企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
- 1:鶯色:2011/04/04(月)
16:19:48
- ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
•本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
•時系列は本編(2002年のGW4月28日~)よりも前の話が主になります
•本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
•人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
•ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/27.html
前スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
- 601
:サイコロ:2011/07/07(木) 01:01:51
- <抱えた爆弾>シリーズの続きです。
回を増すごとにバイオレンスかつ微妙に…。
若干R-18、グロ描写を含みますのでご注意を。
<ショウゴと二人の突撃前回想。>
リュウザは少年兵として身を売られた少年だった。
親の顔は既に覚えていない。
中東のとある犯罪組織に二束三文で売られた直後、大国の爆撃によって容易く吹っ飛んでしまったらしい。
しかし、それを不幸に思ったことは無い。
犯罪組織は反政府のテロリストでもあった。
そこでは21番と言うコードネームを与えられ、少年兵として育てられた。
政府による執拗な攻撃の中で、生き残るために必死だった。
殺す事や奪うことは日常。
やがて、どんな取り決めがあったかは知らないが、ある中国系マフィアに引き取られた。
マフィアでの暮らしはそこそこ豊かで、人間らしい教養を身に付けたのもそこでのことだった。
だが、ある日突然運命のいたずらの様なものが起きた。
抗争が起き、敵マフィアがボスを車ごと襲撃したのである。
しかも、アンチマテリアルライフルという対戦車ライフルを利用して、だ。
その時ボスの隣にいた彼は特殊な感覚に陥った。アクション映画の様な、スローモーションの感覚に。
視界が薄く青に染まり、真正面の大男から放たれた巨大な弾丸が迫ってくることを認出来る程、スローモーションになった。
此処まで彼が集中したのは初めてだったかもしれない。
そして、強烈な殺気を感じたのも。
そういった環境が整って。
彼の能力、スローモーションは発現した。
スローモーションのおかげで、ライフルの弾丸を拳銃で撃ち落とす事は出来た。
しかし、運転手がパニックを起こし突っ込んだガソリンスタンドは爆発し、
ボスもろとも吹き飛んで彼だけが生き残った。
色々あったが、最後に売られた先は日本のヤクザだった。
鎖でつながれ、家畜のように檻の中に入れられていたが・・・そんな彼に救いの手が差し伸べられた。
コトハは生まれた時から勝ち組だった。
親は人財産を築き、生まれた時からコトハに帝王学を学ばせるほどだった。
そしてその教育は、典型的なお嬢様を、しかもとびきりの高慢なお嬢様を創り出した。
ここまではよくある話だ。
しかしここからが良く無い話だ。
資産を狙った強盗に一家で襲われたのである。
父親は拷問をされ、母親は強姦された上に体を縦に切り裂かれた。
抵抗しようとした兄は眉間に穴を開けあっさりと絶命した。
コトハと弟は拉致され、家畜闘技場に送られた。
まずコトハが磔にされ、弟に鋸が渡された。
「四肢を切り落とせ。」
男にそう言われ、弟は喚いて泣きじゃくり、結局コトハの四肢を切ることはできなかった。
今度は逆に弟が磔にされ、コトハに鋸を渡され、同じことを言われた。
コトハにはこの先がなんとなくわかった。ここでやらなければ、コトハ達はここで殺される。
観客席はマジックミラーに覆われ見えないようになっていた。
誰もいない様な錯覚に陥りそうになるが、確かに醜悪な欲望や悪意が渦巻き、そういった視線も感じた。
コトハは弟の四肢を切り落とした。
落とした瞬間、男がやってくる。同時、マジックミラーに多くの文字が浮かび上がった。
「被害用の同年代の子と戦争、もしくは死合いをしてほしい」
「弟をレイプしながら内臓を食べてくれたら興奮する」
「体中の穴と言う穴にいろんなモノをブチ込んでほしい」
観客の注文リストだった。男は言う。
「おめでとう。君は今日からこの闘技場のスターだ。」
結局、大体の要望はやらされる事となった。
ある時、格闘技を習わされた。「その方が客が興奮するから」と言われた。
そして、闘技場で死合いを重ねた。欲望の捌け口にもされた。
拉致されてから何年の月日が経ったのか。コトハはいつの間にか、家畜闘技場でトップアイドルとなっていた。
今日も人を殺すのか。そんな事を考えながら家畜闘技場の真ん中に立った、彼女に救いの手が差し伸べられた。
- 602
:サイコロ:2011/07/07(木) 01:02:27
- ショウゴとミナが幼いころにはよく一緒に遊んでいた。
一緒に街を駆け回り、一緒に親父に怒られたりもした。
そして、ヤクザの世界の事も学んだ。
親父は厳格で不器用だったが、ミナは気が強いクセに優しかった。
ミナとショウゴが敵対するマフィアに連れて行かれそうになった時も、
ミナはカッターを構え瀕死のショウゴを必死で庇ったし、
親父はおっとり刀で駆け付けマフィアを叩き斬って助けた。
ショウゴは妾の子で家は離れていたし、周りには秘密にされていたが、
強い絆で結ばれていた。
ある時、家畜闘技場の話とそれを運営する組の話を聞いて、潰す話が出た。
最高顧問の叔父は渋ったが、親父がごり押ししたのである。
情報が漏れ、参加の組の一つが襲撃されたため、部下に裏切り者がいる可能性があると
踏んだ総長は自ら信頼できる者を連れて攻撃を仕掛けた。
その時はショウゴもミナも一緒に攻め込んでいた。
まずは家畜闘技場の真上に立つ敵本拠地を攻め、血の海にした。
ショウゴとミナが索敵した部屋には檻があり、銀髪浅黒の肌をした少年を始めとした、
人身売買の犠牲者を見つけると全員を解放した。
リュウザ、と名乗る少年が「闘いたい」と言い、
ショウゴはその真っ直ぐな目に応え自分のアサルトライフルを貸した。
リュウザを連れたショウゴとミナが総長達と合流すると、今度は地下の家畜闘技場へ向かう。
更に反撃が強くなったが、ミナがグレネード弾をぶっ放すと敵もおとなしくなった。
闘技場の中に入ると、マジックミラーに覆われた観客席に向け一斉掃射した。
すでに腐った観客は避難済みである。現れるであろう敵を警戒したが、
家畜闘技場の被害者の女の子を自由にする方が早かった。
脱出するために走る通路でいきなり現れた敵へ、助けたばかりの女の子が肉薄する。
まるで次の攻撃が見えているかのように敵の攻撃を避けると、
「なんか見えるわ。赤い線…殺気かしら?」
と、首をへし折りながら呟いた。
外へ出ると敵のボスを乗せたヘリが飛び立とうとしているところだった。威嚇射撃に怯み、
手の出せないショウゴ達だったが、リュウザが飛び出し弾丸をかわしながらグレネード弾を撃ち込んだ。
後で聞いたことだったが、リュウザにはスローモーションで戦闘が行える特技があったのだ。
ヘリが爆発し、敵の組のボスは跡形も残らなかった。
リュウザも、コトハも、ショウゴも、皆過去の事を思い出していた。
時計を見るショウゴ。
「・・・。」
三人は制服を着て、車から降りた。歩いて出雲寺組に向かう。既に道は封鎖済み、突撃・陽動組も待機完了。
ショウゴの腰にはいつものモデルガン二丁と、ドスが見えないように差されている。
コトハも拳銃を二丁。スカートの中にナイフを何本か仕込んでいる。
リュウザは腰に拳銃を一丁、サブバックにサブマシンガンを一丁。
「演技は頼むぞ、二人共。・・・こうなった以上、頭抑えてとっとと終わらすしかねぇからな。」
「分かってるよ、ショウゴさん。」
「勿論理解してるわ。」
三人は、出雲寺組の門の前に立つ。
抗争が、始まる。
ショウゴの望まぬ、抗争が。
- 603
:大黒屋:2011/07/07(木) 20:35:30
- (六x・)さんのフラグとりまくってるけど、俺でいいのかなぁ…;
名前のみ(六x・)さんから「凪」「風真」をお借りしました。
海に沈んだ芸術家、鉄の少女の初仕事
「…っはぁ、はぁ…。」
崖のすぐ下の空洞に突如として腕が現れ、陸地をつかんだ。
続いて肘が上がり、更に奥の地をつかむ。
引きずるように体を水面からあげたのは、先程海に落とされたパラボッカだった。
彼は背負っていたアリアを先に陸地に上げ、自らも重い体を引きずるように陸に乗った。
「完全に油断したね。まさか、あのタイミングで邪魔ものが入るなんて。」
息切れしながら言葉を紡ぐパラボッカ。しかし、アリアは未だに気絶していた。
しかし、彼は傷ついたこと、傷つけられたことは全く考えてなかった。
いや、むしろ。
「折角の芸術が、台無しになってしまったじゃないか…。」
彼は仰向けに寝転がると、岩の露出した天井を見つめた。
「傑作になると思ったのになぁ。しかも、賭けもなかったことになってしまった。」
その声には、憤りも悲しみも一切含まれていなかった。
その眼に映るのは本当に芸術だけと言わんばかりに。
「あーあ、どうしよっかなぁ。でも、この傑作だけは逃せないんだよねぇ…。」
暫くぼんやりと天井を見つめていた彼だったが、やがて溜め息をつきながら起き上った。
「とりあえず、今日はアジトに帰ろう。ストレスはらさないと。」
彼はそういい。水のしたたるマントの上からアリアを背負い、もう一度海の中へと消えた。
「へ?風真さん?知ってるわよ。昔お世話になったからね。」
そう反応した亜音に、由衣は喰いついた。
「本当か!」
「ええ。それがどうかした?」
「実は昨日、その風真さんにあって…。」
「…へぇ、あの人、子供いたんだね。」
「凪っていうんだ。こないだも一緒にいた。でも、なんだか様子がおかしくてな。」
「…もしかして、前になんかいってたあれかな…?」
「父親は事情を知っている風だったし、凪は私の大切な友達の一人だ。私になにか協力ができれば…。」
「…今度、ここに食事にくるって言ってたわね?」
「え?あ、ああ。」
「なら、そのとき話をつけておくよ。」
「へっ?」
「思えば、あんた、アースセイバーに入ってから大分経つわけだし、そろそろ実践も良いかなぁと思ってね。」
「亜音さん…。」
「ただし、危険なことは極力しないこと!いいね!」
「…分かりました!」
由衣は元気よく返事をした。
- 604
:しらにゅい:2011/07/07(木) 21:22:16
苦しいし寂しい
ホントは手を伸ばしたくなるほど誰かに叫びたい
助けて貰いたい
大丈夫だって言って貰いたい
でも、大切な人に迷惑をかけたくないから
ボクの針はその思いをおおげさに汲んで
誰も彼も傷付ける
・・・これは、ボクの罪だから仕方が無いんだ
死んでからずっとそう思ってた
そんなボクの元にも、ヒーローが訪れたんだ
- 605
:しらにゅい:2011/07/07(木) 21:26:20
その日、ボクはいつものように同級生に絡まれて、いかせのごれ高校近くにある
コンビニに行き、万引きをしてこいと強要された。当然断れるはずもなく、
ボクは苦しい気持ちを抱えたままコンビニに行き、お菓子棚に陳列されている
チョコレートを盗もうとした。幸い、レジの店員さんは居眠りをしていてこっちを見ていない。
ボクはそれを鞄の中に入れようと…した。
すると突然、ボクの腕が捕まれ、それは阻止されてしまったのだ。
「!?」
腕を掴んだのはボクより背の高い、男の人。
彼は低い声で、ボクを睨みながら言った。
「何してるんだ?」
「あ、…う…」
怖かった、怖くて声が出なかった。
万引きするところを見られたからとかじゃなくて、その人が持つ異様な雰囲気に
恐怖を抱いた。制服を着ているところからみれば同じ学生だと分かるのに、
こちらを見る目はまるで違う。次に殺されてしまうのではないかと、そんなことを
思ったぐらい鋭くて、強くて、とにかく怖かった。
どうしよう、どうしたらいいんだろう・・・!?
しばらく声を出さないで固まっていたら、不意に男の人が手を離して、代わりにボクが
持っていたチョコレートを取り上げ、それを持ったままレジへと歩いていった。
「すいません、これお願いします。」
「ん?あぁ、はい…」
彼はレジの店員さんに、ボクが盗もうとしたチョコレートと、もう一つ
手に持っていたペットボトルを会計して貰っていた。
ボクは逃げ出そうともせずにその様子を、ただ呆然と眺めているだけだった。
「ありがとうございましたー」
「行くぞ。」
男の人は一度振り向いて、ボクにそう言ってからコンビニを出て行った。
「え、あ、はっ、はい!」
反射的にボクは答えてしまったけど…大丈夫、なのかな…
そんな不安を抱えながら、ボクは彼の背中を追うようにコンビニを後にした。
その後、あのうたた寝をしていた店員さんが別の眼鏡をかけた店員さんに
こっぴどく叱られたのはここだけの話。
***
歩きながら、彼は自己紹介をしてくれた。
彼は「汰狩省吾」という人で、いかせのごれ高校三年生の先輩だった。
柔道部の主将をしているらしい。
ボクもボクなりに自己紹介をしたけど、それっきりで後は黙ってしまった。
人見知りが激しいわけじゃないけど、常日頃から「恐怖」を抱くボクにとって、
初対面の人にすぐ心を開くのは、とても難しいことだったから。
- 606
:しらにゅい:2011/07/07(木) 21:32:48
- 「………」
「………」
コンビニから少し離れた公園に着いて、ボクは先輩と一緒にベンチへと座った。
隣に座るタガリ先輩は、袋からペットボトルとチョコレートを出す。
ボクが盗もうとしたのは、長方形の板チョコ。昔はカイくんとはんぶんこにして、
下校途中とかよく食べてたかな。最近、彼女たちはそれを知ってるのか知らないのか、
よくボクにそれを盗ませようとする。思い出のお菓子だったのに、なんだか悲しい。
複雑な思いでそれを見つめていたら、タガリ先輩は板チョコをボクに手渡してきた。
ボクは眼を丸くして、それと先輩の顔を交互に見つめて呟いた。
「…え?」
「食べたかったんだろ?これ。」
「え、で、でも…」
「いいって、もう買ったんだから好きなだけ食えよ。」
「…違うんです、これは、その…」
「分かってる。同じクラスの奴に盗れって頼まれたんだろ?」
「!なんで知って、るんですか…!?」
一気に血の気が失せた気がした。なんで初対面の先輩がそんなことを知ってるんだ?
もしかして、今までのことも…!?
