれは後。まず、冬也を止める」
言って、その少女はすっ、と指を差す。
「暗示を解く方法は、『三つ』ある」
「三つ?」
「一つは術者が解除すること。もう一つは対象者を殺害すること。三つ目は意識を失わせること」
一見矛盾しているようなその論理にも、少女は説明を加える。冬也に対して、機械兵の残骸を蹴りつけながら。
「暗示のレベルが低い場合、三つ目の方法が使えるのは。見る限り、あれは意識をなくした所にかけられている。夢遊病に近い状態。だから、気絶させれば目を覚ました時に解ける。パソコンを再起動するのと理屈は同じ」
「叩き起こせ、ってことか」
「……まあ、間違ってはないけど」
少々呆れたような口調で少女は呟き、すぐさま表情を元に戻す。
「方法は、あの銃を奪い取ることから」
「アイスブラスター、とか言ってたけど……」
「暗示の内容によるけど、あれを奪い取れば指示が実行できなくなって混乱するはず。そこを狙えば行ける」
「……わかった、やってみよう」
頷き、凪は今度こそ自らの意志で、冬也に向けて地を蹴った。
冬也の手から銃を奪う。それは、言うは易し、行うは難しを地で行く作業だった。凪からすれば、冬也を無用に傷つけるのは絶対に受け入れられない。つまり、アイスブラスターをピンポイントで狙わなければならないのだが、実戦経験の少ない彼女にそれは困難に過ぎた。
「く!」
押さえこめば簡単なのだが、どういうわけか普段とは段違いの膂力を発揮する冬也にそれは不可能だった。
マナと名乗った少女によれば、暗示の副作用で肉体のリミッターが緩んでいるためらしい。つまり、長引かせるのはどちらにも危険。凪のすべきことは、より迅速に、より正確に、銃だけを奪い取ると言う神業だった。
しかし、それでもやる。やらなければならない、ではない、やる。
約束したのだ、守ってやると。だから、
「絶対に……助けてやるからな、冬也っ!!」
気合と共に一閃した左手―――凍りついたことによる感覚喪失を強引に引き戻したそれは、至近距離で向けられた青い銃を見事にかすめ取っていた。
「! ? !?! ?」
瞬間、冬也の動きが明らかに鈍る。誤作動を起こした機械のように、意味のない挙動を続ける。そしてそれこそ、二人の意図した変化だった。
「ごめんっ!」
言って一瞬、首筋に鋭く手刀を打ち込む。命令系統が混乱を起こした冬也の体は、糸が切れたマリオネットのように崩れ落ち、その動きを止めた。
「冬也!」
「……大丈夫、解けた。目が覚めたらもとに戻ってる」
マナの言葉に、凪は泣きたくなるような安堵を覚えた。視界がくしゃり、と霞む。
「そうか……よかった……」
「……ただ、この記憶はおぼろげながら残ってるはず。多分、目を覚ましたらその事を聞いて来ると思う」
「え……」
だから、とマナはまっすぐに凪の目を見つめ。
「隠し事はしないで、話してあげて。悪い方には、変わらない。それは、絶対に、絶対」
「………」
しばらくの逡巡。そして、
「……わかった」
軽く頷いて、凪はそう答えた。そんな彼女に、マナは言う。
「その銃はあなたが持っているといい」
「え、でも」
「氷の力を持つあなたが、一番上手く使える。普段はこうして」
凪の足下に転がる銃を拾い上げ、グリップを銃身に収納して銃口を引っ込める。
「携帯式のライトとして使えばいい。ロックをかけておけば暴発の心配もない」
「……まあ、考えとくよ」
- 88:スゴロク:2011/04/13(水)
22:40:03
- 別のビルの屋上で一連の流れを見届けたヴァイスは、あからさまな落胆のため息をついた。
「またしても失敗ですか……しかも」
その表情が、ここ数年なかったものへと変わる。
