企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
- 1:鶯色:2011/04/04(月)
16:19:48
- ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
•本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
•時系列は本編(2002年のGW4月28日~)よりも前の話が主になります
•本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
•人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
•ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/27.html
前スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
- 2:鶯色:2011/04/04(月)
16:22:17
- 関連スレ
・キャラ企画つれっど
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1190700851/
・企画キャラのイラスト化計画
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1295199336/
・企画キャラのイラスト化フラ化投票 ― かつての人気投票会場
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1212971648/
関連URL
・ナイアナ企画@wiki
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/
・企画キャラ絵板
http://www3.atpaint.jp/naianakikaku/index.htm
- 3:鶯色:2011/04/04(月)
16:32:47
- ~スレ立てここまで~
という訳で前スレに余裕がなくなってきたので立てました!
企画小説スレもとうとう2スレ目ですね
キャラ企画スレが立った時から見ていた自分としては感傷深かったりします
- 4:鶯色:2011/04/04(月)
17:04:18
- 2001年10月25日、ストラウル跡地の廃ビルが倒壊する事故があった
ストラウル跡地―――三年前、超能力の研究を行っていた組織ストラウルが壊滅したことで廃墟になった場所だ
「発見できた生徒は高校生の男女二名です」
十数人が収まる程度の大きさの会議室
ふわふわとした金髪、長身の青年は淡々とした口調で事故の実態を説明している
その場にいる者は皆、またかとでも言いたげな表情で青年の声に耳を傾けていた
ストラウル跡地で事故が発生するのは初めてではない
いや、小さな事故も含めれば数えきれないほどの件数になるからだ
壊滅後2年ほどには大規模な建物の倒壊、近い時期でも廃ビルが炎上するなどといった事も起きている。
今まで幾度も世界を守ってきた組織アースセイバー。
普通の人々には扱いきれない事件を担当とし、解決してきている
この場所にいる彼らはみなその一員であると同時にストラウルの事件の当事者である者がほとんどである。
しかし先ほどのような一般的な事故となればそれの調査があるかないか
普通の事故は全て警察が受け持つのが当たり前だからだ
事故現場が普通では無かったため情報は全て入ってくるものの、
警察が処理できる事故ならばアースセイバーの出る幕は無いのが現状だ
もっとも、組織の表の顔であるウスワイヤの仕事が増加してきている中で普通の事故まで背負い込むのも難しいのだが
『奴ら』との関係は?との質問に「恐らくないかと…」そう告げて事件の説明も終わり
この会議も終了かと思った時、発言を求める声が飛んできた。
「もう一度、ストラウル跡地の安全調査をさせてくれないか」
そう言ったのは全身を白と黒で包んだ、長身で体格もいいどこか風格を漂わせている男であった。
「でもよ、バク。スト跡地の調査ならもう済んでいるし、レイスの件が原因だろうからあまり意味が無いんじゃないか?」
狐目で屋内にも関わらず帽子を被った青年が言う。
たしかに現場の調査は3年前に行われている。しかしバクと呼ばれた男は落ち着いた様子で、いや、と呟く。
「あの場所ではもう何度も事故が起きている。これはレイスの影響だというのもわかるが、それ以外の危険があるという可能性も拭えないだろう
事を未然に防げるのならそれに越したことはない。」
何か釈然としないという顔を見せる帽子の青年。それを横目に、いいだろうと隣にいた男は承諾の言葉を出す。
「事故の直後では警察の人間が多いだろうから、そのあたりは俺が調整する。同行者が必要だろうが、誰にするつもりだ?」
バクが感謝の念を伝えた後、「オレがやってやるですぜー!」と声が上がるのを帽子の青年がツッコミを入れるという漫才を見つつ。
「今回は只の調査だ、前回の調査内容や緊急時なども私が対処するから皆のような熟練者は必要ない。
むしろ今回は、連れて行きたい奴がいるんだ」
- 5:鶯色:2011/04/04(月)
17:05:16
- 11月に入り外に出れば息も白くなる時期。
比較的温暖ないかせのごれ周辺も例外ではなくどこに居ても寒さを感じる季節になった
そんな中世間、特に学生達は受験シーズン真っ只中だ。受験生達は皆勉学に追われ
それまで遊び呆けていた者たちも危機感と焦りが生まれはじめている
しかしどんな所にも例外というものはある
とあるアパートの一室で対戦ゲームに没頭していた二人の少年もその例外の中のひとつだった
その一人の少年は肩まである癖毛な黒髪と小柄な体系で中性的な雰囲気を持っている
名前は「ハヤト」、いかせのごれの隣町にある扶余中学校に所属している三年生だ
彼もまた受験生ではあるのだが受験をまじめに考えた事が無く、
どんな高校でも中卒よりはいいだろうと考えている為上記のように危機感を覚えているわけでもなかった
そんなわけで、この日も傍らにいる友人のケンジと一緒に遊んでいた
しかし日も傾き始めた頃、今までやっていたゲームにも飽きたところでハヤトが別のゲームを探していた時
そうだ、とケンジが声を発した
「あ、俺そろそろ塾の時間だから」
そう言い放って席を立とうとするケンジ。その言葉にハヤトは耳を疑った
「は?お前塾なんか行ってたの?」
そういってハヤトはただでさえ大きい目を更に大きくし身を乗り出して疑問を投げかける
投げかけられたケンジもまた疑問の内容か大きな声か、
または両方かに対し豆鉄砲を食らった顔で「あれ、言ってなかったっけ?」と間の抜けた声をひねり出した。
「わりいわりい、俺一か月くらい前から塾に行かせられる事になってよ
理由はアレだ、このままだといかせのごれ校にしか行けねえみたいだから。もうちょい上を目指してんだよ」
「はあ?んなの聞いてねえよ、てかそのいかせのごれ校の何が悪いんだよ」
そう聞くと今度はケンジが目を大きくした
「ハヤト、お前なあ、あそこの奴らの話してやったろが。覚えてねえの?」
「つまんねえから聞き流したし。」
「聞けよ!いいか?もう一度説明してやるからよーっく聞け。」
ケンジはそう言って話し出す。ハヤトにとっては興味がない話なので仕方ないと言ったような顔で聞き始める。
- 6:鶯色:2011/04/04(月)
17:05:50
- 「あそこはなあ、やばい奴の巣窟なんだよ、
この前裏通りを通ったっけいきなりガン垂れて来るやつらがいてよ、そのままカツアゲされかけたんだよ。
そしたらそいつらに邪魔だとか言いだす奴らが来てよ、そのまま縄張り争いみたいのが始まったんだ。
先にいた奴らは5、6人いたが後から来た奴らはたったの二人でよ、
しかも先の奴らは武器とか色々もってたんだ。もう勝負は決まったようなもんじゃねえか。
だがな、その2人組の一人の頭もさもさしてる奴が「俺めんどくせえからパスな」とか言い出してよ、
一人で5、6人はマジ無理だろ?だからそいつらがキレてよ、もう一人のいかついのに飛びかかったんだよ
でもそっからが凄くてよ!そのいかつい奴が飛びかかってくる奴らを千切っては投げ千切っては投げ…で、次々とのされてくんだよ
いかつい奴はほんと体格やばかったけどよ、そいつらもひょろいわけじゃなかったんだ
そうっとうムキムキなやつも一人いた。それでもガンガンやられてってよ。もう腰抜かして動けなかったよ
んで結果はいかつい奴の圧勝。やばくね?そんな怪物が存在するんだぜ?あの学校は
しかも後からいっぱい人が来てよ、そのいかつい奴の舎弟っぽかったんだ
これはもうアウトだろ?もう無理、駄目、そんなグループがひしめき合うような所なんだよ!
他の奴の話ではしょっちゅう備品が不自然に壊されてたり、ある日には猫耳集団が作られてたり
更には“ゲルゲルゲル”とか言いながらいきなり分裂するような生物が生息してたりよ
今年に入ってからでっけえ事件も多いらしくてな
もう何人か死んでる奴もいるしよ、死ななくても大けがしてるやつも沢山いるみてえだし
これはもう人型破壊兵器や上半身もねえのに動き回る男、更には超能力者がいてもおかしく…」
ダァン!!
「ウェ!?」
興奮した様子で語る彼を制するように、ハヤトが机を思いっきり殴った
その音にか行動にか、驚き目を丸くしているケンジにハヤトは詰め寄った
「…俺の前でそういう話するなって言ったよな?」
「あ、そうだっけか…?」
そういえばそんなことを言っていた気もする
しかしこんな過剰反応を見る事は中々無く、オカルト話しが好きなケンジとしては驚くばかりだ
「あのなあ、超能力だとか殺人兵器だとか、そんなもんは存在しないんだよ」
「でもな、俺確かに聞いて…」
反論しようとしたケンジだが、ハヤトに睨まれ押し黙ってしまう
“やばい、殺される”
ケンジは焦っていた。彼はケンカにはめっぽう弱く、それに反するようにハヤトは強い
もしこのまま殴りかかりでもされたら…
そう思うと、震え上がる思いだ
怯える彼を睨みつけていたハヤトは、ふっと興味をなくしたかのように玄関へ向かった
「へ?」
「俺帰るわ」
「お前は勝手に妄想でもしてれば?」
そう吐き捨てて、ガシャン!とドアを閉めていった
残されたケンジは茫然としつつ、一つの疑問を浮かべていた
- 7:鶯色:2011/04/04(月)
17:07:33
- 苛立ちの逃げ場を作るように友人の家を出たハヤトは、ふらふらと帰路についていた
気付けばあたりは人気もない川辺の住宅地。川の流れる音がざあざあとうるさくて、心地いい
少し眺めていたくなって、川にかかる橋の柵にもたれかかった
夕焼けに染まり始めた景色、朱を帯びた空と雲、道を跳ねる様に歩く鳥
なにもかもが日常的で、先ほどのケンジの話などこの風景にはとても馴染むとは思えない
柵に掴まったまま空を仰いだ。そう、破壊兵器も、超能力も、この世には存在しないんだ
そう強く思うとケンジへの苛立ちが一層増すと共に、どこか安心した気分になった
不意に、ゴオオと音が聞こえたような気がした
そうすると、一瞬現代にあるはずもない飛行物体が視界を横切った
「!?」
赤と黄に染まったボディと、プロペラもない四角の形
少なくとも今までの人生の中では見た事が無かった
破壊兵器や超能力が、全てあの飛行物体に肯定されたような気分になって
「あー、くそ」
既に姿を消したそれを追いかけて、ハヤトは走り出した
非日常なんて存在しない。それを信じたくて、確かめたかったのだろう
そんな少年の滑稽な姿を、鳥はただ見ていた
『日常と非日常』
***
と言う訳で初雪に足跡を付けるような気分で2スレ目初小説!
書く書く詐欺消化第一弾、遅くなりましてすみません
ネモさんの「七篠 獏也」、本家から「アキヒロ」「ラム」「KEA」「チャド」お借りしました!
ハヤトが結構荒れていますが、過去話につき仕様です
中盤のケンジ劇場も読み飛ばしOKな仕様ですw
- 8:しらにゅい:2011/04/04(月)
17:52:41
- スレ立てお疲れ様でしたー!
まさか2スレ目が立つとは企画主としてもびっくりd(ry
では前スレッドと現スレッドの作品の感想を書いていきたいと思います!
「店長の素性―プロローグ―」
人を信用できない人生、ですと・・・!?そんな、亜音さんはそんな人には
見えないのに一体どういうことなんですか!?(;´Д`)
と冒頭の部分でそんなことを思いながら見ましたが、・・・なるほど、
ノルンとノアと別れたのはこの時だったんですね。
家族を殺され、大事な弟たちを奪われ、そして自分も殺される、見知らぬ人に。
確かにそんなことがあれば、簡単に人を信じるだなんてなかなか
出来ないでしょうね・・・
激しい自己嫌悪に囚われなきゃ良いのですが・・・(´・ω・`)
「未来を奪われた日」
流石愉快犯ソース元汚い、汚いぞ!(ぇ
あぁ、火波一家の幸せそうな一面・・・綾音ちゃん可愛いよ綾音ちゃん・・・!