ボクの心の中を見透かしたように、先輩は言った。
「見たのは、今回が初めてだ。まさか現行犯で捕まえられるだなんて思ってなかったし…
何より、女の子がやってたとはな。」
「あ、……そ、それは・・・!」
「大丈夫、警察に突き出さねーよ。安心しろ。」
「………」
どうして、なんて聞けなかった。
だってそう言った先輩の眼は、先ほどと打って変わってとても優しかったから。
・・・この人は、ボクが悪くないって分かってるんだ。
「…っぐす…」
「お、おいおい…大丈夫か?」
「へ、平気…です…うう…」
泣き虫なボクの背中を、先輩は苦笑しながら優しく撫でてくれた。
こうやって誰かに優しくして貰ったのは、カイくん以外の人は先輩が初めてだった。
学校じゃボクは格好のいじめの的だし、それに関わろうとする人はほとんどいない。
だから、・・・嬉しかった。
「まぁ、なんだ・・・また同じ事言われても、もう二度とするんじゃないぞ。」
「・・・っぐす・・・でも・・・」
彼女達はそれを許さないかもしれない、と言う前に先輩が先手を取った。
「それをネタにいじめられるかもしれないって?だったら、俺のとこに来い。」
「えっ?」
「いじめられそうになったら相談に乗ってやる。そうしたら、
もう万引きなんて真似しないだろ?」
「・・・で、でも、そうしたら先輩に迷惑を・・・」
おずおずとボクがそう言えば、先輩は胸を張ってこう答えてくれた。
「迷惑なわけないだろ、俺は困ってる女の子を放っておくような男じゃないからな!」
そう言って、明るく笑う彼の姿はまるで太陽のようだった。
また泣きそうになったけど、けど今度は抑えて、先輩から貰ったチョコレートに被り付いた。
涙が落ちてしょっぱかったけど、久しぶりに美味しいと思えた。
臆病と先輩
(まるでえほんからでてきたように)
(ヒーローはとつぜんあらわれてボクをすくったんだ)
- 607
:しらにゅい:2011/07/07(木) 21:39:19
- >>604-606 お借りしたのは汰狩省吾(サイコロさん)、名前のみカイリ(鶯色さん)と
直接は出ませんでしたが、安達廉(瀧澤)さんでした!
ただいま汰狩省吾くんが大変なことになっているのイメージアップしようキャンペーンを
絶賛開催中で(ry
でもこの話は抱えた爆弾シリーズから構想を練ってたんですよ!結局書けたのが、
せいぜい60%ぐらいでしたがね!ウワーン!!(;´Д`)
きっと先輩は学校だと風紀委員みたいな感じで平和を守ってるんじゃないかなって
思ってます、正義感が強いからね。
みくのいじめについてはまた機会があったら詳しく書きたいと思います~
- 608
:砂糖人形:2011/07/08(金) 21:31:12
- ユウムで連載をしようと思って。
本家から「サイナ」さん、鶯色さんから「ハヤト」君お借りします。
うちからは、「ユウム」です。
戦いのあとに
帰路、ユウムはホウオウグループの元へと向かっていた。
『でも、私達は友達』
『絶対ユウムを傷つけさせはしないわ』
『ユウムちゃん、ごめんね』
ホウオウ様も大好き、でもネーちゃんもフウコも大好き。
でも、どっちも傷つけさせたくない。
あたし、どうしたらいいの?
天気は不調で雨の音が響いていた
パシャッと雨の音に混じって人の歩いてくる音がした
「ユウム、あなた作戦を失敗したようね
ホウオウグループの恥だわ」
紫色の髪 長い三つ編み チャイナドレス
「サイナ・・・!」
「ホウオウ様の命令に逆らったわね。あなたはもう用済みよ」
『あなたはいらないのよ』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
『いらない』
「アハハ、用済みかぁ、悲しいなあ」
ユウムは顔を歪ませて少し俯いた
「あなたを処分するように言われたわ、死になさい、ユウム」
「ホウオウ様の命令じゃ、仕方ないかな・・・
いいよ、ひと思いにやってよ、サイナ」
「ええ」
サイナは影より深い黒色の槍を出した
それを、ユウムの横腹へと向かって突き刺そうとした
「うりゃあああぁああああ!」
「!!」
いきなり誰かがサイナに向かって斬りかかってきた
それは、頭にオレンジ色のバンダナを巻き付けた少年
ハヤトだ
「逃げるぞユウム!!」
ハヤトはユウムに向かって手を伸ばした
「・・・ハヤト?」
「いいから、こっちこい!!早く!!」
「う、うんっ」
ユウムはハヤトの手を取ると全速力で走り出した
「っはぁ、はぁ」
「ハヤト、何で・・・」
「あれ、ホウオウグループの奴だろ、いろいろとヤバイじゃんっ!」
「・・・」
「とにかく、これからウスワイアに向かうからっ」
「えっ?!」
「ホウオウグループの奴らなら、さすがに一般人を追いかけてまで、ウスワイアまでには来ないだろう」
「そ、そう、だね・・・」
- 609
:(六x・):2011/07/08(金) 22:44:00
- >大黒屋さん
全然構いませんよ!
ブロントさん、レディ相手に思い切りやってしまいましたなw
「昔お世話になった」とあったので、その辺りはお任せしたいと思います。
「そう。じゃあしばらく学校は休ませた方がいいね。凪の頭なら多少休んでも問題ないだろうし。」
「その間に解決策が出ればいいけどな。いや、俺が探してやるんだ。」
「初めて父親らしいこと言ったんじゃない?」
「え…」
「普段があまりにも気持ち悪いから、一児の父ということを今の今まで忘れていた。」
「ねぇ雪乃、君は本当に俺の奥さんかい?あ、今日の昼は外食にしようと思ってるんだけど雪乃も来る?」
「私はいい、凪と二人で行ってきな。」
「わかった。凪、飯行くぞー」
「親父と二人で行くのなんて何年ぶりかな。まぁいいよ、私死んじゃうかもしれないんだし思い出作っとけば?」
「何言ってんだ、そんなことさせるわけないだろ。お前は俺が絶対助ける。」
「漫画みたいなセリフ吐いて、これだからオタクは…///」
「似なくていいとこばっかり雪乃に似るなぁw」
「いらっしゃいませ!」
「ん。二名な。」
不覚にも、ちょっとカッコいいと思ってしまった。キモヲタ糞親父なのに。
…母さんが好きになったのって多分こういうところなんだろうな。
絶対言わないけどな!
- 610
:(六x・):2011/07/08(金) 23:57:30
- タイトル付け忘れてたΣ
609は「風使いと騎士の休息」です
- 611
:砂糖人形:2011/07/09(土) 18:27:08
- 大黒屋さんのソウト君のフラグ回収しました!
大黒屋さんから「ソウト」くん うちの子からは「団長」です。
団長と少年
「じゃあね、ソウト!」
「うん、じゃあね!」
学校が終わった帰り道、俺は昨日のサーカスのことを考えていた。
「サーカス・・・結局昨日も見れなかったなあ」
サーカスは俺にとって恐怖の対象であり興味の対象でもある。
きっと前みたいなことにはならないと思うんだけど、でも
怖い・・・
「こんにちはっ」
「うわああぁあぁ?!」
歩いていると、いきなり木の枝から人が逆さまになって飛び出してきた
「キミ、昨日の子だよね?」
「あなたは、昨日の変な・・・! あ、すみませ・・・」
「あはは、大丈夫だよー、やっぱり変だと思われちゃってたかあ、ワタシこの服結構好きなんだけどなあ」
昨日の人は木から下りると、服の裾をぱんぱんと叩いた
もういちどその人の服を見てみた
左右不対象のバランスのおかしい服を着ている
ところどころ、いろんな柄の生地で継ぎ接ぎが出来ている
中のYシャツは真っ赤
やっぱり変だけど、なんか、なんでだろう、かっこいい
「あ、いや、その、とても、かっこいいと、思います・・・」
「そう?ありがとう!そんなこと言ってくれるのキミが初めてだよ!」
昨日の変な人はそういうと、口を緩ませ眩しいほどの笑顔をして、僕の頭をわしゃわしゃと撫でた
ちょっと恥ずかしかった
「そうだ、ワタシ昨日のサーカスの団長なんだ!よかったら、キミも入ってくれないかなあ?」
「え、俺が、ですか?」
「キミのほかに誰がいるのさ!キミしかいないよ、駄目かな?」
「え、と、その・・・」
「あ、無理には言わないよ!気が向いたらサーカスに来てみてよ、はいこれ、チケット」
ポケットをガサガサと鳴らして中からくしゃくしゃになったチケットを僕に渡した
「え、えっ」
「じゃあね、そろそろ会場準備しないと!」
戸惑っていると、急にその人は走り出した
「あ、ちょっと、待っ」
「お金はいらないからー!」
そういうことじゃ、ないんだけどなー
「どうしよう・・・これ」
- 612
:大黒屋:2011/07/09(土) 20:37:42
- 砂糖人形さんのを受けて投稿です。フラグ回収はお任せしますが、様子見次第ではセルフ回収しますので。
砂糖人形さんより名前のみ「団長」をお借りしました。
ヤマアラシのジレンマ
「どうしよう、本当に勢いに任せて出ていったはいいけど…。」
サーカス当日。彼はそこまでの通り道に佇んでいた。
快晴の空に雲は一つも浮かんでいない。
しかし、彼の心はまだ濁ったままだった。
しわが入ったチケットは、先日「サーカスの団長」を名乗る男から貰ったものだ。
その時男は、彼をサーカスに入らないかと誘った。
そのことを主に話せば、主は微笑んで言ってくれた。
「よかったじゃない。必要とされてくれるほど、うれしいことはないよ。あとはソウト君次第だよ。」
彼は思い出した。先日の団長の姿を。
姿とは裏腹な人懐っこい笑顔に警戒心を解きそうになったが、彼は頭を振った。
「また…。また、命がけの演武だったら、どうしよう…。」
か細い声でそういう彼の脳裏には、また過去が回想されていた。
風を切る音が彼の耳に届いた。
嫌悪感に浸ってる彼は、音の正体を確認しようとは思わなかった。
彼の背後の「空間」に、すっと線が入る。
彼はその端を握り、羽織るように開いた。
線は具合の悪い色味を帯びた面に変わり、「別次元」に奥行きを作り出した。
彼に覆いかぶさった「空間」はすぐさまうごめき、無数の光沢を見せた。
それは、数え切れないほどの剣、刀、槍…。
刃を従える武器が飛び出し、外の世界に切っ先を向けた。
その姿、さながら「ヤマアラシ」。
彼は暫くその姿のまま膝をついていたが、はっと顔をあげ、「空間」の端を離した。
振り返ると、飛び出た槍の一本に体を貫かれた鴉が、声もあげずに力なく羽を落としていた。
「ぁ…。」
彼はその槍を取り刃を引き抜いたが、鴉は既にこと切れていた。
「また…。また『禁じ手』、つかっちゃった…。」
彼は泣きそうになった。
鴉を弔い、自らを蔑む涙を零しそうになった。
常に研ぎ澄まされた神経と子供らしからぬ強さ、そして「百物語組第三七話」の力。
重力に従い流れ続ける血を、彼はぼやける視界で見つめていた。
しかし、直ぐに彼は涙をぬぐった。
これからサーカスに行くのに、心配されたくなんてない。
彼は鴉を近くの地面に埋葬し両手を合わせると、踵を返して走り出した。
「今日は…、今日こそはあのテントの中に入ってやる…!」
鴉の血が彼の足に滑り込み、暫くの間赤黒い足跡をつくっていたことには気づかずに…。
追記
開場前。やはり彼はテント前で入るか否か考え込んでいた…。
- 613
:大黒屋:2011/07/10(日) 15:45:45
- (六x・)さんより「凪」「風真」をお借りしました。
凪と由衣の会話、および風真たちが戻ってからの注文だのなんだのはお任せします(
協力の申告
店内に入ると、待ち構えていたかのように店長が顔を出した。
「いらっしゃい!久しぶりだね!」
「久しぶり、亜音ちゃん。」
風真は手を振った。
「由衣から話は聞いてるよ。一番奥、開いてるから座りなよ。」
「ああ。ありがとう。」
「親父、今の人、知り合いか?」
「まぁね。ときどき一緒に仕事とかしててさ。」
「ふぅん…。ていうか、親父って仕事何してんのさ;」
「内緒☆」
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりに…って、凪!」
「おお、由衣!」
「この間は大丈夫だったか?なんだか、様子がおかしいみたいだったが…。」
「ああ、とりあえずは。」
少し話をしていると、厨房から亜音が出てきた。
「貴方が凪ちゃん、だっけ?由衣から話は聞いたよ。」
「あ、はい。」
「ちょっと由衣と話しててくれるかな?風真さんに用があるんだけど。」
「大丈夫ですよ。」
「ありがとう。由衣。暫く休憩してていいから。」
「了解です。」
「何時振りかな、こうして顔を合わせるのは。」
案内され裏に回った風真は呟いた。
「3年じゃないかな。私がレストラン開いてからだから。」
「早いなぁ。話は聞いていたけど、これなくてごめんな。」
「いいんだよ。あの位の子が一番大変な時期さ。手はかからないが反抗してくるもんでね。」
「…あんた、何時の間にそんなに大人になった?人づきあいもうまくなったみたいじゃないか」
「そっちは変わんないようだね。他人思いなところとか。オタク趣味もかわってないだろう?」
「御名答。変わるつもりもないからね。」
くすくすとお互いに笑う。
「いつだったけなぁ。私がウスワイヤに引き取られた時、あんた、あの子より若い位だったんじゃないか?」
「そのくらいだな。あんたがアースセイバーとして初めて戦場に立ったときも一緒だったからなぁ。」
「あれから15年くらいしか経ってないのに。」
「十分だろう?」
「そっちには随分お世話になったさ。おかげで今の私がいるようなものだしね。」
「そんな大したことはしていないつもりなんだけどなぁ…。」
「いやいや。それだから私は、あんたに提案したいんだよ。」
姉は風真に向き直った。
「由衣から話は聞いた。凪の様子がおかしいっていうのは、やっぱり「戦闘狂」がかかわってるのかい?」
「…ああ。封印していたが、それが今とけかかってるんだ。」
「私と由衣に、その協力をさせてくれないか?」
「!?」
「勿論私たちだけじゃ何もできない。だけど、人間不信とはいえ人脈は広いんだ。意地でも協力者を見つけて見せる。」
「亜音ちゃん…。」
「由衣も、折角の友人を失いたくないと言っていた。だから私は、これをアースセイバーとしての初の仕事として言い渡したんだ。悪くはないだろう?」
「…。」
「そして、万一発狂しても、とめて見せる。約束だ。命に変えても、守ってやるよ。」
「…逞しくなったみたいだな。分かった。お願いするよ。」
「任せてちょうだいよ。」
彼女は強気の笑みを風真に向けた。
「さ、あんまり待たせると由衣と凪ちゃんが心配するからね。もどることにしようか。」
「分かった。さっさと注文決めないと。」
「ドリンクくらいおまけしておくよ。」
「それだけかよ;」
「良いじゃないか。」
二人はそう話しながら、店に戻って行った。
- 614
:虎吉:2011/07/10(日) 21:08:56
- 僭越ながら、小説を投下致します。
ストラウル跡地、赤い空はすっかり漆黒の闇に包まれ、銀色の冷たい三日月が妖しく輝いていた。
そんな月に照らされた瓦礫の山に、いくつかの赤い花が咲いていた。
これらの『花』の近くには、人と思われる腕、足、頭等が至る所に落ちていた。
服装から見て、どうやらいかせのごれ高等学校の不良連中である。
その中、一つぽつんと起つ者があった。それは、獣の耳、尻尾が生えた異形なる姿をしていた。そして、『花』を咲かせた事を証明するような、赤に染まった右腕。その先の、獣の如く鋭い爪。
三日月のような、鋭く光る銀色の瞳を細め、爪についた血を舐め取る。
舐め取ると、溜め息一つもらして、空を見上げる。空には幾つもの星が輝いていた。この時だけはストラウル跡地も、星が綺麗に見える隠れスポットとなっていた。
とある星を見つめて、「鳳凰、龍、この『虎』がお前等を喰らってやる」と呟く。
彼は『虎吉』四聖獣の一つ、虎の力を持つ者である。
呟いた後、彼は獣の様な速さで駆け、そのまま暗闇の中に姿を消した。
―神を越えた者、ホウオウ。
―龍の救世主、ケイイチ。
―虎の獣人、虎吉。
新たな戦いの幕が切って落とされた。
- 615
:大黒屋:2011/07/10(日) 21:44:25
- 久しぶりの巨木シリーズですね。返事はスゴロクさんにおまかせしt…って、最近人に任せっぱなしですね;すみません;
名前はあがってませんがスゴロクさんより「霧波 流也」「ヴァイス」、びすたさんより「シキ」をお借りしました。
とある巨木の願い事
人になりたいと願う音は
正義を闇に閉じ込めて
人間の幻想に一時をゆだねた
黒猫は音の変化に
涙を流したそうな
にわかに騒ぎたす幽霊たち。
理由は主から聞いていた。
『正義の味方』を名乗る黒い男。
彼が次々と僕の仲間や人外を襲っているのだ。
罪なき人を傷つける。
それは罪人によくある行為。
でもそれが人外ならば、傷つけるのは罪なき人。
なら悪いのは一体どっち?