「彼女が介入して来るとは……忌々しい。あの場所に引きこもっていればいいものを」
それは、紛れもない、怒り。
「何度も……何度も、ワタシの邪魔をする。そんなに惜しいですか、『これ』が……」
とは言いつつ、ヴァイスの手には何もない。
「そう簡単には―――」
『―――「見つけた」』
「!」
声が響いたと思ったその瞬間、目の前から溶け出すように、一人の少女が現れていた。
名は、夜波 マナ。波動を操り、自らをも波動と化し、いかせのごれに浸透させることで情報を集め、どこでも自在に行き来を可能とする、ヴァイスの天敵。
「やはりアナタでしたか……」
「当然。シドウさんから話を聞いた時、まさかと思ったけど……やっぱりあなただったのね」
見つめ返すマナの瞳に宿るのは、怒りと、少しの憎悪。口調も、いつものどこか無機質なものではなく、感情を乗せた人の言葉。
「どこまで追おうと無駄なことですよ。ワタシは、ワタシのやりたいようにやらせていただきます」
「止めて見せる、必ず。そして、返してもらう」
「言うだけならタダですがね。これ以上話をする気はありません、これにて」
言うや、ヴァイスはその場から一跳びに消えた。残されたマナは、それを追うでもなく、ただ呟く。
「……私は、あなたを許さない。絶対に」
「運が悪ければ、また会いましょう」
騎士の選択、少女の目的
(騎士は道を選択し)
(少女は敵を捉えた)
(道は少しずつ、交錯し始める)
というわけで、(六x・)さんの「凪」「冬也」名前のみ「風真」しらにゅいさん「アルト」「トキコ」をお借りしました。キャラクターはこんな感じでよかったですかね? 自信ないですけど。
ちなみにアイスブラスターですが、「凍結弾を発射する鎮圧用武器。氷系統の能力者が使えば十分な攻撃力を得る銃」と言う設定にしました。
- 89:十字メシア:2011/04/13(水)
23:07:38
- 「さあー、次どこ行こうかなー」
「ミユカー!!」
「ん?」
背後から聞きなれた声が耳に入った。
振り返ると、そこには友人達―――コヨリ、コウスケ、ハヤト、ユズキ、凪、火波姉妹がいた。
「おー、何してんの?」
「ミユカこそ何してんだよ。つかその子何?もしかしてお前の」
「今度羊の机に何か仕掛けようか?」
「すいませんごめんなさい」
他愛の無い会話が始まる。
すると、コヨリが口を開いた。
「私も気になったけど、その子誰?」
コヨリの質問に、ミユカは内心焦る。
何しろシグマは能力者だ。
バカ正直にそれを言う訳にはいかない。
「え、えと・・・し、親戚だよ!親戚!ちょっと預かってるの!!」
何とか言い訳するミユカ。
「ミユカ、親戚ってなnムグッ」
例の如く、質問しようとしたシグマの口を塞ぐ。
コヨリ達からは若干不思議がられたが、それ以上は聞かなかった。
「そ、それより、皆何してるの?」
「皆さんで遊びに行く途中ですの」
火波アオイが答える。
その傍らには、彼女の姉である火波スザクが、仏頂面で立っていた。
おそらくコヨリ、あるいはコウスケに半分強引に誘われたのだろう。
「今からカラオケに行くところなのだよ」
「へえー、そういや最近行ってなかったなー」
「んじゃあ、一緒に行かないか?」
「んー・・・そうしたいところだけど、今シグマの相手してるから」
「その子、シグマっつーの?」
「そだよー、ハヤトちゃん」
ハヤトの眉間に皺が寄る。
「お前、その呼び方やめろって」
「えー、別に良いよね。凪っち」
「うん。むしろ似合うぞ」
「ちょ、凪!?」
「いっそ性転換しちゃえばいいのにさ」
「ユズキてめぇえええ!!」
- 90:サト:2011/04/14(木)
14:17:59
『どういう…こと…?』
《だから何度も言ってるだろ?!スイネがあぶねーんだよ!!
