「澪ー!」
「お姉ちゃん?」
「はい、お花の冠!」
「わあ…! ありがとう!」
風が吹きわたる野原で遊んでいるのは、双子の姉妹。
どちらも黒い髪と黒い目を持っていたが、着ている服や表情の雰囲気などは違っていた。
「おーい」
「あ、ジンギ!」
「ジンギお兄ちゃん」
遊ぶ姉妹の元に来たのは、二人の幼馴染みの少年。
「ここにいたんだ。探したよ」
「あははーごめん」
「ジンギお兄ちゃんも遊ぼうよ」
「あー…僕、もうすぐ帰るから」
「えー!? 何でよ!」
「二人を探してたら帰る時間になっちゃったんだよ、仕方ないじゃないか」
「遊ぼうよー! あたしが何とかするからさー!!」
「無理な物は無理だよ。また明日遊ぼうな」
「ちぇっ。約束ね!」
「分かってるよ、じゃ!」
その場を去る幼馴染み。
妹は彼の背中を眺める姉を見て密かに微笑む。
「お姉ちゃん、冠の作り方教えて」
「いいわよー」
仲睦まじく遊ぶ二人。
と。
「枝音(しおん)、澪…」
「ここにいたのね」
「お父さん?」
「お母様」
親を見上げる二人。
その時、妹は言い知れない不安を感じた。
すると。
「この子ですか」
「ええ」
「しかし…まだ幼いではありませんか。もう少し待っても―――」
「いいえ、その必要はありません」
「…………分かり、ました」
と、悲しげな顔をした男が姉の方に歩み寄る。
そして―――。
ガシッ
「!?」
「行こうか」
「え…え!?」
突然の事に驚く姉。
妹も目を見開き放心するも、すぐ我に帰り慌て駆け出した。
「お姉ちゃん! お姉ちゃんを返して!!」
「…すまないね」
男は目を伏せ、その場から離れ出した。
抱き抱えられた姉は、泣きじゃくりながら妹に向かって懸命に手を伸ばす。
「澪…澪! 降ろしてよ! 降ろして!!」
妹も走り出す。
が、母親に取り押さえられてしまう。
「お母様!?」
「あの子はもうこの家の子でも、あなたの姉でもないのよ。もう忘れなさい」
「嫌だ!!! もっとお姉ちゃんと遊んでいたい! もっと一緒にいたい! それに―――」
―――お姉ちゃんはまだジンギお兄ちゃんに好きだって言ってない。
そう言いたかったが、涙声で上手く言葉にならない。
「澪ーーーーッ!!!!!」
「おね…えちゃ…ん…」
「お姉ちゃーーーーんッ!!!!!」
「………う…」
とある森に佇む一軒家。
澪は過去の夢で目を覚ました。
「………」
夢のせいか、目尻に涙が溜まっている。
と、誰かの手が頭に乗せられた。
「
ジェスター…」
「大丈夫…かい?」
「…もう、平気」
「あまり、無理しちゃあ…駄目だよ」
「うん、ありがとう」
姉さん、今どこにいるの―――。
一つの未来→裂く→二つの未来
最終更新:2012年05月20日 19:29