企画されたキャラを小説化してみませんか?vol.2
- 1:鶯色:2011/04/04(月)
16:19:48
- ここはキャラ企画つれっどにて投稿されたキャラクターを小説化しよう!というスレです
•本編とはかかわりがなく、あくまでもアナザーストーリーという扱いです
•時系列は本編(2002年のGW4月28日~)よりも前の話が主になります
•本編キャラの名前が名字無しカタカナの為、小説ではそれに合わせた呼び方が多いです
•人様のキャラクターを借りる時は、設定を良く見て矛盾が無いように敬意を持って扱いましょう
詳しい説明などは下のURLをご覧ください
•ナイアナ企画@wiki―「はじめに:企画キャラとは」
http://www22.atwiki.jp/naianakikaku/pages/27.html
前スレ
企画されたキャラを小説化してみませんか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28084/1208562457/
- 951
:大黒屋:2011/09/23(金) 22:03:31
- 投げ出された由衣には、その光景はスローにみえた。しかしながら体は動かなかった。
瓦礫と化した体の破片が眼の前に転がった。
「な…んで…?うそだろ…?」
素直に感情は現れず、ただうわごとのように呟く。
体から力は抜け、動かなかった。
ガルダが宙を舞い、喉の奥を光らせた。
由衣はそのまま崩れ、前に伏せる。
正確に狙いを定めた1機が、その青い髪に向けて、一筋の光線を放とうとした。
――直前だった。
金属の破壊されるような音が由衣の耳に届いた。
そのすぐ後に眼の前に何かが落ちる音。
顔を上げると、鳥のようなロボットが眼の前にあった。
方羽だけが、石だった。
同じ音が背後から2発、3発。
その音に思わず振り向いた由衣は、絶句した。
「あってはならない背」が、そこにあったのだから。
「…手を、だすな。」
おもむろに上げた指先に光が集まる。
その光が放たれると、上空にいた最後のガルダがくるくると不規則に回りながら墜落した。
それを見届けると、前に崩れ落ち、そのまま眠ってしまった。
「…あれが…。」
よく似た現象を、彼女は知っていた。
現に一度、自分の身に起こった現象だった。
どうするべきなのだろう。彼女は暫く悩んだが、とりあえずアースセイバーに連絡しようと携帯を取り出した。
「…もしもし。…ナイトメアアナボライザーです…。」
ストラウルのひと騒動
「どうして…?あの子はアナボライザーじゃなかったのか…?」
絶句する彼らは気がつかなかった。
後ろから来る、男の存在に。
―――
詳細は後日記載します;
- 952
:しらにゅい:2011/09/23(金) 22:35:54
- 「こんにちはー」
「ん?おぉ、チヅルか。」
「お久しぶりです、エイジ博士。」
「チヅル久しぶりやんなー、元気にしとったか?」
「アケミさん!相変わらずナイスバディ・・・!あ、これお土産です。」
「おおきにー」
「・・・・・・・・・」
「!カイロくん発見伝!!」
「っぎゃあああぁぁ!!?」
「あーん、相変わらずのもふもふ加減・・・」
「は、離せよ!気持ち悪い!!」
「何をぅ、それはつまり私のテクが・・・あいたっ!?」
「チヅルはカイロが好きやなぁ、いつも会う度に抱き付いとるやん。」
「いやー、ワーラットの毛並みがあそこまで柔らかいとは・・・
これはもう世間に公表すべき大発見だと思いますよ!」
「そう思っとるのはチヅルだけや。」
「ところでチヅル、わざわざこんなとこに足を運んできて、一体何の用じゃ?
お前さんが頼んだアレなら、まだ途中じゃが。」
「あぁ、それなら別に急ぎの用ではないので大丈夫ですよ。
むしろじっくり調べて貰った方がより確実な結果が得られると思いますし・・・」
「別にハカセのとこじゃなくても良かったんじゃ?」
「『エイジ博士』だからこそ、お願いしたんです。それに私の技量じゃ、
アレに破壊しかねませんし。」
「そうか・・・」
「・・・?」
「チヅルも大変やなぁ、おとんの意志汲んであっちこっち走り回っとって。」
「そうでもないですよ、おかげで色々な人達と出会うことが出来ましたし、
故郷で記者として働いていた時より数倍楽しいです!」
「せやかぁ、まぁチヅルが楽しそうならええんやけどね。」
「・・・なぁ、チヅル。」
「なーに?カイロくん。」
「ハカセは確かに凄いけど、でもなんでわざわざここに・・・」
「ん?・・・客が来たようじゃな・・・」
「え?・・・あっ!しまった、外で人待たせてたんだ!!すいません、
それでは私はこれで!!っと、お土産は生物なんですぐ召し上がってくださいねー!」
「あ、ちょ、」
「うむ、分かった。」
「ほな、またなー」
***
「・・・行ったか。」
「なぁ、ハカセ・・・」
「何じゃ、カイロ。」
「なんでチヅルはわざわざハカセのところに来るんだ?・・・アレなら別に、
近くの修理店にでも出した方が・・・」
「チヅルはフリージャーナリストやねん。」
「フリージャーナリスト?」
「せやせや、だからうちらのとこにわざわざ来とるんや。
こっちに来る口実があった方が行きやすいやろ?」
「・・・は?ますます意味分からないんだけど・・・」
「せやからぁ、チヅルはな、フリージャーナリストで・・・
『いかせのごれ』を調査する為にここに来とるんや。」
八十神千鶴と博士達の平凡な会話
- 953
:しらにゅい:2011/09/23(金) 22:38:14
- >>952 お借りしたのは本家よりエイジ、アケミ、カイロでした。
使用キャラはチヅルです。
とりあえずプロローグ的なものを投稿したかったんです・・・
このような感じに、主に無所属な方々と絡んでいけたらなーと思ってます。
- 954
:スゴロク:2011/09/23(金) 22:52:35
- >(六x・)さん
受け取りましたらば……。パス返し、のつもりです。
病院生活は、正直退屈。変わらない景色と、変わらない一日の繰り返し。たまに綾ちゃんや大さんが来てくれるけど、綾ちゃんは昨日来たばっかりだし、大さんは別の人の所でここには来ない。アズールは突然姿が消えてそれっきりだし、お父さんも……。
今日はついさっき、凪っていうお姉さんに会った。
何だか、どうにもならないような感じがしたから、悩んでるのかな、と思って声をかけてみた。
悩んでること自体は事実だったけど、「大したことじゃない」って本人は言ってた。
だけど、私には聞こえた。凪さんを面白がって中傷する、その声が。
(…………)
凪さんが何に悩んでいるのか、おおよその見当はついた。だけど、本人が言わないのなら、口を挟むべきではない。お母さんにもそう言われたから。
病室に戻ってベッドに転がる。目を巡らせても、映るのは変わり映えのしない景色ばかり。入院してから随分経ったけど、一向に調子が良くならない。たまにこうして出歩くのがせいぜいで、発作を起こす事もままある。
そんな状況でも、私は凪さんが気になっていた。あの人の悩みは、多分根が深い。それだけじゃない、何て言うか……何だか、閉じこもっているのに構ってほしい、みたいな感じがした。
「?」
ふと扉に目を向けると、外に人の気配がした。面会時間にはまだ余裕があるけど、誰かな?
「どなたですか?」
そのまま問いかけると、返事の代わりに扉が開いた。……凪さん?
何だか、追い詰められたような顔をしてた。
「凪さん……? 何かあったんですか?」
「……え?」
凪さんの方は、私がそう言って初めて、自分がここにいることに気付いたようだった。
「あ、いや」
「……何かあったんですね」
さっきの今だ。凪さんに何かあったと予想するのは、あまりにも簡単に過ぎた。
「……それで」
凪さんはあまり話してはくれなかったけど、私には十分だった。ここまでに何があって、何を思って今があるのか。ほとんど推測でしかなかったけど、多分合ってると思う。
「……凪さんは、諦めちゃってるんですね」
「え?」
「聞いてくれるわけがない。分かってくれるわけがない。だから心を閉ざして、自分の思ってることを明かさない。だけど、本当はわかって欲しい。気付いてほしい」
「何を……」
「違いますか?」
要約すると、大体こんな所だった。聞いた凪さんは、座っていた椅子から立ち上がって叫んだ。
「っ、わかったようなことを言うなよ! 私の何がわかる!?」
「何もわかりません。私は凪さんじゃありませんし、教えてもらったわけでもないです」
あえて平坦に、返す。こういうのはあまり好きじゃないんだけど、放っておけなかった。昔の綾ちゃんと、そっくりだったから。
「だから、教えてください。そんなに人が嫌いですか?」
答えが返って来たのは少しの静寂を挟んでからだった。すとん、と椅子に座り直して、凪さんは呟くように言った。
「……他人が嫌いなわけじゃない。ただ……勝手な事を言ってる奴がいる。それだけだよ」
「それが嫌なんですか?」
「良いわけでは断じてない。……けど、こんなの誰に言えばいい? 誰がわかってくれる? 友達もいないのに」
口を突いて、言葉が飛び出していた。
「私に言えばいいと思います」
「……は?」
「友達がいないって言いましたよね? なら、私が友達一号です」
その時、私は、
「だから、お話をしましょう?」
本当に自然に、久しぶりに笑うことができた。
(六x・)さんから「凪」名前のみ「アズール」をお借りしました。
- 955
:大黒屋:2011/09/24(土) 13:20:40
- 「ストラウルのひと騒動」直後の話です。
最後台詞のみネモさんより「七篠 獏也」をお借りしました。
音は全くと言っていいほどなかった。
ぶら下がるランプの炎が僅かに揺らめいただけである。
しかし、二人がコンクリートがむき出しになった壁に寄りかかって伏せるまでにかかった時間はものの数分だった。
骨が軋むような音に頭を抱えそうになりながら、ゆっくりと顔を上げた。
「ったく、手のかかる所は相変わらずらしいなぁ?」
眼の前に現れたのは、黒いマントに黒いシルクハットをかぶった男。
色の無い左目は、間違いなく「彼」と血がつながっていることを示していた。
「っかは…。な、何で貴方がこんな所に…。」
「何でか?決まってるだろ?久しぶりに顔を見に来ただけだ。そしたらどうだ?」
彼は胸倉をつかむと、思い切り引き上げた。
「俺の眼の前で、人を一人『殺し』やがった!よかったな、あれがアナボライザーじゃなくて!!」
「お前の事だ。ガルダを使って石像でも作るつもりだったんだろ?」
睨みつけるその眼は、本気で怒っている。
「キングといいお前らといい、ホウオウに入ってから落ちぶれたな、お前らは!」
「っ…!」
「…落ちぶれたは、どっちよ。」
角に蹲ってた女が口を開いた。
二人の視線はそちらに行く。
「そんな正義気どりが楽しいの?馬鹿じゃない?私たちは犯罪集団よ?いい加減こっちに戻ってくる気はないの…、」
「『イノセント・プリンス』。」
「微塵もない。」
彼はばっさりと切り捨てた。
「現状を見れば尚の事だ。てめぇらは何時までキングの部下を気取ってるんだ。」
「きどっ…!?」
胸倉を掴まれた男が反応した。しかし全身が痛むのか、ろくに動くこともできない。
「忘れたか、キングはもう死んだんだ。事実上怪盗一家は解散しているんだよ!」
「「!!」」
その根本が頭になかったのか、二人は絶句する。
プリンス、と呼ばれたその男はため息を吐き、続けた。
「ホウオウに残るかどうかはお前ら次第なんだ。現にクランケは離脱した。そうだろ?」
偶然のせいではあるんだけどな、と付け加えておきプリンスは二人を見た。
「それに、今キングはホウオウに入ったことを後悔してるかも知れねぇんだ。」
「「…。」」
「ま、お前らがどうとるか次第なんだけどな。」
プリンスは手を離すと、踵を返した。
「今回は見逃してやる。『生き返った』わけだし、俺の目的はお前らじゃねぇ。」
煙草に火をつけ、それを加えながら彼は言った。
「ただし、今度会った時状況が変わっていなかったときは、覚悟しろ。」
一言そういって、彼は立ち去った。
「…アリア。」
「知らないわよ、そんなな話。」
「いやぁ~、決定的瞬間、的な?」
少し離れたビルの中。
黒ずくめの少女がカメラを構えてにやにやと笑っていた。
「これは即刻、『僕の兄(ボク)』に伝えないとだね。それと!」
彼女はメモを取り出し、ぱらぱらとめくった
「『怪盗イノセント・プリンス再来』!今回の学校新聞の見出しはこれで決まり、みたいな!」
影響なき影響
「聞く限り、アナボライザーで間違いはないだろう。ただ、記憶は曖昧なはずだ。できる限り能力の事は隠し通すしかないな。」
「…闊歩…。」
- 956
:スゴロク:2011/09/24(土) 17:36:59
- >>954
タイトルを忘れてました……「友達になりたい」です。
何たるうっかり。
- 957
:大黒屋:2011/09/24(土) 22:05:27
- つなぎがてら過去編入ります。今回は短めです。
名前のみスゴロクさんより「水波 ゲンブ」をお借りしました。誰の過去編かは分かるだろう、多分…;
長い夢を、見ていました。
いえ、見ていたような気がしました。
僕の眼の前に現れる人は、誰もがモノクロでした。
モノクロの夢は、男性の夢によく見る傾向なのだそうです。
ですからこれはきっと、僕の夢なのだと思います。
僕は変わった人間でした。
普通の人よりも早く立ちあがり、歩き、言葉を発しました。
大人は僕を褒め、馬鹿みたいに可愛がったものです。
…いいえ、実際馬鹿だったのでしょう。
やがて大人たちは、僕に高望をするようになりました。
僕が望みをかなえれば、その上を求めてくる。
そこで初めて、僕は人間の欲深さを知りました。
そして人間に失望し、人間に生まれた自分に失望した僕は、人との交わりを断ちました。
人と交わらない僕は、学校にも行かずに本にふけりました。
本はいいものです。僕にいろんな世界を見せてくれました。
僕は扉も窓も閉め、一切の交わりを断ちました。
人々はやがて君が悪いと僕から離れて行きました。
僕は何にも思いませんでした。寧ろ離れてくれてありがたがったものです。