早く来い!》
『なんでそんなことになってるんだよ?!こっちはそんな…
そんなそぶりスイネには無かった…!』
《ぐだぐだ言ってたって仕方ねーだろ?!》
『…へ?』
『はじめまして、今日から同じクラスになります
スイネと言います。よろしくお願いします』
ありきたりな挨拶…とかは今どうでもいい
それよりも今現在こっちが驚いている理由が
もっと重大なことだからだ
何事もないように平然と椅子に座るスイネ。
クラスの全員は、じっとスイネを見つめていて、
嫌な汗を背中にかく
肘をついて窓辺を見つめるその姿は
最後にみたあの日からなにも変わっていなかった
…いや、正確に言えばはじめてあったあの時から
姿形は変わらないのだけれど
隣の席になったのはコウスケだったようで
早速質問攻めを食らっていた。
スイネはそれに笑顔で丁寧に答えている。
じっとスイネを見つめていると、ちょいちょいと肩をつつかれた
その方向に首を動かすと
そこにはこっちの想いを寄せるマオさんが
じっとこっちを見て小さく問いかけてきた
『けんちゃん、スイネさんと知り合いなの?
さっきからずっと見てるけど』
『え?!…あ、いやその…』
そんなにジロジロ見ていただろうか。
…まずったな。スイネと口裏を合わせていない分
なんて返したらいいかわからずに口ごもると
あ!と納得したようにマオさんが満面の笑みで
間違った解釈を口にしだした
『一目惚れしたんだ!スイネさんに!』
『ちちちち違いますよマオさん!!そんなんじゃないです!』
ガタンと席を立ってそう弁解すると
いつものメンバーにじとりと見られた、は、恥ずかしい…っ
スイネが、呆れたように
(すこし寂しそうに見えたのは見間違えかもしれないが)
見えて、何故かちくりと胸が痛んだ
君とこっちの距離感
(この旨の動悸は)
(母を失ったあの時に)
(よく、にている)
- 91:大黒屋:2011/04/14(木)
19:56:36
- 「気分転換」直後の話です。ネタがあるのにブレーキかかってかけないだと…orz
しらにゅいさんより「玉置静流」、十字メシアさんより「シノ」、本家様より「KEA」をお借りしました。
思惑交差
「…そう。そんなことがあったのね…。」
久しぶりにアースセイバーに赴いた亜音は、KEAの報告を聞いていた。
いや、聞き流している風にも見えた。
資料を運ぶシノが足を止める。
「あれ?姉さんきてたんスか?」
「…ああ、シノ。久しぶりね。」
「元気ないッスね。どうかしました?」
「ちょっとね…。」
力なく笑う亜音の姿を気にしたシノだったが、深追いは禁物だろうと思い、とりあえずその場を去った。
「…何なんスかね。久しぶりに姉さんが事後処理の手伝いに来たってきいて、楽しみにしていたんスけど…。」
きになるなぁ、とたびたび後ろを向きながらシノは廊下を歩いて行った。
「…あ、玉置さん。」
「ああ、シノさん。」
「珍しいッスね、ここにいるなんて。この間の事後処理に?」
「ええ。僕も色々やったんで。」
「玉置さんって、姉さんと同僚だったはずッスよね?」
「ええ、そうですよ?」
「今日姉さんが来てるんスけど、元気がないみたいなんッス。何かしらないッスか?」
「!」
一瞬、静流が驚いたような顔をした。
「…?」
「い、いや、何も。というか、あの姉さんが落ち込んでたのですか?」
「よく分からないけど…。一回、様子を見てもらえないッスか?」
「…分かった。みてみますね。」
「ありがとうございます!」
一礼するシノを背に通り過ぎる玉置は、少し暗い表情をしていた。
「やっぱりきつく言いすぎましたね…。」
跳ねた髪を更に掻きあげる。
優しげな瞳には、ほんの少しだけ後悔が残っていた。
タマキが彼女を叱り飛ばしたのが相当効いたらしい。
由衣から聞いた話だが、あのあと仕事にろくに手が回らなかったという。
「今はあわない方がいいでしょうね…。」
罪悪感のたまった声でそう言い、亜音の部屋を通り過ぎた。
静かなる獣は
体を失くした紅を見
ためらいながらも去った
しかし獣は思う
必ずまた戻ってくると
その葛藤を
心配する梟は知らない
- 92:しらにゅい:2011/04/14(木)
21:08:11
- 感想投下!
>スゴロクさん
聖さんが受け入れられなかったのもあって
辞めてしまったのではないかなぁと推測・・・
まぁ大部分はきっと本人の言うとおりボケ鳥のせいかとw
どうしてもレストラン勢で話を書きたかったのですが、
正人君も由衣ちゃんと一緒におちょくるだろうなぁ・・・と、
そう考えてたらなんだか彼の口調が若干おかしいことにw
変でしたらすいません(´・ω・`)
>>78
これは某音楽地平線・・・!