そんな答えなんて、出るはずがない。
こんなときだから、僕は焦っていた。
願いは一つ。
もう一度、早く「東」に会いたい。
そして、僕の声を聞いてほしい。
時折足を運ぶ白い闇が、恐ろしくて仕方ない。
恐ろしいものが増えていくということは「全てそろった」のに、まだ秩序を保てていないということなのだろうか?
揃うだけではだめなのか。だから、だから。
『…居続けて。このいかせのごれに。』
たとえ白い闇が消え去っても。
例えこの街に用がなくなっても。
ずっとこのいかせのごれに居続けてほしい。
そして、今まで僕がになっていた役目を、いかせのごれの秩序を守る役目を、果たしてほしい。
我儘?そんなことわかってるよ。
でも僕には、どうしても耐えられないんだ。
崩れゆくいかせのごれを見ることが。
汚れゆく風をこの腕に感じることが。
『――オネガイ――。』
響かない声を振り絞り、僕は「叫んだ」。
濁った風は葉をさらい、赤い果実に触れた。
カレハキヅカナカッタ
ミズカラノ『ウデ』ガ、イシニソッテウゴイテイタコトニ
- 616
:スゴロク:2011/07/10(日) 23:02:12
- >大黒屋さん
いや、振って下さると非常に書きやすいので助かります。承りました。では、さっそく。
「よぉう」
その日、霧波 流也は再びアカノミのもとを訪れていた。
ヴァイスに関してはとんと進展がなかったため、暇つぶしに話でもするか、とやって来たのである。
……理由の半分は、単に「帰る途中で迷ったから」なのだが。
「!」
妖怪達や春美を除くと、ほぼ唯一「彼」の意志を理解できる流也は、だから気付いた。その大木が、かつてないほど焦っていることに。
「どーした、何やら切羽詰まってるようだが」
見上げ、問いかける。ざあ、と枝葉が風に揺れる。
「…………ふむ」
アカノミの語った言葉を受け取り、顎に手を当ててその意味を吟味する。方向音痴ゆえに天然と思われがちな流也だが、頭の回転は決して鈍くはない。
「人外を狙う正義の味方、ねぇ。ヴァイスの奴とどっちがマシか」
正直な話、どっちもどっちと思ったのだが。
「んで、罪なき人を傷つけるのは罪人、しかしそれが人外ならば傷つけるのは罪なき人、ってか? ならば悪いのはどっちでしょう、と」
一秒足らずの沈黙の後、
「意外と頭カタいな、お前」
流也が返したのはそんな一言だった。
「あのなぁ、そもそも『罪なき人』ってのはどーゆうことだ? それってあれだろ、小説とかマンガでよくある『罪もない人~』ってのと同じだろ?」
露骨なまでに渋い顔で、「東」と位置付けられた男は語る。
「俺はそれが気になるんだよ。『罪なき人を傷つける』のは悪いことだ、こりゃ当然だ。じゃあれか、罪ある人だったら傷つけていいのか? 違うだろうがバカ」
びしっ、と指を突きつける。
「そいつがどんな極悪人でもな、俺たちが傷つけて、殺していい理由も権利も、ありゃしねぇんだよ」
ざあっ、と風が吹く。
「ああそうだ、無論俺も例外じゃねぇ。だが、権利も理由もなくとも、俺はヴァイスの奴を追う。そうしていいからじゃねぇ、そうするしかねぇからだ。誰が許さなくとも、俺は奴を追うぜ」
腕を降ろし、再び見上げる。
「そして、傷つけられるのが人であろうとなかろうと、傷つけるのは悪いことだ。これも当然だ。妖怪だろうと何だろうと、一方的に傷つけるならそいつは悪だ。断言してやるぜ」
そして、まったく今更のように言う。
「妖怪のことなら、多少は知ってるぜ。伝手が伝手だ。それに」
ふ、と息をつく。
「俺の故郷にも、お前みたいな大木があったからな。あの姉さん、どうしてるかな……」
そして、また視線を戻す。
「……で、だ。本題はなんだ?」
風が、吹き抜けて行く。
- 617
:スゴロク:2011/07/10(日) 23:03:37
- 「……なるほど。要するに、俺にここにいろ、と?」
返事を聞き、流也は「おいおい」と手を振る。
「買いかぶり過ぎだ、アカノミ。世界はな、たかだか5人で支えられるような、ちっぽけな存在じゃねぇんだよ」
それに、と続ける。
「前から言おうと思ってたんだが、このいかせのごれって場所には『流れ』がある。どんなに手を尽くしても止め得ない、圧倒的な勢いが。だから、俺がいようといるまいと、悪い奴も、それを止める奴も出て来るぜ。大体『帰って来た』とか言ってたらしいが、俺はここの生まれじゃねぇぞ」
そこまで言うと、流也は目を僅かに細め、眼光も鋭く、
「秩序ってのはな……善悪表裏昼夜道外、そういうのを全部ひっくるめたものなんだよ。秩序が整えば恐ろしいものはなくなる……それは、間違いだ。いかせのごれは、俺達だけでどうにかできるようなものじゃねぇ。仮にお前の言う所の『東』『西』『南』『北』による秩序が整ったとしてもだ、それはつまり、『これ以上悪くはならない』ってことじゃねぇのか? や、よくわからんが」
明らかに動揺するアカノミに、己の見解を語る。
「言ってしまえばこのいかせのごれ全てが『アンバランスゾーン』だ……いつ、どこで、何が起きても不思議じゃねぇ。ここはそういう場所だ。……まあ、他に行く所はねぇし、奴をどうにかしたらアパートでも借りるさ。もし、その『秩序』とやらが俺がいることで保たれるんだったら、その意味はいずれわかるだろうさ」
じゃあな、と去りかけた流也だったが、その途中ではた、と足を止め。
「……おぉ、そうだ」
いかにも名案を思いついた、と言わんばかりに振り返り。
「せっかくだ。今度来るときは、残りの4人、全員連れて来るわ」
そんなことを、言ってのけた。
東と大木といかせのごれ
(とある大木の懸念を受けて)
(その男は己の考えを告げた)
(何も分からず、知らぬ者なりに)
大黒屋さん「アカノミ」をお借りしました。台詞がないのは演出の仕様です。
秩序と善悪に関する流也なりの意見でしたが、こんなものでよろしかったでしょうか?
- 618
:サト:2011/07/11(月) 01:57:30
お借りした施設
カルーアトラズ(しらにゅい様)
M(サト)
使い捨てモブ・番犬(サト)
脱獄その後のお話
『きゃー!!きたあー!!』
ただいま。大ピンチなのであります!!
我がカルーアトラズにて収容していた『13番』が、どういう手をつかってか、脱獄という大罪を犯し、今この砂漠を逃げ惑っているのであります!
『わかってたよおー!わかっててもしかたないじゃん!周りがこんなに何もないなんて無知(しら)なかったんだもーん!!』
しかし、初めて『13番』を目の当たりにしたのでありますが
ワタクシが思っていたような、大男でも、気が触れたような狂人でもなく、ただただ普通の少女なのであります
【能力探知】の能力を持つワタクシは、収容者の能力のレベル、用途、危険性を把握することができるのでありますが
この少女は、至って【ノーマル】であります
カルーアトラズで飼い慣らした、番犬という名のハイエナ『スカーズ』を10匹総動員して、彼女を追跡しているのでありますが
『…くるねっ!』
少女は何かを察知したように、小さな布袋(あっ!ベッドの布を勝手に!)から何か手のひらに収まるような金属を取りだし、小さな出っ張りを指先で弾いた
その瞬間、ガキイン!と大きな音を立てて何かの形に組み上がっていく
驚愕の余り目を見開くと、彼女の頭をすっぽり覆うヘルメットのような形になり、彼女はそれを被って前へ進む
ゴーサインを出そうと指をすべらせたその瞬間
肌と眼球を打ち付ける、痛み
キャイン!という犬のような声をあげてのたうち回る『スカーズ』
『へへーん!この風の流れ、気温。空気の味。ここから読み取れば磁気嵐がくるだなんてすぐ【よそくかのー】だよ!看守さん!じゃあね、楽しかったよー!』
砂漠と、その向こうの街とを隔てる壁
高い高いその石造りの壁に、重たいアンティークの鍵を、まるで鍵穴が存在するかのようにその壁に埋めていく
程なくして彼女の身の丈に合わせた扉が出現し、嬉しそうに手を振りながら、扉の向こうに消えていった
さあどうしたものか
ワタクシ、シギ様に『クビ』にされてしまうかもしれません
ある看守による『13番』脱獄に関する報告書
(…ああ)
(遺書になるかもしれません…)
- 619
:サト:2011/07/11(月) 13:35:50
- お借りしたのは
ジン(剣さん)
スイネ(サト)
お名前のみ、ハヤト(鶯色さん)シスイ、ベガ(akiyakan)
※六水条剣さん直々の監修、後半執筆のもと作成しました※
『ん…』
木々の擦れる音がとても心地いい。
こんなに穏やかな気持ちはいつぶりかしら
ぽっかりと胸のどこかに空いた穴はまだ完全には埋められていないけれど、
嗚呼、満ちたような気がする
と、いうのにあの子
『なんだか寂しそうな顔してますよ?』
イライラするという感情を初めて知った気がする
知ったような偽善染みた、哀れみに溢れた表情
バカにしてるの?
『…まだ本調子じゃないわね』
ベガにやられた傷は思いの外深かったようで
目覚めたときには嘘のようにふさがった傷口だったけれど、中までは完治していない
現代医学では(ましてやエダのような能力医師がいたとしても)わたしの身体は治らない
成長もしなければ、死ぬこともない
それに甘えきっていたのかしらね
そろそろ戻らなくては。アキヒロと収容者の監修をしなくてはならない
ギッと車イスを動かすと、息を切らせた銀髪の少年がわたしの前に立っていた
『……あっ、の』
『邪魔よ』
『えっ』
『邪魔だって行ったの。わたしはもう施設に戻るわ』
『あっ、あ、…っスイネさん!』
『!』
何故わたしの名前を?
…ああそうか。なんてことはない。この子もここの収容者か
けれど不快だ。わたしはこの子のことを何もしらないというのに
気安く、名を
『あ、えと、すみませんシスイさんとハヤトさんにお名前聞きました』
『(…あいつら)』
『僕は…ジンです。ウスワイヤの、あの』
『言いたいことがあるならはっきり言ったら?』
- 620
:サト:2011/07/11(月) 13:36:30
『……その、変なこと言うかもしれませんが、どうしても確かめたくて…』
『……』
はっきり言えと言ったのに。
『何か伝えにきたんじゃないの?仕事?伝言? 簡潔に言って』
『はい……』
息を切らしてまで来たにも関わらず、どうにも口に出すのを躊躇っている様子だった。視線は俯きがちで、何かを考えているように見える。
こういうのを「優柔不断」と言うのだろうか?
近頃の男というのはこういうものなのか…それともただ単にこの少年が、人を苛つかせる達人なのか。
意を決したように顔を上げ、視線を合わせてくる。そして…
『あの。今から7年前くらいって、どこにいらっしゃいました?』
『……何?』
……わざと言ってるんじゃないのかしらそうでなければただの馬鹿だ。なんなんだ、この少年は。
『《過去は散策しない》…この施設のしきたりみたいなものよ。そんな事も知らないの?』
『あ…あ、いえ、すみません! そういうつもりじゃなかったんですが…』
『じゃあどういうつもりなの?さっきといい今といい、自分が脈絡もないこと言ってる事に気づいてないの?
貴方もどういう状況で来たかは知らないけど、軽く他人に言えるようなものではなかったはずよ
それを…会って間もない人に聞かれて、易々と答えられると思う?』
『……すみません……』
そういうと、少年は伏し目がちに深々と頭を下げた。少し言い過ぎたかな……と思っていると
『…知りたいんです。 失礼は承知です。無理強いもしません。 ただ、もし、答えれるところがあれば答えて欲しいんです』
反省しているように見えたのは気のせいだったのだろうか。と、無意識に奥歯を噛みしめる自分がいることに気づいた。
(なんでこんなにイライラしているんだろう……)
ただでさえ時間がないというのに、更に輪をかけて謎の少年からの質問攻め…この状況は精神的によくない。
早々に切り上げないと後に引きそうだ。仕方ない、と肩を軽く上げて少年に促す。
『わかったわよ。で、何を知りたいの』
『はい……あの……』
この施設では内外問わず「めずらしい者」が大半を占める。逆を言えば、「普通な姿」はつい目立ってしまう。
恐らく、この少年も私の車椅子姿に興味でも沸いたのだろう。
どこか怪我しているのか?どこか悪いのか?