そんなある日でした。僕の部屋の窓が、がらがらと音を立てたのは。
締めきった空気では居心地が悪いものです。ですから僕は窓を少し開けていました。
人はこの部屋に近づきませんので、安心していました。
その時に、そのわずかな隙間に指を入れて、がらがらと窓を開いた人がいたのです。
ひょこと顔を出したのは、僕と同じ位の女の子。
黒い髪と黒い目が印象に残ったのを覚えています。
振り向いた僕としっかり眼があい、彼女は首をかしげました。
「そこで、なにしてるの?」
思えば、これが僕の初めての出会いでした。
最初はしつこく思っていましたが、彼女の純粋な心に次第に惹かれていったのだと思います。
僕は気がつけば彼女の近くにいて、学校にも通って、笑えるようになっていました。
しかし、その時間も長くは続きませんでし――。
奇跡の出会い、悲劇の始まり
「…わかりました、じゃあ、病棟で待ってます、ゲンブさ…。」
「…あれ、僕…?」
「闊歩!気がついたのか!!」
「…由衣。」
「よかった…本当によかった…!!」
「…。」
「僕、死んだんじゃないの…?」
- 958
:えて子:2011/09/25(日) 21:30:50
- 佑の過去…というか何というか。
出てくる人物はモブ能力者です。
スゴロクさんより「パニッシャー」をお借りしました。
いかせのごれ高校に入学して、数ヶ月が経った。
勉強にもついていけている。クラスにも大体馴染んだ。
相変わらず初対面の人には驚かれることが多いけど。失礼だな。
父さんと母さんは海外に赴任中。いつ帰ってくるかは分からない。
…まあ、別にいいんだけどね。二人とも仕事に誇りを持ってるのは知ってる。
私もそんな二人に誇りを持ってる。
…今日は珍しく、夕食を食べたらやることが無くなってしまった。
お風呂が沸くにはまだ時間がある。いつも見ているテレビは今日は特番のせいでお休みだ。
暇だな。運動がてら散歩にでも行こうか。
何も考えずに歩いていたら、ちょっと遠くまで足を延ばしていたみたい。
気がついたらストラウル跡地だった。
ここってずっと廃墟なんだよね。変な噂とか事件とか絶えないし。
薄気味悪いし、すぐに戻ろうと思った。
でも、できなかった。人影が見えたんだ。
こんな時間に誰だろう?私が言えた義理でもないけれど、そろそろ家に帰ったほうがいいんじゃないかな。
知り合いだったらそう言おうと思って、跡地に足を踏み入れた。
…正直、気味が悪い。
何かろくでもないことが起きそうな気がする。
それに、さっき見たはずの人影もまったく見当たらない。
気のせいだったのかな?確かに見えたんだけど…
まあ、気のせいならそれはそれでいいんだ。さっさと帰ろう…
「うわっ!」
…帰ろうとしたところで、物陰から出てきた誰かとぶつかってしまった。
謝ろうとしたのに、その人は慌てたように跡地の奥へ走っていってしまった。
誰だろう。一瞬のことで顔もよく分からなかったけど、知らない人かな。
というかやっぱり人いたんだ。何してるんだろう、こんな所で。
- 959
:えて子:2011/09/25(日) 21:31:22
- 「…ん?」
ぶつかった時に咄嗟に相手を押してしまった手が、汚れている。
泥?ううん、それにしては砂利っぽくない。
薄暗くてよく見えないけど、赤い感じ。
……そういえば、あの人は去っていく時に肩を押さえていた。
もしかして、あの人は怪我を…
「!!」
考えていた私の前に、また誰かが現れた。
何だろう…穴だらけのフルヘルメットに、大量の武器。
ど素人で一般人の私でも、危険な人物であることが分かった。
でも、足が動かない。
逃げたいのに、後ろを向けない。
そのまま、あいつは、銃を私に向けて、
それで―
…
……
………
ピピピピピピ…
「…うあ」
―目が覚めた。
今までの…全部、夢か。
初めて見たわけでは…ない。
…高1のときに一度見た夢と、シチュエーションがまったく同じ。
いまさらになってもう一度見るなんて、思わなかった。
「…うるさ…」
枕元にあるはずの目覚まし時計を手に取ると、アラームを切る。
時間を見てみると、そろそろ起きる時間だ。
「…あー……支度して、朝ごはん作らないと…」
中途半端な目覚めで、まだ少し眠い。
早く起きて少し動こう。そうすれば目が覚めるはず。
またあんな夢を見るなんて、よっぽど非日常に憧れてるのかな、私ったら。
未知との遭遇には憧れるけど、あんなの、本当に巻き込まれたら私はひとたまりもないや。
…やられる前に目が覚めてよかったよ、本当に。
まあでもこれは所詮夢。実際にあるわけじゃない。
多分これもすぐに忘れるんだろうな。
非現実のような夢
(彼女は知らない、気づかない)
(自分の見た“夢”が“現実”であることを)
(非日常の片鱗を、既に掴んでいることを)
-----------------------------------------------------
佑の見た夢は、佑が昔本当に経験したことです。
あの後、能力が発動し、ぶつかった能力者の力を使ってパニッシャーをぶん殴り、一目散に逃げ帰りました。
しかし、その後反動で意識を失い、その部分の記憶がぼやけているため、彼女は自分の妄想した夢だと思っているわけです。
- 960
:大黒屋:2011/09/25(日) 21:38:51
- これは近々学校でひと騒ぎありそうなんですが…;
名前のみスゴロクさんより「ヴァイス」をお借りしました。
「…そう。わかったわ。今日はウスワイヤで休みなさい。明日はちゃんと時間どおりに学校に行くこと。闊歩君は様子を見てからね。」
亜音はそういい、お休み、と一言言って電話を切った。
最近色んな事が起こり過ぎている気がする。
まして、ヴァイスからかくまうつもりで保護した闊歩が一度『死ぬ』とは思ってもみなかった。
「原因が何か調べる必要がありそうね。まぁ、今回はガルダだからホウオウ絡みだろうけど。」
亜音は手早く店じまいを終え、上の階に昇ろうとした。
その時、上から慌ててノアが降りてきた。
「姉さん!いるか!?」
「わわっ、どうした、乃亜?」
「乃流の様子が…。とにかく来てくれ!」
半ばノアに引っぱられながら亜音はドアを開けた。
そこにいたのはノルン…のはずだった。
「…!?」
亜音はそれを見るなり驚き、絶句した。
今の中央で茫然と立ち尽くす男。
その姿はノアと瓜二つで、髪の癖が逆なだけだった。
「…ノルン、あんた…。」
亜音の声に男は気付き、おもむろに此方を向くと力なく微笑んだ。
「…姉さん…。」
「あんた、その姿どうしたの!?」
「…すみません、姉さん。疲れたので寝てもいいですか?」
亜音の質問が聞こえなかったのか、ノルンはふらふらと自室に戻って行った。
「…乃流…。」
姉は止めず、静かに彼を見ていた。
「…ノルンの奴、どうしたんだ?」
「多分、相当響いたんじゃないかな。暫く部屋から出てこなかったし。」
「あいつが『戻ってる』ってことは、今はろくに能力も使えないほど傷ついているんだろうな。」
ノアは以前見た幼いころの写真を思い出しながら言った。
あの写真に写る自分とノルンは瓜二つだった。聞いたところ、一卵性双生児らしい。
ということは、成長しても姿は変わらない筈だ。
今までは自分の姿が分からなくなっていたノルンが自らの容姿を作っていた。
しかしそれが自分とそっくりになっている。
鏡がそこにあったのかと最初疑ったほどだ。
ということは、今完全に能力が使えていない状態になる。
「…乃亜、明日は学校休んで。」
「姉さん?」
「乃流の様子を見ておいてほしい。あのまま放っておくわけにはいかない。」
「…分かった。」
乃亜は頷く。亜音はそれをみると、ポケットから何かを取り出した。
「それと、乃流にこれ、渡しておいて。」
「これは?」
「乃流は元々弱視でね。能力を使えばろくに見えてないはずだろうからね。」
それは奇妙な偶然か
乃亜は眼鏡を受け取り、部屋へと入って行った。
- 961
:スゴロク:2011/09/25(日) 22:33:08
- 騒動の種がさらに一つ。ちなみに「それは奇妙な偶然か」とほぼ同じ時間を想定。
「……ふむ。コードはまだ生きている、か」
ストラウル跡地。その近辺にある地下空間で、クロウは端末に向かっていた。ここは以前、ブラストルの一件の際にゼアが処理を行った場所だ。記録されていたデータは軒並み削除されていたが、端末自体の機能は生きていた。そこで彼は、かねてから問題となっているパニッシャーの処理の手掛かりを求め、ここまで足を運んだのだ。結果、制御はどこかにある本体を押さえなければ不可能だったが、簡単な命令ならグループのコードで出来ることが判明した。
「ちょうどいい。何体か集めて見るか……上手くすれば、ダミーか何かに転用できるかも知れん」
こう見えてホウオウグループも、現状資材に余裕があるわけではない。省ける手間は省くべきだった。携帯に端末をリンクし、コードを打ち込みつつ表に出る。外に出た彼を向かえたのは、煌々と輝く月だった。
「もうこんな時間か……ん?」
ふと「跡地」の方に目を向けたクロウ。その先にいたのは、赤く長い髪を風に揺らす、一人の少女だった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
胸を押さえ、動悸を静めようと荒い息をつく。スザクが家を飛び出したのは、今から1時間も前のこと。
夕食を終え、部屋に戻っていた彼女を、突然例の「衝動」が襲ったのである。
『!? っ、く、はぁ……ッ!!』
以前は何でもなかった。それは、かつてあった不安定な人格を、衝動に依存することで無理矢理安定させていたからだ。しかし今は、人格が統合されたことで宙に浮いた形となった「衝動」が、時折発作として襲い掛かって来る。「施設」で施された兵器としての精神改造は、未だにスザクを蝕んでいた。ゲンブからは精神治療を受けるように再三言われているが、学生の身分では余裕がない。
『姉様? どうかなさいましたの?』
部屋の外からアオイの声が聞こえた。だが、瞬時にして芽生えたのは殺意。一瞬おいて我を取り戻し、戦慄した。
このままでは、アオイを殺してしまう。
それが理解できた瞬間、スザクは部屋の扉を叩きつけるように開いて外に飛び出していた。どこか、人のいない所を求めて。
- 962
:スゴロク:2011/09/25(日) 22:33:47
- そして今、彼女はストラウル跡地にいる。湧き上がる衝動を何とかこらえつつ、少しずつ息を整えて行く。
「―――っ、ふ……、ぅっ」
どうにか収まった、と思えた。身体を上げ、肩を落として大きく息をつく。何例かあったケースとは違い、彼女の『衝動』はそれ自体が人格を持っているわけではない。
「……全く、気が抜けないな」
正直、今「彼女」に出くわさなくてよかったと思う。「約束」の時は、まだ先だ。
と、
「……!? 何だ、これ……」
ふと気配を感じて周りを見渡すと、暗がりの中に光る、無数の目があった。それが、遠近問わず周囲に多数。
駆動音、鉄の擦れ合う音、弾丸の装填音。これは、
「パニッシャー……!!」
かつての戦いの忘れ形見、能力者を無差別に襲う機械兵。どうも、周辺一帯を占拠しているらしい。
元々カメラアイを多数持っている機体のため、この状況では何体いるのか想像もつかない。
「く……」
いつ撃って来てもおかしくない。そしてそうなった場合、今の自分ではなす術がない。この機体の本来の戦法は、物量による圧倒。たかだか能力者一人など、赤子の手をひねるよりも簡単に潰せる。
だが、まだ死ねない。「約束」もある、アオイやランカ、護るべき人達がいる。何より、
(僕は……まだ僕は、十分に生きちゃいないんだ!!)
何よりも強い、生への欲求。
ずくんっ、
「う!?」
胸の奥で、何かが疼いた。意識が集中した一瞬の隙を突くように、「衝動」が心を喰い尽くす。
それは、本当に一瞬の出来事だった。
―――全て壊せ。
―――全てを殺せ。
―――目に映るものを、破壊せよ。
―――生き延びたければ、殲滅せよ。
今や無意味であるはずの、かつて打ち込まれた「命令」が、彼女を支配する。
「―――っ……ぅ……ああぁぁあああぁあああッ!!」
跡地に吹いた風に、長いその髪が流れ――――真っ白に、染まる。
「なんだ、これは……!?」
廃ビルの屋上から状況を見守っていたクロウは、驚愕していた。一気に回収しようと集めたパニッシャーが、なぜかここにいた火波 スザク目掛けて襲い掛かっていた。しかし、驚いたのはそこではない。
明らかに動揺していた彼女が、絶叫と共に真っ白に変色した長髪を振り乱し、赤い幻龍剣を右手に、龍義鏡を左手に展開したまま破壊の限りを尽くしていたのだ。
パニッシャーの放つ弾丸を鏡が跳ね返し、返す一撃が機体を両断して爆炎を上げる。近接戦に入った機体は、間合いに捉える前に蹴り飛ばされ、斬り飛ばされる。距離を取ろうとした機体は、一瞬のうちに放たれた龍精落で僚機諸共消える。それはまさに、一方的な蹂躙と言うべきだった。彼女の戦域に命あるものがいなかったのは、不幸中の幸いか。
「……っと!」
パニッシャーと異なり、ガルダは暴走しているようだ。こちらにも放って来た石化光線の軌道を捻じ曲げ、直撃させて墜落させる。ふと見ると、スザクの方に行ったものは全機墜とされたらしく、見当たらない。
(凄まじいな……これがUHラボの目指したもの、その片鱗か)
あの施設の連中は、思想の問題でグループから弾かれたとはいえ、技術と頭脳は本物だった。その彼らが目指した生体兵器……スザクは肉体的な改造を受けていないが、精神改造と薬物投与だけでここまでになるとは。能力が紛い物とはいえ「龍義真精」であることを考えても、この戦闘力は異常と言えた。
(だが、制御が出来ねばな)
兵器の強さとは、個々の強さではない。統制された動き、そして均質な力、圧倒的物量。そこへ行くと彼女は、兵器としては明らかに失敗だった。
そんなことを考えている内に、パニッシャーは全滅していた。
- 963
:スゴロク:2011/09/25(日) 22:34:48
- (む、いかん)
見つかってはまずい。クロウは屋上に素早く身を伏せ、こっそりと地上のスザクを窺う。
彼女は肩で息をしながら地面を見つめていたが、不意に空を見上げる。と、
(!)