スザク姐さんの言う面白さは確かに分かるのですが、
おこちゃまなトキコには良さが分からなさそうだww
素敵な会話文なってますよー!
微笑ましい一こまです(*´∀`)
>>81-88
やはり奴は外道であった・・・ヴァイスこの野朗ォォォ!!
冬也くんを弟のように可愛がっている凪ちゃんになんて、
なんて仕打ちを・・・!!しかも優しい冬也くんのことだから、
きっと凪ちゃんを殺そうとしたことで凄い自分を責める
んだろうな・・・(´;ω;`)
『壊す』為のシナリオを完璧に作り上げる脚本家、
それに踊らされる二人。
しかしそこに現れたのは・・・マナちゃん!
的確なアドバイスで見事冬也くんを、凪ちゃんを救うことが
出来ましたが・・・ヴァイスとの因縁は一体・・・?
徐々に謎に包まれていた彼女、そしてヴァイスの素性が
明かされていくのでしょうか・・・wktkがとまりませぬ!(*´∀`)
>>90
ケイイチ君視点からのスイネちゃん話だー!(*゜∀゜)ウッヒョーイ!
スイネちゃんがいかせのごれ高校に入って間もない頃の
ワンシーンですね・・・コウスケは相変わらずだなwww
なんだかお互い切ない・・・(´・ω・`)
>>91
サーセンした!タマキに変わってマジサーセンした!!
うおおお思っているよりも亜音さんの心にダメージを
負わせてしまったとは・・・なんだか申し訳ない´`;
しかし・・・この同僚設定を生かして出会いのお話とか
書きたくなって来た(ry
- 93:しらにゅい:2011/04/14(木)
22:12:29
『・・・・・・…』
『お待たせしました。』
『あぁ!アキヒロ君、あっちのほうはもう大丈夫なのかい?
心配だったらまた後日にでも・・・』
『いえ、信頼のおける仲間達に託してきましたから大丈夫です。』
『そっか、・・・でもアキヒロ君も心配だろうし、やることやって、
ちゃっちゃと終わらせようか。』
『恐れ入ります。』
『いえいえ!』
***
「………」
「シノ、」
「あ、ショウさん。」
「扉の前で耳付けて何してんだ?」
「あー…いや、これといって怪しいことではないっすけど…」
「十分怪しいだろうが…」
「すいません…けど、アキヒロさんのお客がどーしても気になって。」
「客だぁ?」
「はい、確かカルーアトラズ刑務所の人だとか…」
「!おいシノ、そいつやたら人相悪い粗暴な野郎じゃなかったか!?」
「い、いえ?サングラスをかけた優しそうな人だったっすよ。」
「そうか…」
「ショウさん、知り合いか何かっすか?」
「いや、何でもねぇよ。」
「?」
「それよか、その客…なんでウスワイヤにいんだ?」
「それを知ろうと今こうして調査してるんすよ!カルーアトラズ刑務所といったら、
いわばウスワイヤと真逆の施設…まさか能力者を引き取りに来たんじゃ…って思って、
アキヒロさんには悪いっすけど話を聞こうとこうやって耳付けてるんすよ。
…で、少し聞こえてくるのは、ジングウだとか、パニッシャーだとか…件の男だとか。」
「…全然分からねぇな…件の男?」
「んー…全然分からないっす、途切れ途切れにしか聞こえない…」
「………」
「たまにホウオウグループの名前を出てくるんすけどね、
会話の全貌はまったく分からないっす。」
「何を企てようとしてるんだ…?あいつら。」
「…!」
「どうした?」
「アキヒロさん達、こっちに来るっす!隠れないと…!」
「隠れたら余計怪しいんじゃ、ぐえっ」
「いいから隠れるっす!」
- 94:しらにゅい:2011/04/14(木)
22:13:02
………
『では、また三ヵ月後に。』
『うん、…あ、今度はこっちにも来なよ。評判は悪いけど、