しかし平和なのも束の間、残酷な運命は急に訪れるもので・・・うぅ(´;ω;`)
あんなに幸せだったのに、綾音ちゃんが連れ去られて火波一家は、
パズルのピースの一つを失ったかのようにボロボロに崩れていく・・・
こんな運命が後の彼女を作ったとはいえ、悲惨ですね・・・
そしてクロウさんが相変わらずかっこいい件について。
惚れてまうやろー!(ぇ
「日常と非日常」>>2-7
本編を彷彿とさせるような出だしから始まったアースセイバーの会議。
バクヤさんとアキヒロがかっこいいなぁ(*´ω`)
そしてチャド可愛いよチャド(ry
若い頃のハヤトくんじゃないか!・・・って今も十分若いですがw
おお、ケンジ劇場すっとばしても良いとは言われてましたが、これよくよく
見ると本編キャラ出まくりじゃないですか!いかせのごれ高校ではない
生徒の視点から見るのも面白いですねw・・・ゲルゲル?ユウキのことかぁぁぁ!!!←
人型破壊兵器や上半身も無いのに動き回る男のくだりは思わずニヤニヤ
してしまいました、そしたらハヤトくんに怒られました(´・ω・`)ショボン
しかしこの様子から見ると、ハヤトくんは能力覚醒済みなんでしょうかね・・・
だから非日常に対し苛立ちなどが・・・と色々憶測してしまいますが、
とりあえずニヤニヤしながら続きを待たせて頂きますね(*´∀`)ウフフ
- 9:しらにゅい:2011/04/04(月)
19:19:07
- 「こんにちは。」
「ん?・・・あぁ、タマキか。」
「この間はどうも。」
「いえいえ、無理に付き合わせ悪かったね。」
「大丈夫ですよ、むしろ楽しかったです。」
「そうかい、それなら良かった。」
「あぁ、そうそう・・・氏型さんなんですが、経過は特に悪くなく、
徐々に能力のセーブも効く様になってきてます。旅行の件もあってか、
積極的に物を受け入れようと気持ちにも変化が現れてきてますし・・・
特に悪くはないと思いますよ。」
「・・・そう、願ってた通りに彼女が変わってるなら、旅行を企画した身としては嬉しいよ。
・・・あ、そうだ注文は?」
「コーヒーで。」
「あいよ。」
「「・・・・・・・・・」」
「はい、お待ち。」
「なんだかラーメン屋みたいな言い方ですね。」
「うちはレストラン、別にそんなつもりはないんだけどね?」
「分かってますよ、・・・いただきます。」
「・・・・・・・・・」
「・・・亜音さん、元気無いですね?」
「へ?そう、かい?」
「はい、なんというのでしょうか・・・覇気というものがないと言いますか・・・」
「・・・うーん、特に意識はしてなかったんだけどねぇ、働き過ぎかな?」
「亜音さんが気を張らなくても、事は順調に進んでますから大丈夫ですよ。」
「・・・それはどういう意味だ?」
「ただ流れ行くままに進んでる、ということです。」
「・・・・・・・・・」
「いいんじゃないんですか?良くも悪くも、由衣ちゃんをアースセイバーの一員として
確立させたわけですから。」
「・・・おや、なんで分かったのかね?あたしが関わってるって。」
「弱い由衣ちゃんが、自分でアースセイバーに入るなんて言わないと思いましたので。」
「結構言うな・・・」
「言いますよ、現実的に見て彼女は弱いです。力も精神も。」
「・・・」
「でも大丈夫です、きっと今回の騒動を乗り越えれば彼女は強くなれます。
少なくとも僕は信じてますし。」
「・・・胡散臭い気休めね。」
「言葉は、ね。」
「・・・」
「亜音さん、僕と会話するの嫌ですか?さっきから口数少なくありません?」
「ああ、そうやって表の面をして会話する奴は嫌いだね。」
「・・・・・・・・・」
「タマキはブラックなんか飲まないよ、あいつは甘くしないと飲めないんだ。
それに、いつもならマサムネを連れてここに来る。」
「・・・っは、人間観察は流石だなぁ。まぁ人間不信なら、
人の顔色疑わなきゃ生きていけねぇしな?」
「黙れ。」
「黙らねぇよ、これはお前が望んだことだろ?」
「・・・・・・・・・」
「人と付き合えば自分は傷付く、だから他人と自分とに一線を置いて接触を極力拒む。
他人がずけずけと自分の中に入って、壊されないようにする為に。」
「っあんたにはあたしのことなんて、何も分からないだろうが!!」
「ああそうさ、知りたくもねぇよお前の事なんざ。」
「っ・・・」
「お前が他人を信頼しないなら俺もお前を信頼しねぇ、だから知りたくない。」
「それは・・・」
「それともなんだ?お前は信頼しないくせに他人からは信頼されてぇのか?
おーおー、酷ぇ女だな。」
「っ帰れ、今すぐに!あたしの目の前から消えろ!!」
「へいへい、お望みならば今すぐにーっと。」
「っはぁ、はぁ・・・」
「・・・ああ、そうだ亜音、」
「・・・何?」
「働き過ぎなら一旦店閉めて、そして寝ろ。お前の病んでる表情見ながら飲むと、
気分が悪いし不味くなる。」
「・・・・・・・・・」
「じゃあな。」
店長と軍人
(気遣いか、ただの文句か)
(どちらにせよ店長は知ろうともしないだろう)
- 10:しらにゅい:2011/04/04(月)
19:25:01
- >>9 お借りしたのは楠原亜音、名前のみで氏型環(大黒屋さん)でした!
ごめんなさい、「店長の素性」を受けて衝動的に書いてしまったのですが、
亜音さんらしくないところが多々あったかもしれません・・・orz
ちなみに最初から最後まで裏タマキです、ご存知の通り。
あえて多くを語るまい・・・!
でも亜音さんは人間不信抜きでもきっとタマキの変化に気付くだろうなぁ、
と思い書きました。
とりあえずトキコ関連を書く作業に戻ろう・・・ススス(((´・ω【壁
- 11:大黒屋:2011/04/04(月)
19:52:58
- >鶯色さん
新スレ開設&初小説お疲れ様でした!
本編にここまで忠実なのは久しぶりに見たのでなんだか新鮮な気分でしたw
これからもスレが盛り上がることを自分も期待してます!
>しらにゅいさん
環ちゃんといい店長といい、連続で使っていただきありがとうございました!oyz
環ちゃんの話は最初ほのぼのだったはずだったんですがプチ引き金になってしまいましたね;すみません;
亜音さんの過去も、このタイミングで突っ込んでもらえるとは!裏タマキ、ナイス(蹴
二人のすこし違う場面が見れてよかったですw
- 12:十字メシア:2011/04/04(月)
23:10:26
- うへーw
とうとう2スレ行きましか!
次は3スレですn(ry
「さあ、お喋りはそこまで。ご注文は?」
ミユカ達の会話を制した店長は、ミユカとシグマにメニューを渡す。
「…?」
使い方が分からない様子のシグマ。
そこに由衣が助け舟を出す。
「これに載ってるやつから、食べたい物を選ぶんだよ」
「食べたい物…」
ミユカは決まったらしく、メニューから顔を離した。
「私はカルボナーラ!後、デザートにヨーグルトパフェね」
「はいよ。そっちは?」
シグマはまだメニューを凝視している。
「う~…」
「シグたん、まだ決まってないの?」
「だってさー、どれも食べた事ない物ばかりだぜー?」
その言葉に、店長の顔つきが一瞬変わった。
「じゃあ、私のやつと一緒にする?デザートも付けて」
「でざーと?」
「甘い食べ物の事だよ。どうする?」
「…ミユカと同じにする!」
「んじゃお願いしまーす♪」
「…由衣、私は2人と話すから、代わりに作ってくれる?」
「あ、はい。分かりました」
再び由衣は奥へと戻る。
「店長、話って…?」
「…ミユカ、その子…どうしたの?」
「え?」
店長の突然の言葉に、ミユカはキョトンとした表情になる。
「その子、あまりにも『知らな過ぎる』からね…さっきだって、食べた事ない物ばかりって言ってたし」
「あ…」
レストランのメニューには、シグマぐらいの子供でも知っている食べ物もいくつか載っている。
それが不自然に思ったのだろう。
- 13:大黒屋:2011/04/05(火)
21:44:49
- 2レス目初の小説がいつもより短くなっていいのだろうか;
名前のみしらにゅいさんより「玉置静流」をお借りしました。
気分転換
「はぁ!?店長が休み!?」
素っ頓狂な声を由衣はあげていた。
「疲れがたまって寝込んでしまったんです。状態は悪くはないんですけどね。」
「店は好きにしていいって言ってた。どうする?今日は閉めておくか?」
由衣は少し考えたが、すぐに首を横に振った。
「うちは年中無休も売りの一つなんだろ?この期に及んで休めるか!」
そう言うと由衣は店の鍵を開け、「close」の札をひっくり返した。
「今日は忙しくなるぜ!」
薄い色の天井を見上げていた亜音は、頭まですっぽりと毛布に埋もれた。
目より上までを毛布から出し、きょろきょろとあたりを見回した。
「タマキ」に核心を突かれ、動揺してしまった自分は、その後の仕事に手が回らなかった。
このままでは皆に迷惑をかけると思い、勝手ながら休んで部屋に籠っていた。
『人と付き合えば自分は傷付く、だから他人と自分とに一線を置いて接触を極力拒む。
他人がずけずけと自分の中に入って、壊されないようにする為に。』
「…まったくもってその通りだよ。」
ため息交じりに呟いた。
あんたは何も知らないなんて反抗したけど、全く持って逆だ。
長年の付き合いだ。タマキ…玉置が自分のことをこれっぽっちも知らないわけがなかった。
タマキだったからあんな言い方されたものの、言われなくてもすぐに崩れていたことだろう。
「かといってもうすこし優しい言い方できなかったのかね…。」
人間不信。
たったそれだけだが、店を営む彼女にとっては大きな障害となった。
笑って相談を受けて、アドバイスをしていた自分が、どういう人間だったのかさえ思い出せない。
「っはぁ…。」
スランプならいっそその方が楽だろうなと、思った。
「今ウスワイヤ行ったら迷惑よね…。」
ふと、そんな考えが頭をよぎった。
ずっと店に籠りっぱなしだったのだ。いい加減外に赴いた方がいいかもしれない。
「気分転換も兼ねて、ちょっとごたごたの整理の手伝いに行ってくるか。」
布団から出、着替えるとかるく靴をつっかけてウスワイヤに向かった。
- 14:スゴロク:2011/04/05(火)
21:52:52
- 2スレ目初参戦です。「朱雀の墜ちた日」の続きです。
「ああ、もう、どうして玉置先生いらっしゃらないのですのーっ!?」
こんな時に限ってーっ! と思わず叫びつつ、校内をアオイは走る。
スザクが突然意識不明になり、大慌てで彼女を背負って保健室に走ったのだが……なんと静流は不在。
こんな時に、どこに行ったのか。
半ば以上パニックに陥りながら、とにかく姉を安全な場所へ運ぼうと学校を飛び出し、無我夢中で自宅へ向けて一目散に走る。
と、
「え、あれ、えっ?」
「!?」
聞きなれない声が届いた。思わず足を止めて振り返ると、美しい黒髪の少女が呆気に取られているのが目に入った。実際に見たのは初めてだが、話には聞いていた。その姿は、
「ブランカ、さん?」
「あ、あなた、一体……綾ちゃん!?」
少女……ブランカ・白波は、アオイの背負う親友の姿に、瞠目した。
「実際にお会いするのは初めて、ですわね……プランカ・白波さんですわね? わたくしは火波……綾歌、と申します」
姉が彼女には本名で通していたと聞いていたアオイは、それに倣う形でやはり本名を名乗る。対するランカも、おずおずと返事をする。
「は、初めまして。ランカ、でいいです。……綾ちゃんの、妹さん、ですよね?」
「ええ」
どこから聞いたのか気にはなったが、それより今はスザクの方が問題だった。ランカの自宅にスザクを運び、アオイは状況を説明していた。といっても彼女にわかるのは、スザクが突然意識不明になった、ということくらいなのだが。
「綾ちゃん……」
親友の思わぬ危機に、ランカの眉が悲しげに寄せられる。
「屋根を貸していただいたのはありがたいのですが……姉様、本当にどうして……」
アオイにも、ランカにも、それは答えの出せない問いだった。
昨日までは何ともなかったのだから。ただ、アオイについては少し、心当たりがあった。昨夜、遅くになって帰って来たスザクは、異様なほどに消沈……というか、まるで灰のようだった。
(何か、あったのでしょうか)
ランカも思いは同じ。ただ、考えることは少し違っていた。
(綾ちゃん、昨夜お話した時……すごく元気なかった。どうしたのかな……)
4年を経て帰って来た父・シドウ。彼から全てを聞かされた綾音……スザクと、大悟……ゲンブは、呆気に取られつつも納得したような、複雑な表情を浮かべていた。ことにスザクの方は、まるで奈落に突き落とされたような面持ちでなかば放心していた。
とはいえ、それで答えが出るはずもなく。
(スザク姉様……)
(綾ちゃん……)
二人の見つめる先で、ベッドに寝かされたスザクは、答えることも目覚めることもなく、ただ、死んだように眠り続けていた。
と、
ピンポーン、
沈んだ空気を貫くように、チャイムの音が響いた。ランカの返事を待たぬ間に、ガチャ、とドアが開き、訪問者が入って来る。
「こんにちは、ランカ。どう、調子は?」
「マナちゃん?」
ランカの言葉に、訪問者―――夜波 マナは、めったに見せない微笑みを浮かべ、
「―――!?」
部屋の奥に寝かされているスザクに目を留め、場を覆う空気から異変を察し、表情を冷徹なものに戻し、
「どういうこと、これは?」
一言、尋ねた。
- 15:スゴロク:2011/04/05(火)
21:53:23
- 「………そう」
あらかたの事情を聞いたマナは、やはり一言、静かにそう答えた。
「マナさん、姉様に何が……」
縋るような思いでアオイがそう問うと、マナはすたすたとスザクに近づき、その胸をはだけてすっ、と指を添えた。
「? 何を……」
「私の『ウェーブリンク』でスザクの精神を探る。禁じ手だけど、本当は」
言うと、静かに瞑目し、能力を発動する。マナの能力は、空間に波を起こし、それと同調することで情報を集めたり、波そのもので防御を行ったりという、応用力の高いものだ。イレギュラーな使い方ではあるが、人に対して直接使えば精神同調も可能である。特有のぽーん、という音が鳴り、マナの感覚にスザクの精神が共鳴する。が、
「――――ッ!?」
あまりに異様な「その感覚」に、たまらずマナは同調を解除してしまった。のみならず、後ろにたたらを踏んでへたり、と尻餅をつく。
(な、何、今のは……!?)