変色していた髪が赤く戻り、剣と鏡が消え、その場にぱったりと倒れてしまった。
それを見届けたクロウは、どうするかしばし迷った。一番いいのはこの場で始末してしまうこと……なのだが、
(それをやると、奴が黙っていないだろうからな……)
命はまだ惜しいし、人の恋路を邪魔して馬に蹴られたくはない。とはいえ放置するのは論外だった。この状況に気付かれては後々面倒になる。ならば、
(……仕方があるまい)
聊か以上に不本意だったが、この手しかない。携帯を取り、登録されている番号を呼び出す。
「ノアか? 俺だ。……理由? 何でもいいだろう。ストラウル跡地に火波 スザクがいる。連れて帰れ」
言うだけ言うと、返事を待たずに切る。後は彼が来る前に、スザクを入口近くまで移動させておけばいい。まあ、来ればよし、来なくともよし。
と、そこまで考えてまた思いついた。……暇を持て余し続けるのも無駄だ。ならば、もっと建設的なやり方を取るべきだ。そう、あの連絡員や多くの若きメンバーのように。
閉じた携帯を再び開き、今度は別の場所に連絡する。その内容は、
「俺だ。……ああ、任務絡みだ。明日、いかせのごれ高校へ教師として潜入する。書類は以前用意した奴があるだろう。前に蹴ったやつだ。……ああ、それで構わん。何かと都合がいい。偽名? 『渡 九朗』とでもしておけ」
忍び寄る気配
(朱雀の衝動は未だ消えず)
(鴉、なおも蠢動する)
というわけで、大黒屋さんより名前のみ「ノア」をお借りしました。クロウはこの後非常勤教師としていかせのごれ高校へ潜入する形になります。
- 964
:十字メシア:2011/09/25(日) 23:31:19
- 白奈とコヨリの会話。
お借りしたキャラは、本家から「コヨリ」「コウスケ」(名前のみ)です。
「コヨリっちゃ~ん」
「あ、白奈」
夕暮れの教室にて。
2年1組のドアの向こうから、ホウオウグループ所属の雪女である白奈がひょこっと顔を出す。
「こんな遅くまで残ってどしたのっ?」
「ノート写してんのよ、コウスケの」
「あはは、お疲れ~」
苦笑する白奈。
自分に押し付けたクラスメイトの顔が脳裏に浮かび、コヨリは溜め息をついた。
「…コヨリっちゃんはモコくんの事好き?」
「…何でよ。皆そう言うし…」
「だってさー、何だかんだ言って、モコくんと一番仲良いのはコヨリっちゃんでしょ?」
「仲が良いだけ。それに擬人兵が抱く感情なんて、人間に比べたらちっぽけなものよ」
「でもそう思ってる時点で人間と同じじゃないかな?」
コヨリのペンを動かす手が止まる。
「……全然…違うわよ」
「?」
「もし本当にそうなら、とっくに反抗してる。場合によってはここにはいない」
「コヨリっちゃん…」
「白奈はまだマシな方ね。あんたは少なくとも『道具』じゃないから」
「そう?」
「そうよ。あんたの感情は皆あんた自身の、揺るぎ無いものだもん」
「……確かに私自身の感情だよ。でも人間と同じか分からないんだ」
「だって私、『雪女』じゃん」
「白奈…」
「雪女は冷たい。コヨリっちゃんも雪女の時の私の手、触ったことあるでしょ?」
「まあね」
白奈の手から感じた体温を思い出すコヨリ。
その記憶の中の手には体温などというものは無く、ただ氷の様な冷たさしか感じられなかった。
「雪女は体も、心も、何もかも冷たい。だからこの感情もきっと―――」
「でも周りはそう思ってない気がするけど?」
「……例えそうでも、私は冷たい冷たい雪女なんだ。それも冷たい氷から生まれた、温もりを持たない雪女」
「……」
「だから人間の真似したって、人間と友達になんかなれっこないよ」
「それは私もだよ」
「いや、コヨリっちゃんは温もりがある。私と違って」
「でも」
「私が雪女だという現実は変えようがない。それが…現実だもん」
雪女そのものの玲瓏たる声を響かせ、白奈はそのまま教室から出ていった。
「…確かに現実だね」
「でもあんたの方が幸せだと思うなー。私と違って生きれる時間は多いし、自分を造ったグループに感謝してるし」
一人残されたコヨリは、遠い眼で独り言を呟く。
「あんたは私より自由で、無邪気で、真っ直ぐな雪女なんだから…あれでホウオウグループが造ったとは思えないわね」
雪女と擬人兵
(同じ生まれ)
(同じ立場)
(同じ存在)
(違うは 定め)
- 965
:大黒屋:2011/09/26(月) 19:52:47
- 「忍び寄る気配」をうけてからの話です。暫く動かなかったこいつが久しぶりに動き出す…はず。
スゴロクさんより「クロウ」「火波 スザク」をお借りしました。
ノアは頭を抱えた。最悪のタイミングで最悪の連絡が入ったからだ。
亜音から預かった眼鏡を渡そうとノアが部屋に入ると、ノルンは既に死んだように眠っていた。
どの道暫く様子を見ているしかないのだ。そう思い、彼の近くに腰を下ろした時だった。
ポケットからバイブ音。取り出してみると、携帯が着信を知らせていた。
ボタンを押し、耳を当てて驚いた。
「お前、クロウ!?何で俺の携帯に!」
しかし、スピーカーからの声は短く用件を伝えて返事を返す間もなく切られた。
「…跡地に、火波 スザクがいる…?」
おびき寄せるための嘘か、と最初は疑った。
しかし、クロウはそんな回りくどいことはしないだろうと直ぐに考えを捨てた。
ということは、本当にいるのだろうか。
「…どうであっても俺は動けないな。とりあえず姉さんに連絡を入れるか。」
ノアは携帯のボタンを押した。
「…ここね。」
ぱちんと携帯を閉じた亜音は、夜風に吹かれていた。
限りなく黒に近い灰色の世界が眼の前に広がる。
ノアから連絡を受け、彼女はストラウルに立ち寄っていた。
そしてついて直ぐに、赤い髪の少女を見つけた。
クロウ…とかいったか。彼がここまで運んだのだろう。
素早く近づき、そっと体を起こす。
気絶しているのだろう。動かしても眼を覚まさない。
「…スザク…。」
彼女はそう呟くと、彼女を背負って歩き出した。
部屋はまだ開いていたはずだ。今日は由衣と闊歩が帰って来ない。
しかし彼女は直ぐに思い直し、自分の部屋に寝かせるかと歩を進めた。
――この世界は、とうに狂っていた。
静かな夜に凛として響く声。
――そうでありながら、まだ狂うというのか。
聞く者はいない。止める者はいない。
―― は永久の判決者。自ら手を下すことは許されない。
思いかえすは過去の記憶。排除されるべき異常なる力。
――なら、 はただ見ていることしかできないのか。
――そんなこと、誰が決めた。
―― は の思うとおりに、この世に鉄槌を振おうではないか。
――それが、判決者の席を下ろされた が出来る、最大の判決。
――全てが正しく、全てが間違い。
――なら、 がどの間違いを肯定するか次第ではないのか。
新月は巡りて
――全く持って、本当に狂った世界だ。
その眼は、赤黒さを増していた。
- 966
:スゴロク:2011/09/26(月) 21:11:15
- 騒動から一夜明けまして。しらにゅいさんから「トキコ」、akiyakanさんから「都シスイ」をお借りしました。
今回はトキコ視点です。アオイがこんなんなってますので。
「……蒼さん、何かあったの?」
通学路でアオイと出くわしたトキコが一番に発したのは、困惑の声だった。
スザクと同じ顔立ちの彼女だが、性格の違いがダイレクトに現れており、スザクが炎なら彼女は川のような雰囲気を纏っていた。
しかし、今朝の彼女は明らかに様子がおかしい。
「あ、あら、トキコさん、おはようございました……」
「……ちょ、ホントに大丈夫?」
虚ろな目の下には濃い隈、いつもなら綺麗に整えられて流れるような白く長い髪は乱れに乱れ、制服も上の空で身に着けたのが丸分かりの酷い有様だった。極めつけは持っているもので、
「!? あ、蒼さん、それ鞄じゃないよ?」
「……あら。なぜわたくしは扇風機を……?」
――――どう考えても正常な精神状態ではない。以前のスザクや自分とは別の意味で危ない。それだけは確かだった。
「あ、あのさ、今日は休んだ方が良くない?」
「そういうわけにも……行きませんわ。姉様がいるかも知れませんもの……」
「って言っても……あれ、そういえば鳥さんは?」
いつもなら連れ立っているはずのスザクがいない。思えば、見てすぐ感じた違和感はそれだったのだろう。
「…………それ、が……」
アオイの言う所では、スザクは昨夜、夕食の後で突然家を飛び出し、それから連絡が取れなくなっているのだという。残されたアオイは姉の帰りを今か今かと待ち続けたものの、結局スザクは帰って来ず、夜が明けてしまったのだとか。
「……それで、学校に来れば鳥さんが来るかも知れない、って?」
「ええ、そうですわ……」
声にもまったく覇気がない。見れば、精神状態が体調にも跳ね返ったのか顔色が死人もかくやという状態になっている。
と、その腹が小さく鳴る。
「!? あ、蒼さん……朝ご飯、食べた?」
「え? ……そういえば、何も……お腹、空きました……」
言うや否や、ふらふらと崩れ落ちてしまった。いくらなんでも極端だろう……などと思ってもこれが現実だ。考えてみれば、性格的にしっかりしていたのため気にしなかったが、アオイの姉依存は常識を超えている。心配が高じてこうなってしまったのだろうが、このままでは冗談抜きで命が危ない。
(ど、どうしよう)
困り果てていたそこに、紛れて声がかかる。
「あれ? トキコと……ど、どうしたんだ!?」
聞きなれた声を発したのは、黒い髪を背中まで伸ばしてまとめた、同級生の少年。
「あ、一角君!」
「あぁ、シスイさん、こんばんわ……」
「朝だよ今は! って、本当にどうし……うわっ、何だその顔!?」
動揺しきりのシスイに、トキコは簡潔に事情を説明する。
状況を了解したシスイは、
「と、とりあえず何か食べさせないと……あ、あのレストラン今からやってるかな?」
「時間がちょっと早いけど……この際仕方ないよ」
近くを通った同級生に伝言を頼み、二人はアオイを抱えてこの間も行ったレストランを目指した。
―――扇風機は、とりあえず置いておいて。
偶然とはいえ
(姉妹揃って、問題は多かった)
(衝動抱えの姉、依存症の妹)
(……本当にこれで大丈夫なのか)
(揃っていれば、何とか)
というお話です。なお、スザクは携帯を持っていかなかったことにしています。
- 967
:サイコロ:2011/09/26(月) 21:16:52
十字メシアさん宅よりシノをお借りいたしました。
<首無しライダー>
そんなに昔の話じゃない。せいぜい、一昔前の話と言ったところか。
一時期、世間を湧かせた事件が起きた。
その事件は話に尾ヒレが付き、都市伝説として語られるようになったのだ。
その名を、首なしライダー、と言う。
当時の新聞記事をきちんと調べれば、彼の事を知るのは簡単だ。
スピード勝負をしていた暴走族の少年が、いたずらで張られた鋼線によって首を飛ばしてしまったのである。
レース時はきちんとフルフェイスのメットをかぶっていたらしい。しかし、首は守りようがない。
結局、少年は即死し、鋼線を仕掛けた子どもは捕まったのだが…。
「でよ、いまでもその亡霊とやらが死んだことにも気付かず走ってるんだとよー!」
「ギャハハハ!おまえそんなアホみてーなハナシ信じてんのかよ!」
「バーカ、んなわけねーだろー!?」
コンビニの前。今時珍しい暴走族がたむろしていた。手にはたばこと酒。
「おっ、もうこんな時間じゃねーか。そろそろ帰るかー。」
「おう、んじゃまたなー。」
「おいおい、お前酔い過ぎだっつの。ちゃんと乗れよ!」
「うーるさいわねーぇ、ひゃんとひてるわよー。」
「ギャハハ、潰れる寸前じゃねーか!」
「おめーもな!」
飲酒の不良どもがバイクにまたがる。明らかに改造されたやかましい音が鳴り響く。
さぁコンビニを出るか、と不良たちが思った所で・・・
キキィッ!