周りの環境は結構良いし、ご飯も美味い。迎えも寄越すよ?』
『考えておきます。』
『手厳しいなぁ…』
『帰りは大丈夫ですか?』
『あはは、今度は入り口まで迷わないって。』
『そうですか。』
『それよりアキヒロ君、早く彼女の元に行ってあげなよ。
後のことは僕一人でも大丈夫だからさ。』
『…ありがとうございます、それでは。』
『またねー。』
………
「ふうー…バレるかと思った…」
「シノ、てめっ…げほっ!」
「いや咄嗟の事でしたし、つい。」
「首引っ張る以外にも選択肢はあっただろうが。」
「ショウさんも細かい男っすねー、そんなんだからいっつも強面……?」
「…どうした?」
「ショウさん、あの人…アキヒロさんが立ち去った後、携帯取り出したっすよ!」
「…あいつ…」
『・・・あぁ、もしもし?シギ?彼の所在は掴めたかい?』
『そう、・・・うん、こっちも収穫無しなんだ。』
『それで、ひとつ頼みたいことがあるんだ。』
『………』
ぞ わ り
「!!」
「ショ、ショウさん!?何するっす、むがっ」
『…またあとで合流しよう、引き続き調査を続行してくれ。』
「………」
「むー!!」
ピッ
「………」
「……………っぷは!なんすかもー!危うく死に掛け…あ」
「ん?あぁ、こんにちは。」
「こ、こんにちは。」
「………」
「シノさん、だよね?アキヒロ君から話は聞いてるよ、先のウイルス兵器騒動で、
特効薬を作ろうと奮闘したんだってね。凄いなぁ!」
「あ、あぁ…いや、あれはみんながいたからこそで…」
「………」
「…隣の人は?」
「へ?あぁ、えっと」
「蒼井聖だ。」
「蒼井聖さんかー…ハジメマシテ。」
「………」
「…?」
「もう少し君たちも話していたいけど、この後用事があるからね…
失礼するよ。」
「は、はい…」
「………」
「Try to stop us,Syo?」
「っ!!」
「っショウさん?」
「………あの野郎…」
監獄の狗
- 95:しらにゅい:2011/04/14(木)
22:15:32
~余談~
「おつかれー。」
「おぉ、ロビン。遅かったじゃねぇか。」
「いやー聞いて聞いて!今日ショウ君に会ったんだよ!」
「………」
「…あー、うん、シギならそういう顔すると思ったよ。」
「あんのクソがここら辺うろついてるだと!?」
「そりゃそうだよ、ショウ君辞めた後どういう経緯かアースセイバーに入ったって話、
前から聞いてたし。…むしろ、何回か任務でいかせのごれ行ってる癖に、
シギとショウ君が会わないのが奇跡だよね。」
「あんな野朗の面なんざ拝みたくねぇよ!思い出すだけでも胸糞悪ぃってのに・・・!」
「キミとショウ君の因縁ってどこから始まったんだい?職場にいた時だって、
顔合わす度に何かと喧嘩してたじゃないか。
・・・一方的にシギが喧嘩売ってたように見えたけど。」
「うるせぇ!!だいたいあの態度がいけ好かねぇんだよ!!いっつも指示聞かねぇし、
好き勝手やるし、戦闘訓練の時なんざ、俺を伸した時のあの顔・・・!!」
「まだあの時の事根に持って・・・」
「今度会ったらぜってぇ只じゃおかねぇ・・・コロスコロスコロスコロス・・・」
「誰かー、アルト君呼んできてー。」
「あら部長、お疲れ様です。」
「あ、お疲れ様メアリーちゃん。いきなりでごめんだけど、
アルト君に連絡取って貰えないかな?シギ君が乱心中でさ・・・」
「分かりましたけど、どうかしたんですか?」
「いやぁ、今日ショウ君に会ったーって言ったら・・・」
「えっ・・・ショウさんですか!?ど、どこで、どこで会ったんですか!?」
「ウスワイヤだよ。」
「ウスワイヤ・・・っもう部長!どうして私を連れて行ってくれなかったんですか!?