そういう類の質問なら軽くあしらってやろうと思った。
だが、その後に続く言葉はわたしの予想の斜め上にあった。
『僕……昔、貴方と会ったことがあるんです』
『彼にとって』の真実
(呆れを通り越しわたしは)
(その少年を見つめ返した)
- 621
:サイコロ:2011/07/11(月) 21:23:54
- シュウトのサーカス入団話です。
使わせていただいたのは
砂糖人形さん宅の団長、キャスケットさん宅の背月一助、しらにゅいさん宅の代雪(雪奈)
たちです。
<シュウトの入団>
どうも。森山修斗と申します。シュウトと呼んでください。」
セツナの紹介によってシュウトはポリトワルサーカスに招き入れられた。
団員全員に一通りの自己紹介をすると、団長が楽しげに言った。
「また面白そうな子を見つけてきましたねユキじい。」
「今はセツナですー。」
「それで?どんなマジックが出来るんだ?」
イチスケが目を輝かせながら言った。
「ああ、今から魅せますよ。フォレストマジシャンのマジック、とくとご覧あれ。」
突然宙からシルクハットが落ちて来たかと思うと、ショウゴの顔をすっぽり覆った。
シルクハットを脱いで放り投げると、シュウトの顔上半分には仮面が付き、
ハイテンポの洋楽が流れ始め、地面に落ちるか落ちないかの所でシルクハットが鳩に変わって飛んで行った。
懐からトランプを取り出すと、水平に伸ばした手の上にズァッと並べ、一度に全てのトランプの面を見せる。
1~13までハートの列が並んでいたが、もう一度一気にひっくり返して裏にし、撫でるようにした。
もう一度ひっくり返すとトランプはすべてスペードの1になっていた。
そのままトランプを放り投げ舞い散らせると、四枚のカードを使いジャグリングをする。
回収して揉むように手を合わせ、手を開くとそこには短剣が現れた。
口に短剣をくわえると、どこからともなくロープが出て来た。
剣で2つに切ったロープが一本に戻ったり、いきなり輪っかになった。
最後に首を絞めるようにグルグルと巻いたロープをシュウトが力一杯引っ張ると、
スルスルと切れてもいないのにロープが解け一本に戻った。
口にくわえてた短剣にロープを巻き付け、頭上にに放り投げると
トランプ四枚と再び代わりバラバラと落ちて来た。
「こんなところです。」
丁度音楽も止み、一礼するシュウト。
団員からは拍手が送られた。
「これからよろしくお願いね、シュウトくん。」
団長が差し出した手を掴むシュウト。
「こちらこそ。」
こうして、シュウトはポリトワル・サーカスに入団したのだった。
- 622
:大黒屋:2011/07/11(月) 21:42:22
- >スゴロクさん
いえいえ、十分です!
というか今までずっと自分が書いていたのでいい加減振らないとという気分にはなっていましたので;
ありがとうございます。
スゴロクさんの小説をうけて失礼します。結構重要なフラグ回…になるのか?(
名前はあがってませんが、スゴロクさんより「霧波 流也」をお借りしました。
とある巨木の反省見聞
秩序とは
秩序とは一体何なのか
善とは
悪とは
答えの決して出ない質問に
答えがあると僕は思い込んでいた――?
足音が聞こえ、そちらを向く。
友人が心配そうに、こちらを見上げていた。
「どうした、アカノミ?元気ないんじゃないか?」
『…そう、かな?』
元気がないわけじゃないけど、正直戸惑っていたのはあった。
さっき来てくれた「東」に、僕は浅はかな考えを思い知らされた。
そんなに難しいことを考えていたなんて、少しも感じなかったのに。
『大丈夫だよ。ちょっと混乱してるだけ。』
「そうか?まぁ、ならいいんだけどな…。」
友人は暫く僕を見上げ続けていた。
『僕って、思ったより難しいこと考えて、決めつけていたみたいだね。なんだか、恥ずかしいよ。』
「…まぁ、仕方ないっちゃあ仕方ないけどな。」
友人は微笑んだ。
「動けないお前が情報を得るには、言葉を覚えるには『浮世歌』しかなかった。世界を緒情詩的に表現するもんだから、尚更そういう話にもっていきがちだったんだよな。」
『…初めて思った。僕、もっと広い世界を見てみたい。…叶うことのない夢だけど。』
「いいや。願っていればいつか叶うもんだと思った方がいいぜ。」
僕は『えっ?』と、また友人を見た。
「何でも良い方に考えれば幸せじゃねぇか。それが叶った時なんて一入だ。俺も『故郷』を失った時は、もう誰にも心は開けやしないと思ってたが、いまこうしていられるんだ。」
「叶わない夢は、ないよ、きっと。」
『…そうだね。ささやかに、祈ってみることにするよ。』
「ああ。それがいい。」
『そうだ。今度、「東」が残りの4人、皆連れて来てくれるんだって!』
「そうか!それはいい機会に…。」
言いながら友人は僕に寄りかかった。
そのときだ。
「…!?」
友人ははっと顔をあげ、素早く僕を見上げた。
その眼から金緑色は消え、血の色が浮かび上がっていた。
『ど…どうしたの?』
「いや…。悪い、アカノミ。今日はこの位で。」
『え、あ、うん…。』
駆けていく友人は、どこか慌てたような風に見えた。
(ど…どういうことなんだ、今のは…!)
麓の森に足を止め、彼は息を切らしながら近くの木に手を置いた。
そこにあったから置いたわけではない。その樹はかつて「キムナ」が樹に変えた人間だった。
(おかしい、まだ人間としての意思を持っている樹でも、あんな感覚はなかった。まさか、そんな…。)
彼は振り返り、道の先にいるであろう友人の姿を思い描いた。
握りしめた右手に残っている感覚は、樹としてはあり得ないものだった。
それは、「鼓動」。流れゆく水が、規則正しく流れていく感覚。
今までつきあってきた彼であったが、この感覚を味わったのは、初めてだった。
「まさか、本当に可能性があるのか…?」
アカノミが、動けるようになる可能性が――。
- 623
:スゴロク:2011/07/11(月) 22:58:07
- 短いですが「その日は、雨だった」の続きです。
「……あんたか」
「ああ。聞きたい事があってな」
某日、某所。太陽が照らす道の上、夜波 詠人と一条寺 正人は邂逅していた。正確には、歩いていた詠人を正人が呼びとめ、詠人が半身に振り返った、という構図。
「聞きたいことっていうのは、あの紛い物のことか」
「それだ。なんで、マナちゃんを紛い物と呼ぶ?」
至極もっともな疑問に、詠人は目を細める。
「……知ってどうする。あんたに何の関係がある」
「マナちゃんはうちのお得意様なんでね。知らない仲じゃない。命を狙われてるのに何も出来ないっていうのは、正直御免蒙りたいんでね」
「………」
平日の昼間だけに、車の通りは意外に少ない。不意に上空に現れた飛行機の爆音が地上に届く頃、詠人が口を開いた。
「……なら、話してやる」
「……僕の家族がヴァイスのせいでバラバラにされた……ってのは知ってるだろう」
「ああ。ゲンブさんから、多少は聞いた」
「そうだ。母さんは殺され、父さんは身体を奪われ、マナは力に呑まれた」
「……ちょっと待て。身体を奪われた、ってのはどういうことだ」
冷たい目で、詠人は語る。
「ヴァイス=シュヴァルツ……奴はその力で、他人を操って精神を制御し、自分自身の姿と人格をコピー&ペーストすることが出来る」
「!?」
「そうだ。父さんもその一人だ。ヴァイスの人格を貼り付けられ、代わり身として使い潰された。もういない」
「マナちゃんは、その事を……!?」
「教える義理はない。……話が逸れたな」
車が一台、通り過ぎていった。
「僕はあの日、見た……マナが、僕の妹が、目覚めた力に内側から喰い取られて行くのを。人ではない、別の何かに変貌するのを」
「……だからといって、どうしてマナちゃんを狙う。心も、記憶も、そのままに残っているのに」
「ああ。確かにそのままなら、妹だった。……6年前までは」
「6年前……?」
そうだ、と詠人は応える。その眼に、恐怖と絶望が走り、そしてそれを塗りつぶすかのような怒りが灯る。
「マナが収容された孤児院が、火事になった……その時、僕はたまたま近くにいて、裏手から飛び込んでマナを助けに行った。……けど、間に合わなかった。僕の目の前で、マナは炎に焼かれて、消えてしまった」
「え……?」
正人は混乱した。ゲンブ経由で聞いたマナの話と違う。どういうことか?
「僕の目の前で、焼け死んでしまったんだ。……身体が燃え尽きて、後に残ったのは、あいつの姿と記憶をそっくり映し取った、能力そのものだった」
「!」
ここに来て正人はようやく理解した。なぜ、詠人はマナを「紛い物」と呼び、憎しみを向けるのか。
それは、今のマナが、人の姿をした能力が、彼の妹である「夜波 マナ」を内側から喰い尽した張本人だからだ。
彼の目の前で、人としての、本物のマナは死んだ。残ったのは、その姿と記憶をコピーした……奪った、能力そのもの。なるほど、確かに妹の仇と言えよう。
「そいつはその場で消えた……けど、僕にはわかった。昔から、そういうわけのわからない感覚だけは鋭かったからな。そいつはまだ存在している、とわかった。だから、仇を取りに来たんだ。ヴァイスまで見つけたのは僥倖だったけどな」
「………」
決意のほどと憎悪が並々ならぬものであることを悟った正人は、去り際、詠人に問うた。
「……今のままでは……ダメなのか」
「ああ」
答えは、いともあっさりと。
「僕達家族をバラバラにしたヴァイスを、マナの姿と心を奪って成り替わった紛い物を、僕は絶対に許さない」
そして、それ以上の問答を拒むかのように、立ち去る。が、
「詠人」
その背に、正人もまた、並々ならぬ決意と怒りをぶつける。
「次に戦う時は敵同士だ。……全力で、屠る。手加減などしないし後の事も考えない」
「お前は、敵だ」
「…………そうか」
興味なさげにそれだけ言うと、夜波 詠人はその場から今度こそ、立ち去った。
「………」
残された正人の横を、真っ赤なスポーツカーが猛スピードで走り抜けていった。
決意表明は憎しみ深く
(その意志は)
(その決意は)
(あまりにも暗く、哀しかった)
- 624
:しらにゅい:2011/07/11(月) 23:11:05
- 「あのね、あの・・・ののか、ちゃん・・・」
「ほえ?なーに?」
「ののかちゃんって、憧れの人は・・・いる?」
「憧れ?」
「うん・・・」
「うーん、と・・・そうだなぁ、コヨリちゃんかな?」
「コヨリ、先輩?」
「うん!お姉ちゃんみたいでかっこいいし優しいもん!」
「そっかぁ・・・」
「みっちゃんは?」
「ふぇ!?ボ、ボク・・・?」
「うん。」
「ボ、ボクはぁ・・・・・・ぎ先輩・・・とか・・・イネ・・・」
「えっ?何々?聞こえないー!」
「な、ナギ先輩とか・・・スイネ先輩とか・・・!」
「へぇー!凪っち先輩やスイネ先輩かー!いいねっ、二人ともなんだろ、
くーるびゅーてぃー?っていうのかな、かっこいいもんね!」
「う、うん・・・ボクもあんな女の人になりたいなぁ・・・」
「ユウちんは?」
「え?・・・あ、ごめん!突然話振られると思ってなかったから・・・何の話だっけ?」
「んとねー、憧れの人はだーれっていうハナシ!」
「憧れの人・・・そうだなぁ、ケイイチさんやシスイさんかな。
正義感が強いところを見習いたいって思ってるよ。」
「シスイ・・・?」
「あれ、張間さんは知らないの?2年2組の都シスイっていう人だよ。」
「そ、そうなんだ・・・」
「みっちゃんは2年の教室行かないからねー、行ったら面白い人達ばっかりだよ?」
「い、いいよ・・・ボク、いたら迷惑だし・・・」
「迷惑なんかじゃないよ!絶対面白いって!」
「あ、あうう・・・」
「あー、またカイくんの背中に隠れた!!こらっ出てきなさい!」
「で、でも・・・でもぉ・・・」
「ののか、あんまり言うと張間さんますます隠れちゃうよ。」
「大丈夫!これは愛の鞭だから!!」
「意味分かってる?それ。」
「あ、そうだ!カイくんは憧れの人とかいないの?」
「・・・僕?」
「うん!」
「別に。」
「えー!いないの?」
「興味無いし・・・あぁ、でも、」
「でも?」
「冬也と凪さんのコントは面白いと思う、周りの反応も含めて。」
「ぶっ」
「コ、コント!?俺いっつも凪姉の前じゃ真剣なんだからね!?」
「そうなの?どっからどう見ても漫才してるようにしか見えないけど。」
「~~~っ!!」
「っあははは!!コ、コント・・・!!確かに冬也くん、凪っち先輩の前だと
若干から回り気味かもねぇ!!」
「ののかまで・・・!!うぅ・・・」
「あ、あの・・・冬也、くん・・・・・・」
「・・・・・・何・・・?」
「冬也くん、すっごいナギ先輩のこと好きで、振り向かせようって頑張ってるの・・・
それ知ってるから、頑張って。冬也くんなら、出来ると思うよ。」
「!」
下級生でトーキング
「憧れの人について」
「・・・みくちゃんって、フォロー上手いね。」
「えっ!?そ、そんなことないよ、ユウトくん・・・!」
「そう?」
「ちなみに冬也くんはー」
「言うまでもなく凪さんだよね。」
「ちがっ、凪姉は好きな人であって憧れの人とは違うんだって!」
「で、進展は?」
「っな・・・!?」
- 625
:しらにゅい:2011/07/11(月) 23:17:16
- >>624 お借りしたのは緑音ののか(樹アキさん)、ユウト、カイリ(鶯色さん)
冬也、名前のみ凪((六x・)さん)、名前のみコヨリ、ケイイチ(本家様)、
スイネ(サト様)、都シスイ(akiyakanさん)でした!
自分からは、張間みくでした。
一年生同士でお昼をわちゃわちゃ食べてる~といった感じですw
下級生にだってこんなほのぼのとしたやり取りがあればいいと思うよ!
しかしなんだか冬也くんが弄られキャラに・・・あれ?