不良たちの正面に、一台のバイクが横から割り込んだ。
「おい!邪魔だテメェ!」
「どけやボケェ!」
罵声を浴びせられるが、ライトを浴びた特攻服の男は知らんぷりしてタバコをふかし始める。
やがて、男が眠そうな目をリーゼントの下から向けると、不良どもが戦慄した。
『おまえら、酒飲んでるっちゃろ?』
「な・・・何だこいつ」
「ひっ・・・あ、頭に直接声が聞こえる・・・?」
「ひゃぁぁぁひえぇぇぇ!」
『いかんぜよ飲酒運転はよー。そんなことしてると死んじまうずらよ。』
「う、う、うわぁぁぁぁ!」
不良の一人がアクセルをひねると、バイクで逃げようとする。
『おーおー、逃げられると思うとるんかい。』
その場でウイリーすると、男はコマのように180度方向転換をしてすぐに追いついた。
サッと追い抜くと、逃げた不良のバイクが途端にスピードを落していく。
「う、う、うわぁぁぁ!な、なんでだ、エンジンが止まったぁ!?わぁぁぁ!」
ぽかんとあっけにとられていた他の連中も、正気を取り戻すと慌ててバイクで逃げ出したが・・・
- 968
:サイコロ:2011/09/26(月) 21:17:25
『ほい、これで全部動かんっちゃろ?さ、悪いこたぁ言わねぇ、歩くかタクシーで帰り。』
あっという間におなじように止められてしまった。
「な、な、な、何しやがった!てめえ一体なんなんだ!」
『あーん?うるせぇなぁ、知りたきゃテメェで調べろや。』
「コノヤロウ!」
『お?俺を殴るk』
不良がバイクに跨ったまんまの男の顔を殴った。しかし、男の態勢はびくともしない。
それもそのはず、首から上だけが吹っ飛んだからである。
『おうおう、イイパンチじゃねーか。けど、残念。俺には効かんばい。眠気も吹き飛ばん。』
突き出したままの不良の腕を掴むと、引っ張って自分のバイクのタンクに不良の頭を叩き付けた。
『ええから帰ってさっさと寝とき。明日になって見に来ればわかるっちゃね!』
「く・・・く・・・『首無しライダー』だぁぁぁぁ!」
「ヒィィィィィ!」
不良どもは慌てて走って逃げて行った。
翌日、バイクは綺麗にコンビニの駐車場の隅に並べられていた。張り紙があり、『鍵はコンビニ』と書かれていた。
不良たちは店員から鍵を受け取ると鍵を廻してみる。やかましい音と共にエンジンが動き出した。
「なんだぁ・・・?」
「普通に動くじゃねーか・・・。故障も無けりゃ部品が盗られてる訳でもねぇ・・・。」
「なら、どうして昨日は・・・?」
「ま、まさか・・・」
「「「呪い?」」」
ガタガタと震えながらバイクの前で不良たちは立ち竦んでいた。
『でな、そいつらアホでよー。鍵抜き取られたことに気付いてないでやんの。』
「そりゃ、走ってる最中に鍵抜き取るなんて早業そう簡単に気付ける訳ないじゃないっすか。」
『そうか?そうでもねーべ、馴れればよー。』
「そんなもんに馴れたくないっすねー…。」
『ま、そんな感じかな、最近あった『取り締まり』はよ。』
「そっすか。自主パトロールお疲れ様っすモトさん。また今度走りましょうか?」
『よかよか。それよりシノちゃんあのメガネと一緒にツーリングでもしてくるといいずらね。』
「なっ何を・・・!」
『タッハッハ、そんじゃなー!』
ライダー同士の交流もきっとあると思うんだ。というわけで出してみました。
- 969
:(六x・):2011/09/26(月) 21:31:26
- >スゴロクさん
ありがとうございました。ランカちゃんがいい子すぎてつらいby病み期の凪
そして、クロウが潜入する…だと?何故かホウオウ幹部級は察知できるブリジットが震え上がりますな。
特に何かされたわけじゃないけど、ブリジットが発見された場所が場所なだけに…
本編は次です
凪姉のぼっち脱出大作戦、完結です。鶯色さんより「ハヤト」、十字メシアさんより「ミユカ」、スゴロクさんより「ブランカ・白波」をお借りしました。
クラス分けでは二組のキャラもいますが、「一年の時のクラス」ということでひとつ
- 970
:(六x・):2011/09/26(月) 21:33:28
- 狐、蛇と友達になる
あれから私は、ランカとよく話すようになった。
ランカは本当に聞き上手で、的確なアドバイスもくれた。もちろん、私もそのお礼は欠かさない。
「今日は絵を描いてきたよ。」
(∞・o・)暗くてお靴がわからないわ
(^ω^)どうだ明るくなったろう(札束燃やし
「現代版・成金の図だ。」
「…('ω')学校のみんなにも見せてあげたら?」
「うーん…ランカの反応を見るに、叩きが加速しそうだからやめとくよ。いくらなんでもバカやるのはキャラじゃないからな。」
「とにかく、中傷しない人と話してみたらいいと思うの。」
「見極めがなぁ…まぁ、努力はするよ。」
よき相談相手も出来て前よりは生活が楽になったある日、事件が起こった。
「や、やめてください…」
「いいから金出せよ」
リアルなカツアゲ、さすが底辺k…
……被害者、女子?
爪ス#゚◇゚ス
「だ、誰か」
「嫌がってるだろ、やめろ。」
「あぁ?んだてめえ」
「私はフェミなんとかでも何でもないが、女子にカツアゲするのはダメだと思うぞ。」
「だったらてめえが金出せよ」
「何でそういう思考になるわけ?お前に渡す金とかないから。」
「この…女子だからって手加減しねーぞ!」
あら、殴りかかってきたよ。先に手出したのこいつだから、私がこいつ蹴っても正当防衛だよな。
カツアゲ野郎の拳をかわし、蹴りを2、3発食らわせた。
「うぐ…」
「天罰だ、失せな。」
「あの、ありがとうございました…」
「ん、気を付けろよ。」
感謝はされたものの、また怖がられるんじゃないかと思ってその場から去った。
翌日
「お前、結構やるじゃん。」
ヘッドホン君…じゃない、ハヤト君に話しかけられた。何のことだ
「カツアゲ倒したらしいな、女子なのにすごいよ。」
「気に入らなかっただけだ。というか何故知ってる?」
「カツアゲ被害者の友達が拡散したっぽいw…お前、いい奴だったんだな。あ、あと頭もいいよな!確か上位の方にいたの覚えてる。今度教えて…って、顔真っ赤ww」
爪ス///ス…
「ハヤト、お前殴られるぞーww」
「そうそうwwこんな冷血女に関わったらろくなことねーぞww」
今日こそは言おう、そう思ったとき
「ねぇ、凪ちゃんがあんた達に何かした?」
「あ?」
「私も正直ちょっと怖いかなって思ってたけど、理由も無しに人に危害加えるような子には見えないよ?陰で変なこと言う方が悪質だよね~。」
「ミユカ、てめっ…」
「おー、こわいこわいw凪ちゃん、行こ。」
ミユカに手を引かれて教室を出る。
わかってもらえたような気がして嬉しかったと同時に、申し訳なかった。
「ありがとう、ごめんな…。」
「凪ちゃんは何も悪いことしてないじゃん。悪いのは凪ちゃんのこと知りもしないで変なこと言った奴だよ。」
「ミユカ…あの」
「何?」
「助けてくれて本当にありがとう。迷惑じゃなければ、私と友達になってくれないか?」
「…」
我ながら、これはいきなりすぎる。ミユカ固まってるし完全に失敗した。
あぁ、明日からまた引かれる生活が…
「いいよ!じゃ、凪っちって呼んでいい?」
「え…ほんと?いいよ///」
「照れてるの?かわいいーw」
「そんなことない////」
「なでなで」
「ぅ…///」
ランカのおかげで、学校でも友達できたよ。ありがとう。
- 971
:えて子:2011/09/26(月) 21:35:35
- まったり日常。
名前のみ、大黒屋さんより「日出 太陽」さんをお借りしました。
「……うーん」
昼休み、佑は窓際の自分の席で頬杖をつきながら悩んでいた。
その手にはペンが握られ、視線は机の上のメモに注がれている。
「米、味噌、醤油に食パンと…台所用洗剤に洗濯用洗剤、柔軟剤。あー、箱ティッシュとトイレットペーパーも必要か…」
小さく呟きながら、買うものをメモに書き連ねていく。
書き終えると、今度は箇条書きにしたものに目印のように丸をつけていく。
「トイレットペーパーはそろそろ買わないといけないな。あと、味噌と醤油と食パン…これは今日買って帰ればいいか。
洗剤は…まだ大丈夫かな。今日帰ったら確認して、駄目そうだったら明日買おう」
早くなくなりそうなもの、主に食品や調味料を先に買うことを決め、順位を決めていく。
よどみなく走らせていたペンが、ある一点で止まった。
「……米かぁ~……どうしようかなぁ」
一人暮らし(今は二人)とはいえ、お米はほぼ毎日食べるもの。できれば残り少なくなって慌てないうちに買っておきたい。
しかし、米は重い。いくら重たい本の運搬で力がついているとはいえ、どちらかといえば小柄な体。ついている力も高が知れている。
同級生に頼もうかとも思ったが、よくよく考えたら自分の家と同方向に家がある相手は少ない。
そういった人に頼むのも、何となく気が引けた。
「うーん………あ、そうだ」
彼女の頭に、一人の人物が浮かび上がった。
彼女の家に泊まりこんでいる彼。
彼ならば、自分よりは力があるに違いないし、帰路の心配もないだろう。
「……うん、駄目元で帰ったらタイヨーさんに相談してみよう。今度の休みなら、時間もあるよね、きっと」
そう呟くと、メモに書いた「米」の横に「保留」と付け足した。
休日の予定は
「…休日に仕事あったらどうしよう。…その時は一人で買うしかないか」
>大黒屋さん
何か中途半端に投げた感じになってしまいましたが、拾えそうなら拾ってもらえれば幸い至極oyz
- 972
:スゴロク:2011/09/26(月) 22:35:32
- この子もいます。「朱鷺と朱雀がデートするお話「待ち合わせ」」と同じ日です。
「…………」
今日は、ポリトワルサーカスの公演初日。準備は整ったが、開演までもう少し時間がある。
メンバーはそれぞれに、最終調整や順番の確認に余念がない。それは彼女、茉理も同じ。
「…………」
「大道芸」にカテゴライズされるもののうち、ジャグリングは乃瀬、ピエロはエミールがやる。アクロバット・パントマイム・バルーンなどを担当する彼女は、前座。メインの出し物に繋げるための、とても重要な位置だ。失敗は許されない。身寄りもなく、行き場所も無い自分を受け入れてくれた団長、そしてサーカスのみんなのためにも。
「…………っ!」
小さな呼気と共に、複雑な軌道を描いていた手足を止めて戻す。大丈夫。手足のキレは完璧、狂いも許容範囲。
コンディションは完璧だ。
「マツリ、そろそろ始まるぞ」
「はい」
一言だけ返した相手は、最近入って来た手品師、森山 修斗。隣には万全の上体のソラが。
「いつもの調子でいけば大丈夫、上手くいく」
今度は無言で頷く。茉理は極端に口数が少なく、知らない人とのコミュニケーションはほとんど成立しない。まともに話をするのは団長くらいで、サーカスの他メンバーとは何とか意志疎通が成立している。
「Ladys And Jentleman!! 小さなお子さんから老齢の大人、皆々様! 本日は『ポリトワルサーカス』へようこそおいでくださいました!」
開演時間だ。進行役を務める「ユキじい」こと代雪の声が響く。
「よし、まずは僕らの出番ですね」
「マツリ、準備は?」
「完りょ―――」
エミールとノセに、そう言いながら何気なく客席に視線を投げた茉理は、
「!!」
ちょうどそこに、一番苦手な色を見つけて硬直した。
―――赤。燃えるような、赤い髪。
「―――!!」
上げかけた悲鳴を何とかこらえ、胸を押さえて深呼吸し、心の中で自分に言い聞かせる。
(大丈夫……大丈夫。あれは違う。あれは血じゃない。あれは火じゃない。あれは、私に何もしない―――)
「マツリ、大丈夫?」
後ろにいた瞳子が、気遣わしげに声をかけて来る。
「大……丈夫」
二、三度頭を振って、もう一度客席を見る。―――よし、大丈夫だ。
「出番」
「ですね。行きましょう」
「ああ」
――――ポリトワルサーカス、開演。
舞台裏
(過去に何があったのか)
(今は関係ない)
(今は、観客のために全力を尽くすだけ)
名前のみ含みで砂糖人形さんから「団長」「ソラ」、キャスケットさんから「妖野 瞳子」「背月 乃瀬」サイコロさんから「森山 修斗」しらにゅいさんから「代雪」YAMAさんから「エミール・ジンジャー」をお借りしました。人となりが掴み切れていないので少しずつ出てもらいました。
これでよかったでしょうか……?