「マナちゃん!」
「マナさん、どうなさいましたの!?」
ランカとアオイが驚いて近くに来たが、マナ本人はそれどころではなかった。感じたものが、あまりにも衝撃的なものだったから。
「マナさん、姉様に何が……」
アオイの問いに、マナは無表情に、しかしどこか動揺したように答える。
「何と言うのか……スザクの心が『どこにある』のか、掴めなかった。感じたのは、闇だけ」
「闇?」
よくわからない、という風情で、ランカが首を傾げる。ウスワイヤの関係者とは言え、彼女は入院生活が長かった上に一般人扱い。能力や精神世界に関する詳しい知識はないに等しい。
そこのところをわかっているのか、マナはやや噛み砕いて説明する。
「私の能力で精神同調を行った場合、その人の心と繋がる事が出来る。その際、私には心の状態が『位置』として認識できる」
「うん」
「だけど、今スザクに同調を試みたところ、その『位置』がまるでわからなかった。周りに感じたのは闇ばかりで、何の変化もなかった」
「それは、つまり?」
アオイの問いへの答えは、
「闇の中で心の位置がわからない……スザクの視点からすれば、自分の居場所……というか、存在している目印のようなものを見失っている状態」
「自分がどうしてここにいるのか、何のために存在しているのかわからない、と?」
「そう。周りに何の変化も感じられなかったのは、その『迷子』の状態から抜けられないということ。心の内には常に変化がある、普通。人は色々なことを考えているから、ぼーっとしていても。だけど、スザクにはそれがなかった。つまり……」
はっ、としたランカが呟く。
「同じことばかり考え続けて、そこから抜け出せなくなってる……」
「そういうこと」
ただ、と前置きし。
「わからない、こうなった理由は」
「そう、ですの……」
肩を落とすアオイ。ランカも沈鬱な面持ちで押し黙り、マナもそれ以上口を開かない。
どうすればいいのか。スザクのために、何をしてやれるのか。
彼女達には、わからなかった。
(姉様……)
(綾ちゃん……)
(スザク……)
心の中の呟きに、答える者はない。
朱雀、闇に囚われて
(彼女らは知らない)
(友の眠る理由を)
(歩んだ道を否定された者の絶望を)
- 16:しらにゅい:2011/04/05(火)
23:46:39
- 「・・・んー、こないなぁ・・・
まぁ、流石に一日ですぐ来るわけないよな・・・うん。」
こうやって何度も携帯画面を見つめては落胆する。
こんな気持ちになるなんて初恋をした時以来だと、俺は思いながら、
いかせのごれを歩き回っていた。
今日はロビンさんの付き添いとしてウスワイヤに来てたんだけど、
別件の方で慌しく、まともに情報交換出来るような雰囲気ではなかった。
ロビンさんはロビーのソファに座りながら、
「僕なら待てるから、アルト君先戻ってて良いよ。」
と俺に告げるや否や、携帯を取り出して電話をかけていた。
・・・多分、その内奥さんと繋がって惚気出すと思うから、俺はその言葉に素直に従って、
一足先にホテルに戻ることにした。
そういうわけで今俺はホテルへと向かっているんだが、
実は昨日スザクちゃんにあれを渡して以来、ずっと携帯を弄りっぱなしだ。
もちろんこれからのことについて話したい、というのもあるんだが、
あんまりゆっくりしていられないからでもある。
「・・・はぁ、タイムリミットまで、後・・・何日だったかな。」
タイムリミット、それは俺達が仕事を終えてカルーアトラズ刑務所に戻るまでの期日。
その期間は約一週間、仕事が早く終われば早く戻れるが、
何か滞って仕事がもし遅れてしまっても、別のチームが派遣、そして交換される為、
猶予は一週間しかない。
それが何を意味しているのか、といえばトキコちゃんのことだ。
恐らくシギは仕事が終わるまでにトキコちゃんが決められなかったら、
連れて行くつもりだ。カルーアトラズへ。
カルーアトラズ刑務所に収容するわけではない、おそらく、家庭の事情と偽って
彼女と彼女の友達と引き離す為だろう。
シギが望むのはきっと、『ホウオウグループ』としてのトキコちゃん。
その方が犠牲が少ないし、何より余計な事を考えずに身を流すことが出来る。
・・・そう、トキコちゃんにとってホウオウはもう切っても切り離せない存在にある。
- 17:しらにゅい:2011/04/05(火)
23:47:17
「・・・そこが問題なんだよな。」
今のトキコちゃんにとってホウオウを裏切るという行為は、
まさしく『死』を意味する。
仮に誰かがトキコちゃんを諭してホウオウグループから抜かしてしまえばどうなる?
その時トキコちゃんは一時的な感情で判断してしまうかもしれない、
けど・・・やがては自分の行いを悔い始めるだろう、そして裏切り者のレッテルを
背負いながら、彼女は再びホウオウと対峙しなければならない。
その時、彼女は自我を保てるか?・・・出来るわけないよな、
絶望の淵から救い、彼女を解放し、今この場を与えた男の存在はまさしく、
救世主に等しい。その人を裏切る、とはどれほど罪深く、そして身勝手な行いか。
だからシギは、トキコちゃんに決断を迫った。
『ホウオウ』か、『ホウオウグループに害する友人達』を。
「・・・まぁ、それとシギの暴力は関係無いけどな。」
しかしよく考えてみれば結果としては、娘の意志を尊重・・・はしているし、
何より彼女の為を思って行っている行為になるだろう。
そんなことシギに言ったら警棒でしこたま殴られるけど。
思うに、あの親子は無意識が多いんだよなぁ・・・自分が意識してなくても本当は、と
言うのだろうか。
トキコちゃんは母を嫌いながらもどこか母の温もりを求める。
シギは娘を嫌いながらもどこか彼女を護ろうとする。
長らく付き合ってなきゃ、そういう違いが分からないよなぁ・・・
なんて感傷に浸るけど、実際トキコちゃんが、シギがそう思ってるかと言われれば、
単なる憶測だ。
でもあの親子は親子だ、似てるとこたくさんあるし。子供っぽいとことか。
ふと、俺は腕時計に目を遣った。
まだ時間はある。
「・・・スザクちゃんを探しに行くか。」
もしかしたら、あの時のように偶然に会えるかもしれない。
そんなことを思いながら、しばらく一人で歩いていた。
すると、向こうからバタバタと誰かが駆けてくる。
女の子が、女の子を抱えてる。
(なんかシュール。)
特に深い意味はなくそんなことを考え、彼女達の横を通り過ぎようとした。
(・・・ん?)
雪のような真っ白い髪をした少女。
どこか最近見たような気がする。
そしてそのまま彼女達は通り過ぎていった。
ちらり、と見えた赤い髪。
どこか、最近見たような気がする。
「・・・・・・っまさか!?」
人違いであって欲しい。
まさか、今抱えられていた少女が昨日自分が希望を託した少女だなんて。
そんな嫌な偶然起こすなよ、なぁ神様!?
或る男、走る
(冷静さを欠いた男は)
(彼女の妹の背を追った)
- 18:しらにゅい:2011/04/05(火)
23:51:21
- >>16-17 「朱雀、闇に囚われ」の同系列?に当たるお話です。
半ば衝動的に書かせて頂きました・・・ヒイイ(;´Д`)
怪しい男がアオイちゃんの背中追ってるよー!?どうすんのー!?
みたいな具合になりましたが、これをどうするかはちゃんと考えてますんで
ご安心を!(ぇ
第三者視点であるアルトの独白が何か参考になれればと思い書きましたが・・・
参考にも値しないわこんな三流文ー!\ガッシャーン/
感想は後ほど書かせて頂きます!
- 19:スゴロク:2011/04/06(水)
00:24:43
- 「朱雀、闇に囚われて」の続きです。
「………あっ」
マナがそんな言葉を発したのは、3人が沈黙してからしばらくの時をおいてからだった。
ランカからの緊急連絡を受け、急行したゲンブが到着した、まさにその瞬間のこと。
その彼が、息を切らしつつ言う。
「どうした、マナ」
「もしかしたら、スザクが眠っている原因は……昨夜の、シドウさんの話かもしれない」
『え?』
3人の声が合わさる。アオイに関しては、まだよく事情を呑み込めていないのもあるが。
それには構わず、マナは推測を語る。
「ゲンブ、思い出して。スザクは今まで、何のために行動してた?」
「それは……」
ゲンブにとっては自明の理。ホウオウグループへの復讐と、ランカの父親を探しだして彼女に謝らせること。それが、スザクを突き動かしていた。
しかし、そこにこそ原因があると、マナは言う。
「そう。それが問題」
『?』
「スザクにとっての最優先は、一人。他の誰より―――そう、場合によってはトキコよりも、ランカが優先される。自分を救ってくれた、恩人だから」
「なるほど。トキコにとってのホウオウと同じ、か」
頷くマナ。
「信頼のレベルは桁が違うけど、認識としてはそんな感じ。まさしくランカはスザクの存在理由であり、その父親を探すという目的は、彼女の存在意義だった」
ここに来て、ランカとゲンブが「はっ」と気付いた。
「も、もしかして……お父さんが、帰ってきたから……」
「そう、か……そういうことか」
「ど、どういうことですの?」
一人、事情を呑み込めていないアオイに向け、ゲンブは説明する。
彼女の最愛の姉が、なぜ眠りに落ちてしまったのかを。
「スザクの目的……自身で定めた存在意義、つまりアイデンティティは、『ランカの父親を探し出し、その行いを詫びさせること』だった。その根源には、4年前の突然の失踪と、それによってランカと自分の負った心の傷がある。しかし、昨夜の父親本人の『自分の意志での帰還』と失踪の真実を告げられたことにより、スザクは恐らくこう考えたはずだ」
「自分がして来たことは、全て無駄だったのではないか、と」
そこまで言われて、ようやくアオイにも掴めた。スザクが今、どんな状態に在るのかを。
「つま、り……姉様は、絶望のあまり自分で自分を打ちのめし、心の闇に閉じこもってしまっている、と……」
ああ、とゲンブ……水波 大悟は頷く。
「完全に正解ではないだろうが、おおむねそれで正しいはずだ。とはいえ」
ちらり、と奥のベッドに眠るスザクを見つめ。
「それがわかったところで、神ならぬ俺達ではどうしようもない」
これが問題だった。原因も理由も推測は立ったが、対処の方法がない。しかも、懸念はさらに発生する。
「綾ちゃん……もしかしたら、もう目を覚まさないんじゃ……」
「な、なぜですの!?」
「……辛いことだけど、ランカの言う可能性も十分にある。ゲンブが今言ったスザクの存在意義は、彼女が戦い始めた4年前から、ずっとその心を支えて来た、『火波 スザク』という存在の心柱だった。それを一度に失った今、スザクが自力で目覚める可能性は……」
「ほぼ、ゼロに等しい」
無情なマナの宣告を受け、アオイがぐらり、とくずおれる。
「そ、んな……姉様……」
そのまま、ふらふらと立ち上がり、眠る姉の傍に歩み寄る。どさり、と崩れ落ち、震える手でスザクの手を握り、消え入りそうな声で、呟く。
「姉様……綾音姉様……あなたが、いなくなってしまっては……わたくし、また一人ぼっちに……なって、しまいますわ……どうか……どうか、目を覚まして……」
「わたくしを、一人にしないで……」
「…………」
切なる願い。絶叫にも似た囁きに、答えは返らない。
沈鬱な空気が流れる中、一人マナは思う。
(……希望があるとすれば……ほんの、微かにでも)
それは、先ほどの同調の時に感じた、
(スザクではない、誰か……)
梧桐の呼び声
(その声は届いても)
(その心は届かない)
(しかして、闇を訪う者あり)
- 20:サト:2011/04/06(水)
17:54:33
やっと仕事が落ち着いたので続きを投下します
使用キャラは
大黒屋さん(春美(?)キリ、由依)
ネモさん(リエさん)
ヨシダサン(エダさん)
鶯色さん(ハヤト)
akiyakanさん(シスイ)
スイネです
ガシャン!