ちなみに張間さん呼びは冬也くん、みくちゃん呼びはユウトくんです。
- 626
:大黒屋:2011/07/12(火) 21:58:30
- そろそろシン再始動です。未だに人外成敗は諦めていないようで。
自キャラオンリーです。最後台詞はカイム、ノラ、ゴクオー、ブレラになります。分かったところでなんもないですが。
正義の味方の復帰
黒く濡れた地面に、浅い溝が彫られる。
足を引きずるようにして歩く「彼女」は、人が踏み込まない深い森を進んでいた。
脇腹に巻いている包帯には赤く血が滲み、それを抑える手にも包帯が巻かれていた。
「…いた…。やっとみつけたよ…。」
息切れに混じって流れ出したその声には、深い安堵が籠っていた。
「大怪我がなくて何よりだよ…、『君(ボク)』…。」
「…捜しに、来てくれたんだ、『君』。」
眼の前の黒ずくめの男は、彼女を見て微笑んだ。
「そういう『君』は大怪我をしているじゃないか。そんな姿で僕を探しに…?」
「そうさ。僕にとって『君』は何よりも大切だからね。」
「…うれしいや、そんなことを言われると。」
「動けるかい?肩を貸そうか?」
「…うん。「あの空間」のせいで体力を削られてね。一人じゃたてそうにないんだ。」
妖怪の男の力で妙な空間に閉じ込められたのは、丁度昨日の話になるだろう。
能力をオーラとしてとらえる彼の能力のおかげで、真っ暗な空間にも変化を見ることができたため、精神的ダメージは軽減した。
しかしそれでも、視覚以外の変化がない世界に彼の体と頭はかなり消耗したようだった。
「ごめんね。『君』も歩くのさえ精一杯なのに。」
「いいんだ。互いに肩を貸し合おう。」
二人は肩を組み、ゆっくりと森の中を歩きだした。
「向こうはこれで懲らしめたつもりなのかな?だとしたら心外だよね。」
「全くだよ。むしろ、こうして他人を傷つけることを止めないのなら、『正義の味方(ボク)』達は黙っちゃいない。」
そういい、妹の方は「あっ」と思い出したように言った。
「そう言えば此処に来る途中、とんでもない物をみつけてしまったんだ。」
「それは?」
「足跡なんだ。道端に、赤い足跡が点々とついていた。途中から消えて行ったあたり、血なんじゃないかな。」
「それは物騒だね。」
「近くに血だまりがあって、地面には鴉が埋めてあったんだ。」
「人外かもしれないね。よし、帰る途中にそこに行こう。」
「えっ?大丈夫なのかい?」
「勿論さ。一日動けなかったせいで人外排除が滞っちゃ困るからね。今日はその現場を見て、家でゆっくり寝て、夜に活動を再開する。」
「分かったよ。でも、せめて少しなにか食べなよ。体力が持たないからね。」
「ここ、だね。」
「…うん。間違いないよ。この鴉、妖怪に殺されてる。」
「本当かい?」
「能力で呼びだすか、作り出すかした槍が刺さったんだろうね。かわいそうに。」
「それで、どうするんだい?この犯人も分かるだろう?」
「ああ。でも、この犯人は『君』に任せるよ。」
「え?構わないけど、どうして?」
「この妖怪、弱いんじゃないかな。血が乾ききってないからさっき死んだはずだけど、傷口に残っているオーラがもうすぐ消えそうなんだ。僕が「集めた」パニッシャーがあるから。」
「分かったよ。使わせてもらう。」
彼は血から目を離し、目隠し越しに妹を見た。
「『君』の能力の解放ももうすぐだ。後少し、経験を重ねればいい。」
「ありがとう。解放した暁には、『君』の為につくそうじゃないか。」
二人は笑い合った。
「僕はそのあいだ、他の人外を成敗することにするよ。」
「お互い頑張ろうじゃないか、『君』。人間の平和の為に。」
「勿論さ。」
二人は手を握り合うと、そのまま別れた。
追記
「え?彼女が休みなんですか?それは珍しい…。」
「いつも元気だから、風邪なんかひかないと思うんだけど。」
「…いるの、間違いなく。」
「居るって、誰が?」
「『奴』の仲間、じゃ。」
- 627
:しらにゅい:2011/07/12(火) 23:46:44
- *ある看守による『13番』脱獄に関する報告書を受けてのお話です。
「あっはっは、そっかー。例の『13番』を取り逃がしちゃったんだ。」
「笑っている場合ですか、ロビン副所長。帰ってきたのが収容番号1313ではなく、
落ちこぼれの看守に使えない駄犬が10匹、笑い事で済まされませんよ。」
「ダガー君、君が言うと『スカーズ』が本当に可哀想じゃないか。」
「駄犬は駄犬です、人一人も食い殺すどころか傷をつけることも
出来なかったのですから。」
「でも、生きて帰ってこれただけ彼らは運が良いと思うよ?
あの様子だと彼が会ったのは『マサキ』ではなく、『マリ』みたいだしね。」
「『マサキ』だったら二階級特進・・・といったところですか、犬も共々に。
しかし、運が悪いことにアレを取り逃がしてしまったことでシギ看守長に
どんなに酷い虐めを受けるのか・・・私では理解しかねます。」
「それはシギ君が帰ってきてから見ることにしようか!」
「イキイキしてますね随分と。」
「さて、彼の処遇はおいおい楽しみにすることとして・・・『13番』については、
・・・んー、しばらく様子見ということにしておこうかな。」
「様子見、ですか?」
「ああ、今のところ放っておいても大丈夫。『マリ』なら一応害は無いからね。」
「・・・何故それが分かるのですか?」
「ヒ・ミ・ツ。」
「・・・・・・・・・」
「視線が痛い・・・と、とりあえず、ダガー君には別の任務に向かって貰うから。」
「『13番』とは別にですか。」
「そんな怪訝な顔をしなくても・・・確かにカルーアトラズ刑務所から脱走者だなんて
世間に知られたら大恥になるだろうけど、これは所長の意向だから僕達は何も
心配しなくていいんだよ。」
「所長が・・・?」
「そう、だから僕らは黙ってそれに従ってれば何も問題は無い。」
「・・・そうですか。」
「何か不満でも?」
「いえ、ありません・・・今までもそうでしたからね。
・・・それで、別件の内容についてですが、」
「あぁ、君には近々いかせのごれに行って貰うよ。」
「いかせのごれ・・・アースセイバーへの定期情報交換はもう済んでいるのでは?」
「アースセイバーじゃなくて、ヴァイスの方だよ。と、後は自称正義の味方さんかな?」
「誰ですか、それは。」
「最近、ヴァイスに代わっていかせのごれで活動している能力者らしいんだ。
といっても、ヴァイスの活動が少なくなっているだけなんだけどね。
基本、いかせのごれの問題はアースセイバーに一任してるけど、
先日こちらに通報してきた人がいて、世間の皆様の声を無視するわけにもいかないから、
君には彼を捕まえて、出来ればこっちに寄越してきて欲しいんだ。」
「こちとら警察と違うんですがね。」
「まぁまぁ、一応公的機関なんだから声も聞き入れてあげないと。それに、
彼らも一応能力者だから、研究部への良い手土産になるんじゃないかなって思うけど?」
「・・・はぁ、分かりました・・・。ちなみに、それは私一人でしょうか?」
「いや、シギ君の時と同じく何人か同行者をつけとくよ。」
「それは有難いです。」
「じゃあ、出発は3日後、それまで準備しておいてくれ。
頼んだよ、ダガー君。」
「了解致しました。」
刑務所の話
「そうそう、ダガー君にこれも渡しておくよ。」
「・・・?何ですか、これは。」
「いずれ必要になるものさ、・・・と、所長がおっしゃってた。」
- 628
:しらにゅい:2011/07/13(水) 00:00:47
- >>627 お借りしたのは名前のみ、M(サト様)、ヴァイス(スゴロクさん)、
シン・シー(大黒屋さん)でした。
こちらからはロビン、ダガーでした。
皆さん、またしてもお邪魔しますよーとのことで刑務所回でした。
不穏な影に忍び寄る不穏な影・・・とのことで、さり気なくそちらのお話に
入り込みそうなフラグを匂わせてますが、まぁ様子を見ながらでしゃばらない
程度に絡んでみようかと思いまs(ry
詳細はこちら↓
名前:ダガー 男
カルーアトラズ刑務所看守で、ワーウルフ。
外見は犬に近く、アイリッシュ・セッターのような風貌をしている。
看守らしく、人間らしい感情は持ち合わせておらず仕事主義。
- 629
:サト:2011/07/13(水) 12:45:37
ずっと前に使った『ある研究員』と、あとはモブ
…考察してくれるとうれしry
ブザー音が響く
バタバタと焦ったような足音が廊下にこだまして、バタン!と勢いよく扉が開かれた
息を切らした研究員らしい若い男が、息を飲むかのような声で、そのモニター室の奥にいる男に
『…女がサンプルを連れて逃げました』
『…知っている。見ていた』
破壊されたガラスプール。飛散した緑色の液体
そこに収容されていたはずの『実験サンプル』を抱えて逃げる女性研究員らしき人物が、一番端のモニターに映し出されていた
『殺しますか』
『放っておけ』
『しかし、アレは仮にもプロジェクトFの大切な…』
『いい。あれは所詮【失敗作】だ』
『ですが、まだデータの集約も』
『黙りたまえよ』
コツ、と革靴を鳴らして振り向いた男は、くつくつと喉の奥で笑って、不服そうな研究員をねめつけた
『あの女は長くない。【サンプル】を内に宿した時点で侵されている。それに【サンプル】から得るものも何もない。この2年間でわかりきったことだろう?』
『…』
『持ち場にもどりたまえ』
『はい、クルセ様』
『ある研究所での、ある男たちの会話』
(それは今から10年以上前)
(【サンプル】にとって【彼女】にとっての)
(悲劇の幕開け)
- 630
:大黒屋:2011/07/13(水) 21:47:09
- 折角百物語組に参加してくださったので。使い方これであってるかな…?;
びすたさんより「シキ」、十字メシアさんより「撫子」をお借りしました。
呪の寺の姫君
「ただいま帰りました。すみません、仕事を片付けていたら遅くなってしまいました。」
「おかえり。遅かったな。心配したぞ?」
カイムが目覚めて二日。
学校へ仕事にいってはいるが、体調面の経過をみるため暫くは寺に滞在することになった。
勿論シキもその間は寺にいることになっている。
「おかえりなさいませ。お疲れ様です。」
奥から誰かがぱたぱたと足音を鳴らして玄関に来た。
カイムはその人影を見、微笑んだ。
「ああ、撫子さん。まだ起きていらしたのですね。」
「はい。あ、荷物もちますよ。」
「ありがとうございます。」
撫子、と呼ばれたこの女性。
綺麗な紺色の髪と流し模様の着物が特徴的だ。
その瞳の色は、血のような赤。
そう。彼女も春美の能力によって呼びだされた「百物語組」の一人だ。
「それにしても大分遅いでしょう。僕が眠ってる間もつきっきりだったと聞きましたし、お体、大丈夫ですか?」
「ええ、平気です。ありがとうございます。」
優しく美しい微笑みは、見るものすべてを安心させるようだった。
「相変わらず親切ですね、カイムさんは。」
「そうですか?『先に語られた方』を敬うのは当然ですよ。親切にしない理由もありませんし。」
「でも、百物語組には皆敬語ですよね。」
「それはまぁ、僕自身あまり強くありませんからね。尊敬の意ですよ。」
そこまで言って、カイムははっと顔をあげた。
「ああ…、すみません。そう言えば撫子さん、男性にあまり親切にされるの、好きではありませんでしたよね…。」
「いえ、親切が嫌いなわけじゃありませんから。」
そういう撫子の表情は、どこか悲しげだった。
「…なぁ、カイム。あとどのくらい寺にいるつもりなんだ?」
暫く二人を見ていたシキが声をかけた。
「そうだなぁ。あと3日はいた方がいいかもしれないね。」
「そうか。まぁ、俺は何処でもいいんだけどな。この寺広くてよく迷うんだよ。」
「はは。確かに広いから、僕も覚えるのに時間がかかっちゃったんだよね。」
楽しげに話すカイムとシキを、撫子は黙って見ていた。
「あ、もうお部屋ですね。はい、御荷物です。」
「ありがとうございます。」
カイムは襖をあけながら、荷物を受け取った。
「今日は早めにお休みくださいね。」
「はい。撫子さんも、適度に睡眠と休養は取ってくださいね。」
「わかりました。」
互いに微笑み合うと、カイムはシキと共に部屋に入って行った。
「…なぁ、カイム?撫子さん、だっけか。何で男が親切にすることが嫌いなんだ?」
「いえ、彼女もすこし、「訳あり」でしてね…。」
カイムはそれ以上、何も言わなかった。
- 631
:(六x・):2011/07/14(木) 00:36:21
- >しらにゅいさん
冬也はいじられキャラであってます。
みくちゃんがいじめられてると聞いて、「みくちゃんを救い隊」を作ってしましましたがよかったでしょうか?
お借りしたキャラは
しらにゅいさんより「張間みく」
樹アキさんより「緑音ののか」
自キャラは冬也、凪、ブロントです。
二人の騎士
今日は珍しく仕事がないので学校へ。ノートを借りてはいるものの、たまには出ないと留年の危険だからね…
「おい、来たぞ;;」
「やべぇよ…冬也のことだからこれ見るなり泣き出すかもしれん;;」
「!!」
ひそひそ話してたので何かと思ったら、僕の机とノートに「チビ オカマきもい氏ね 学校来んな お前の姉ちゃんクソビッチ」などいじめのテンプレのような言葉が大量。たぶん、張間さんをいじめてる奴らの犯行だろう。こんなレベル低いことして楽しいのかな。
「と、冬也くん…ボクなんかと話したから…」
「張間さんは悪くないし、僕と距離をとる必要もないよ。」
「そうそう!っていうか冬也くんにまでやるなんて最低だよ!」
「ののかの言うとおりだよ。…許さない。」
僕も標的にされたのもあるが、凪姉を悪く言われたのが許せなかった。
今すぐにでも動きたいところだけど、張間さんを危険にさらしたくない。
…ブロント先輩に相談してみようか
屋上
「凪!大変です!」
「なんだよブロント。飯吹きかけただろ。」
「冬也くんのクラスメイトがいじめられて、冬也くんにまでその矛先が向いたそうです!」
「いるいる、かばった人までターゲットにする奴。クズの極みだな。」
「レディになんて真似を…ちょっと1年生の教室まで」
「待てブロント。こういうのは感情にまかせて突撃したところでチクっただの男に媚び売っただの言われて悪化するだけだ。本音を言うと私も今すぐ犯人どもの頭部をボールと間違えたと言って思いっきり蹴ってやりたい。」
「かといって、このままにしとくわけにもいきませんよ!!」
「だから、それを今から考えるんだよ。」
「しかし、午後の授業が…」
「サボれサボれ。一回ぐらい出なかったところで私ら上位組は言及されん。心配なら『気持ち悪いんで早退します』って言ってこい。」
「そんな無茶な」
「どっちが大切かは、考えたらわかるだろ?」
「…そうですね。さ、考えましょうか。」
「ああ。絶対助けような。その女の子もかわいそうだが、冬也は関係ないだろうが…」
「相思相愛ですね。」
「は!?////」
「冬也くんも同じようなことをメールに書いていましたよ。凪を悪く言うのは許さないってね。愛されててうらやましいですw」
「私は別にいいだろ。ま、悪い気はしないけどな。」
「言わないんですか」
「言えるかよ恥ずかしい。お前こそ告白したのか?///」
「そ、それは…////」
「紳士なんだからエスコートのひとつでもしてこいよww」
「も、やめてくださいっ!////」
ブロントさんの好きな人についてはまた後日。
- 632
:大黒屋:2011/07/14(木) 22:35:25
- 星の事務所のメンバーが増えてきたので、動かしやすいようにします。
本家様より「アキヒロ」、名前のみスゴロクさんより「霧波 流也」、名前はあがってませんが十字メシアさんより「モエギ」「ヤマブキ」をお借りしました。
十字メシアさん、モエギとヤマブキの加入話はお任せしてよろしいでしょうか;
赤い星は墜落する?
