「…という訳だ。
崎原 美琴の監視に当たってくれ」
『………』
『お前馬鹿か?』
「…開口一番がそれか?」
アースセイバーの能力者、
水波 ゲンブは連絡先の相手…紫苑の最初の発言に溜め息をついた。
『何で私なんだ!? 一条寺…あ、いや、そもそも秘密調査員でなくてもいいし、というか他にも適役いるだろうがこの唐変木老け出歯亀が!!』
更なる言葉の刃に気が滅入りそうになるゲンブだが、ここで折れるわけにいかない。
それに、彼女がこういう暴言を吐きがちなのは元より知っていた(何故かまでは分からないが)。
「…これは上層部からの命令だ」
『フン、我を通す為に上層部という単語を使うか』
「だからと言ってやらないとは言わせんぞ」
『………』
「とにかく、引き受けろ」
『……………まあ、仕方ない、な。分かった』
「うむ、頼んだぞ」
獏也との話し合いを終えた後、ゲンブは自室に戻っていた。
ふと彼は、ヴァイオレットの事である事に気付く。
(そういや…ヴァイオレットは他人が絡む仕事を極度に嫌っていたな…)
今回で『他人』に当たるのは崎原 美琴。
しかしそれ以外に分かる事は無かった。
「…はあ」
一方、ヴァイオレットこと紫苑はたった今言い渡された任務の内容により、憂鬱な気分に襲われていた。
「何か、まあ…もう嫌だ…」
「どうせいずれは会話するだろうに…」
紫と北の通話
(他人と絡むのが嫌いな彼女)
(それもそのはず)
(実は”コミュ障”人間なのであった)
最終更新:2012年07月10日 17:35