- 973
:大黒屋:2011/09/27(火) 19:11:51
- えて子さんのを拾いまして。「休日の予定は」の後の話になります。
えて子さんより「我孫子 佑」をお借りしました。
「え、米?大丈夫、それだけもう先に買ってるから(笑)」
「…はい?;」
その日の夕方、買い物を済ませて帰って来た佑は早速太陽に交渉していた。
しかし、話題を上げるなり直ぐに切り返されたのだ。
「あ、あれ?タイヨーさんって、確か台所に入らなかったはずですよね?」
「ああ。というか俺基本料理できないし。」
笑いながら言う太陽に、佑は首をかしげた。
では何故先に米だけを買ってきたのだろうか。しかもこのタイミングで。
「…その顔、何で米だけ買って来たんだろう?って思ってるだろ?」
にやにやしながら言う太陽に、佑は頷いた。
「そうだな…ま、大したことじゃないし簡単に説明すっか。」
「普段の食事…平日は朝晩だけだが、食卓にご飯が並ばないことは基本無い。毎日よそうはずだからその量は大体決まってくる。」
慣れた調子で太陽は言う。
「だが、ここ3,4日の間、少しだけだがその量が減った。1日だけなら偶々かもしれないが、日にちが続けばそうじゃないことは分かる。」
「だから単純に米の量が減っていて、次を炊けるか否かの量しか残ってないだろうなと推測したってわけだ。」
ま、一応米櫃の中は確認したけど、と彼は付け加えた。
「すごい、全く無意識だったんですが…。」
「ついでに米「だけ」買ってきたのは、他の買い物ができても米の重さはかなりある。幾ら重い本の運搬をしていても、お前にはきついだろうなと思ったからだ。」
最後のどや顔さえなければほぼ完璧な推測である。
「そっか、なら米の心配はしなくていいですね。よかった。」
佑笑って鞄からメモを取り出した。買う物メモに書き込むためだ。
その時、そのメモに紛れて一枚紙がでてきた。
太陽がそれに気付き、拾い上げる。
「ん?なんだこれ?」
「あ、それ、新聞部の新聞です。」
佑の言葉を聞きながら、彼は一面記事に眼を通した。
「…。」
「これ、どのくらいの頻度ででるんだ?」
「え?えっと…週に1部だったと思います。」
「そっか。結構面白い記事書いてんじゃねぇか、これw」
一面記事には大きく、こう書かれていた。
『怪盗イノセント・プリンス再来!』
熱血刑事の小さな推理
「…そういえば、タイヨーさんって、仕事何してるんですか?」
「まだ内緒w」
――――
ややこしいようですが時系列は「偶然とはいえ」と同日、その日の学校から佑が帰ってきた時です。
この日、前日の事件(「ストラウルのひと騒動」、「影響なき影響」)を目撃した海海が早速新聞を作り上げ、その日のうちに配布したことになっています。
時系列にずれがあるようでしたらお知らせください;
- 974
:許助 1/2:2011/09/27(火) 20:33:34
- スゴロクさんの小説「鴉と脚本家と事件」の数日後を前提に書いてみました。
スゴロクさんよりクロウさんをお借りしました。
今回も少しグロ表現があるので、該当するレスだけ改行させていただきます。
~鬼畜なのか!クロウさん~
いかせのごれ高校から徒歩10分ほどの場所に建つマンションの一室。
そこには銀色の髪に赤い瞳の少年――エドワードと、
赤黒い髪に金色の瞳の青年――クロウが
テーブルを挟んで対になるような形で座っていた。
「…わざわざ僕達の家に来るなんて珍しい。要件はなんです?」
「分かっているだろう。この前まで起きていた連続殺人事件に聞きに来た」
クロウの言う連続殺人事件。つい数日前までいかせのごれで起きていたものだ。
被害者に共通する点は無く、おまけに犯人の手掛かりも無しということで
住民を不安の渦に巻き込んだ事件だ。15人もの被害者が出たところで
ようやく事件は幕を降ろしたようだ。今でもメディアではちらほらと事件の事が流される。
しかしこの事件には、恐らく一般人には分からないであろうメッセージが隠されていた。
事件の起きた場所を線で結ぶと、ホウオウグループのマークが出来上がる。
ホウオウグループ内の者の中にはこのマークに気づいた者も何人か居た。
クロウもその1人。ホウオウグループ内の者の犯行だと確信したのだろう。
ホウオウグループ内でそれなりに顔が広い者の1人、エドワード。
その事について彼に手掛かりを聞きに来たようだ。
「まぁ、とりあえず飲みながら話しませんか」
エドワードがそう言うと同時に、台所からエドワードの双子の妹、
エレナがお盆に3人分の紅茶とお茶請けであろうクッキーを運んできた。
「この茶葉、美味しいんですよ」
エドワードが紅茶を口に運ぶ。茶葉の香りがふわりと広がる。
エレナも彼の隣に座り、紅茶を口に運んでいた。
「茶を飲みに来たわけじゃない。知っている情報があれば教えろ」
不満げにクロウが要件を告げる。それもそのはず。
この事件はクロウの頭痛の原因だったからだ。
「確かに僕は顔が広い方ですけど、この事件に関しては何も知りません。
というか、僕達もこの事件には驚きましたよ」
「…お前もこの事件については何も知らないのか」
「ええ」
「…そうか」
目ぼしい情報が得られず、クロウは肩を落とす。
しばらくは、頭痛が収まりそうにない。そう思うだけで、憂鬱な気分だ。
「他の人たちには聞いてみたんですか?」
「いや、お前が最初だ。お前なら何か知ってると思ったんだがな…」
「そうですか…お役に立てなくてすみませんね」
エドワードがお茶請けのクッキーを齧りながら申し訳なさそうに告げる。
「別にかまわん。他をあたる。……そういえば、もう一つ確認することがあった」
「何か気になることでも?」
- 975
:許助 2/2:2011/09/27(火) 20:34:08
ぱしゅっ
空気が何か狭いものから発射される音がした。
その瞬間、エドワードの頭は半分が消失していた。
クロウの手に握られていたもの。サプレッサー付きの銃だ。
銃弾に押されるように、エドワードの身体は椅子ごと後ろへ倒れこんだ。
床・窓・カーテンに血がぱたぱたと飛び散る。白い欠片は頭蓋骨だろうか。
脳はなすすべなく吹き飛ばされ、細かくちぎれ、まるで血の海を泳ぐ蛆のようだ。
椅子と共に床にしたたか背中を打ち付けたエドワードの身体は、びくびくと数回痙攣していたが、
やがて動かなくなった。
エドワードの頭をぶち抜いた本人であるクロウは表情を変えることもなく、
冷めかけた紅茶を飲んでいた。それは当然であろう。
しかし、冷静なのはエレナもだった。唯一の肉親である兄が
殺されたというのに、彼女もクロウと同じように紅茶を飲んでいる。
一体何故――――――?
その答えは、数分後に明らかになった。
至るところに飛び散った血や骨、脳が突然動き出したのだ。
まるでビデオを巻き戻しするように、それらはエドワードの欠けた頭へと動いていった。
飛び出した全てが元の場所に戻ったころ、彼の身体が寝起きの人間のようにのろのろと動いた。
「…5分か」
腕時計を見つめながら、クロウが口を開いた。
そして、上半身を起こしたエドワードがクロウを見つめながら言う。
「全く、いきなり何をするかと思えば…びっくりするじゃないですか」
「そうむくれるな。今日は「それ」も確認するつもりだったからな。
しかし、段々時間が短くなっているな、ますます化け物じみてるぞ」
「ええ、昔は1日かかってたんですけどね」
「全く、頭部を破壊しても滅ばないとはな。吸血鬼伝承はあくまでも物語というわけか」
その言葉に肯定するように、エドワードはにやりとした笑みを浮かべる。
そう、エドワードとエレナの兄妹は吸血鬼なのだ。
しかし様々な物語に登場する吸血鬼とは違い、日光や頭部の破壊、おまけに
心臓に杭を打ち込んでも彼らは死ななかった。
クロウはそれを理解した上で、エドワードに銃を向けたのだ。
復活までの時間を計測するために。
「そろそろ帰るとするか。目ぼしい情報も得られなかったしな」
「そろそろ暗くなりますしね。まぁクロウさんは気をつける必要も無いと思いますけどね」
皮肉めいたクロウの言葉に、エドワードも同じように皮肉で返す。
クロウが玄関に近づいた時、エドワードが声をかけた。
「クロウさん」
「なんだ?」
「…僕とエレナは、これから何年、何十年、何百年生きるんでしょうね」
「知らん」
「ですよね。あ、クロウさんのお葬式があったら参列しますからね」
「…いらん」
がちゃり、とドアを開け、クロウはエドワード達の住むマンションから去って行った。
情報を持っていそうな者を頭の中で探しながら、歩き出す。
そんなクロウの姿を、ベランダから見送る人物がいた。
連続殺人事件の犯人、エドワードだった。
恐らくクロウの頭痛はしばらく収まらないだろう。エドワードは思わず笑みをこぼす。
クロウが来た時、真っ青だった空は太陽が傾き、美しい夕焼けへと変わっていた。
空が暗くなるにつれ、街の街灯が灯りだす。夜はもうすぐだ。
The darkest place is under the candlestick.(灯台下暗し)
- 976
:大黒屋:2011/09/27(火) 20:57:43
- 「偶然とはいえ」を拾わせていただくはずがパス返してしまった…。
スゴロクさんより「火波 スザク」「火波 アオイ」、しらにゅいさんより「トキコ」、akiyakanさんより「都シスイ」をお借りしました。
「ごめんね、トキコちゃん、シスイ君。学校には連絡しておいたから、アオイちゃんに付いてあげてて。」
亜音はそういいながら、卵を溶きほぐしていた。
朝、日課の散歩を終えてレストランに戻って来た亜音はやたら店の前が騒がしいのに気がついた。
入口を見ると、3人の男女。いかせのごれ高校の制服だ。
うち二人に支えられるようにして立っている一人の様子がおかしい。
ただ事ではないだろう。そう判断した亜音は開店前ではあるが錠を解き、3人を中に入れたのであった。
「はい、オムレツ。小さめに作ったから少しくらい食べて行きなさい。お代は要らないよ。」
「申し訳ございません…。」
アオイは両手を合わせると、ぽそぽそと食べ始めた。
「…それで、トキコちゃん。アオイちゃんがこんな風になってるのは多分、スザクが原因だね?」
「うん…。」
人間観察を特技とする亜音は店に来る客の大体の情報を把握している。
アオイとこうして話すのは初めてだが、時折来るスザクから話はきいていた。
「スザクから聞いた話からの推測だけど、アオイちゃん、お姉さんに依存してる所があるみたいね。」
「それで、昨日何かあって鳥さんがいなくなって、気が気じゃなくなって。ふらふらしてたし、しっかり者の蒼さんじゃないみたいだったの。」
亜音は暫く腕を組んで考えていたが、やがて一人頷くと、携帯を取り出した。
「トキコちゃんでもシスイ君でもいいわ。携帯番号、教えてよ。」
「「えっ?」」
「昨日の夜、スザクがストラウルで倒れてるのを私が連れ込んでね。今、私の部屋にいるよ。」
3人は思わず顔を見合わせた。
「でも、正直行くのは私は勧めない。今スザクがどうなってるか分からないからね。」
「…それって…。」
トキコが呟くのを見て、亜音は無言で頷いた。
「ただ、どうしても行くっていうんだったら私の携帯と通話状態にしていて。何かあれば物音がマイクを通してこっちに伝わるから、その時は直ぐ止めに入る。」
亜音の眼は真剣そのものだった。
3人は暫く考え込む。やがてトキコが顔を上げた。
「行くよ。だって鳥さんも蒼さんも、放っておけないもん。」
「トキコさん…。」
アオイがトキコを見る。シスイも頷いた。
「行こう、アオイ。ついていくから。」
亜音は3人を一通り見ると、シスイに自らの携帯番号を見せた。
そして危険な再開へ
「部屋は一番奥だから間違えないね。…部屋を破壊して、乃流達に影響しなきゃいいけど…。」
- 977
:スゴロク:2011/09/27(火) 22:11:34
- 「そして危険な再会へ」の続きです。割とあっさりです。
スザクがいる部屋は2階の一番奥にあった。部屋の扉は閉ざされているが、中から人のいる気配がする。
間違いなく、ここに彼女がいる。
「姉様……」
不安げに呟き、胸に手を当てるアオイ。ストラウル跡地に倒れていたというが、一体何が起きたというのか。
昨夜突然飛び出した事と言い、不安は尽きない。
「……開けるよ」
いつになく神妙な面持ちで、トキコがノブに手をかける。そして、シスイが見守る前でゆっくりとノブが回り、扉がきぃ、と蝶番の音を立てて開かれた。
目線をかわし、中に踏み入る。
「……鳥さん?」
呟くようにトキコが呼びかけるが、答えはない。部屋の中を見回すと、壁際のベッドにスザクが寝かされていた。慎重に近づいて様子を見ると、どうやら眠っているようだった。規則正しく寝息を立てており、表情には特段負の要素は見られない。
「……見た感じでは大丈夫みたいだけどな」
「でも、倒れてたんでしょ? やっぱり何かあったんだよ」
「……一体、姉様に何が……」
小さく声をかわす三人。だが、ここで話していても事態が変わるわけでもない。とりあえず起こしてみようか、ということになったのだが、アオイが言う。
「……店長さんの仰る通りなら、姉様はひょっとすると、衝動が再発したのかも知れませんわ」
「衝動って……あの、殺したい、壊したい、ってやつ?」
「そうですわ」
トキコにもシスイにも、それは覚えがあった。以前、髪が白かった頃のスザクは、強気の裏にそれを抱え、非常に不安定なまま日々を過ごしていた。精神分裂症を起こしかけた所で人格統合が起き、以来それはぱったりと収まっていた。ところが、だ。
「この間、帰り際に誰かにぶつかられたのです。思えば、姉様の衝動はそれが引き金になって引きずり出されたのでしょう」
「けど、鳥さんの衝動って、言ってみれば催眠暗示でしょ? それって引っ張り出せるものなの?」
トキコもホウオウグループとして、UHラボの情報は一通り得ていた。そしてスザクに施されたものは、特定の状況で効果を発揮するものだ。そして自我が確立した今、接触した程度で再発するとは思えなかった。
「俺もそう思うんだが……俺達が論じてもわかるものじゃない」
シスイの意見ももっともだった。
「……姉様? わたくしの声が聞こえます?」
恐る恐る、アオイがスザクに囁く。一秒、二秒。
数秒置いて、答えが返る。だが、
「……ああ。結局、こうなっちゃったのね」
それは、常のスザクとは全く違う口調で、こぼれ落ちた。
「姉、様……?」
スザクの顔をした「誰か」は、身を起こすとアオイ達の方を振り向き、言う。
見れば、顔かたちこそスザクそのものだが、顔つきや雰囲気が百八十度違う。どちらかというとアオイに近い、静かなものになっていた。
「鳥さん……じゃ、ないね。誰?」
警戒心も露わにトキコが言うと、「誰か」は答える。
「私は綾音。火波 綾音。……あなた達が『スザク』と呼ぶ人の、意志持つ一つの側面。『弱さ』そのもの」
「綾音……スザクの弱さだって?」
そうよ、とシスイの問いに「綾音」は頷く。
「……身体は問題ないわね。ちょっと座って? こうなった原因を話すから」
- 978
:スゴロク:2011/09/27(火) 22:12:47
- 4人で向かい合う形で床に腰をおろし、「綾音」から話を聞く3人(携帯を通して階下の亜音も聞いているのだが)。
「昨日、スザクに何が起きたのか……それは、多分あなた達の想像通りよ」
「では、やはり……」
「ええ。突然衝動が再発して、それにアオイ……あなたを巻き込まないために、飛び出した」
「それで行きついたのがストラウル跡地、か。確かにあそこなら誰もいない」
シスイの言葉を頷きで肯定した「綾音」は、その後なぜスザクが倒れたのかを話した。
一連の事態を聞いた3人は、少なからず驚いていた。パニッシャーの厄介さは以前から知られていたが、暴走したスザクはそれを一人で全滅せしめたのだから。
「正常な状態じゃなかったから、実力と言えるかは微妙な線ね」
「それはいいよ。それより、どうして鳥さんの衝動が出て来ちゃったの?」
「今から話すわ」
そして、「綾音」はぽつぽつと話し始める。
「……そもそも私は『火波 スザク』という人物の、ある意味で本当の人格」
「え!?」
「スザクが仮人格ってわけじゃないわ。私は、もしもあの日、誘拐されずに育ったら……という可能性の存在」
「つまり、本当ならスザクは君みたい、いや君になっていたってことか?」
「そうよ」
シスイの問いをあっさり肯定。少なからず、3人は当惑した。こんな「女らしい」スザクは、さすがに想像がつかない。デートの経験があるトキコは尚更だ。
「施設から脱出して自我を形成する中で、彼女は弱い自分と決別しようとした。そのために、弱さの記憶を髪の赤と一緒に心の奥に封じ込め、強さだけの人格を造り出した。それが、今までの『スザク』」
「わたくしと出会った頃の、ですわね?」
「ええ」
髪が白かった頃の話だ。
「時を重ねて行くうちに、閉じ込められた弱さは、幼少期の両親の記憶を頼りにもう一つの可能性をシミュレーションし、別の人格を造り上げた。それが私」
しかし、それは弊害を生んだ。
「表に出ているのは常に『スザク』。弱さに該当する部分がないから、それを埋めるために誰かを欲した。決して自分の傍からいなくならないように、殺してでも」
「! そっか、鳥さんの衝動はそれなんだ」
「なるほど……暗示がそう言う形で表に出たわけか」
「そう。だから私は見かねて、『統合』を持ちかけた。結果として彼女はそれを受け入れてくれたから、今あなた達が知る『スザク』がいる。心が一つに戻って安定したから、衝動も……なくなったわけではないけど、感情の一つとして処理できるようになった」
「ちょっと待ってください。では、昨日はなぜ?」
「綾音」の言が正しければ、スザクに起きた現象の説明がつかない。だが、それにはアオイに心当たりがあった。
「も、もしや、この間ぶつかって行った……?」
「ええ。それがスザクの中にある衝動を刺激し、本人も気づかない内に人格を分けてしまった。今度は強さが前面に出たスザクと、弱さが前面に出た私に」
「そ、そうか……それで、足りない部分に反応して……」
「じゃあ、どうすれば鳥さんは元に戻るの?」
トキコの問いに、「綾音」はまたあっさりと言う。
「『天子麒麟』を使えばすくにでも」
「俺の力?」
「ええ。嫌?」
「や、それは別にいいんだが、元に戻ったとして、君はどうなるんだ?」
「統合されて消えることになるわ。もっとも、記憶も自我も共有してるから、実質表に出る方が入れ替わるだけね」
言うが早いか、「綾音」はシスイの手を取る。
「え? いや、あの」
「それじゃ、お願い」
「あ、ああ」
言われるがまま、シスイは能力を発動した。「綾音」の纏う雰囲気が変わり、いつもの慣れ親しんだものに戻る。シスイが手を離すと、目を開いた彼女は言う。
「……心配、かけちゃったな。ごめん」
そう言って、スザクは苦笑いを浮かべた。
とりあえずの収拾
(幸い済むと人の言う)
「とりあえずは何もなかったわね……」
「姉さん? 何をしてるんです?」
「あれ、正人? 何でこんな時間に」
「いや、何と言うか虫の知らせが」
(袖すり合うも多生の縁?)