…変だ。
直感的に星は思った。
今朝方から月光の動きがおかしい。
クランケとミサキは朝早くから出掛けているという。
流也も気がつくと外に出ていたようだった。…方向音痴らしいが、一人で出ていってよかったのか。
「…月光、今日、なにかあったっけ?」
星が声をかけた瞬間、月光はあからさまに背筋を伸ばした。
「へっ!?…いや、何もないぜよ?」
「そうか?お前、なんか隠してねぇか?」
「気のせいぜよ。」
そうかなぁ、と首をかしげた瞬間だった。
そのタイミングを狙ったかのように、窓の隙間から何かが飛んできた。
それは星の首すれすれを通り過ぎると、向かいの壁に刺さった。
「!?」
驚いて見ると、一本の矢が刺さっていた。その翅には白い紙。
「な、何の音ぜよ!?」
「矢文か?誰だよ、この時代に…。」
星はそういいながら、紙を取り外した。
そこに書かれていた内容は。
『本日中に、貴方の命を頂戴いたします。』
「なっ…!?」
思わず窓を開け、あたりを見回す。
怪しい物は何もない。ただ、静かな空間がそこに広がるだけだ。
「…なんだよ、ただのいたずらかよ。ったく、達の悪い…。」
「全くじゃね。誰がか、こんな文章かいたんは。ねぇ、星殿。」
手紙を月光が読みながら、そう言った瞬間だった。
急に地響きを感じ、思わずその場に伏せた。
と同時に壁が盛り上がり、そのまま隣の壁を巻き込んで吹き飛んだ。
屋根と壁だった襤褸が吹き飛ばされ、近くの樹にぶつかったのだ。
「…なんじゃ、こりゃぁ…;」
何が起こったか分からないまま、星は茫然と屋根があった場所を見つめる。
「ま、まさか…本当に…?;」
月光の声が震える。星ははっと正気を取り戻し、月光の手を引いた。
「逃げるぞ、月光!いたずらにしちゃ度を超えている!へたすりゃマジで殺されるぞ!」
「え、でも星殿!」
「いいかr…うぇっ!?」
使い物にならなくなったドアを開けた瞬間、サイドから包丁が飛んできた。
反射的に伏せてかわしそちらを見たが、そこには誰もいなかった。
(やべぇ、これは本格的に!)
走り込んだ先は市街地。
「ほっ…星殿!!」
「落ちつけ、月光!わっ!」
後ろから飛んできた注射器をかわしながら、横に転がり込んだ。
後ろに誰かいる。そう判断した星はそのままその道を走り出した。
次々と襲い掛かる凶器。
散弾銃が放たれ、ナイフが飛び、中には鉄柱すら飛んできた。
しかし、星にとって重要なのはそこではない。
(なんだ?俺が通る位置に必ず誰かいる…。)
咄嗟に出た考察は
(誰かの出すタイミングで攻撃し、どこかに誘導しているんだ。)
というものだった。
しかし、誰も後からついてくる者はいない。
どういうことだ、と考えているうちに。
「!!行き止まりだ!」
立ちはだかるのはビルの壁。裏口のドアだけが寂しく立っていた。
月光と共に振り返ると、眼の前に現れたのは黒装束の集団。
完全に道をふさがれ、身動きが取れなくなったのだ。
彼女はあきらめ、頭の包帯を握った。
「ほ…星殿っ!!」
月光が悲痛な声をあげた。
銃口が音を立てて向けられる。
その瞬間、星は閃き、握った包帯をはなしてしまった。
「…ようやっと分かった。そういうことだったんだな…。」
「…?」
「私が抵抗しても、何も変わりやしない。」
そういい、星はホールドアップ。
「さぁ。撃てよ。」
- 633
:大黒屋:2011/07/14(木) 22:36:27
次の瞬間には暗い空間にいた。
月光が近くのビルの裏口を開け、星を引きこんだのだ。
投げ出した星を見ながら、月光は叫んでいた。
「何言ってるがか!星殿は…星殿はそんなあきらめ方をする人だったがか!?」
「…月光、なにか勘違いしてねぇか。」
星は体勢を立てなおし、その場に座り込んだ。
「私は『分かった』と言ったんだ。なにもあきらめたわけじゃねぇ。」
「犯人は私をここに誘導するのが目的だった。ならば、私の走る道を伝え、仲間を動かす必要がある。」
星の背を、月光は黙って見ることしかできなかった。
「そして、攻撃をするタイミングを教えなきゃならねぇ。つまり。」
星は一呼吸置き、言った。
「犯人は『一見分からない合図』を出すことで、攻撃のタイミングを教えたんだ。」
「『星殿』ってな…。」
闇がうごめく。
黒装束が空間いっぱいに満たされる。
「何故だ…。」
星は唇をかみしめながら、訊いた。
「何故、お前が…。」
後ろに立っていた『彼』はゆっくりと近づきながら、拳銃の銃口を向けた。
「…それはな、星殿を…。」
乾いた破裂音が、部屋に響いた。
――と、同時に部屋の明かりがついた。
「…この、新しい事務所に連れてくるためじゃ!」
拳銃型のクラッカー持ち上げ、月光は笑った。
黒装束もフードをとり、クラッカーを鳴らした。
それは、かつて星とかかわったアースセイバーの面々であった。クランケやミサキも交っている。
「…み、んな…?」
星は茫然とする。と、後ろから肩をたたかれた。
「アキヒロさん…。」
「驚いたか?ちょっとしたサプライズだったんだ。提案したのは月光だったんだがな。」
「人数も増えてきて、あの事務所ではろくに仕事もできなかっただろう?これからはウスワイヤが全面保証する。」
「それってつまり…。」
「これからはこの事務所で、よりよい環境で探偵稼業ができる。「怪盗狩り」に専念せずに済むんだ。」
「…いいんですか、私の事務所なんかが…。」
「能力者を相手にする探偵は存在しなかった。だから、改めて命じよう。」
「天河 星。探偵として能力者を助け、人々の日常を守るんだ。」
星は暫く黙っていたが、やがて力強く頷いた。
「わかりました、アキヒロさん!」
どこからか拍手がなり、それは波紋のように広がった。
彼らはその日、新たな事務所の開業を祝ったという。
追記
「そうだ、星。今度お前の事務所に人員を派遣する。」
「本当ですか!?」
「少々融通がきかないが、きっと役に立つ。約束しよう。」
「ありがとうございます!」
生まれ変わった探偵事務所に2人の事務員が増えるまで、あと2日。
- 634
:スゴロク:2011/07/14(木) 22:59:41
- かなり短いですが「赤い星は墜落する?」に乗っかって見ました。この一件を流也は知らなかった(あるいは覚えてなかった)という前提ですが。
「……何だ、こりゃ」
早朝から出てアカノミとまた話した後、迷いに迷って事務所に戻って来ていた流也は、文字通り絶句していた。
事務所が……吹き飛んでいた。
「…………」
壁が吹き飛び、屋根が半壊していた。
いつか襲撃があるだろう事自体は予測していたが、これはさすがに度を越していた。ここまでするか?
それが正直な感想だった。
「とか言ってる場合じゃねぇよ!! 月光はどうした、星の姐さんはどうした!?」
ざっと見渡すが姿がない。包丁だの注射器だの、物騒な物ばかり散らばっている。
どこかに逃げたのか?
「何なんだ、次から次へと!!」
――――勇んで走りだしたはいいが、案の定流也はまたしても迷っていた。
「って、どこだよ、ここは!?」
ちなみに、ついさっき通った裏路地を、今しがた探し人の二人が通過して行ったのは彼の預かり知らぬこと。
嗚呼、すれ違い。
「ったく、人の手を煩わせるなよ……!」
普段自分が一番煩わせていることは、とりあえずおいておく。
なにはともあれ現状把握。問題、ここはどこでしょう?
「……あっちにいかせのごれ高校、んで向こう側にタコ焼き屋、こっちに本屋……ってことは、ここは大通りの真ん中あたりか」
とりあえずの場所を把握し、
「でぇぇい、どこ行ったんだあんたらはぁぁぁっ!!」
明後日の方向に走り出した流也が、月光からの連絡を受けて新事務所に到着したのは、それから7時間程あとのことだったとか。
―――そりゃあそうだろう、この男が真っ直ぐ目的地に向かえるわけがないのだから。
勢いで行動すべからず
(後先考えずに走り出すと)
(必ず迷うので、真似しないように)
余談。
「? 何してんだろう、あの人。さっきからおんなじところぐるぐる回ってる」(’’)
「三鷹先生、お願いですから仕事してください」(TT)
- 635
:十字メシア:2011/07/14(木) 23:04:52
- >大黒屋さん
おおお!新しい探偵所をプレゼントするとは…!
月光さんとアキヒロさんの優しさに全俺が(以下略
はい分かりました!
モエギとヤマブキの話は出来次第、投下させていただきます!
しかし撫子ともども、さっそく使ってくれるとは思わなんだww
嬉しいですw
- 636
:大黒屋:2011/07/15(金) 22:25:30
- >スゴロクさん
なんというナイスタイミング。
その通りなのです。時系列を書き忘れていましたが、星が追われてる間、流也はアカノミと「秩序」の会話をしておりました。
一切表記がありませんでしたが助かりました;
…恐らくこの後、月光は「絶対流也殿の行くところにはついて行くぜよ…。」と思ったであろう^^
>十字メシアさん
いえいえこちらこそ百物語組と探偵事務所に新メンバー動員ありがとうございました!
施設を表記したはいいのですが、正直本当に来るとは思っていなかったので、飛んで喜びました。
モエギとヤマブキはお世話掛けます。よろしくお願いします!
- 637
:十字メシア:2011/07/16(土) 17:10:44
- という訳で(どんな訳だよ
大黒屋さんお待たせしました。
モエギとヤマブキの加入話。
星さんのキャラと月光さんの口調間違ってなきゃいいんですが;
『天河探偵所の新参者』
平日、ウスワイアにて。
新しい事務所が贈られてから2日、星と月光は新しく派遣されるその「2人」に会いに来ていた。
2人はしばらくロビーで待っていると、アキヒロが2人の少女を引き連れてやって来た。
「アキヒロさん、その子達が…」
「ああ、新しく探偵所に派遣される2人だ。右が『モエギ』、左が『ヤマブキ』だ」
右側の少女―――モエギはその名の通り、萌葱色の結った、長い髪を持っていた。
表情はどこかひねくれている様に感じる。
一方で左側の少女―――ヤマブキもまた、その名の通り、山吹色の小さいポニーテールにした髪を持っていた。
モエギによく似た顔をしているが、表情はとても明るかった。
「私は天河 星。んでこっちは…」
「助手の秋山 月光ぜよ」
「星…お星様?」
「ま、まあ…どう呼んでもいいよ」
「じゃあ、お兄ちゃんはお月様ね!」
「え、あ、あしまで…?」
巻き込まれて少し動揺する月光。
そんな彼の姿を見た星は、見えないようにこっそりと笑っていた。
「……」
「モエギ、何か喋らないのか?」
「フン、別にこんな奴らと馴れ合う気は無いよ」
「えー、ヤマブキはお星様とお月様と仲良くなりたーい」
「したいならしとけば。あたいは知らん」
「モエギ」
「お前の命令じゃなきゃあ、こんな事引き受けてないし。つーか」
と、モエギが星と月光の方を向き直る。
「お前、探偵だっけ」
「そうだけど…」
「そんな事して何になるのさ」
「え?」
「そんな正義感気取りみたいな事したって、誰も認めたり誉めたりしねーよ。余計な事で逆恨みされたり悪い様に言われて、挙げ句の果てに自分が傷ついたり死んだりするんだよ」
この言葉が頭にきたのか、星は声を荒げて言った。
「あんたね、探偵の事知ってて言ってんの?」
「知らないし知りたくもない。廃業しちゃえば」
カチン
「こ、このやろぉお~っ!」
「ほ、星殿! 落ち着くぜよ!」
「こんな事言われて落ち着けるかあ!」
「ご、ごめんなさいっ! チカ姉ちゃん、謝りなよぉ」
「無理。後、本名で呼ぶな」
「え? 本名?」
暴れる星を取り押さえる月光は、素っ頓狂な声を上げた。
「ああ、モエギって言うのはニックネームみたいなもので、本名は『チカ』なんだ。何故嫌がるのかは分からんが」
「…ヤマブキ。あたいを呼ぶときは『モエギ』か『モエギ姉ちゃん』って呼んでと言ってるだろ」
「えぇ~。モエギなんて変な名前似合わないよぉ。『チカ』の方が可愛い~」
「ったく…あたいのドリーマーの癖に妙に女の子らしいな…」
「「ドリーマー?」」
今度は星も動きを止めた。
「いや、何でもない」
「?」
(説明すんのめんどくさいしな…事態がややこしくなりそうだし)
「ところで、この子達の能力は何ですか?」
「モエギはネットワークサーチと斬刀の悪夢、ヤマブキはメモリーフレームだ。モエギのネットワークサーチは、記憶にあるキーワードを元に、特定の人物などを特殊な念波で捜索出来る能力、斬刀の悪夢は髪を刃に変えられる能力だ」
「悪夢って事は…」
「ああ、臨死体験をしている」
「………」
『死んだ』時の事を思い出したくないのか、モエギは眉間に皺をよせてそっぽ向いた。
「…ヤマブキのメモリーフレームは、触れた人物の記憶や道具に込められた想いを映像の様に映し出せれる。こちらも捜索に役立つだろう」
「ありがとうございます」
「モエギ、ヤマブキ。これからはこの2人を手助けしてやるんだ、いいな?」
「…チッ」
「はーい!」
- 638
:十字メシア:2011/07/16(土) 17:11:21
- 「…と、ここが『天河探偵所』だ」
「わあ! きれーい!」
「新築じゃしな」
「……ふーん」
「あ、モエギ。ちょっと気になってたんだけど…」
「…何?」
「そのリュック、異様に膨らんでるけど…何入ってんの?」
「………」
だがモエギは星を無視してずかずかと探偵所に入って行った。
「あっ、チカ姉ちゃん待って!」
「…チカ言うな」
「ちょっとー! 答えなさいって!」
「…何か騒がしくなりそうじゃの…」
「あ、おかえり星、月光」
「ただいま、クランケ」
「……こいつ誰?」
「私の親友のクランケだ。元怪盗」
「怪盗さん?」
「そう」
「星、この子達が新しい人員かい?」
「ああ。右がモエギ、左がヤマブキだ」
「よろしくお願いしまーす!」
「うん、よろしくね」
「………」
「それにしても君達そっくりだね。双子?」
「あ…ああ」
「…?」
星はモエギの挙動不審な返事に疑問を感じたが、それ以上気にとめなかった。
「確か、空き部屋があったはず。月光、案内してやって」
「分かった。モエギ殿とヤマブキ殿、ついて来てくれ」
「はーい!」
「………」
月光の後をついていく2人の後ろ姿を見送りながら、星は一息をつく。
それを見たクランケは笑みを浮かべた。
「賑やかになりそうだね」
「まあそうなるだろうね。でも…」
「でも?」
「あのモエギって子、打ち解けるには時間がかかりそうみたい」
「確かに、頑なな雰囲気してるし…」
「どうすればいいのやら…お、月光。案内した?」
「勿論ぜよ。ただ…」
「ただ?」
「これからはいいって言うまで部屋に入るなと、モエギ殿に言われてな」
「何だそりゃ」
その時、何処からかガチャガチャと音が聞こえてきた。
在り処は―――モエギとヤマブキの部屋からだ。
「…何してんだろ?」
気になった星は部屋の方へと足を運ぶ。
月光はそれを慌て追いかける。
「ほ、星殿! 勝手に部屋に入っては…」
「そう言われたら余計に気になるわよ。お二人さーん、何やってんのー?」
勢いよくドアを開ける星。
部屋には固まっているモエギときょとんとするヤマブキ、そして―――リュックから溢れている大量の玩具。
「………あ」
突然の事に固まっていたモエギだったが、次第に顔に赤みがさしはじめた。
「か、かか、か、か……勝手に入ってくんなぁあああーーーーっっ!!!!」
髪を刃に変え、峰にあたる部分で星と月光を吹っ飛ばそうとするが、当たったのは月光だけで、星はそれをあっさり躱したと同時に部屋の中に入った。
- 639
:十字メシア:2011/07/16(土) 17:11:56
- 「へえ、リュックに入ってたの玩具だったんだ」
「おま…見るな見るな見るなーっ!」
狼狽えながら玩具をリュックに戻し始めるモエギ。
「別にいいじゃん。何でそんなに恥ずかしがんの」
「そうだよチカ姉ちゃん。ヤマブキ、平気なのに」
「だ、だって…あたい15歳の癖にこんなガキみたいな…」
「好きなら恥ずかしがることないじゃん」
「……そうか?」
「そうだよ。私だってこんな子供っぽい、星型の髪留めつけてんのよ」
「そう思ってんなら…何でつけてんだ?」
「…昔ね、じっちゃんがいたんだ」
「じっちゃん?」
「私のお祖父ちゃん。そんである日、仕事の関係で遠くに行かなきゃならなくなった時、この髪留めを渡して言ったんだ。これがあればいつか必ず会える、絶対戻ってくるって…」
「…!」
『チカ、お父さん必ず戻ってくるからな。だからこの剣玉…お父さんの代わりに大切に持ってろよ』
「…どうしたの?」
「あ、いや…何でもない」
「…それから私は、この髪留めをずっとつけてきたんだ。じっちゃんがくれた、大事なものだから…」
「…お前もか」
「え?」
「…あたいも、お父ちゃんからこの剣玉もらったんだ。戻ってくるまで大切にしてろって」
と言って、モエギはリュックから今まで丁寧に扱われたであろう、新品同様の剣玉を取り出した。
「あたいのお父ちゃんレスキュー隊の人でさ、よく人を助けてた」
「そうだったんだ」
「そんでいつの日か、遠い被災地へ赴く事になって、必ず戻ってくるからっつって―――それっきりだった」
「……亡くなったの?」
「ああ。子供を助けた直後、建物の崩壊に…巻き込まれた」
「……そっか…」
「…そうだあたい…お父ちゃんと約束した事があったんだ…」
「どんな?」
「…正義感の強い人になるって」
するとモエギは苦笑いした。
「あたいバカだ。『あの時』の事気にして、お父ちゃんの約束すっぽかすなんて…」
「そんな事無いよ」
星がモエギの肩に手をおいて、諭す様に優しく言う。
「私だって、じっちゃんの約束を忘れていたんだ。思い出せたんなら、また守ればいい」
「そうだよチカ姉ちゃん!」
ヤマブキが強く言った。
「ヤマブキ知ってるよ。チカ姉ちゃんは優しくて、弱い人を守ろうとする人だって」
「ヤマブキ…」
「ほら、あんたの妹もこう言ってるじゃん。これからは私らと一緒に、人を守っていこうよ」
「……ああ」
微笑するモエギに、星もまた笑みを返した。
天河探偵所、2人の人員が派遣される。
追記
「あしの事を忘れんでくれ…」
「…すまん月光」
「……」
「チカ姉ちゃん…謝らないの?」
「……(そっぽ向く)」
お借りしたキャラは、大黒屋さんから「天河 星」「秋山 月光」「クランケ・ヘルパー」、本家から「アキヒロ」でした!