『シスイ?!』
いくつかの医療器具を道連れにシスイの身体が床へと叩きつけられた
リエは、シスイを抱き上げると彼の顔色を見てため息をついた
『無理をしすぎよ。リバウンド気味になっているわ…これ以上は…』
『う…ぐ、まだだ、もうすこしなのに…!』
『シスイ!てめーはちょっと休んでろ!』
『嫌だ!ここでスイネを死なせるわけにはいかない!』
『シスイ!!』
そのときだった
バン!と手術室が大きな音を立てて開いた
そこには、幼い少女と
ボロボロの軍服を纏った青年が立っていて
必死にハヤトと由依がその二人を止めていた
『なんだよてめぇら!手術中ってランプ見えねぇのかよ!』
『菌持ち込むわけにいかねーだろ!やめて!』
少女の腕を掴んだハヤトに、大きな鋏を突きつけた青年
それに反応して戦闘体勢を取るメンバー
少女は青年を制すると
『大丈夫!あたしたちは敵じゃないからっ』
にかっと笑ったその表情は顔形こそ違うものの
今現在生死をさ迷っている少女のそれとよく似ていた
『…君は誰だ?』
『あたしはスイ…んんっ!えーと………?』
『春美でありマス』
『あ、あはは。そうそれ、春美ちゃんです』
『どうでもいいけど見てわかんねぇのか?!
ちょっかいなら後にしてくれ!
今手を休めるわけにいかねーんだよ!』
エダがすさまじい剣幕で二人を睨み付ける。
手を休めることなく処置を施してはいるが
一向によくなる気配はない
少女はくすりと笑うと、意識の無いスイネの元に歩み寄る
シスイがそれを拒もうとする
『ありがと、頑張ってくれて。なんとかなりそーだよ』
『え…』
『みんな、彼女に触れて』
『おい、お前…』
『助けたいんでしょ?なら早く!』
皆一様に戸惑いながらも、スイネに触れる
最後に少女がスイネの頭に手を添えて瞼を下ろす
『彼女の中に入るよ。』
『中…?』
『目、閉じて。雑念を消して。』
『…?!』
スイネと少女の身体からまばゆい光が漏れだして、
スイネに触れたウスワイヤの面々の身体を包んでいく
その光は…
もどっておいで
(皆の心がひとつになる)
- 21:しらにゅい:2011/04/06(水)
21:01:43
- 感想そぉい!
>>13 言葉が乱暴なのは彼の仕様です亜音さん、だから彼の代わりに
土下座しますorzしかしこれが外に出る良いきっかけとなれたのならば、
幸いです・・・!
そして今更ながら>>9で由衣ちゃんの名前のみお借りしてたのに、
表記するの忘れてました・・・すいませんっ;;
>>14-15,>>19
その頃彼はアフターブレイクをしに(ry
スザクの心にそんな変化が・・・強い彼女を支えていたアイデンティティだから
こそ、それが一気に崩れてしまえば・・・確かに容易には修正出来ないでしょうね・・・
し、しかしそうだとランカやマナちゃんの言うとおり、
もう二度と眼を覚まさないのでは・・・!?
だ、駄目だー!そんなの絶対駄目ぇぇぇ(´;ω;`)
せっかく再会出来たのに、アオイちゃんが可哀想・・・!
そしてスザクではない誰かとは一体・・・?
>>20
うぉぉぉ続きキタァァァァ!!!(゜∀゜*)=(*゜∀゜)
流石にシスイにも限界がきましたか・・・シスイの叫びが胸に響く・・・(ブワッ
春美ちゃんに乗り移ったパラレルワールドのスイネちゃんに導かれて、
彼女の中に入るシスイ達・・・その眼に映るものとは一体・・・!?
続きが気になるところですが、お仕事のほうも忙しいと思いますので、
サト様のペースで頑張ってくださいな!
- 22:スゴロク:2011/04/06(水)
22:34:27
- 「梧桐の呼び声」の続きです。
「姉、様……」
スザクに寄り添うようにして寝入ったアオイが、夢うつつに呟く。
時刻は8時を回り、すっかり日が暮れている。
「………」
ゲンブ、ランカ、マナ……スザクの「仲間」たる3人は、重苦しい表情で白波家の客間に座っていた。
ことにランカは消沈も良い所で、このまま再入院しそうな勢いで落ち込んでいた。
(ランカ………)
それを見つめるマナも、いつもの無表情の中に微かな揺らぎを見せている。彼女をよく知る者ならば、これがマナの困惑の表情だと気付いたはずだ。
そしてゲンブは、口を真一文字に引き結んだまま、20歳という年齢に見合わぬ老成した空気で腕を組み、胡坐をかいていた。言葉をどこかに忘れたかのように、ただ沈黙を守っている。
「……………」
張りつめた空気を破る言葉は誰にも出せず、壁にかけられた時計の秒針だけが、規則正しく時を刻んでいる。その微かな音が、やけに大きく聞こえる。
あとは時折ゲンブのつくため息や、ランカやマナの息遣い、アオイの寝言が、この場にある音の全てだった。
そしてその中に、スザクはいない。
「………私の、せいなのかな」
「!?」
突然静寂を破ったランカの呟きに、思わず二人が目を見張る。
それを見もせず、俯いたままランカは呟く。
「私が、いなかったら……綾ちゃん、あんなことにならなかったのかな」
「ランカ、何を……!?」
「だって、そうでしょ? 私がいなかったら、綾ちゃん、お父さんを探そうなんて思わなかったよ?」
顔を上げたランカの表情は―――乾いた笑いの貼りついた、痛々しいものだった。声が、だんだん大きくなる。
「私がいなかったら、私が寂しいなんて言わなかったら、綾ちゃんは自分のことだけ考えていられた! お父さんを探して無茶もしなかった、帰って来たからってショックも受けなかった! 私が、私のせいで、綾ちゃんが……!」
「ランカッ!!」
壊れたように告解するランカを止めたのは、マナの一喝だった。普段物静かな彼女のあまりの気迫に、ランカもゲンブも思わず気圧されてそちらを向く。
そこには、仮面のような無表情をかなぐり捨て、怒りを隠そうともしないマナの姿があった。
- 23:スゴロク:2011/04/06(水)
22:35:12
- 「自分がいなかったらスザクは倒れなかった? 寝言は寝てから言いなさい、ランカ」
口調も声音も、無機質ないつものものとは全く異なり、明確に感情を露わにしている。おもむろに立ち上がり、ランカの傍に立つ。決して大柄ではないマナだが、見上げる形になっていることを引いてもあまりに大きく見える。
「スザクが倒れたのは、他でもないスザク自身の責任。酷な言い方をすれば、自業自得とも言える」
「マナ! 言っていいことと悪い事があるぞ!」
「黙って、ゲンブ。今はあなたと話をしていない」
冷たい言い方に反発するゲンブを一睨みで黙らせ、マナはランカに視線を戻す。
「スザクの気持ちもわからなくはない。それまでの自分の存在意義を、ただの一度で失ったのだから」
だけど、と夜の少女は語る。
「それで全てを放棄して自分の中に逃げ込んだのは、スザク自身。理性が違っていても、心の底でそう思ったからこそ今の状態が在る。それは、他の誰でもない、スザク本人のせい。だから誰の責任でも、無論ランカ、あなたの責任でもない」
「………」
それだけ言うと、ふうっ、と息をつき、マナはその場に腰を下ろした。
「………これだけ言ってなんだけど、スザクが悪いとは言ってない。言い方を変えれば、生き甲斐や人生の目的、それを失ったのと同じだから。今のスザクは弱さも同時に持ってるから、自己解決の方法がわからずに混乱した挙句があの状態、とも言える」
「弱さ?」
自身の知るスザクからは連想できない単語に、ゲンブが首をひねる。そんな彼に、マナはただ語る。
「あの赤い髪が証拠。私の知る限り、あれはスザクが『スザク』になる前の色」
「確かに、『施設』から逃げ出した時はそうだったが……」
「私の知っているスザクは、強さだけの存在だった。つまり裏を返せば、対になっている『弱さ』の顔が存在していたということ。多分それが、かつての自分の『綾音』。今のスザクは、強さの『スザク』と弱さの『綾音』が融合した、かつての彼女に近い存在、と言える」
なるほど、とゲンブが頷く。その横で、叱咤されたばかりのランカがおずおずと声を上げる。
「つまり………綾ちゃんが誘拐されずに育ったらああなった、って言う感じ?」
「そんな感じ。もっとも、ベースになっているのが『スザク』の方だから、あまり変わらないけど」
言いつつ、マナは9時を指そうとしている時計を見上げる。
「……スザクが心配なのは私も同じ。ランカ、自分を責めたくなる気持ちもわからなくはないけど、それじゃ何も解決しない。むしろ、それであなたがまた調子を崩したら、スザクが目覚めた時に私が怒られる」
「待て、自分のためなのか? ランカのためではなく?」
「何か問題でも?」
「おい!」
反射的にツッコみを入れたゲンブに、ランカが思わず口元を押さえ、
「……ふ、ふふっ」
笑いを、零していた。
「そうだね……。自分を責めてたって、綾ちゃんは喜ばないよね」
「そう。スザクが本当に大切なら、傍にいてあげることが何より重要。あの人のように」
スザクに寄り添う白い髪の少女を指し、マナは言う。
「スザクが目覚めるには、自分を支える何かを見つけ出さなくてはならない。そしてそれは、スザク自身にしか見つけられない」
「……見つかるよ、きっと。だって」
「だって、綾ちゃんだもん。私の自慢の、親友だもん」
「……そうね。ええ、きっとそう」
久しく見なかった心からの微笑みを浮かべたランカに、マナもつられて笑む。
しかしその横で、ゲンブは一人黙考していた。マナが唯一見落としていた、「時間制限」について。
(スザクが意識不明になったのは、恐らく今日の昼前後……マナの予想が全て正しいとすれば、自力で目覚めることの出来るリミットは20時間……つまり)
(明日の朝8時までに目覚めなければ……スザクは、永久にあのままだ)
自力で目覚められなければ、たとえ外から起こしたとしても、また同じことの繰り返しになる。それを防ぐには、スザクが自身の力で自分を支えるしか方法がない。
(頼むぞ、スザク……俺達だけではない、お前の力を必要としている者が、まさに今、一人いるんだ)
- 24:スゴロク:2011/04/06(水)
22:35:56
- 「………」
どれくらい、経ったのだろう。もう、時間の感覚すら、ない。上も下もない、果てさえもない暗闇の中、ただうつろうばかりだ。
(僕は……)
僕は―――何だっただろう? 思い出せない。
僕は―――何をしていただろう? わからない。
僕は―――何のために、戦っていただろう? 理解できない。
(僕は……何が、出来た……?)
ランカのためと信じて戦ってきた。いつか、いつかきっと、あの子に家族を取り戻すために。
その全てが無意味だったというのなら、僕の存在は何のために在るのだろう。
僕の戦いは、僕の道は、何の意味があったのだろう。
(僕は何も出来なかった……ランカのために、何も出来なかった……)
まるで、道化芝居の人形だ。空回りばかりして、見当違いなことばかりやって、観客を笑わせるだけの、喜劇の主役。あるいは、主役ですらないのかも知れない。
何をしても、何を言っても目に留まらない、端役。果たして、僕の今までに、どれほどの意味があっただろうか。
いや、多分ないだろう。今までずっと、自分を隠して生きて来た。強さと弱さ、その二つを使い分けてうまく立ち回って来た。それを今更一つに戻すなんて、都合のいい逃げに走った、その報いがこれだろう。
そんな生き方をしていて、本当の僕を一体誰が知っているだろう?
(誰も僕を知らない……僕は誰も知らない……)
本当の僕を誰も知らないように、僕も他の人の本当なんて知らない。それなのに、わかったふりをして、自分勝手な考えばかり口にして、それでいったい何が掴めただろう。
(何も知らない……何もわからない……)
ああ。そんな僕が、今更「戻る」権利があるのだろうか。いや、出来れば戻りたくない。
戻ればまた、苦しいことが待っているだけだ。誰のためにもならない、誰を助けることも出来ない、ただ傷つくだけの世界だ。
(僕、は………)
それなら、いっそこのまま――――。
「―――そうやって」
「……?」
ふと、声が響いた。
「そうやって、あなたは知ろうとしない……耳をふさいで、目を背けて、何も知らないふりして、向き合おうとしない」
聞いたことはない……いや、今となっちゃ、もう誰だろうとどうでもいい。
――――なのに、どうしてかな。その声は、妙に胸に響いた。
「自分の中に逃げ込んで、出来ることから、やるべきことから目を逸らして」
これは、まるで――――。
気付くと、足が地についていた。そして僕の前には、声の主である「誰か」が立っていた。
その人は、腰に手を当てて、ため息とともに、
「いつまでそうしてるつもりなの? ホントに困った子ね……」
僕より少し背の小さなその人は、鈴を転がしたような声で、そう言った。山吹色の綺麗な髪を、揺らしながら。
願う者、信じる者、導く者
(悲劇の引き金を踏み台に)
(彼女は己の務めを果たす)
(15年分の空白を、埋めるために)
- 25:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/07(木)
02:47:29
- 前スレから続き投下です!えいやっ!