看守長にはお守のアルトをつければ良かったのに!」
「だってキミ連れて行ったら絶対暴走するでしょ?ショウ君が好きなのは分かるけどさ。」
「ち、違いますよ・・・そんな、好きなんかじゃなくて・・・」
「じゃなくて?」
「ただ・・・・・・いつもあんなに厳しくて凛々しいショウさんを縛り上げて痛め付けて、
身も心も屈服させられたらどれほど良い気分になれるんだろうなって。」
「うん、やっぱり駄目。」
「えー!」
「キミとショウ君会わせたら絶対カルーアトラズに連れて帰るだろうから駄目。」
「・・・ちょっと縛るだけ、駄目?」
「駄目。」
そんな刑務所の人達の蛇足なお話。
- 96:しらにゅい:2011/04/14(木)
22:26:34
- >>93,>>94
お借りしたのはアキヒロ(本家様)、シノ(十字メシアさん)、
蒼井聖(スゴロクさん)
名前のみでジングウ(akiyakanさん)
そして、兵器でパニッシャー(スゴロクさん)でした!
会話文のみの展開で伝わり難い箇所が多々ありますが、
自分の精一杯がこれです・・・うぬぬorz
本文の中で出てきたTry to stop us,Syo?は、
「無駄だろうけど、僕らを止められるなら止めてみなよ?聖。」
という意味合いでよろしくお願いします。
とりあえず聖さんに接触したかった、ただそれだけ←
>>95 マジ余談です。今後展開に関係あったりなかったりです。
- 97:スゴロク:2011/04/14(木)
23:26:08
-
>しらにゅいさん スザクのお気に入り「緋色」二つは、個人的にはスザク&トキコのキャライメージの一つだったりします。これが言いたいばかりに書きました(ぁ
ヴァイスに憤慨していただけたなら光栄です。ああいう外道、キャラ的には最悪ですけど書くのはかなり楽しいです。自分で手を出さないと言う黒幕的立ち位置なんで、実は結構使いやすかったり。
カルーアトラズ、余裕の姿勢。とはいえ実際、組織と個人では勝敗は見えているわけで。ただ、聖の目的は彼らを止めるより、無用な騒動を起こさせないことなので、まだやり様はあるかな? と。
今回はマナの過去話その一です。3回予定。
「………」
ヴァイスが去った後も、私はその場に佇んでいた。私にとっては、距離も、場所も、壁も関係ない。波動を遮れるものは存在しない。見つけさえすれば、すぐにでもそこに行ける。
だけど、あいつの能力は厄介に過ぎる。見つけても見つけても、影武者のことがほとんど。今日みたいに本人を捕捉できるのは、奇跡と言っていい。
(……あの男さえ、いなければ……)
思いだすのは、10年前。
- 98:スゴロク:2011/04/14(木)
23:26:50
- ―――私の家族は、お父さんと、お母さんと、お兄ちゃん。
静かに、平穏に、毎日を過ごしていた。それが壊れたのは、あの日。
雨風の強い、ある日だった。
『すみません、ちょっと屋根を貸していただけませんかね』
そう言って家を訪れた、眼鏡をかけた、神経質そうなスーツ姿の黒髪の男。お人好しを絵にかいたようなお母さんは、その人を快く受け入れ、家に上げた。
その人は何度も礼を言いながら、いやに畏まっていた。―――思えば、その時点で疑うべきだった。
『ありがとうございます、困っていたもので』
そう言ったその人は、ちょうど帰って来たお父さんに挨拶した。
『ああ、お邪魔しています』
私はその人がどんな人なのか、よく知らなかった。だから、ただ無心にその人の所に行って、
『こんにちは』
挨拶を、した。ただ、それだけだった。
なのに、そこから狂い始めた。
『ああ、こんにちは。……』
『? ……何、これ』
その人の目を見た瞬間、私は体に違和感を覚えた。妙に体が軽くなった、そんな感じがしたのだ。
だけど、幼い私にはそれを伝えるだけの語彙が足りなかった。その意志も、出て来なかった。ただ、首を傾げるばかりで。
『……ふむ。なかなか興味深いですが……これはダメですね』
そう言ったその人は、すっくと立ち上がり、部屋から戻って来たお父さんに向き直った。
『では、そろそろ始めますか』
『……?』
私には、その人が何を言っているのかよくわからなかった。
そして、次の瞬間には、始まっていた。
その人が突然、がくり、と糸が切れたように倒れ込んだ。慌てて駆け寄るお母さんの体が、突然宙に浮いた。
『おかあさんっ!?』
叫んだ私の声を聞きつけたのか、上の階からお兄ちゃんが飛んで来た。
『マナ、どうし……母さんっ!? 父さん、何を……』
お母さんを吹き飛ばしたのは、誰あろう、お父さんだった。なのに、振り返ったその顔には、私の知る穏やかな笑みはなく、凍りついたような嗤いが張りついていた。
(な、に、これ……!?)