本編からして、ウスワイアを始めとする皆さんはドリーマーの存在を知らない様なので、モエギは敢えてヤマブキとの関係を「双子」だと言っており、ネオカタボリズムも、名前をメモリーフレームだと偽っています。
モエギがヤマブキが自分のドリーマーである事を知った経歴についてはまた書きます。
- 640
:砂糖人形:2011/07/16(土) 20:01:26
- ユウムの連載小説投下ー
戦いのあとに-ハヤトとマナコ-
「ハヤトなんで、急に・・・」
「なんか、マナコが変なこと言い出したんだよ、そしたらこの有様だ!」
-----------------
数十分前、ウスワイアでの訓練中
「でやあぁあぁあ!」
「・・・!」
東京ドームの半分の広さの真っ白い部屋
その中にぽつんと人が二人、せわしなく動いていた
金属音と銃声が響く
「あー、疲れた 俺ちょっと休憩ー」
ハヤトはナイフを持っている腕を止めた
「ん、俺はまだ練習、続ける、から」
ゆっくりとマナコは言葉を紡いだ
「練習熱心だなあ、マナコは」
「ん・・・いざという時、大切な、人を守れないのは、嫌、だから」
「そかそか」
ハヤトはそういうと、マナコに「がんばれよ」と声を掛け、部屋の隅に立っている自販機の元へと向かった
自販機には色とりどりの缶が陳列されていて、種類も酒、ジュース、健康ドリンク、と種類も豊富だった
「オレンジジュースはーっと、ここか。」
自販機の楕円型のボタンを押すと自販機はガコンと音を立てて、出口からオレンジジュースを落とした
「マナコの分はー、んー、青汁でいっか!ハハ」
ハヤトは左手にさわやかなオレンジ色の缶を持っていたが、対照的に右手には毒々しい緑色の缶が握られていた
「マーナコーおまえ、そろそろ休k「ハヤトオオオォォォオォォ」えっ?!」
マナコがハヤトに向かって全速力でダッシュをしてきた
ぶっちゃけ怖い
「ハヤトオオオォォォオォォ、うあああぁああぁぁあ!」
「揺らすな揺らすな揺らすな」
いきなり立ち止まったマナコはハヤトの肩をこれでもかというほど揺らした
「何なんだよ、落ち着けよ!」
「お、俺のユウムレーダーが!!!!!!」
「・・・は?」
いきなり口に出した誰も聞き覚えのないレーダーは、マナコによると
「ユウムに危険があると反応するんだよ!!なんか、ぴーんって感じで!!」
「しらねぇよ」
「とにかく早くユウムのとこに行かないt」
もう一回走り出そうとしたマナコは急にふらっとして、床に倒れるところだった
「おまえ、ふらふらじゃないか!」
「でも、ユウム、が・・・!」
「代わりに俺が行ってくっから!!」
「え、」
「お前は身体のコンディションを整えろ、そしたら来い!ユウムなら任せろー!」パカッ
「青汁はヤメテー!」
---------------------
「ってことなんだけど、」
「ど う い う こ と な の」
- 641
:大黒屋:2011/07/16(土) 21:18:01
- 「折角ですので」第二弾。息抜き(?)短編フラグ付き。
しらにゅいさんより「タマモ」をお借りしました。キャラ板に怪談の内容が書かれていたのですごく助かりました。
ただ、文才不足でゴクオーと口調がかぶって仕方がない…orz
仔犬の妹と妖狐の姉
「あーるじっ!定期報告にきたよー…って、あれ?」
寺院にやって来たノラは、すぐに春美の姿が見当たらずにきょろきょろと見回した。
「おっかしいなぁ。匂いはするからいるんだろうけど…。」
あがりまーす、と一言言い、ノラは寺へと上がって行った。
「門下生は修行中かな。静かだし。…んっ?」
急に顔をあげ、ノラはあたりを見回す。
「この匂い…!もしかして!」
ノラは近くの襖をあけ、覗いた。
「あ、やっぱり!タマモ姉さんだっ!」
「ん?…ああ、ノラか。」
「お久しぶりですっ!」
ノラはタマモ、と呼んだ女性に抱きついた。
艶やかな着物に黄金色の髪を持つ美しい女性。
その頭部には狐の耳が生え、髪色と同じ九つの尾をもっていた。
「百物語組第八八話」。それが彼女に与えられた肩書。
そう。彼女もまた、春美に語られた妖怪だ。
ノラはタマモを実の姉のように慕っている。
同じ類だからか、二人は特に仲が良い。
抱きつくノラの頭を、タマモは優しくなでた。
「元気にしとうたか?」
「うん!タマモ姉さんも元気そうだね!よかったぁ!」
ノラは笑顔を見せた。
「…お主、大丈夫だったかの?」
「えっ?」
「シン・シーの件。襲われたと…。」
ノラは直ぐに首を振った。
「うん!もう全然平気だよ!」
「そうか…。」
「…もしかして、心配してくれたの?」
「当然。お主は妾の妹のような存在だしの。」
「ありがとうっ!」
ノラはもう一度タマモに抱きついた。
「あ、ノラちゃん。もうきてたんだ。」
そこに春美が入って来た。
「遅いよ主。どこいってたの?」
そういいながらもノラはタマモに抱きついたままだ。
抱きつかれている側のタマモがどこか恥ずかしそうにしている。
「うん、ちょっとお爺様に呼ばれてたんだ。」
「そうだ、タマモさんもいるから先に話しておくよ。」
春美は二人の前に座った。
「今度の水曜日、丑の刻にこれる?」
「うん。夜だし大丈夫だよ。」
「妾も大丈夫じゃ。」
「そっか。なら、忘れずにきてね。」
「久しぶりの仕事だよ。勿論、アースセイバーとしての。」
春美は真剣な顔つきになり、二人を見た。
「…もしかして、妖怪が人を襲って…。」
「ノラちゃんは、多分学校できいたことあるよ。」
春美は一冊の本を取り出し、開いて見せた。
「『予知電話』…。この都市伝説による被害が、相次いでいるの。」
- 642
:しらにゅい:2011/07/18(月) 22:08:21
トキコがその話を聞いたのは、同グループに所属する紅雷鈴からであった。
「ユウムちゃんが処分?」
「うん、そうらしいんだよねぇ」
「なんで?」
「なんでも、能力者であるお友達を殺そうとしたんだけど失敗したいみたい。」
「………」
お友達、と聞いてトキコが真っ先に思い浮かんだのは、ゴスロリの少女と、
彼女達と仲の良いヘアピンの少女であった。どちらとも、アナボライザーだ。
二人はアースセイバーではないが能力者である以上、後にホウオウグループを
脅かす存在にならないとも言い切れない。アースセイバーに転身してしまう前に、
どうにかするのはもっともな判断だが…
「血迷ったね、あの子。」
「ん?」
「ううん、なんでもない。それで、そのことはレイくんには言ったの?」
トキコの言うレイという人物は、紅雷令のことだ。
チャラついた外見とは裏腹に鈴と同様、おっとりとした性格の少年で、
巧妙な策士という一面を持った、悪夢持ちの能力者だ。
噂によればホウオウグループの実験に巻き込まれ死んだらしいのだが、奇妙なことに、
そんなことがあったにも関わらずホウオウグループに所属していうのだ。
そしてこの少年は、同グループに所属しているユウムに片思いをしているらしい。
だからトキコは気になって鈴に聞いてみたのだが、彼女は首を横に振った。
「いや、まだ伝わってないみたい。」
「ふーん…聞いたらショック受けるんじゃない?」
「かもねぇ…」
困ったように鈴は笑い、それで、と彼女は言葉を続けた。
- 643
:しらにゅい:2011/07/18(月) 22:09:24
「トキコちゃんはどうする?」
「私?」
「うん、だってトキコちゃん、ユウムちゃんと仲が良かったじゃん。
…見過ごすのかなーって。」
そう言って目を細めた彼女の眼には、警戒の色。
おそらく彼女の友人であった自分が助けに行くのではないかと考えているのだろう。
確かにユウムはトキコにとって、友達だ。グループに所属していて初めて出来た同年代の、
しかも同性の友達で、グループの関係者というだけの括りでは済まされなかった。
自分が傷付き痛んだあの時、彼女は仲間として心配してくれた。それだけではなく、
学校にいた時だって普通の友達として接してくれた。だから、彼女は紛う事なき友達だと言い張れる人物だ。
…しかし、所詮それだけのことなのだ。
トキコはクス、と笑い、鈴に告げた。
「見過ごすわけないじゃん、けど、今回の任務はサイナが引き受けたんでしょ?」
「そうだねぇ。」
「だったら、私は傍観しているよ。」
「傍観?」
「そう。」
トキコが一層笑いを深くする。
彼女の未来を予想したのか、耐え切れずに笑いを零していたのだ。
「そりゃあ、ユウムちゃんは許せないよ…ホウオウ様を『裏切った』んでしょう?
ホントなら私の手で八つ裂きにしてやりたいところだけどさ、私はユウムちゃんのお友達だから
そんなことしてあげない。だってさ、幹部ならともかく友達に殺されるってどういう気分だと思う?」
「…んー、どうだろう?」
「人にもよると思うけどさ、きっと悲しいよね。」
彼女の脳裏に写るのは、麒麟の化身であるあのお人好し。
彼がすべてを知った時、一体どんな表情をするのだろうか。
「だから、私は動かない。でもそれじゃあ楽しくないから、代わりに見させて貰うの。」
「何、を見るのですか?」
「そんなの決まってるじゃない、」
怪訝な表情を浮かべる鈴とは対照的に、とても楽しそうにトキコは言った。
「ホウオウ様を裏切ったあの子の末路。」
朱鷺と優夢の処分
怒ってないよ?
だって、ホウオウ様が決めたことなんじゃない。
それに、それがユウムちゃんの答えならば、
私はそれを「ホウオウグループ」として
受け止めてあげなくちゃいけない。
もちろん、
助けたりなんか、しないから。
(朱鷺の友人であったはずの彼女が)
(朱鷺の玩具(テキ)になってしまった)
- 644
:しらにゅい:2011/07/18(月) 22:26:58
- >>642-643 お借りしたのは紅雷鈴、名前のみで紅雷令(キャスケットさん)
ユウム、名前のみでフウコ、ネイロ(砂糖人形さん)、名前のみでサイナ、ホウオウ(本家)
都シスイ(akiyakanさん)でした!
蛇足的なお話でしたが、こういう反応するんじゃないかなーと思い執筆しました。
軽薄ではなく、「ホウオウグループ」としての彼女ならこうするということなので、
決してユウムちゃんが嫌いなわけじゃないですよ!
・・・どちらにせよ黒いなうちの子・・・
- 645
:スゴロク:2011/07/18(月) 23:59:32
「落ちついた、マナちゃん?」
「………」
白波家、ランカの部屋。ベッドに座り込んでココアを飲んでいたマナは、半ば恐慌状態で転がり込んで来た時に比べると静かに見えた。しかし、よく見れば手が微かに震え、瞳には色濃く不安を映している。
(………)
ランカにとっては、それだけで彼女を放っておくことが出来なかった。
「……アズール、そこにいる?」
「はい、マスター」
「お風呂、見て来てくれない?」
「ん、わかりました、ちょっと待っとって下さい」
とたとたと廊下を走る音が遠ざかり、小さくドアを開ける音が響いた。
「……マナちゃん」
「………」
何か言いたかったわけではない。ただ、心配で。どうしても心配で、思わず呼んだだけ。
友達、だから。
「………ランカ」
「なあに?」
小さく、マナが呟いた。
「家族、って……脆い、ものなの」
「え?」
「私、が……私じゃ、ないから、なの?」
「マナちゃん……?」
意味の掴めない言葉に、思わず聞き返そうとした時、外からノックする音が聞こえた。
「マスター、沸いとりました…」
「あっ、ありがとうアズール。……」
少し考え、
「マナちゃん」
「……?」
隣に座る友達に、ランカは笑って言った。
「お風呂、一緒に入ろう?」
「♪~」
湯気の立ちこめる浴室で、椅子に座ったランカはことさら上機嫌に身体を洗う。少しでも友達の気分を紛らわせようというのもあるが、自身、風呂が大好きだということもある。つい最近まで入院生活をしていたからこそ、なお。
「♪~♪~♪~~……あれ?」
ふと背後をちらりと見ると、マナの動きが止まっていた。タオルを持ったまま、俯いて遠い目をしている。
これはいけないと、ランカは身体ごと振り返って手を伸ばす。
「マナちゃん、ちゃんと洗わなきゃダメだよ?」
「……それはわかって……ひゃっ!?」
言いかけた言葉が途中で切れた。石鹸のついたランカの手が、全身を丹念に洗い始めたからだ。
時々同じ所を行ったり来たりしているのはよく見えないせいだろうか?