「この頃、いやいつもの事ではあるが、最近よりホウオウグループの動きが高まりつつある」
カランカラン
「え、えへへ…マスター、また、来ちゃいましたっ…」
女性客が顔を赤くしながらマスターに話しかける
「あら♪来てくれたの?じゃあ奥の間に…♪」
「はい…っ!」
部屋からは、なんと表現していいかわからない、文字にあらわすと
「アッー!」
以外のなにものでもない複雑な声が聞こえてくる。
「………」
「おい白スーツ、落ち込むな」
「お前は…」
「よう、しばらくだな」
やや背の高い男、180cmほどはあろうか。かつてこの街を救ってきた
あの英雄に似た男、その男より少し筋肉がついている。
首には銃弾にヒモを通したものをかけている。
「ああ、ずいぶんと久しぶりだな、何をしてた?」
「はは、こっちのセリフだよ。俺はただ基地内でトレーニングさ」
「常識人ではありえないくらいの量の、だろ?」
「あの量が俺の常識だよ。で、アンタは相変わらずお仕事か?」
「ああ、『お仕事』だ。」
「わけありな感じに言ってるけど銀行の仕切りだろ?」
「あ、バレた?」
笑い声が漏れる。『KEA』と呼ばれる男は、この白スーツには心を開いているようだ。
「さて、ちょっとウスワイヤに御同行願おう」
「え?何?タイーホ?ついに俺ロリコンなのバレた?」
「それもある」
「勘弁してくれよ」
「冗談だ、ちょっと話し合いたい事があってね、マスターとそこの四角い生き物も連れていこう。」
「OK。マスタぁーっ!」
「【自主規制voice】」
「取り込んでる所悪いけどちょっと来てくれないか?」
「【……】はーい!ごめんね?ちょっと行ってくるわ」
「早く戻ってきてくださいね?そ、その、私…」
「寂しい思いはさせないわ♪」
「イチャコラしてないで早くしろああああああ!」
- 26:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/07(木)
03:00:02
- (ウスワイヤ内部)
「Oh!白スーツ!来やがったデスか!!」
並みはずれたスピードで白スーツに突進するワーラット族の女性。
通称、『チャド』。
「ゴぶパっ」
ドゴォォォッ!!!
人が発したとは思えない声を上げながら壁に押し付けられる。
「ああ、来たぞ、ゴフッ…リ、再生(リペア)!」
男の傷とスーツの汚れが消えてゆく。
「さて、今日来てもらったのは…チサト!」
「」
一同「なるほど!能力の再特殊訓練か!」
「フヒッwまったくww行が削れて便利」
君の悪い男は3日間ぶっ続けで説教を食らう羽目になった。
「でも、今さら再訓練なんてそんな…ねぇ?」
「そうよ?私たちは何度も訓練を受けているはずよ?」
「今日はこの道具の実験をしてもらう。アヤ!」
不機嫌そうに少女が一人歩いてくる。
オレンジ色のやや長め髪の毛、強気な目つき、細い腕、赤い服、白い肌、
ああ、僕はもう!僕はもう!!
一人、男が少女のパンチで吹き飛ばされる。
「で、道具ってのは何だ?」
「この女の子の腕についている装置を見てほしい。」
少女の腕には何やら腕時計のようなものが付いている。
「この時計みたいなのは?」
「能力制御装置、通称『御鬼輪(ぎょぎりん)』だ。」
「ずいぶん厨二ネームだな」
「そうね、センス悪いわ」
「イモ食え」
「KEA?どーしやがったデスか?涙目デスよ?」
「なんでもない…ほっといてくれれば…それでいいんだ…」
「だから『制御クン』がいいって言ったんデスよ!」
「バカタレ!そんなふざけた名前が」
「可愛い。」
「へ?」
先程「アヤ」と呼ばれていた少女が声をあげた。
「『制御クン』って、可愛いと思う。」
「…」
「おいどうしたKEA、何故うずくまって肩を震わせながら静かに静かに血の涙を流すんだ」
「ほっといてくれればいいんだ…」
- 27:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/07(木)
03:05:51
- 次回は、ドタバタとした訓練内容を書くつもりです。
しらにゅいさん!初めての感想本当にありがとうございます!
もう元気が出て「フヌアアア!」とか言いながらクソつまらん駄文を書きあさって(!?)おります!
「なあ」
「何?フッ、フヒッw」
気味の悪い四角い生き物が気味の悪い男に話しかける。
「あのさ、愛子ちゃんとアヤちゃんの百合シーンまだ?」
「待ってる人いんの?」
「居る訳ないじゃん、何を期待してるんだお前w」
「許さーん、来てください」
「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
- 28:大黒屋:2011/04/07(木)
15:16:37
- 久しぶりに抽象的文章に挑戦。人物名(?)は一番最後に一人だけという無茶ぶりつき。
名前はあげていませんがスゴロクさんより「ブランカ・白波」「火波スザク」「水波ゲンブ」「白波シドウ」「ヴァイス」、akiyakanさんより「都シスイ」、しらにゅいさんより「シギ」「トキコ」、サトさんより「スイネ」をお借りしました。
時系列は「朱雀が堕ちた日」の後になりますが、別に話に影響はないと思います^q^
とある巨木の独り言
西は愛の返還を喜び
南は深い闇に囚われ
東は未だ欠けたまま
北は諦観を望み
中央だけが変わらず空を見る
東の平原に一人たたずむ「僕」。
昼間のこの時間に来る者はいない。
僕の声を聞ける唯一の友達はまだこない。
風に細い腕をなびかせながら、麓の囀る小鳥を見下ろした。
欠けた「東」を埋めるように、僕はこの地に降り立った。
欠けたままのこの地に人が来るはずもない。
小鳥の浮世歌と散歩する霊の独り言が僕の情報源。
日の出るうちは浮世歌をずっと聞いている。
異国の地から来た男は、朱い朱鷺を狂わせたらしい。
西の元は白い闇を伝えるべく、西に舞い戻ったそうだ。
青い女神はもう一人の女神と出会ったという。
そんな重要な話でさえ、僕にとってはただの「噂」。
僕には関係ない話。
僕の気がかりは一つだけ。
唯一の友達の様子が、最近おかしい。
金緑色の「人」の眼は、日が沈むと同時に冷たい血の色の「妖怪」の眼に変わる。
彼を見ていると、僕ももう一度「あの時」に戻りそうな気がする。
怖い。
僕がこんなこと言っちゃいけないのは分かってる。
「恐怖の具現」である僕が。
でも怖いんだ。
根を下ろしたこの平原から動けないとわかってても、逃げ出したくなる。
白銀の高みを目指して
赤き炎は闇を照らして
青葉という命を生み出し
黒き水は静かに波紋をたて
黄土こそ変わらずに構えてほしい
そうして平静を手に入れ
早くこの地に平和をもたらしてはくれないか
…なんて願うのは我儘だろうか。
ふっと、小鳥の囀りが一つ消えた。
麓を見下ろし、ああ、またやってしまったと落ち込んだ。
根に雁字搦めにされた小鳥は、ミイラのように干からびていたのだから。
そうして僕はまた細い腕の先に、赤い実を実らせる。
「アカノミ」…なんとも皮肉な名前だとは思わないかい?
- 29:(六x・):2011/04/07(木)
17:12:29
- 新スレ一発目投下。
「朱鷺と女」直後のお話です。「もどっておいで」にも微妙につながってたり。
名前のみ、しらにゅいさんのトキコと、サトさんのスイネをお借りしました。
狐の苦悩と猫の優しさ
「私さ…何もできないよな」
「凪姉?」
「スイネの側にいてやれなかった、トキコが苦しんでるのにも気づけなかった。私…全然ダメだな。」
「凪姉のせいじゃないって。」
「確かに私のせいではない。でもな、こんなもの一本作れたところで誰一人救えやしねぇんだよ!う…っ、ふぇ…」
「凪姉、泣いてるの?」
「んだよ、笑いたきゃ笑え。爪スつ-;ス」
「笑わないよ。だって、誰かのために泣けるって素敵なことじゃない。…ボクにはそんなことできないよ。だから大丈夫。」
「ありがと…しかし弟分の前で泣くってみっともないなぁ。忘れてくれ。」
「昔は男のボクの方がほぼ毎日泣いてたからドローですよ。」
「そうだな。さ、トキコのためにもスイネを迎えに行かないとな。…お前のバイト先の医者、相当優秀なんだろ?絶対大丈夫だって。」
「…はい!」
猫と狐は、朱鷺の想いを胸に走り出す。
救済の時は近い。
- 30:大黒屋:2011/04/07(木)
18:38:28
- 入れ忘れたエピソードがあったので調子に乗ってる間にもう一本投下。抽象表現込みです。
前回同様名前はあげてませんが、スゴロクさんより「クロウ」をお借りしました。
西洋の伝説
「なぁ、星。お前、伝説とか伝承とかにh」
「すまん、全く興味はない。」
「だよなぁ;」
新聞を読む星を眺めながら、クランケは本のページをめくった。
クランケが事務所に転がり込み、どさくさにまぎれて何故かミサキまで同行して数週間。
いろいろあったが、なんとか落ちついてきている。
妖怪が苦手だったクランケも(認めたくないらしいが)慣れてきていた。
探偵、弁護士と法に基づいた現実問題を専門にしていた星。
怪盗としての技術と医学しか学んでこなかったクランケ。
その二人にとって妖怪という「オカルト・伝説」関係のつなぎは陰陽師の生まれである月光なわけだが、ろくにそういった修行を積んで来なかったせいで意外に月光も疎かった。
「…はぁ;これじゃろくに妖怪が分かる訳ないよなぁ;」
本に集中することを止め、大きく反りかえるクランケ。
そこに、つい今しがたまで出かけていた月光とミサキが戻って来た。
「ただいまー。」
「ああ、おかえり。春美ちゃん、どうだったよ?」
「変わらず元気だったわ。ちょっと疲れ気味でもあったけど、一つ大仕事やって来たらしいから大丈夫って。」
「そうか。ならよかった。」
「…で、クランケ殿。資料、このくらいあれば大丈夫がか?」
月光はやや大きめの手提げを机の上に置いた。
中には数冊の本。取り出し、ぱらぱらと中身を確かめ、クランケは頷いた。
「今の僕には十分だ。ありがとう。助かるよ。」
新聞を読んでいた星が顔を上げる。
「なぁ、クランケ。そんだけ妖怪関係の本読んで、どうするつもりだよ?」
「非現実的だろうと、これから僕には『嫌というほど』妖怪関係の話が上がるだろうからね。先に知識をつけておかないとと思って。」
「ふーん。でもそんだけの内容、全部覚えられるのかよ?」
「…僕の頭脳、なめてるわけじゃないだろ?」
「私との頭脳戦で何回負けたか覚えてねえだろ。」
「…まあね;全敗だったのは覚えてる;」
「西洋の伝説だったら、幾らか「キング」にきいてたんだけどなあ…。」
「そうそう。「じっちゃん」世界中飛び回ってたからな。日本にいた方が少ないっつの。」
新聞を畳み、机に置く。
月光のもってきた本を一冊取り上げ、ざっと目を通した。
「なんて話きいたかな…、あ、そうそう!」
神のお告げを聞いて箱舟を作り、新たな人間の元となった「神」の話
緑色の光の中に封じられた、破滅の女神を象る「3羽のズキンガラス」の話
数多の運命を握り、一つの時代を終わらせた「運命の女神たち」の話
「印象に残ってるのはこんなもんだったかな…。」
「ていうか、じっちゃんが気にいってたから何回か繰り返して聞かされただろ?」
「そうそうw」
楽しげに二人は笑う。
ついこの間まで、面と向かってそんなことできないと思っていたのに。
破滅を願うズキンガラスは
神にはむかう力を手に入れる
運命の女神にさえ怯まずに
運命は破滅さえも退けるのか
千の郷を見てきた赤き星にさえ
その結末は分からずして――。
追記
「ねぇ、クランケの言う「キング」と、星のいう「じっちゃん」って、同じ人?」
「あれ、ミサキは知らんかったがか?その通りぜよ。…あんまり好んで話すことじゃないんじゃけどな。」
- 31:スゴロク:2011/04/07(木)
21:18:37
- >
- 32:スゴロク:2011/04/07(木)
21:27:39
- ぐあ、誤爆っ!! 改めて感想です。
>大黒屋さん 不思議な作品ですね……抒情詩を呼んでいるような感覚です。確かに、今の事件は「彼」にとっては他人事以外の何物でもありませんからね。
ゲンブは別に諦めたわけではないのですが……描写不足かな?
