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弱者、甘言をはね除ける

「………」

モブ子ちゃんはアイツから差し出された手を、見つめている。

「…」「それは」「千年王国に」「入れって意味?」
「さあ? 僕はただ、一緒にこの世界を嘲笑おうって言ってるだけだよ」
「……」

確かにそれも面白いかなー。
強者をまたいっぱい殺せるんだし☆
だーけーど。

「お前なんかと」「つるむ気は」「さらさらねーよ」「…あの害虫に」「よく似た笑顔を浮かべる」「お前なんかとな」

つかお前どっちかつーと強者だろ。
尚更嫌だね。

「…そうかな」
「あ?」

一瞬だけ無に近いような表情を浮かべたアイツ。
…何だ?
ま、モブ子ちゃんには関係ねーしー。

「とにかく」「弱者としての」「プライドもあるから」「お前とは」「つるまない」「それに」「モブ子ちゃんには」「友達も」「仲間も」「出来ねーよ」
「あれ? じゃあトキコちゃんとかは?」
「ケッ」「天の邪鬼が」「…守るべきものだよ」「そいつらは」
「ふーん…ん?」

あ?
何だよ?
と、突然アイツがモブ子ちゃんの左耳近くの髪を掴み上げた。

「ッ!」「何すんだテメェ―――」
「これ、何かな?」
「は―――」

そこでモブ子ちゃんは思い出した。
確か、左耳には…。

「随分と可愛いイヤリングつけてるね。確かコレ、ト音記号だっけ?」
「………」
「もしかして、過去に関係あったりする?」
「…は?」「知るかよ」「モブ子ちゃん」「昔の記憶」「消したし」
「消した?」
「何かさ」「嫌な事」「あったみたいで」「だから」「無かった事にした」

当然覚えてないからそこら辺が少し曖昧だけど。

「外さないの? それ」
「外す理由」「無いから」「つーか」「早く離せ」「スタンガン使うぞ」
「はいはい」

アイツの手が髪から離れた。
後で洗わないと。
多分あの害虫野郎の雑菌もついてるだろうし…。

「フラレちゃった事だし、そろそろ行くね」
「もう二度と来んな」「クソヤロー」「ウスワイヤの麒麟に」「倒されろ」「マジ死ね」
「……」

あ、怒ってる?
ははっ、ざまあみやがれ(笑)

「…じゃあまたね。自称弱者ちゃん」
「ハッ」「さっさと死ね☆(笑)」

あーウザかった。
後でトキコちゃんとこ行って、たくさんお喋りして、この記憶を忘れないと。
…あ、昔の記憶消した時と同じ事すればいいかな。
でも何か無限ループしそうだから自然忘却に任せよー。


弱者、甘言をはね除ける


―――外さないの? それ。

(そういや)(別につける理由も)(無いな)(…そもそも)


(何で)(いつから)(つけてんだろ?)

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最終更新:2012年03月11日 14:36