「せっかく髪も身体も綺麗なんだから、しっかり洗って清潔にしとかないと」
「た、確かに、それは、そうだけど」
ほとんど密着状態で足の方に手を伸ばすランカ。それでも先の方までは届かず、「ん~!!」と顔を赤くしているのが見える。
「じ、自分でやるから」
「そう? じゃあ……」
やっと手が離れた。と、ほっと一息つく間もなく、
「うわぶっ!?」
頭から湯をかけられた。
「髪が無茶苦茶~!! もぉ、ちゃんと洗わなきゃダメだよぅ~!!」
怒っているのか呆れているのか楽しんでいるのかわからないランカの声と共に、頭が石鹸の泡ごとわしゃわしゃと引っかきまわされる。目をつむり、両手をくっつけた膝の上において待つしかなかった。
- 646
:スゴロク:2011/07/19(火) 00:00:40
- 数分後。
「……はぁあ~、いい気持ち~」
「…………」
一頻り身体を洗い(もしくは洗われ)、浴槽につかるふたり。
思い切りのびのびとするランカとは対照的に、マナは肩下まで浸かったまま揺れる水面を見つめている。
そんな彼女を見たランカは、何気なく両手で湯をすくう。
「マナちゃん」
「……なに?」
手の中で揺れる小さな水面に、天井と照明、そしてランカ自身の顔がゆらゆらと映っている。
「……せっかくなんだから、肩まで浸かったら?」
「……うん」
言われるがまま、マナは身体を沈めた。
その後しばらく沈黙が続いたが、やがてマナの方からそれを破った。
「……さっきの声は?」
「? あ、そっか、マナちゃん知らないんだっけ。アズールっていうんだよ。妖怪なんだけど、私の家族なの」
「家族……」
「昔、小さい頃拾って来たんだ。お父さんは反対したけど、お母さんがね……」
そこからは、ランカがアズールを拾ってからのことをつぶさに話し、マナがそれを相槌を打ちながら聞く、という流れが続いた。時に嬉しそうに、時に悲しそうに語るランカの姿は、
(………あ、ぁ……)
今のマナにとっては、とても眩しかった。
風呂からあがった後、二人はまたランカの部屋に戻っていた。アズールは入れ替わりに風呂に行っている(いつもなら狐の姿でランカに洗ってもらうのだが、今日は一人だ)。
マナはランカのパジャマの予備を借りており、部屋の主はその色違いに着替えていた。
来た時と同じくベッドに座り込み、ふたり隣り合わせになる。
「………」
「………」
お互いに無言。マナは下を向いたまま、ランカはそんな彼女を穏やかに見つめる。
しばらくの間、目覚まし時計の秒針の音だけが、静かな部屋の中に響く。さして大きくもない、普段なら日々の喧騒にかき消されそうなその音が、今はやけに大きく聞こえる。
「……ねぇ、マナちゃん」
その音を遮るように、ランカが口を開いた。
「何が、あったの?」
核心に迫る、問いで。
「!! そ、れは…………」
問われたマナの表情が、さらに暗くなる。それでも何とか言葉を紡ごうと、思いきって顔を上げる。
と、
「!」
振り向いたその唇が、ランカの人差し指で止められていた。
「無理、しなくていいよ」
「……でも」
「無理に聞きたいとは思わないから。マナちゃんが話したくなったら、話して」
「…………」
ランカの言葉は、どこまでも優しかった。しかし、だからこそ、黙っているのはこの子に失礼なのではないか。
なぜか、そんな気がした。
だから、
「……ううん、言わせて」
「……わかった」
マナは、絞り出すように、その一件をぽつぽつと語り出した。
- 647
:スゴロク:2011/07/19(火) 00:02:08
- 「……そう、だったんだ」
「………うん」
全てを―――突然呼び出されたこと、兄・詠人に「紛い物」と呼ばれ、命を狙われたこと、正人とシスイ、ルナと名乗る少女によって救われたことを―――聞かされたランカは、ただ一言、そう言った。
返すマナも、また一言。
ランカは何も言わない。詠人を罵倒することも、シスイ達に感謝することも、マナを慰めることも。
ただ、
「……!」
優しく、それでいて強く、マナを抱きしめる。
「マナちゃん。私は、何もわからないよ」
「ランカ……?」
「詠人さんが何でそんな事を言ったのか、何でそんな事をしたのか、私にはわからない。マナちゃんの過去に何があったのか、私は知らない」
でもね、と。
「マナちゃんは、友達だよ。私は、友達が傷つくのも、死んじゃうのも、嫌だよ」
「友、達……私、が……?」
「うん」
もちろんだよ、と。一旦身体を離し、肩に手を置いて、正面から目を見つめる。
「マナちゃんは、今までみんなを守ってくれたよね。綾ちゃんに、アオイさんに、大さんに、私……」
もう一度、抱きしめる。
「だから、今度は私がマナちゃんを守る。私が、マナちゃんを守ってあげる」
「…………」
マナには、何と言っていいのか、わからなかった。色々な思いが胸の奥からこみ上げて来て、言葉に出来ない。
ただ、少しだけ身体を離し、顔を見つめる。
「………ランカ」
「ん、なあに?」
柔らかく微笑む、友達に囁く。
「……ちょっとだけ、今……泣いても、いい……?」
返答は抱擁だった。暖かさに包まれて、ランカの胸に縋りつくようにして、
「……ぅ……うぅ……うぁあ……あぁあああ……」
もう一度、泣いた。
指で髪を梳くように撫でながら、ランカが小さく口ずさむ。
「……ゆりかごの、歌を――――」
友達だから
(なくしたはずの暖かい眠り)
(久しぶりに見た夢は)
(幸せだった、あの頃の風景)
(六x・)さん「アズール」をお借りしました。
- 648
:サイコロ:2011/07/19(火) 00:36:33
- 抱えた爆弾シリーズの続きです。
抗争の火蓋が切って落とされる…。
お借りしたキャラは出雲寺組(十字メシアさん宅)から
出雲寺愛澄、亜寺義仁、九柳亜樹斗です。
<汰狩省吾の侵攻。>
ショウゴは今、年下の女の子に銃を向けている。
胸クソが悪くて堪らない。
インターホンを押してアキトを呼び出すと、門を開いて出て来た。
「こんな時間にどうしたんです?」
「いや、ちょっと話があってな。後のコイツら、知り合いなんだが
厄介事の巻きこまれててよ。出雲寺組の力を借りたい。組長さんと繋ぎ取れるか?」
真剣に言うショウゴに対してアキト顔を曇らせながら答えた。
「分かった、中に入ってくれ。」
第一関門はクリアした。
大広間に通された。厄介事を抱え込んだという嘘をアキトは真に受け、
ショウゴと面識のあるヨシヒトとアスミだけを連れてやってきた。
正座して向かい合う。
「どうも、ショウゴさん。」
「どうも、組長さん。部活に勧誘した時以来か?」
「・・・まぁ、その話はいいとして。何か厄介事を抱えていらっしゃるとか。」
「ああ、この二人も関係しててな。こいつを見てくれ。」
鞄を開いてゆっくりと中身を取り出すショウゴ。
取り出した脇差を、アスミの方に差しだした。
アスミは受け取ると刀身を少し抜き、刃を見る。
「模造刀では無いようですね。相当の業物とお見受けします。・・・これは!?」
ゆっくり鞘を抜き、反対側の刀の腹を見た時、アスミの表情に緊張が走った。
「鬼英会の代紋!?」
ショウゴは状況の説明も無しに、間髪入れずたたみかけた。
「単刀直入に言おう。鬼英会傘下に入ってもらいたい。」
アキトは未だ状況が掴めず、口をパクパクとさせていた。
「え・・・?は・・・?ど、どういうことだ・・・?」
「俺は鬼英会の人間なんだよ、アキト。」
「いかせのごれの『外』の極道…鬼英会とは。狙いはいかせのごれの裏社会進出ですか。」
ヨシヒトの声は低かった。
「ああ。」
「出雲寺組が世間に持つ大きな影響力を理解してますか?」
「無論だ。」
「拒否すれば?」
その瞬間、ショウゴ達3人は立ち上がりざま銃を抜いた。
「そんときゃ戦争だ。」
対して、反応出来たのはヨシヒト唯一人だった。
アスミもアキトも、目の前の事実に動揺していたからである。
「因みにこれは交渉でも取引でも提案でも協定でも無い。分かるよな?」
その瞬間、アキトが暴走した。
「ショウゴオオォォォォォォ!」
「よせ、アキト!」
ドンッ!
ショウゴに掴みかかろうとしたアキトがコトハに、
引き金に力を込めたヨシヒトがリュウザに、
同時に撃たれ、吹き飛ばされた。
途端に表が騒がしくなる。銃撃の音が連続して聞こえ、廊下が騒がしくなる。
「表が銃撃されてんぞ!」
「くっそ、どこのどいつじゃ!ざけやがって!」
「門に近寄んな、撃たれんぞ!」
「組長達はどこだァ!」
「応戦しろ、中に絶対入れんなよ!」
ショウゴがアスミの前に立つ。
「攻撃してるのはウチの組の兵隊だ。
・・・一緒に来てもらうぞ。それですべて解決する。」
- 649
:サイコロ:2011/07/19(火) 00:37:57
- 俯いたまま正座している女の子に、ショウゴは今銃を向けている。胸クソが悪くて堪らない。
「傷つけたな…やりやがったなこの野郎!」
アスミの手にはいつの間にか銀色の薙刀が握られ、それが横薙ぎに一閃された。
紙一重で反応しスウェーバックしてかわすショウゴ。
リュウザとコトハもそれぞれ飛びずさって銃を構え直した。
「リュウザ、コトハ、周囲警戒!邪魔を入れるな!」
「「了解!」」
そしてアスミとショウゴが対峙する。
先に仕掛けたのはショウゴだ。時間が長引けば異常に気付いた組員がやってくる。
そうなれば不利なのはショウゴ達である。
銃を腰に戻し、トントンと軽くジャンプすると一気にアスミの間合いに飛び込んだ。
すかさず薙刀を振るい、袈裟切りをしようとするアスミ。
ショウゴは冷静に軌道を見極めると、敢えて斬られに前へ出た。
前に出たことにより逆にダメージを少なくする目論見と、あともう一つ。
ショウゴの腰にはモデルガンが差してある。
ガッキィィィィン!という音と共に、薙刀を受けきった。
間髪いれずに次の技を繰り出そうとするアスミだったが、ショウゴがさらに踏み込むほうが早かった。
アスミの着物を掴むと、鋭く素早い背負い投げを喰らわせる。
(ぐっ・・・強い!でも、今の攻撃・・・)
考えている間にも状況は更新される。
既にアスミは後ろから絞め技を掛けられていた。
(彼は畳に叩き付けはしなかった・・・癖なのか・・・
それとも・・・別の・・・意・・、味が・・・?)
熟練者が絞め技を本気でやったら、ほんの数秒で『オチ』る。
アスミも眼つぶしや頭突きを行おうとしていたが、抵抗むなしく意識を失ってしまった。
アキトとヨシヒトに致命的な怪我と意識が無いことを確認すると、ショウゴはアスミに血糊を付け担いだ。
そう、今回3人が銃に詰めていたのは非殺傷弾だったのである。
リュウザとコトハを率い、アスミを担いだ状態で急いで裏口まで走る。
救急車が裏口に止まり、サイレンを鳴らし続ける。ショウゴはさっさとアスミを載せると、
一緒に乗り込もうとした出雲寺組の組員を殴り飛ばして振り落とした。
「裏口から脱出で、出雲寺組組長の拉致に成功。お前らも早く切り上げろ。
追ってくる奴も基本威嚇射撃しか認めん。」
ダミーの救急車の中で電話するショウゴ。この救急車は鬼英会の車輛である。
通話の相手は陽動班を仕切っているサトルに向けたものだった。
電話を切ると、次は最高顧問である叔父に連絡を入れる。
「どうも。出雲寺組の組長を拉致した。居場所の割れて無い事務所ビルがある、そこに監禁する。」
『そーかそーか、よくやったぞ。』
「今後の方針と出雲寺組組長の身柄について話し合いたいんすけど、御足労願えますかね?」
『そやのう・・・傘下に収める土地を見ておくんも悪くない、明日そちらに向かおう。』
会話が終わり、パチンと携帯を閉じるとリュウザとコトハとショウゴは小声で話す。
「ショウゴさん、もしかして・・・。」
「ああ。俺はここまで手を汚した、ここまで堕ちた。なのに奴が高みの見物なのは許せねぇ。」
「巻き込むつもりなのね。」
「勿論だ。」
「でもそれは、鬼英会に反旗を翻すということなのかしら?」
「バカ言えコトハ。何もそんな事はしないさ。そこで出雲寺組を迎え撃って決着をつける、それだけだ。」
ストレッチャー台の上には、アスミが拘束されていた。
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:サイコロ:2011/07/19(火) 00:38:28
- 途中で車を換え、アジトに向かう。ストレッチャー台からアスミを下ろすと、
工場から失敬した試作品の手錠をかけた。
アジトであるビルの中にアスミを抱えて入ると、陽動を行っていた人員や道路を封鎖していた要員が出迎えた。
「ショウゴさん、お疲れ様です。」
「お怪我はありませんか。」
「あ、『そいつ』はあっしg」
ショウゴは、まだ意識を取り戻さないアスミを抱えていたが、3人目を言葉を遮るように蹴飛ばした。
「誰が『そいつ』だよバカ野郎。気安く触れんな。確か応接室は5階だったな、そこに行くぞ。」
応接室のソファにアスミを寝かせると、ショウゴは組員をぎろりと見回した。
「いいか、お前ら。指一本でも触れてみろ、何か危害を加えてみろ。
俺の思いつく限りの制裁を加えてやる。分かったら各階で休んでろ。
・・・明日、最高顧問のオジキが来る。そのへんの用意もしとけ。
あと、万が一出雲寺組が組長奪還に攻め込んできた時のことも考えて武器の手入れも怠るな。いいな!」
応接室に、ショウゴとリュウザ、コトハ、そして組員達をまとめていたサトルが残った。
「坊、明日最高顧問がいらっしゃるんでっか!?」
「ああ。」
「それまでここで見張るつもりで?」
「ああ。変な気を起こす奴がいるかもしれん。それに・・・
こう言っちゃなんだが、ミナと被るんだよ、彼女は。」
一瞬妹のミナがショウゴの脳裏をよぎる。
「察しやす。」
怒涛の侵攻劇は一旦終了。
ショウゴはドスとモデルガン2丁を取り出すと、気を失ったままのアスミの隣で分解整備を始める。
アスミに銃口を向けた時のことを思い出し、若干また胸クソが悪くなったが、我慢した。
最終更新:2012年02月29日 13:02