妖怪について調べる二人……なんか想像すると和みます。ところで、クロウが話に挙がっているようですが……見つかりません。
うう、どこだ……。が、頑張って探してみます。
ちなみに、何度か作品名が上がっていますが、「朱雀が『墜』ちた日」ですので。
- 33:大黒屋:2011/04/08(金)
12:52:35
- >スゴロクさん
ゲンブの描写はおもいっきり自分の力量不足ですorz
というか、目立った描写がなかったのでシスイとかぶらないようにした結果な訳ですが;
クロウも多分力量不足かと;というかあっているかも分かりませんが;
ズキンガラスの描写です。クロウ(鴉)関係の伝説がそれしか見当たりませんでしたすみませんorz
もはや誤字に定評がある自分です。言い訳する気もないです。
もうしわけございませんでしたo...yz
- 34:スゴロク:2011/04/08(金)
13:12:07
- >大黒屋さん
ははあ、そういうことでしたか。や、やっぱり描写が足りなかったか……ホントにすみません。
学校&トキコ関連だとゲンブは使いにくいので……。
ズキンガラスの話はマジで知りませんでした……。そんな伝説があったんですか。
「クロウと合わないなぁ?」と思ってたらそういう理由が……お疲れ様です。
誤字はまあ、仕方がないですよね。疲れたり、急ぐと特に。私も何度やってしまったことか……しかも作品本文で……orz
まあ、次からお互いに気をつけていきましょう。強硬かも知れませんが、あの一文字は譲れないんですよ……!
それでは、また。
- 35:しらにゅい:2011/04/08(金)
23:57:39
廃墟。
真新しい死体の群。
壁にこびりついた赤。
嗅ぎ慣れた腐臭。
そこで私ははっ、と気が付いた。
「・・・?」
どうしてここにいるのか、などと考えるより先に感じたのは、
私の手に宿る生温かい温度。
何を触ったんだろうか。
なんで、私の手は真っ赤に染まってるのだろうか。
考えて考えて行き着いた先の答えに、私は絶望した。
「わ、私また・・・!!」
嗚呼、私はあの時と同じ『衝動』でまた関係ない人を殺してしまったのか!
鳥さんが言ってたじゃないか、場所を選べって。
それに今度同じ事をしかけたら僕に言え、って言ってたのに・・・!
私はまた、また同じ事を繰り返して・・・!
『違う違う、それは違うなぁ。』
「・・・?」
不意に、聞き慣れた少女の声が私の耳に入った。
見れば、廃墟の入り口に立っているのは朱色の髪をした女の子。
「わ、たし・・・?」
『ぴんぽーん!大正解!なんつって。』
キャハハ、と楽しそうに嗤う自称『私』。
ドッペルゲンガー、とも呼ぶべきなのか。
いかせのごれならばどんな怪奇が現れてもおかしくはないだろうけど。
・・・それよりも、こんなものが見えてしまうだなんて私も随分気が狂ってしまったのだな。
目の前にいる『私』はお父さんが来る前の私のよう。
何の悩みも持たず、無知の子供のように振る舞う朱鷺子、・・・幻覚であるのに。
そんなことを考えていたら、『私』はさもおかしそうに笑って言った。
『あれあれ?幻覚はそっちでしょ?』
「・・・は?」
『私は幻じゃない、貴方が幻でしょ?』
「何言ってんの・・・?」
『私』はおかしそうに首を傾げ私を見据える。
幻覚は、現実からは無い刺激をあるような感覚で体験してしまう症状。
その要因は主に体験者の精神状態によるもの、例えば、痴呆、統合失調症、PTSDなど、
いずれも精神に関わる疾患により発症するのだ。
どうせ私のことだから、スイネちゃんの失踪、お父さんの虐待、私自身の無理強い、
それらからくるストレスでこんなものを見てしまうのだろう。
こんな現実に無い、『私』を。
酷く冷静に相手を分析する私を見て、『私』は凄く嫌そうな顔を浮かべた。
『気持ち悪い、何それ?なんのふり?』
「黙れ、幻覚が。」
『そっちこそ、そんな怖い眼で私を見ないで。
自分が自分に見られる、って正直気持ち悪いよ?』
「黙れって言ってるでしょ!?」
『やだね、そっちが止めないなら私もやーめない!あはは!』
『私』は、私とのやり取りをむしろ楽しむかのように喋り続ける。
どうしてやめないの、幻覚だって私の意識で起こしたものなら夢と同じ、
自覚したら消えるんじゃないの?
当然のようにそこに存在する『私』は、おかしいじゃないか。
もう何度目の感覚だろう、全身から血の気が失せて、嫌な汗ばかりが流れるこの感覚。
『私』が、足元の死体に眼を向けた。
さっき私が殺した、誰とも分からない死体。
- 36:しらにゅい:2011/04/09(土)
00:02:58
『ねぇ、これは誰?』
「・・・知らない、人。」
『ぶっぶー!違いまーす。』
『私』は手を交差してバッテンを私に見せる。
そして、いきなり私の首を掴むと地面へと叩き付けた。
「っうぐ!?」
頬に血、鼻には腐臭。
視界には死体の苦痛な表情が広がる。
『よく見てよ、貴方は誰を殺したの?』
何を喋ってるんだ、この幻覚は!
知り合いとでも言うのか、こんな見た事のない・・・
「・・・?」
ふと、血溜まりの中に沈んだ毛髪が目に付いた。
血より鮮やかな、見覚えのある赤色の髪。
みおぼえの、ある?
「・・・・・・え・・・」
少しずつ、少しずつ髪の毛から辿っていく。
赤色の髪、血の気が失せた青紫の唇、瞳孔が開き切った眼。
どうして、鳥さんが死んでるの?
『どうしたの?今更になって驚いてんの?』
「な、なんで、なんでなんでなんで・・・!?」
声が震え、頭が回らない。
目の前の幻覚がもっと酷くなった気がする。
吐きたい、逃げたい、眼を閉じたい、もう何も受け入れたくない!!
けれど、私の上で馬乗りしている『私』はクスクス笑い、耳元で囁く。
『タカコが私をおぶってくれた時も、ジングウが戻ってきた時だってこうしたじゃない?
ほら、横を見てみなよ?』
「っ・・・!!」
横で転がっているバラバラの死体、腕と足の間に、
尻尾のように黒い一本結びをした頭部が転がっている。
あれは、一角君。
突き出したパイプで胸を突き刺され、ぶらりと揺れている男の死体。
中途半端に開かれた口から血が流れ落ちる。
あれは、ハヤト君。
それだけじゃない、スイネちゃんや由衣ちゃんなど、私達の周りにある死体は
全部私が知っている人達ばかりだった。
「う、嘘だよね・・・こんなの・・・」
壁にもたれて死んでいるケイくんは何も言わずに、ずるり、と横に倒れた。
『発散出来ない苛々はいつも他人にぶつけてきた、学校にある玩具達と見立てて。』
「ち、違う、そんなの・・・!」
『特に鳥さんはお気に入りだったからなぁ・・・何回壊したっけ?三回?』
「違う違う違う!!」
『ああ、ごめんごめん!これは昔の話だったよねぇ~・・・今は普通に友達、
ううん、それ以上だったっけ?それでも壊したい気持ちに変わりないけど。』
「違う、違う・・・」
弱々しい声で否定するけど、全部を拒絶出来るわけじゃない。
確かに、私は前までこの学校にいる人達を皆玩具として扱っていた。
ここにいる人達は皆多種多様で、それぞれ違った反応を見せてくれて、
それが凄く楽しい。
大部分は、私が好戦的な性格故に能力者と戦ってみたいというのもあるけど。
・・・だから、鳥さんには尚更惹かれてたのかもしれない。
鳥さんは初め、他の人と違ってすぐに仲良くはなってくれなかった。
きっと自分がホウオウグループであるからだと思うけど、学校上ではお互いただの学生。
私はそれを利用して、わざとちょっかいを出してはその固い表情を崩して、
地を露にさせることを楽しんでた。
戦いには強いし、様々な顔を見せてくれるお気に入りの玩具。
あの時結んだ『約束』は、その玩具を独占出来る最高の瞬間であった。
意識が変わり始めたのは、鳥さんが連れて行ってくれた旅行。
“――――好きになった人を殺すなんてことは、今の『私』には出来ない。”
その時初めて火波スザクという存在が『お気に入りの玩具』から『友達』へと変わり、
『友達』から『友達では済まされない何か』へと変化した。
いや、その自覚はもっと前からあったのかもしれない。でも確信したのはその時だった。
だから、私はあの時衝動的に鳥さんへ、全てが欲しい、と言ったんだ。
一角君にもケイくんにも、もしかしたらランカちゃんにも渡したくなかったかもしれない。
鳥さんの全てが欲しい、ただ欲しかった。
- 37:しらにゅい:2011/04/09(土)
00:06:44
『だからホウオウ様から与えられたお仕事すっぽかしちゃって、
学生生活をエンジョイしてたと。ひっどーい、ホウオウ様を忘れるだなんて。』
「!違う!ホウオウ様のことはこれっぽっちも・・・!」
『まぁ、確かにホウオウ様は私に自由を与えてくださったし、
無理強いはしてこないもんね。それに私の中では、絶対に言う事を聞くのは
ホウオウ様の命令だけって決まってたし。』
キヒヒッ、と『私』は少女らしかぬ笑い声をあげ、でもさ、と言葉を続けた。
『やっぱりホウオウ様をないがしろにするのは駄目だと思うんだよねぇ、
なんていうの?恩知らずっていうのかなー・・・ホウオウ様に対する私の願いをさ、
忘れられるのってすんごい困るの、私。』
「・・・ホウオウ様に対する私の、願い?」
『・・・・・・あーあ、』
『私』は残念そうに呟いた。
そして、その眼に殺意が宿る。
『それ忘れちゃ駄目って、何回言った?』
ぐしゃ、と鈍い音、そして衝撃。
「え・・・?」
私は、___『私』を貫いていた。
腕まで入り込んだ手を一気に引き抜けば、赤い噴水は勢いよく吹き出て、
『私』は何が起こったのか分からない顔をし、そしてそのまま崩れ落ちた。
「・・・そう、思い出した?私・・・」
目の前で死んでいる『私』か、はたまた自分に言い聞かせるように私は呟く。
「私がこうして精神的に病んでしまった時、何度も何度も何度も何度も何度も何度も
何度も何度も何度も何度も私を殺してたじゃない・・・『弱い私』を、何度も、ねぇ?」
事切れた『私』はぴくりとも動かない。
ホント・・・弱いなぁ、『私』。
「弱い『私』は怒りや哀しみに囚われちゃって私じゃなくなる、人を殺したくない、
でもどうすればいいか分からない、そうやって悩む自分に酔い痴れて・・・どんどん弱くなっちゃう。」
私は『私』の頭を踏みつけて、左右に揺らした。
頭が左右に揺らされてる様を見て、次はどうやって殺そうかと考えながら、喋り続ける。
バラバラも、串刺しももうやっちゃったしね。
「弱くなった自分は自分の事しか考えなくなっちゃって、本当の願いを忘れる。
ねぇ、もうこれで何回目?タカコの時もジングウの時も忘れてさ、馬鹿なの?」
足に力が入る。
「あんな男に何度殴られようが、任務をすっぽかしてしまおうが、
誤って誰かを殺してしまおうが、これだけは忘れちゃいけないって、
私何回も言ったよね?」
何かが僅かに軋む音がする。
「でも『私』は何回も忘れちゃうから、こうして殺してきたんだよ・・・ね!」
そして私は『私』の顔面を蹴り飛ばし、鉄パイプが刺さっている『私』の
死体へとぶつける。思ってた以上に蹴りの強さがあった為、盛大な音を立てて壁が崩れ、
二人の『私』を瓦礫の下へと追いやった。
「・・・・・・決めるのは私?何言ってんの、もうとっくの昔に決まってるじゃない。」
悩む度に殺し、悩む度に殺し、気が付けば『私』を、『弱い私』を殺した数は
数え切れないほどになっていた。
でも弱さなんていらない、あの人を幸せにする為には弱い私なんて、いらない。
それが私だ。
「・・・しかしまぁ、あの男に良い様にさせるのもそろそろ限界かも。」
だから、今回だけ『弱い私』の意見を聞いたげるよ、『私』。
そう言って床に転がる『私』の頭を撫でると、
たくさんの『私』の死体が転がるその場を後にしたのであった。
- 38:しらにゅい:2011/04/09(土)
00:07:18
- ***
「片や弱さも強さも受け入れた鳥、片や弱さを殺し強さを手に入れる鳥。」
「ああ、それにしても幻覚とはげに恐ろしきもの。」
「彼女の眼には彼女の世界しか映らないのだから。」
そう呟いて、猫はその空間から消え去った。
___後に残されたのは、指示を素直に聞き入れたのに見るも無残な死体と成り果てた、
名も無き囚人達のみ。
朱鷺の幻視
(こうして強い私が出来ていく)
(他人も)
(自分も犠牲にして)
- 39:しらにゅい:2011/04/09(土)
00:12:31
- >>35-38 お借りしたのは全て名前のみで桐山貴子(サイコロさん)、
ジングウ、都シスイ(akiyakanさん)、火波スザク、ブランカ・白波(スゴロクさん)、
ハヤト(鶯色さん)、スイネ(サト様)、夏香由衣(大黒屋さん)、
ケイイチ、ホウオウ様(本家様)でした!