大黒屋さんから「楠原 亜音」しらにゅいさんから「トキコ」akiyakanさんから「都シスイ」をお借りしました。
- 979
:えて子:2011/09/28(水) 21:07:39
- 「熱血刑事の小さな推理」の後です。
大黒屋さんより「日出 太陽」さん、名前も出ていませんが「海女海 海海」さんをお借りしました。
「タイヨーさん、そういったの好きなんですか?」
昼間学校で配られた新聞部の新聞に興味を持ったらしい太陽に、佑は不思議そうに尋ねた。
「お前は好きじゃないのか?」
「嫌いではないですけど…突拍子もない記事も多いですからね」
「突拍子もない記事?」
「ええ。新聞部の部長さんが、超常現象好きらしくって。
よくそういったネタを集めては新聞にしているみたいなんです」
「ふーん。たとえばどんな?」
「うーん…突拍子もないものというと、ストラウル跡地で怪しげな影が動いてたとか、SFのような戦闘とか…
あ、もちろん普通の記事もありますよ?学校での出来事とか、インタビューとか」
そんな話をしながらも、佑は生活用品と食品を取り出して片付けを始めている。
「詳しく知りたかったら、そこの本棚の一番下のファイル見てください」
言われて太陽がそちらを見ると、本棚の一番下の棚に数冊のファイルが入れられている。
「えっと…何冊かあるけど、どれだ?」
「背に「学校新聞」って書かれているものです。それにここ数ヶ月の新聞部の新聞、入ってるはずです」
「それ以前のが見たかったら、私に言ってください。あとで持ってきておきますから」
「…まめだな」
「集めておくと何かと便利なんです。思い出を思い返すのにも一役買いますしね」
そう答えると、佑は食品をひとつの袋に纏めて入れる。
「遅くなっちゃいました。今、ご飯作りますね」
そう言ってその袋を持ち、台所へと歩いていった。
図書委員長の小さな仕事
「…ちなみに、今日の献立は?」
「焼き鮭とほうれん草のおひたしです」
-----------------------------------------------------
時系列は多分それで大丈夫だと思います。
- 980
:大黒屋:2011/09/28(水) 22:11:10
- 「図書委員長の小さな仕事」の直後になります。大事件に発展するやらしないやら…。
えて子さんより「我孫子 佑」をお借りしました。
佑がご飯を作ってる間、太陽は早速ファイルを開いていた。
「…成程、言うとおりだな。突拍子もないことがちまちまと。」
態と聞こえるように言いながら、太陽は詳しくその記事に眼を通していた。
(突拍子もない?とんでもない。こいつは本当に能力者絡みの事件じゃねぇか…。)
ストラウルを中心にアースセイバーやホウオウの事件が端的ながら纏められている。
掌がじんわりと湿っているのを感じながらくまなく記事を読みこんでいく。
(…んっ?あれ、これ、ちょっとまて?)
そのうちにとっかかりをつかんだ太陽はもう一度記事を見かえした。
(…あ、そうか。これ、生物兵器が殆どの記事に絡んでるんだ。)
と最初はそう推測した。
しかし、読み進めていくうちにその思いつきもだんだん的を外していく。
(あれ、これは能力者同士みたいだしな…あ、こっちも。てか、よくよく考えたら今回分は怪盗じゃねぇか。)
どういうことだ?と彼は頭を掻く。
(一応概要をメモって夜にアースセイバーで照合するか…。)
「タイヨーさーん、ご飯ですよー。」
「分かった、直ぐ行く!」
「…あ!そういうことか!」
深夜、一度睡眠をとった太陽は改めてそのメモを読み返してぴんときた。
「この記事、絶対一人人外が紛れてるんだ!生物兵器しかり、擬人兵しかり!」
ここまでこれば太陽にも察しがついた。
「ということは、『人外を狙う狂人』と関係があるかもしれねぇな。一度尋ねる必要が…。」
そこまで言ってはたと太陽は止まった。
「…尋ねるはいい。ただ、どうやったら怪しまれずに接触できるか…;」
冷静に考えればいかせのごれ高校と全く接点がない。
ということはあやしまれずに接触するどころか何処の誰かも分からないのである。
「佑に任せるのもいいが、何かあった時が困るしなぁ…;」
ていうか佑、そもそも能力の存在をしらねぇみたいだし、と太陽は頭を抱えた。
能力持ちなのは生活していて感づいていたが、本人が能力者なのに気付かせるようなまねをすればパニックになりかねない。
それに危険な目に合わせるわけにもいかなかった。
「アースセイバーの学生組も色々あるみたいだから任せられそうにもねぇし…。」
結局振り出しかよ、と太陽は布団に身を投げ出した。
「…こうなったら直接捜すしかねぇのかな…?」
と呟きながら。
進展、そして逆戻り
「…さっきまでの声、俺でかくなかったよね…?;」
- 981
:スゴロク:2011/10/02(日) 23:04:33
- スザク視点のお話です。
「……姉様、一つお聞きしてよろしいでしょうか?」
「ん?」
レストランで目が覚めて少し後、アオイがそう訊いて来た。
「この間、庭の隅で何かを埋めたような跡を見たのですけれど……あれは何ですの?」
「あれか……」
それは……。
「……ん?」
学校からの帰り道。昼前から降り出した雨に、傘を差して歩いていた僕は、道端に見慣れない何かを見つけて足を止めた。
それは、どこかから墜落したらしい鳥のヒナ。
「巣から落ちたのか……」
こういう場合、可哀そうだが放っておくのが正しい。下手に人が手を出すと、野生に還れなくなることがあるからだ。ただ、
「……巣が見当たらないな」
顔を上げて上を見回したけど、巣が見当たらない。一体どこに行ってしまったのだろうか。
いくら探しても見つからなかったので、ヒナに視線を戻す。結構大きく育ってる。翼の大きさからすると、恐らく飛ぶ練習をしていてここまで来てしまったのだろう。
「……あれ」
よく見ると、明らかに様子がおかしい。ぐったりしているし、喉が妙に膨らんでいる。
指先で触って見ると、何だかゴロゴロしている。
「…………」
どうも嫌な予感がした僕は、とりあえず近くの動物病院に連れて行って見ることにした。とりあえず、飼っている鳥ということにして。
「……石が詰まってるわ、こりゃ」
「石ぃ!?」
獣医の診断を聞いて、僕は思わず叫んでいた。い、石って……。
「何かと間違えたか、餓えに耐えかねたか……どっちにしても困ったねえ」
「な、何とかなりませんか?」
「んー……気力と体力が持てば簡単な手術で取り除けるが……」
さすがに心配だった。思わず手を出すと、
「痛ッ!」
「……気力はある、か」
つつかれた。痛い……。
「まあ、このままじゃどっちみち死ぬだけか……幸い気力はあるようだし、すぐに始める。外で待っていなさい」
「はい……」
それからしばらくの時間をおいて、獣医が出て来た。ヒナは麻酔の影響でぼーっとしていたけど、石は問題なく取り除けたそうだ。
「後は、とりあえず家で様子を見るように。喉を切ったばかりだから、食事は気をつけて」
「はい」
- 982
:スゴロク:2011/10/02(日) 23:05:08
- 家に戻るとアオイは出掛けていた。連絡してみると、ランカの所に遊びに行ったらしい。親睦を深めるために、今日は泊まるとか。
「僕も行きたいなぁ……」
とはいえ、ヒナを抱えてはいけない。とりあえず、留守番をしている旨をメールして携帯を閉じ、リビングへ向かう。
「小鳥の食事って何をすればいいのかなぁ……」
僕は、あまり動物には詳しくない。図鑑と睨めっこしながら、とりあえず食べられそうなものを用意する。
「……どうだ?」
小さな皿にのせて出してみると、ぼーっとしながらも食べ始めた。よしよし、この調子なら大丈夫だろう。
「痛っ! ……はぁ」
とりあえず、気力もあるようだし。
一夜明けた翌日は晴れだった。様子を見て見ると、ヒナは眠っていた。疲れが出たのかな。
「食事……は昨日のが残ったか」
思えば昨日は水を用意するのを忘れていた。……こんなんだからドジッ娘呼ばわりされるのかな。
バササッ、
「え?」
羽撃きの音がして振り返ると、テーブルの上に落下するように着地しているヒナの姿が見えた。
「今、飛んだ……のか?」
飛べてもおかしくはない。あの翼の大きさなら。
と、様子を見ている内に気付いた。―――動かない?
「まさか……」
ヒナを庭の隅に埋めた後、僕はしばらくその前に座っていた。
「……鳥が死ぬことを『墜ちる』って言うらしいけど……ホントに……」
ふと、立ち上がって空を見る。屋根の上に、ヒナを大きくしたような鳥が二羽、とまっているのが見えた。
もしかして、この子の親なのかな。
「……ごめん。……助けてやれなくて……ごめんな」
呟くと、片方が俯くようにして翼をつついた。そして一拍のち、二羽の鳥は羽ばたく音を残して飛び去ってしまった。目でその軌跡を追うと、鳥の飛び去った空に、淡く虹がかかっているのが見えた。
「…………」
「……何でもないよ」
「何でもないって……」
訝しげな顔をするアオイに、僕は曖昧な笑みで返す。あの事は、僕だけが知っていればいい。
あの、命の消える瞬間は……。
朱雀と小鳥
(消えるべくして命が消えた)
(ただ、それだけのこと)
(―――ただ、それだけの、こと)
- 983
:大黒屋:2011/10/03(月) 19:36:50
- 久しぶりの投稿ですね。様子を見ながらなので今回は短編になります。
自キャラオンリーです。真相を書くのはまだ先になりますね…。
「一九四四一〇二五」
古びた日記帳に書かれたその数字を、彼は感慨深く見ていた。
「…?どうしたの、キリ君?」
その場にずっと立ちつくしているキリに、春美が声をかける。
キリははっと顔を上げ、自分よりかなり背の低い彼女を見下ろした。
「あ、いえ、何でもないのでありマス。」
「キリ君、日記なんて付けてたっけ?」
春美が首をかしげる。
キリは横に首を振り、日記帳を春美に渡した。
「昔、小生の知り合いが書いていた日記でありマス。」
春美は日記帳を開く。
機械的な角ばった文字が連なり、それは日記というより記録帳だった。
「良い知り合いではないのでありマス。言ってしまえば、小生はその日記の持ち主の捨て駒でありました。」
「え…?」
「その持ち主は小生が軍隊時代の時の教官でありまして。」
そうか。これはキリがまだ生きていた頃の時代の物なのだ。
これを見、キリは過去の事を思いかえしていたのだろう。
彼にとっての過去回想は、戒めと同じだと以前聞いた。
「…でも、なんでそんな人のものをキリ君が持っているの?」
その質問に、彼は少し俯いた。
「…経緯を語れば長くなるのでありマスが…。」
そういいながら考え込んでいた。しかし、キリはやがて首を振った。
「今はまだ話せないのでありマス。何れ時が来れば。それでいいでありましょうか?」
「…わかった。無理には訊けないもんね。」
春美は頷くと、日記帳を返して自分の部屋に戻った。
残されたキリは、日記をただ眺める。
そっと眼を閉じると、『最期』の瞬間が眼の前に現れてくる。
『御国より自分のことがそんなに大切か?何千万の人民よりたった一人の命がそんなに大切か?』
『お前達はただ、上に従っていればいい。』
『残念だったな。御国の為に命を使えなくて。』
『やはりお前達一般人というのは実に馬鹿らしいな。』
「…まだ、主が抱えるには早すぎるのでありマス…。」
彼は小さく呟き、軍服の内ポケットに日記帳を仕舞った。
教官の記録帳
小生を「殺した」鉛玉は、決して敵から浴びせられたものではないのでありマスから――。
- 984
:しらにゅい:2011/10/03(月) 22:55:22
- 「ぷはー、タカコの淹れるお茶は美味しいねぇ~・・・」
「珍しいわね、トキコがひとりで事務室に来るなんて。」
「いやね、たまには私も仕事しないとなーって思ってさー」
「あぁ、そういうこと・・・」
「ねぇ、最近面白い人いた?」
「・・・トキコは三年生の阿久根実良っていう生徒は知ってる?」
「阿久根・・・!っあ、あの厨二病先輩?」
「ちゅ、厨二病先輩ってまた凄いあだ名ね・・・」
「だーって、厨二病先輩、言動がいちいち厨二病っぽいんだもん。
傍から見てて痛いよね!」
「・・・」
「この前なんてねー・・・」
『あ、厨二病せんぱーい。』
『・・・ふふ、無垢な盗掘者が今日も来たようだ。』
『相変わらず言動意味不明ですねー、周りから凄い眼で見られてますよ。』
『関係ないさ、人間は常に孤独の賢人なんだからな・・・』
『・・・ところで厨二病先輩、そのお昼美味しそうですね。』
『・・・・・・そんな眼をしてもこれはやらないぞ。』
『えー!一個ぐらい下さいよ!これだけあるんだからいいじゃないですか!』
『この生贄達は俺の血肉となる為に並んでいるんだ・・・常人が食べられるわけな、』
ドカァァァン!!!
