「―――誰だ?」
見覚えの無い番号。
不審に思いながらも繋いだ
クロウの問いに、相手が第一声を漏らした。
やはり、声にも聞き覚えが無い。
恐らく今日が初めてだろう。
「もう一度言う…誰だ」
「…っくくく」
「………」
微かな笑い声。
クロウは眉間に皺を寄せるが、ひとまず感情を押し殺す。
「かけといてなんだけど……君達とは話したくないんだよね。これでも冷静になってる方なんだ」
「……質問を変えよう。用件は?」
「用件? じゃあ単刀直入に言ってあげる」
「ストラウル跡地に殺されに来いよ鳳凰のひっつき鳥、以上」
「!」
そこで通話が途切れる。
履歴を見ると、かかってきた番号は何故か載っていなかった。
(挑発か? それとも罠…?)
いくら考えてもキリが無い。
だが向こうから言ってきたからには、いずれはぶつかる障害なのは間違いない。
しかも口調こそは落ち着いてはいたが、血塗られた刃の様な殺意が感じられた。
否、感じ『させていた』と言うべきか。
(とりあえず行ってみるか…)
「…よし。ありがとう、『アンドーラ』」
とあるアンティークショップ。
その店内で、ウエイターの格好をした、店主らしき少女が微笑を浮かべて誰かに礼を述べた。
「まさか、話したい相手の番号にかけられる、ダイヤル式電話が出てくるなんてね…でも助かったよ。これでまた”復讐”が出来る………ックククアハハハ……ッ!」
傍らのレイピアを撫でながら、少女―――
レオナは狂った笑い声を上げた。
鴉の通話、店主の狂笑
最終更新:2012年07月28日 16:47