凄い分かり難い上に無理矢理な展開・・・正直投稿するかどうか最後まで悩みましたが、
とりあえずトキコ関連の話にケリをつけたいので載せました。
しかしこの話・・・どう見てもお二方の影響を受けまくってる(ry
- 40:しらにゅい:2011/04/09(土)
00:36:34
- *話が分からねぇよwwwな人の為の(いらん)解説*
>>35
廃墟→シギ達がいかせのごれで回収した囚人達を一時的に収容した仮施設。
トキコの暴殺により全員死亡(>>39の最後の文より)
幻覚→幻覚というよりも一種の思い込みによる妄想。トキコの場合、
「イマジナリーフレンド(それが弱いトキコ)」の概念が有。
>>36
タカコが~のくだり→「朱鷺と用務員」の冒頭参照。
仲間の死体→『弱い私』の思い込みによる幻覚で、実際は囚人達の死体。
>>37
ホウオウ様に対する私の願い→近日公開!←
死んだのは誰→『弱い私』、実際は死んでいない。心が死んだだけ。
たくさんの『私』の死体→『強い私』の思い込みによる幻覚で、実際は囚人達の死体。
>>38
猫→出歯亀に定評のあるチェシャ猫
ちなみに胸を貫かれる前は『弱い私』の視点(「」→トキコ『』→幻覚トキコ)
その後がトキコの視点です。
こうした二人のやり取りでも、傍から見ればただ独り言をしているだけです。
何この子怖い(´・ω・`)
・・・解説のつもりなのにかえってややこしくなったorz
- 41:スゴロク:2011/04/09(土)
01:53:33
- >しらにゅいさん
うおー、何だか凄いことになってませんか!? これはまた、複雑な……。トキコの選択、ですね。
スザクの方面も一段落です。これが終わったら、三羽目の「鳥」に動いてもらいましょうか。
「………?」
その人は、まるで扱いに困るような目で、僕を見つめていた。見覚えがある……ような、気がする。
誰、だっただろう。
その思いが伝わったかのように、その人ははぁ、とため息をつく。
「忘れちゃってるのね、私の事……夢だったから、しょうがないのかもしれないけど」
夢?
「今はいいわ。それより、もう一度聞くわよ? いつまでそうしてるつもりなの、綾音」
「……わからない。僕は……」
「何のために今まで戦ってきたのか?」
「え………」
僕の考えを見透かしているかのように、その人は言う。そして、
「ランカちゃんのため、ね。少なくとも、その意味では徒労だった……これは事実よ」
「………」
そうだ、その通りだ。ランカのために今まで戦って来た。なのに、その全てが徒労に終わった。
僕は、シドウさんを見つけ出す事も、ランカに謝らせることも出来なかった。
何より、前提自体が間違ってたじゃないか。
「………なら、わかるだろう? もう、僕を放っておいてくれ」
「わからないし、そうも行かないわよ」
至極あっさりと、その人は僕の言葉を拒絶する。
「……どうして」
「放っておいたら、あなた、このままずっと眠ってるつもりでしょ?」
それの何がいけないんだ? 歩いて来た道が、して来たことの全てが無意味だった。
なら、それに支えられていた「僕」という存在の意味はどこに、いや、そもそも意味があったのだろうか。
(そんなもの、ないんだ。多分、どこにも)
だったら、こうして沈んでいくことが一番いいんだ。多分、それが一番なんだ。そうすれば、
「そうすれば、何? 自分勝手はダメよ、綾音」
「自分……勝、手?」
「そう、自分勝手。自分の中に閉じこもって、周りから目を背けて、届く言葉に耳をふさいで、それで何が解決するの? それに何の意味が在るの?」
―――今更僕に何をしろと。僕のして来たことは無意味だった。誰も助けられなかった、誰も守れなかった。
僕の方が助けられて、いらない世話ばかり焼かせていた。
それに、昨日はランカを優先して、命の危機に瀕していたスイネを見捨てた。こんな僕が今更目覚めたところで、一体何が待っているというのだろう。
「もちろん、あなたを待っている人よ」
それはどっちの意味で?
「それこそどういう考え? まさか、みんなが自分を疎んでる、とか思ってない?」
違うとでも?
「ええ、全然違うわ。心配してるのよ、みんな。あなたがこうなったことを知ってる人は少ないけど、ね。今も、あなたの近くに」
「…………」
……それでも、僕は。
「それに、さっきから勘違いしてるみたいだけど」
「え?」
またさらりと、その人は僕の「間違い」を指摘する。
「あなたのして来たことが無意味だなんてことは、絶対にないわ。それは、絶対に、絶対」
- 42:スゴロク:2011/04/09(土)
01:54:03
- 「………」
マナに似た言いまわしに、少しだけ心が動く。……でも、それならどんな意味があったと?
その疑問に、その人は何の躊躇もなく言ってのける。
「そこまではわからないわ。でも」
指を立て、注目を促し。
「確実に、あなたが戦ったおかげで助かった人はいるわ。あなたの戦いに、あなたの道には、少なくともそれだけの意味がある」
「………」
「それに、あなたが戦って来たのは、あなたが歩んで来たのは、本当にランカちゃんのため『だけ』?」
「!」
最後を強調しつつ向けられた言葉に、脳裏を誰かの笑顔が過ぎる。
赤い髪。小さな体。そして、狂気と純粋さを併せ持った、邪気のない笑み。
それは――――。
「そう」
その人は、言う。
「その子のためでも、あるでしょう?」
(トキコの、ため……?)
そう、だった、だろうか。
「そうよ、わかるんだから。それに、ランカちゃんのための戦い、絶対に無駄じゃなかったわよ」
「……どうして、そう言える?」
「だって、あなたが戦って生き抜いて来たことが、ランカちゃんに元気をあげてたじゃない。そのおかげで、あの子、やっと退院できたのよ? それだけでも、意味はあると思うわよ」
「………」
理由になっているような、なっていないような、不思議な感覚だ。
「いーい、綾音?」
その人は、僕の目の前まで歩み寄ると、肩に手をかけて立たせ、少し下から見上げて来た。改めて見るとこの人、僕より少し背が低い。
「あなたは、シドウさんが『自分の意志で帰って来た』せいで、ランカちゃんのためにと思って進んで来た道が無駄だったと、そう思ってここに逃げ込んだ。そうでしょ?」
……確かに、それは事実だ。
「言ってあげる。それは、違うわ」
その人は言う。逃げ込んだことではなく、過去が無意味だと考えることが違うのだと。
「確かに、戦ってきたのはランカちゃんのためかも知れない。でもね、その戦いのおかげで守れたものだって、いっぱいあるでしょ?」
「……それは」
言われてみれば、ある、ような気がする。仲間の命? 街並み? 日常?
「この世界にね、無意味なものなんて何一つないの。少なくとも、そこにいるという意味があるんだから。どんなに小さくても、本当に無意味なものなんてないのよ」
「それが例え、誰にもわからなくても」
- 43:スゴロク:2011/04/09(土)
01:54:38
- 「……………」
言っていることはわかる。だけど、答えは出ない。だから目覚めなければならないというのなら、僕は何のために、何を以って自分を支えればいいんだろう。答えを求めるようにその人を見ると、その人は僕の口を指で押さえ、言う。
「その答えは、私にはあげられないものね。あなた自身が見つけないと」
「でも……」
「不安がらなくてもいいの、綾音。だって、自分が何のためにいるのかなんて、わかる人の方が珍しいんだから」
何でもないことのように言って。その人は、微笑む。
「そうじゃなくても、あなたが目を覚まさないと、悲しい気持ちになる人が、いるでしょう?」
「………」
いた……だろう、か。……………………そう、だ。
「アオ、イ……ランカ……みんな……」
そうよ、とその人は頷く。
「その人達を泣かせないためにも、あなたはいつまでもここにいてはいけないの」
「……でも、どうすればいいんだ?」
それが正しいとしても、ここからどうやって出ればいいんだろう。
「綾音………いいえ、今のあなたは、『スザク』って呼べばいいのね?」
「……うん」
「なら……スザク、あなたは今、自分の中の『弱さ』を受け入れてるわね?」
「うん」
「あなたがここから出られないのは、そしてここに墜ちて来たのは、今までうまく使い分けてた『強さ』と『弱さ』が一緒になって、『自分自身の扱い方』がわからなくなって混乱してるところに、予想外の事実をぶつけられたから。土台がぐらついてる時に下から揺さぶられたようなものね」
わかりやすく、噛み砕いて説明してくれた。今、僕がどうなっているのか、を。
「本当は自分で気付かなきゃダメなんだけど……今のあなたにそれは酷だもの」
それに、自分自身って意外に見えないものなのよね、とその人は笑う。
「だから、教えてあげる」
「うん」
「スザク、弱さを受け入れたからと言って、表に出そうとしなくてもいいの。弱さは、あくまで一面。強さも同じ。それぞれ補い合って、ようやく一人前なんだから。使い分けるのも悪くないけど、それだとどこかで破綻しちゃうから。だからあなたは、あの夢で一つになったんでしょ?」
………そうだ。それに僕はあの時、「綾音」に言われたじゃないか。
『ランカの父親を見つけたい。全てを奪ったホウオウグループを倒したい。それは、『綾音』が……私と一緒だった頃のキミが、望んだこと。だけどキミは、弱さと一緒に、その願いをも封じ込めてしまった』
『キミは、『私』だった頃の願いに縋っているだけ。そうしなければ、自分を保てないから』
「綾音」として決意しながら、僕は弱さを切り捨てて「スザク」になった。だけど、使い分ける内に二つは解離し、その願いは弱さである「綾音」が持って行ってしまった。残された「スザク」の方には、自分を支えるだけの柱がなかった。だから、「綾音」としての願いに縋り、自分を保っていた。
それが限界に来て、「綾音」と「スザク」は一つになった。だけど、それはまだ不完全だった。
主軸になった「スザク」の方からすれば、突然抱え込んだ「弱さ」をどう扱うべきかわからず、半ば放置していた。そして、「スザク」でも「綾音」でもない、今在る僕を支えるものを見つけられず、無意識にその「願い」に縋っていた。
そこに来てシドウさんの帰還と明かされた真実……自分自身が不安定なところに、辛うじてそれを支えていた「願い」自体がなくなり、果てない自己否定に墜ち込んでしまった。
――――見つけたはずの、大切なものさえ見失って。
- 44:スゴロク:2011/04/09(土)
01:55:10
- 「……情けないなぁ、僕」
「そうでもないわ。誰もが一度は通る道……あなたのは、ちょっと極端だけどね」
そして、その人は、言う。
「弱さも強さも、やたらに表に出すものじゃないわ。忘れるものでも、押し込めるものでもない。心の中に、詰め込んでおくものよ」
「詰め込む……」
「しまっておく、でもいいわね。そして、時に応じて互いに顔を出すの。どちらを出すかは、もちろんあなたが決めるのよ」
……けど、それなら。
「その『僕』は、何のために……」
最初の疑問に戻ってしまった。けれど、その人は最初には戻らない。
「それは、自分で探さないと。これがそうだ、って与えてあげるのは簡単だけど、選択するのはあなたよ。それも、目を覚まさないと、探せないわよ? それとも、ずーっとここにいるの? こんな、何もない場所に」
「………………………………………、だ」
「そんな、の…………嫌、だ」
辛うじて、それだけ声が出た。喉がからからになって、言葉が出ない。ただ、こうなってから初めて、思った。
生きたい、と。もう一度、あの子の傍に行きたい、と。
それを汲み取ったかのように、その人は微笑む。山吹色の髪を揺らし、すっ、と身を引いて。
「それでいいのよ、スザク。誰のためか、何のためか。そんな大袈裟なこと考えなくても、生きたい、歩きたい、それだけでいいの。そうやって歩いていれば、やりたい事も、やるべきことも見つかるわ」
「…………うん」
「いい返事ね。差し当たっては……トキコちゃんかしら? あの子、何か色々とおかしなことになってるわよ」
「え?」
次にその人が語った内容は、僕にとってかなり衝撃的で、しかしある意味予想された結末だった。
最後に語られた、トキコの「選択」。どうしてこの人がそれを知っているのかは置いておいて、その内容は、僕にとっては予想の範疇ではあった。ただ、
「弱さを殺して、強く……それって、こうなる前の僕と一緒じゃないか」
「というか、あなたが正人君に勘違いで恋したきっかけの方ね。その頃のあなたから言えば、『鏡』ってやつ」
そう、強くなっているつもりで、実は弱さをまったく振り切れていない、矛盾した自分。それを見せつけられるようで、あの頃はトキコが嫌い、というか苦手だった。
「それをどうしろ、とは言わないわ。あなたが決めなさい。あなたの道なんだから」
優しく穏やかに、しかし決然と、その人は僕を突き離す。自分で選択し、その結果に責任を負え、と。
だけど、それなら僕の答えはひとつだ。
「……何も変わらせない。トキコがどう選択しようと、僕はそれを受け入れる。結果も、当然。だけど、それをきっかけに僕らの今を変えようなんて奴がいたら、絶対に許さない」
トキコもまた、自分の道を選択した。僕はそれを受け入れるだけだ。けど、それだけじゃ終わらない。
「支えが必要なら僕が支える。道に迷うなら手を引いてやる。行きたい場所があれば連れてってやる。トキコがトキコのままでいられるなら、僕は力を尽くすことを躊躇わない」
「……ふふっ。ホントに『捕まっちゃってる』のね、あの子に」
そうかも知れない。いや、そうなんだろう。違う、その通りだ。
いっそ見事なまでに、トキコにベタ惚れ状態だ。
「当面は、それでいいのかしら?」
「当面じゃない。出来れば、ずっとこのままでいたい」
約束を果たす、その時までは。それが僕を支え得る柱になるかどうかわからないけど、今の僕にはこれが全てだ。
その人が、言う。
「……いい答えね。さあ、もう起きる時間よ」
「……わかった」
意識が浮上する。少しずつ、視界が明るくなる。遠ざかるその人の声が、届く。
「私は、いつでもあなた達を見守っているから……だから、また会いましょう、綾音」
返す言葉は、一つ。
「うん。また、いつか、ね…………母さん」
- 45:スゴロク:2011/04/09(土)
01:56:36
- 「……ん、んぅ……」
何だか頭がぼーっとしますわ……わたくし、何をして……。
「……はっ!?」
一瞬で意識が覚醒しました。そうです、姉様に寄り添っていて、そのまま眠ってしまったのでした。視界の隅の掛け時計を見ると、朝8時を少し過ぎていました。
「姉様………」
呟き、身を起こそうとする――――その頭が、何かに優しく押さえられているのにやっと気付きました。
(え、っ?)