立ちつくす私の前で、お兄ちゃんが動いた。その左腕が牙の様なものに覆われ、変異する。
『うおおっ!』
今にして思えば、お兄ちゃんはその時、お父さんがお父さんでなくなったことに気付いていたのだろう。
だけどその時の私は、何も分からずにただ怯えていただけだった。
『おや、先天性ですか。速いですね』
お父さんの顔をした「そいつ」が、お父さんと違う声でそう言って、お兄ちゃんの攻撃をかわす。
振り回される左腕は、異様な素早さの「そいつ」には当たらない。そうしている内に、
『はぁ、はっ……ぐ、ぅっ』
お兄ちゃんが左腕を押さえ、膝をついた。
『使い過ぎるとバックファイアが来るわけですか。それでは使えませんね……』
「そいつ」が呟き、ちらりと私を見る。
『ひっ……』
『……これも使えませんか。ですが、新しい人形は頂きました。ククク、一般人とは思えないポテンシャル……楽しめはしませんでしたが、いい拾い物をしました。では、ごきげんよう』
そう言うと、「そいつ」は悠々と玄関から出て行ってしまった。
『く、待てっ!!』
お兄ちゃんも「そいつ」を追って飛び出し、そのまま戻って来なかった。
後には、もう息をしていないお母さんと、立ちつくす私だけが残されていた。
忌まわしき思い出
(一つの思いやりが悲劇を生んだ)
(引き金は人形遣いの道化師)
(少女はその日、全てを奪われた)
(そう、「全て」を)
- 99:(六x・):2011/04/15(金)
14:16:47
- >スゴロクさん
アイスブラスター伏線回収&長編ありがとうございました!
凪と冬也のキャラもばっちりですよー!なにこのイケメン…こりゃ冬也も惚れるわ^^
助かったけど、親父がこれを知ったら怒り狂うな…
本編は久々のギャグ、凪とアオイの初対面の話です。
スゴロクさんのアオイと、サトさんのスイネをお借りしました。
- 100:(六x・):2011/04/15(金)
14:17:43
- 爪ス゚-゚スp♀q
「さっきすれ違ったチャラ男、スイネの乳ガン見してたぞwま、これだけデカけりゃ見たくもなるか。」
「時々思うんだけど、凪ってホントに男の子みたいよね。おじさんのがうつったんじゃない?w」
「なっ…男みたいだと思われるのは別に構わんが、アレと同列に扱うのはやめてくれ!私をあんな変態糞親父と一緒にするな!…ん?」
(^p^)お姉さんお姉さん
(`p')俺らとスケベしようや…
「え?すけ…なんですか?」
「凪、あれって…」
「真っ昼間からナンパか、気持ちの悪い。…スイネ、これ持っててくれ。あの豚共制裁してくる。」
「え?」
「こいつ俺の連れなんすわぁ。」
爪ス゚-゚スつ川゚o゚リ!?
「「こいつが彼氏ww冗談にもほどがあるww」」
「何だって?(黒笑」
「「ひぃ!!失礼しましたー!(逃走」」
「ふん、薄汚い豚共が。」
「あ、ありがとうございます…。」
「礼には及ばん。この辺は変なの多いから気をつけろよ。」
「はい…。あなたは、優しい方ですね。」
「!?…ああいうのが嫌いなだけで、別に優しくはない。」
「それでも、(多分)悪い人からわたくしを守ってくれたんですもの。立派なことには変わりませんわ。(キラキラ」
「そ、そんな目で見るなっ///」
「照れないでくださいなwあなたみたいな素敵な殿方初めて見ましたので、つい。」
「あの、凪は女の子よ?」
「まぁ。それは失礼致しました。」
「いや、言われ慣れてる…気にするな。」
最終更新:2012年02月29日 12:33