『くれますよね?』
『・・・・・・ハイ・・・』
「・・・っていうことがあってさ。」
「あなたまた昼飯たかりに行ってたの?」
「だって厨二病先輩のご飯、いっつも美味しそうなんだもーん。」
「でも私の記憶の限りだと、四回目じゃ・・・」
「あーあとねあとね!厨二病先輩が一年の子に迫っているとこも見た!」
「えっ?阿久根くん、そんな子には見えなかったけど・・・」
「ホントホント!一年のハリネズミちゃん泣かせてたんだもん!」
(*諸事情により張間視点でお送りします)
『・・・あ、(お財布落としていった・・・)あ、あの・・・』
『ん?』
『っ!!・・・え、えっと・・・あ、あ・・・』
『どうした?』
『・・・こ、これ・・・お、落とし・・・』
『・・・・・・あぁ、これは確かに落としていたら命がなくなっていたな・・・ありがとう。』
『は、はい・・・(は、早くこの人から離れよう・・・)・・・』
『・・・待て、』
『ひっ!?・・・な、なんですか・・・?』
『貴様・・・もしや・・・』
『・・・・・・・・・』
『・・・・・・の、』
『っう、うわぁぁぁぁあああん!!!』
『!?え、ちょ、』
『ごめんなさいっ!!っごめんなさい~~!!うわぁぁぁん!!』
「・・・で、その後近くの教室から他の先輩達が出てきて厨二病先輩は取り押さえられて、
そのままボッシュートされてたの。・・・きっと厨二病先輩、人の恐怖心を煽るなんか
凄い能力持ってるんだよ、絶対・・・」
「・・・・・・・・・」
タカコとトーキングin事務室
「厨二病先輩」
「・・・色々と可哀想ね、阿久根くん・・・」
- 985
:しらにゅい:2011/10/03(月) 23:00:34
- >>984 お借りしたのは桐山貴子(サイコロさん)、阿久根実良(ヒトリメさん)でした!
自分からは朱鷺子、張間みくを出しましたー。
ミラ君の扱いはこれで良かったのでしょうか・・・
めっさ厨二病で、かつ能力者を混乱させ、ピアスひとつ開けられないチキンということで、
このような扱いになりましたw
トキコは真剣にもっと凄い能力者なんじゃないかって思ってますが、タカコさんは
ちゃんと阿久根君の力量を知ってます。多分こんな感じですよねw
ホントは優しいよ厨二病先輩!
- 986
:スゴロク:2011/10/04(火) 23:39:12
- えて子さんのイラストを見て衝動的に書きたくなったので。
某日、白波邸。
「あら? ランカ、出掛けるの?」
「うん、ちょっと綾ちゃんの所に」
玄関で靴を履いているランカを見つけたアカネは、意外そうな顔をした。あまり出歩くことのない愛娘が、今日は自分から出かけるというのだから。
(ヒナちゃんの娘さんのおかげかしら? だとしたら、良い傾向ね)
「そう、わかったわ。夕飯までには帰って来るのよ」
「はーい」
「それと、周りの人には出来るだけ気をつけて歩きなさい。誰かが狙ってくるかも知れないんだから」
事実、ランカはこの間3人もの不審人物に襲撃されている。
「うん……ちゃんと気をつけるよ」
「そうしなさい。……アズールはどうするの?」
「なんか、朝からずーっと寝てるんだ。ゆうべ夜更かししちゃったみたい」
「あらら……それはちょっと注意しておかないと」
苦笑するアカネに、鞄を両手で持ち、靴をとんとん、と直したランカは、
「それじゃ、行って来ます」
「はい、いってらっしゃい」
笑顔で言って、外に飛び出して行った。
「さて……妹娘はどうして夜更かししたのかしら?」
アズールがいる2階のランカの部屋に上がったアカネは、まだ彼女が寝ていることを考えて静かにドアを開けた。
当のアズールは、珍しい事に人化したままベッドの上で眠りこけていた。
「着たきり雀になっちゃってるわね……起きたら着替えさせないと。……あら?」
よく見ると、机の上に何か置いてある。近づいて見ると、
「……私?」
フェルトで作られた、人形があった。手に取った一つは、ジーンズにTシャツ、黒い髪……他ならぬアカネ自身を象っていた。
見れば、ランカやシドウ、火波姉妹のものまである。さらには、
「……これはマナちゃんかしら?」
ランカ曰く「親友」の少女。今はどこにいるのか。
何となく微笑ましい気分になって人形を眺めていたアカネは、ややあって違和感に気付いた。何か欠けている気がする。程なく気付いたその正体は、
「……アズールがいないわね」
人形の中にアズールのものがない。単に自身のものを造り忘れただけなのか、それとも他に理由でもあるのか。
「後で聞いて見ようかしら」
自身を象った人形と目を合わせ、アカネはそう呟いた。
白波家一コマ
(ちょっと変わっている)
(だけどどこにでもある)
(そんな、一日の一コマ)
(六x・)さんより「アズール」をお借りしました。事件の予感ばかりなのでほのぼのを書こうと思った所、えて子さんのイラストとコメントを見てひらめきましたので。
- 987
:しらにゅい:2011/10/05(水) 17:24:09
「凄かったねー!」
「ああ、本当に凄かった・・・」
お昼時。
サーカスを見終わった私達は雑談をしながらレストランへと向かっていた。
話題はもっぱら『ポリトワルサーカス』について。
だって私も鳥さんもサーカスを見るのは初めてで、まさかサーカスってあんなに過激で
はちゃめちゃだとは思っていなかったものだから、あの時の興奮が未だに冷めなかったのだ。
「パントマイムの女の子凄かったよねー、あとジャグリングでしょ?」
「僕はイリュージョンが凄かったかな、仕掛けが分かってるとはいえ、
生で見るとやっぱり迫力が違うし・・・正直最後までハラハラしてたよ。」
「私もハラハラしてたー!一緒だね!」
クスッ、と笑えば鳥さんもつられて笑ってくれた。
やっぱりサーカスは来てよかった、機会があったらもう一度行きたいし、
今度は一角君達も連れて行きたいな!
きゅるるる・・・
「・・・あ・・・」
ホッ、としてたらお腹の虫が鳴いてしまった。
それを聞いた鳥さんがまた笑うと、私の手を握って少し早足で歩き始めた。
うぅー、なんか恥ずかしい・・・
「トキコのは可愛いから大丈夫だ。」
私の気持ちを察してか、鳥さんがそう言ってくれた。
・・・ちょっとだけ顔が赤くなったのは、内緒。
- 988
:しらにゅい:2011/10/05(水) 17:24:41
- カラン、カラン
「いらっしゃい、・・・おや、珍しいお客さんだね。」
「こんにちは、店長。」
「こんにちはー!」
レストランはお昼時にも関わらずそれほど混んではいなかった。
運が良かったみたいだ、これならご飯を食べながらゆっくり話せそう。
私と鳥さんはウエイトレスさんについていき、窓際の席に座った。
早速メニューを開いて何を食べようかと考えていたけれど、ふと、
今日のデートの二つ目の目的であるアレを思い出し、鳥さんに声をかけた。
「ねぇ、鳥さん。」
「ん?」
「鳥さんはさ、私の昔のこと、知ってるんだよね?」
「・・・」
少しだけ間が空いたが、鳥さんは「ああ」と答えた。
やっぱり、そうだったんだ。
「でも、」
「ううん、いいよ。いずれバレると思ってたし、アルトさんの事なら別に責めたりしないよ。
・・・というか、私の口から話した方が一番良かったんだけどなー。」
えへへ、と笑って私は頭を掻いた。
他人の口から自分の過去を話されるって、なんだかむずむずするというか、すっきりしない。
まぁでも、これで堂々おうちに鳥さんを呼べるから結果オーライかな?
「・・・って、そういう話じゃなくて。」
「?」
「いや、こっちの話。・・・あのね、鳥さんが私の過去を知ってて、
私が鳥さんの過去を知らないっていうのは、ちょっとフェアじゃないかなーって思うんだけど。」
「え、僕の?」
「うん、・・・これは鳥さんだから言うけどさ、私、鳥さんが昔いたっていうUHラボのことは知ってる。
鳥さん自身に何があったかっていうのも、ちょっとだけ知ってる。」
「・・・」
「でもね、鳥さん自身のことはまったく知らないんだ。」
そう、思えば私は鳥さんについて何も知らなかった。
どんな家族がいた、とか、蒼さんとはどんな仲だったのかな、とか、
亀さんやランカちゃんとはどういう知り合いなのか、とか色々。
私が知っているのは『いかせのごれ高校の火波スザクというドジっ子』程度。
いわば鳥さんは私のすべて?を知っているのに、私は鳥さんを何にも知らないのはなんだかずるい。
せっかくふたりっきりになれる今だからこそ、鳥さんのすべてを私は知りたい。
だから私は、レストランで鳥さんから鳥さんについて色々聞こうと思っていたのだ。
「・・・」
「鳥さんが喋りたくないことまで聞くつもりはないよ、でも出来たら全部教えて欲しいな。
・・・私、鳥さんを好きになりたいから聞きたいの。」
「!」
知らないより、知っている方が良い。
そうしたら、今度は辛い事も一緒に抱えられるような気がするから。
鳥さんは神妙な顔をしたまま、しばらく黙り込んだ。
そしてややあってから、口を開き、私に話しかけた。
少しだけ、苦笑しながら。
「・・・僕の話なんて、楽しくないぞ?」
「!ううん、楽しくなくてもいいよ!私、鳥さんのこと、もっともっともーっと知りたい!!」
勢いあまって立ち上がった私に鳥さんは驚いて眼を丸くした。
ちょっとだけ間が空いた後、鳥さんが吹き出して、「分かった、」と声を漏らした。
「じゃ、食べながら話そうか。」
「わーい!」
ご飯よりも素敵なことを楽しみにしながら、私はメニューを選ぶのであった。
朱雀と朱鷺がデートするお話
「レストランにて」
- 989
:しらにゅい:2011/10/05(水) 17:41:00
- >>987-988 お借りしたのは火波スザク(スゴロクさん)、楠原亜音(大黒屋さん)でした。
こちらからは朱鷺子でした。
やっとデートの続きが書けた・・・!でもまだ続きます。
そういえばトキコはスザク姐さんの過去をよく知っていないんじゃ?と思い、
このシーンを入れさせて頂きました。今までトキコが、スザクが、お互いを
どこまで知っていたのかがちょっと分からなかったので、これを機にたくさん
話し合って仲良く出来たらなぁ・・・と思いますw
- 990
:スゴロク:2011/10/05(水) 18:29:28
- >しらにゅいさん
スザクの自分語りの場面ですが、私が書いてもいいでしょうか?
そちらで考えているのならお任せします。
- 991
:しらにゅい:2011/10/05(水) 19:05:25
- >>990 おぉ!お願い致します!やっぱりどんな内容を、かつどんな風に話すかは
スザク姐さん自身がいいかなぁと思ってましたのでw
- 992
:スゴロク:2011/10/05(水) 19:22:23
- >しらにゅいさん
では、早速。
……僕自身が覚えてる中で一番古いのは、ゲンブと一緒に暗がりを走ってる光景なんだ。
「暗がり?」
ああ。……僕があの施設に連れて行かれたのは、2歳か3歳くらいの時で、ほとんど覚えてない。父さんも母さんも必死で探してくれたみたいだけど、見つからなかった。……見つかるわけないよな、秘密施設にいたんだから。
「……」
僕がそこで受けたのは、この……(右手を見る)力を兵器として利用するための、精神改造。薬物で強化されたこともあったけど、大半はマインドコントロールと、その成果を見るための実戦テスト……だったらしい。
「らしいって?」
覚えてないんだ。後になってゲンブから聞いた話だから。
「……そう、なんだ。そういえば、亀さんはどうしてそこにいたの?」
それが、よくわからないんだ。どこからか拉致されて来て、僕と同じように実験体になってたみたいなんだけど……どんな処置を受けたのか、そもそもどこから来たのか、家族はどうなったのか……そういうことを全然話してくれなかったんだ。
「話してないって、鳥さんにも? ……何かあるのかな」
さあな……ともかく、9年前に事故か何かがあって、施設は壊滅。僕はその時にゲンブに連れだされて、外に逃げ出したんだ。
「それが、さっきの……?」
ああ、暗がりの記憶だ。だけど、2年くらいしてから、僕もゲンブも倒れてしまったんだ。それを助けてくれたのが、ランカとシドウさんだったんだ。
「ランカちゃんが?」
僕らを迎え入れてくれて、しばらくそこにいた。ランカと話をしてる内に、僕も少しずつ自分を得て行ったんだ。
「得た? 取り戻したんじゃなくて?」
………今、こうして話してる「僕」は、その頃に形成された人格なんだ。施設にいた頃は気絶してるか、暴走してるかのどっちかだったから、自分なんて持ってなかったんだ。しかも、マインドコントロールの影響だけは残ったから始末が悪い。
「もしかして、それが例の衝動?」
そうだ。
「………」
……続けようか。保護されてから3年くらいして、シドウさんがいなくなった。後で聞いた話なんだけど、アカネさん……ランカのお母さんなんだけど、その人の仇を見つけて飛び出したんだって。
「ぇ……ランカちゃんのお母さん、殺されてたの?」
らしい。僕も詳しくは知らないけど。……ともかく、そのショックでランカは一気に体調を崩して入院、僕とゲンブはどこからか連絡を受けたウスワイヤに保護されて……。
「亀さんはアースセイバー、鳥さんはそのまま……ってこと? 何で鳥さんだけ?」
それはわからない……ゲンブは何も言ってくれなかったし。
「また? 亀さん、口堅過ぎだよ」
全くだ。甲羅もないのにな。……僕の髪、前は白かったろ?