撫でられているような、この感覚は……。恐る恐る顔を上げ、そこに見たものは、
「どうしたんだ、アオイ?」
優しく微笑む、姉様の姿。視界が瞬く間に歪み、求めていたその姿が掻き消えてしまいます。ああ、もっと見ていたいのに。いえ、でも、それを確かめる方法は。
「姉、様」
「ん?」
震える手を伸ばすと、姉様も手を出して、すっ、と手を取って下さいました。
「姉様……姉様ぁっ!」
頭が一瞬真っ白になって、気が付いたら身を起こした姉様に飛び付いていました。おっと、と受け止められ、抱きしめられて、悲しみでは決してない涙で、視界が滲んでなりません。
ようやく口に出来た言葉は、
「……おはよう、ございます……スザク姉様」
「……おはよう、アオイ。心配、かけちゃったな」
もう一度、自らの翼で
(闇の底より朱雀は還り来る)
(母の言葉を心に刻んで)
(誰より愛しい少女のために)
しらにゅいさんから「トキコ」、サトさんから「スイネ」を名前だけお借りしました。
- 46:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/09(土)
03:19:30
- トレーニングルーム1F「模擬戦闘フロア」
「よーし!白スーツ!今から鉄球を飛ばすから軽い念力で粉微塵にしてやれ!」
「ふざけんなイモ野郎!軽い念力ったって俺の能力は再生能力しか無い!」
「何のための御g…制御クンだ?制御クンは万能なんだ、『能力』に関してはな。」
「何を…うおっと!」
「おい!避けるだけじゃダメだ!破壊しろ!」
「んなこと言ったって…ん?」
鉄球の当たった壁は凄まじく陥没していた。(材質はウスワイヤ特製強化コンクリート)
「(゚д゚)」
「よーし、もう1球!」
「お、おおおおい!マジで無理…ッ!」
鉄球が神龍の目の前まで来る。
「せい…やっ!」
突如神龍が構えた制御クンからは白と銀の混ざった美しい色の光の刃が、鉄球を粉微塵にする。
「これは…」
「えーっとね、おいKEA君、説明しろ」
イモは粉砕されてゴミ箱に片付けられ焼却炉に入れられた。
(その後何事も起きなかったかのように蘇りました)
「制御クンには、能力を完全に自分の制御化に置けるだけではなく、能力の幅を
広げることも可能なんだ。」
「つまり、どういうことだってばよ」
「チサト!」
「」←『万能である』と伝えたそうな目つき
「成程!」
「チサトはテレパシーも何も送ってないそうだぞ」
「ロリコンなめんな」
- 47:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/09(土)
03:31:28
- 模擬戦闘、工藤愛子
「えー、今日はマスターこと、僕らのアイドル愛子ちゃんの模擬演習です。」
「よろしく~♪」
「で、マスターの能力は基本的に消滅できない物とかは無いんですけども、
(愛子ちゃんの能力は高熱で、どんなものもドッロドロのシュッワシュワにしちゃうぞ!
つまり、熱して液体にしたり気体にしたりしちゃうんだ!)」
「まあ、そうね」
「今回は、絶対に溶かせないクローンを使って演習を行います。」
「つまり、高熱以外の能力を目覚めさせるってコト?」
「そうだ、俺はさっき、『切り裂く能力』を何かのはずみで手に入れた。」
「そうねぇ…で、そのクローンっていうのは」
「量産型ホウオウだ」
「yes」
「yes」
「基本的に意思とか同じなんで」
「ていっ☆」
「ye::::::
「ye::::::::::
「ラブプラ:::::::::
「ぎゃあああああああ!内山さぁん!安崎さぁん!遠野さああああん!!!」
「もっと違うクローンは…」
「よし、changeclone!『Aya』!」
アヤそっくりのクローンが2、3人出てくる。
「あら、可愛いクローン」
「そこで制御クンの出番である。ちなみにそのクローン達は、
本物のアヤと同じ能力を持っているぞ」
(ここらへんで注意!今愛子さんは何かの機械チックなイスに座って機械チックなヘルメをかぶって、
コンピューターの制御化におかれた模擬フィールドに意識が㌧でいます。神龍もそうでした。)
「ええっ?それはちょっと…きゃっ!」
ドゴォッ バキバキバキバキ…
「破壊力すごいわぁ…」
「さて、何とかアドリブ(!?)で制御クンを操ってどうにかしろ!」
「そ、そんなこtきゃあっ!」
ドゴッ ガラガラガラ…
「やってみるしか無いわ。えいっ!」
愛子ちゃんの制御クンからは、青緑を明るくしたような、ミント色にちかい
美しい色の光が出てくる。その光はアヤクローン達を包み込む。
「ど、どうなるの?」
瞬間、アヤ達は愛子ちゃんにすり寄る。
「あら、可愛いわ…♪」
「和解の能力か、戦わずして勝つ。いいねコレ」
神龍が感心しているが、
その時であった。
「んー…まだ何か足りないわね、それっ!」
- 48:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/09(土)
03:42:19
- 瞬間、愛子の制御クンからは何やらピンク色の霧のような光が出る。
それにつつまれたアヤ達は、「はい模擬演習終了ーッ!!!」
おい!いいところだったんだぞ!死ね!むしろ死ね!!白スーツ!
気味の悪い男が切り裂かれて焼却炉にブチ込まれる。
「残念だわ、可愛がろうと思ったのに」
「…かなり恥ずかしい」
アヤは顔を真っ赤にして柱から愛子の様子をチラチラとうかがっている。
愛子が軽くウィンクをすると顔をさらに赤くしてサッと体をひっこめる。
「さて、使い方もわかったし…アヤちゃあああああああああああん!」
「ひゃあああ!」
「KEAちゃん、医務室って何処かしら?」
「ほい地図」
「わっ、渡すな!馬鹿!あとで皮膚ごと体じゅうの骨を砕いてやる!」
「やれるもんならやってみろ!神龍を盾にして被害を最小限にとどめてやる!」
「お前マジふざけんな」
「あのぉ…」
「あ、BARの女性客ちゃんじゃないの、どうしたのよ」
「待て、一般人が何故ここに」
「愛ゆえです!あと愛子さんに呼ばれました!」
「ふざけるな!…ふざけ……」
KEAは何かを思い出したようだ。
「…ウスワイヤの地図を渡す。医務室の場所はこれで調べろ。」
「男も捨てたもんじゃありませんね!ありがとうです!」
「なあけあ君、お前は………そうか。」
かつて、KEAと共に戦った『ツル』という女性。
初めてKEAが友情と絆と愛を確かめ合った女性。
彼女の使う弾丸、形見は今KEAの首にかけられている。
「…そうか。」
「ああ。」
医務室
「あら、来てくれたの?」
「はい!愛ゆえ、です!あれ、そこの可愛い女の子は?」
「ふーっ…ふーっ…ふーっ…」
「新しい『オトモダチ』♪」
「うふふふ♪なら可愛がってあげないと♪」
「…ッ!ーーーッ!ーーーーッ!!」
ホウオウグループ第二支部
セキ「何やらとても良いことが敵陣で起こっている気がするよ」
バツ「くたばれイベリコ」
ホウオウ「…」
- 49:ナイアナファン◆ovDwR2rfNs:2011/04/09(土)
03:49:46
- バツ「ハッ!ホウオウ様!緊急通信でありますか!!!」
ホウオウ「要件を言おう」
バツ「ハッ!!」
ホウオウ「イベリk…そこの科学者に作らせた電車型の新兵器がある。今は整備中だろう。」
バツ「ハッ!現在も整備は順調であります!」
セキ「今日くらい泣いてもいいよね、ネネたん」
ホウオウ「話が早い。クダラ小学校方面に移動、ケイイチは来るだろう。潰せ。」
バツ「ホウオウ様の仰せのままに」
ブツン
バツ「さて、整備も終わったし、いっちょ行きますか!フゥ~!」
バツ「セリフ練習セリフ練習!『スタービングチルドレンッ!!!ヒャッハァ!』」
セキ「俺はもう駄目かもしれんね」
終わりです。
次の話でとりあえず訓練編を終了し、本格的な戦闘編に入ろうと思います。
ホウオウの口数多杉。だってホウオウって扱いが難しいもんっ!
「yes」とか言ってる奴とは違うもんっ!
ところで百合描写のことですが、不快に感じる方がいらっしゃればもう少しマイルドにします。
「別にかまわんよ」というご意見があれば普通に書きます。
天変地異程度にはありえない話ですが、「百合希望!」とか「期待」とか言って下さる
方がいらっしゃればもう少しグヘヘヘヘ!
- 50:しらにゅい:2011/04/09(土)
13:16:15
- 遅れましたが感想投下!
>>22-24
誰が悪いわけでもない、けれども父親が帰ってきたことで親友は
生死の境を彷徨うことになってしまった。負い目を感じてしまうのも、
無理はないかもしれません(´・ω・`)
しかし、今まで尽力を尽くしてきた彼女が自らを否定するとなれば、
マナちゃんだって黙ってられないでしょうね。
スザクはランカちゃんを哀しませる為に今まで頑張ってきたわけじゃないですし、
ランカちゃんがいたからこそ今のスザクがいるわけです。
ランカちゃんの発言はある意味スザクの頑張りを全否定するような発言。
そりゃマナちゃんだって怒ります。だから、待ち人達は自らの負い目を悔いるよりも、
今はただ彼女の帰還を信じるだけ。それが最大にして最善の手段。
そして闇に墜ちた朱雀の苦悩、無駄に傷付くだけならばもういっそ全てに
眼を瞑ろうと諦観していた矢先に現れた・・・お母様ァァァ!!!
>>41-45
もうホント分かり難くて読む気さえ起きないだろうなぁーwwwとか
考えながら投稿しましたwwwサーセンですホントwww
さて続きのお話なんです、が・・・
流石お母様、厳しくも的確にスザクの心理を突いてきますね。
けど確かにお母様の言うとおり、スザクのしてきた事が全て無意味じゃない。
スザクが奔走したおかげで守れた日常があった、
自分を変えることが出来た人達がいた、
安らぎを見つけることが出来た人達がいた。
ランカちゃんの為だけじゃなく、スザクの行動は彼女に関わる全ての人達に
何かしら意味をもたらしていたと思います。
ヒントは与える、けれどもその答えを見つけるのは彼女自身。
母の導きにより、ようやく朱雀は翼を取り戻しもう一度羽ばたきだすのです。
・・・おかえりなさい、スザク姐さん!うわーん!(´;ω;`)
トキコのくだりはまったくもってその通りです、伝わったようで嬉しいです(*´∀`)ウフフ
今のトキコはまさしく歪んでた時のスザク姐さんです。
弱さを他人に見せず、その存在を許さず、何度も何度も殺してきたんです。
そう考えれば起伏の激しい子だなトキコ・・・
最終更新:2012年02月29日 12:34