「うん」
僕にとって、赤は血の色、弱さの色だった。記憶にはなくても、身体が施設にいた時のことを覚えてた。だから、僕は無意識の内に、赤い色と心の弱い部分を全部、奥に仕舞い込んでしまった。
「………」
そうして残ったのが、今までの「火波 スザク」。だけど、強さ一辺倒の人格がもつはずもないだろ? あまりにも不完全すぎたせいで、一時は自我崩壊寸前まで行った事もある。
「ちょ、大丈夫なの!?」
見ての通り、今は大丈夫。……衝動がしょっちゅう顔を出してたのは、仕舞い込んだ弱さの部分が空白になってて、それを埋めるために誰かを欲したせい。
「? でも、鳥さんの衝動って殺戮だったよね? 意味がないような気がするんだけど」
ところがそうでもないんだ。誰かを求めてもいずれいなくなる、だったら殺してでも自分のものにする……それが無差別に働いてたのが、今までなんだ。
「……鳥さんって、ヤンデレだったの?」
……………非常に不本意だけど、白い髪の頃は確かにそうだった。だけど、僕はそのおかげでトキコを好きになった。
- 993
:スゴロク:2011/10/05(水) 19:23:12
- 「え?」
一緒にいる時、僕は自然でいられた。仕舞い込んだはずの弱い部分を、表に出すことが出来た。……まあ、諸々がこんがらがって、アプローチはあんなおかしなものになっちゃったけど。
「さすがにあの時はびっくりしたよー。鳥さんの方から言って来るなんて」
まったくだ。で、その後ゲンブやマナから色々と手助けされて、自分の中で自分に整理をつけて、答えを出したんだ。
「それが、あの旅行の時の?」
ああ。
「そっかぁ……あっ。そういえば、蒼さんと初めて会ったのってあの時だよね?」
僕も驚いたよ。妹がいるなんて、ちっとも知らなかったから。転校して来た時はなお驚いたけどな。
「それ私も。冗談抜きで『へ?』ってなったもん。目の色以外ほとんど同じ顔で、髪の色も白だったし。……言葉遣いは何て言うか、お嬢様っぽかったよね」
ああ。……最近、学校の近くに作家の先生が引っ越して来ただろ? あれ、僕の叔母さんなんだ。
「え、そうなの!?」
一之瀬 ツバメ……母さんが死んだのが6年前で、それからアオイがお世話になってたんだって。……どっちかっていうと、アオイが世話を焼いてたらしいけどな。
「?」
叔母さん、時間には正確だけど他がものすっごいルーズらしくてさ。アオイが始終片付けとか、掃除とかしてたんだってさ。あ、それとあの言葉遣いだけど、叔母さんの知り合いの人のがうつったらしい。
「……何か、それ一発で想像ついた。だから蒼さん、あんなにしっかりしてるんだ」
僕もだ。……さて、僕のことに戻ろうか。この髪だけど……。
「! そうそう、それだよ。鳥さん、いつの間に髪が赤くなったの?」
さっき、弱さと一緒に赤を仕舞い込んだって言ったろ? 僕は、真っ二つになってた自分を元に戻したんだ。夢の中で、もう一人の僕と対話して、ね。
「鳥さんがもう一人? ど、どんな人だったの?」
んー……姿はこのまんまで、言葉遣いがトキコ、って感じかな。
「…………な、何か想像つかない」
無理もないよ、僕も面喰ったもん。とにかくそういうわけで、僕は今の「僕」になったわけ。……ただ、その後シドウさんがいきなり帰って来たせいで、絶対目標がなくなって自分の中に閉じこもっちゃったんだけど。
「確か『異能殺し』って人を探してたんだよね……もしかして、そのシドウさん、って人?」
ああ。ランカや僕達を巻き込まないために一人で飛び出したらしい。……アオイ達のおかげで、僕は何とか戻って来られた。まあ、そのすぐ後にヴァイスの騒ぎがあったんだけど。告白もその時にしちゃったし、ムードも何もなかったな。
「ううん、嬉しかったよ」
! ……そっか。それは、嬉しいな。
「うん」
……僕の知ってることは、おおまかにだけどこんな感じかな。まだ、知らない事も多いけど。
「たとえば?」
んー……あのさ、クロウっているだろ?
「うん、鴉さんだね」
アオイさぁ、何かあいつを目の敵にしてるんだよな。何でか聞いても「大したことじゃありませんわ」の一点張りだし。
「鴉さん、初対面でいきなり一杯喰わされたって言ってたよ」
すると、アオイの方は結構前から知ってたことになるな。何なのかな?
「さあ……」
あと、マナ。あいつ、何か事情があってヴァイスを追いかけてるみたいなんだけど、過去の事情が全然わからないんだ。聞こうにも聞けないし。
「それわかる。神出鬼没だし、家もわからないし。家族……はA君がいるかな? 苗字同じだし」
? ああ、詠人のことか。けど、あいつはあんまりマナの事を話さないんだよな。
「だよね? 何でかな」
嫌ってる……のかな?
「だったらもう少しわかりやすい態度とるよね?」
だよな? んー……わかんないや。まあ、その内聞いて見よう。
「そうした方がいいと思うよ」
後は……父さんかな。
「鳥さんのお父さん?」
うん……顔も覚えてないし、写真もないんだ。だから、僕は父さんがどんな人だったのか、知らない。アオイに一度聞いて見たんだけど、何か、すごく悲しいことがあったらしくて、泣きだして話が出来なかったんだ。だから、あいつが話してくれるまでは、聞かないことにした。
「……優しいね、鳥さん」
まさか。……臆病なだけだよ。
- 994
:スゴロク:2011/10/05(水) 19:23:49
- 「(もぐもぐ)……鳥さん、好きなアーティストとかっている?」
んー、特にいないかな。歌の方が興味ある。
「? 特にこの人の曲がいい、とかないの?」
それは歌手のアイドル化と同じだな。そのアーティストのファンなら、後になって曲のスタイルが変わっても、「そのアーティストなら何でもいい」ってことになる。僕はそんなのは嫌だ。
「そ、そうなんだ。じゃあ、好きな曲はあるの?」
そうだな……「津軽海峡 冬景色」とか、「天城越え」とか。
「え、演歌?」
そうだよ。……あれ? 何か変かな?
「そ、そうじゃないけど、何か蒼さんといい、曲の趣味が変わってるなぁ、って」
あいつはロックが好きだしなぁ……この間、部屋でデスメタル聞いてるの見たし。
「うぇ!? …………ぜ、全然想像つかない……あ、蒼さんがデスメタル……?」
僕だって衝撃だよ。どうしてあれにハマッたんだか。
「…………あ、そ、そうだ。鳥さん、好きな本とかは?」
幻想物語シリーズ! これはもう即答だね。
「前に図書室で見せてもらったあれかぁ……」
簡単に言うと、シリーズごとに主役がいて、求めてるものがあるんだ。だけど、その求めてるものは全て幻想で、決して手が届かない。それでも掴もうと足掻いて、もがいて、そして……っていう話。
「なんか、深いね」
だろ? だから僕もハマってるんだ。……まあ、一部お子様お断りの部分もあるけど。
「……そうなの?」
そうなんだよ。僕はまだそこまで行ってないけど。
「気をつけて、読んでね?」
? う、うん……。
朱雀、自分語り
「(もぐもぐ)……そういえば、さ」
ん?
「鳥さんのドジって、お父さんとお母さん、どっち譲り?」
んー……父さん、かなぁ? 母さんはしっかり者だったって言うし。
「………諦めたんだね、鳥さん」
- 995
:スゴロク:2011/10/05(水) 19:24:35
- >>992~>>994
しらにゅいさんから「トキコ」をお借りしました。
- 996
:柴犬:2011/10/09(日) 13:01:13
- 小説は初めてですが参加させてもらいます。
〈少女達の怪奇談〉
夕方
日が傾き、空が紅から紺碧に変わるまでそう時間はかからないだろう。
「そろそろ日が暮れるかな?」
町外れの神社の境内を掃除している巫女がつぶやく。
非常に小柄で長い髪を後ろで束ねた姿が特徴的な彼女の名前はメイム。彼女がこの神社の当主である。
もちろんいかせのごれに古い『一般的な』神社が在るはずもない。
いわゆる数年前に出来た分社だ。
若くして神社を継ぐに至った彼女だが、両親はおろか兄弟さえもこの世の人でない。彼女の家族は一年前に皆、交通事故で亡くなっている。
本来は明夢もそこで死ぬはずだった。だが‥
「(超能力、か。欲しい人は大勢いるだろうけど、持った身から言わせて貰えば無い方が気が楽だね。)」
家族と交通事故に遭う前に、明夢は狂人の操る自動車跳ねられた事がある。その時は『奇跡的に』一命を取り留めたが、その時からだった。
明夢が『超能力』とやらを持ったのは。
力を行使すると、明夢の身体に触れた『衝撃』、注射針から津波、果ては工事現場の鉄骨まで、全てその威力を『反射』してしまうのだ。注射針は医者を襲い、津波は押し返され、落ちてきた鉄骨は物理法則を無視して垂直に落ちてきた軌道そのままで宙に飛んだ。
それだけでなく、明夢が自分から意志を向ければ、その『衝撃』の向きを好きに変える事が出来る。究極的に彼女は隕石が落ちようが新幹線に激突されようが傷一つ負わない。彼女が事故で独り生き残ったのは、この力で『衝撃』を『反射』したからだ。
だが、この力は明夢一人しか助けてくれない。事故では結局家族には力は届かず、明夢だけが助かった。
超能力を持った明夢は日常から離れたモノに触れるようになった。
その一つが超能力者の存在とそこに存在する影の組織。つまり、超能力者の保護施設。明夢が調べた限りではどうやら政府は超能力者の存在を認める代わりに超能力者を全てその施設に押し込めようとしているらしい。
その施設の名前は『ウスワイヤ』。
「(認めない‥人が生きるのに差別なんてされて良いわけが無い。超能力者だって人間なんだ。)」
現実はそれでは済まされないシビアな問題だが、明夢は『善人』過ぎるが故にそれがわからない。まして明夢は知らない、超能力者の存在を護るために命を賭して戦ってきた少年達の存在を。
- 997
:柴犬:2011/10/09(日) 13:03:12
- もう一つは
「おい明夢。何考え込んじゃってるのさ。」
思考の海に浸かっていた明夢を引き戻したのは明るい、それでいて凛と響く声だ。
声の主は黒いショートボブの髪と深紅の瞳が特徴的な少女だ。黒いタンクトップと短パンが妙に似合う。ただし、靴などは履いておらず裸足だ。
ただの明るそうな少女だが、彼女が『人ならざる何者か』である事は間違い無い。
彼女の背中には一対の漆黒の翼が生えていたのだから。
明夢の隣に歩み寄ってきた異形の少女を見ても、明夢は驚かない。彼女が人間で無いことを知っているからだ。
天津黒主之命。彼女の名前を正しく言えばそうなる。呼びにくい為、明夢は『クロコ』と言うあだ名で呼んでいるが。
彼女はいわゆる『妖怪』と言われる存在らしい。長生きした鴉が化けたものだとクロコ本人が語った。超能力を持つ前の明夢なら信じなかった存在だが、持ってしまった今なら信じる事が出来る。そうでなければ自分を否定する事になるから。
クロコは最初は超能力を持った明夢に興味を惹かれて気まぐれに山から神社にやって来たのだが、今ではすっかり居着いて、明夢の大切な友人の一人になっている。ぶっちゃけ一緒に住んでいるようなものだ。
クロコにとっても自分の存在を否定せず、また妖怪だからと恐れず接してくれる明夢の人柄に惹かれ大切に思っている。
「あ~またあれでしょ?ウスワイヤがどうのこうのとか。」
ニカリと笑ってクロコは明夢に言う。その顔を見ただけで、明夢は暗い気持ちを吹き飛ばされるようだった。
「ん?あ~そうだね。それより今日の夜ご飯、何にしようか?」
「そーだね、魚がいいなぁ‥」
夕食の話をし始めた明夢の頭からはもう先程までの思考は消えていた。
- 998
:柴犬:2011/10/09(日) 13:33:16
- 自分の企画キャラ、「神社」関連のキャラだけで今回は書いてみました。
ウスワイヤに対して否定的な立場の視点というやや珍しい属性の構図でストーリーを
展開させました。こんな感じで1話完結のストーリーでちょこちょこ書いていこう
と思います。
- 999
:しらにゅい:2011/10/09(日) 13:40:06
- 柴犬さんいらっしゃいませー!
なかなか特殊な立場のキャラですから、
これからの展開が楽しみですねw
尚これ以降のレスは皆様お控えくださるよう、
お願い致します。書き込みはvol.3に!
-
最終更新:2012年02月29日 13:51