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ドグマの児達

某日、ホウオウグループ。
一角の廊下を、荒々しい足取りで突き進むクロウ。
向かう先は――。

「おいジングウッ!!!!!」
「何ですか騒がしい。ノックぐらいして下さいよ」

ジングウ率いる千年王国の拠点である、支部施設内の閉鎖区画だった。

「そんな事はどうでもいいッ!! ここに『アイツ』はいるか!!?」
「アイツ?」
「あのウイルス擬きのAIだ!!!!」
「ああ、いますよ。…『エレクタ』」

と、巨大モニターに青い渦の様な光が巻き起こり、構築されていくかの如く、ジャージの上にオーバーオールを着た少年が現れた。
しかし何故か足は途中から途切れている。

《はーいはーい! 呼んだ~?》
「エレクタ、貴方に用があるみたいですよ」

と、こめかみに青筋を、浮かばせんばかりに顔をしかめているクロウを指差すジングウ。
それを見たモニタの『中』の少年エレクタは、ぱあっと満面に笑みを浮かべる。

《あっ鴉クン! あの音どうだった? 凄いでしょ!? 是非警報用に――》
「お前という奴は…何回言われれば気が済むんだぁぁあああああああああーーーーッ!!!!!!!!」
《うわお》

ありったけの怒声を上げるクロウ。
対してエレクタは、さも驚いたという様な素振りを見せた。

「データを書き換えるわ、コンピュータの誤動作を起こすわ、ここ以外の電子機器の電源を強制的に落とすわ…更に今度という今度は爆音サイレン流すわと、お前は反省という言葉を知らんのか!!!!!!!!」
《知っらなーいよー♪》
「~~~~ッ!!!!」
「まあまあクロウ、そんなにカリカリしてたら、この子に付き合いきれませんよ」
「そもそもお前がちゃんと視ないからだろうが!!!」
「おや、私に責任があるとでも?」
「大ありだ!!!!!」

クロウが「その方が面白いのに」、とでも言うような態度で返すジングウを盛大に睨み付ける中、当人のAI少年は画面に背を向け、腹を抱えながら震えている。
笑いを堪えているらしい。
…が。

《~~~ッ……ぷっ、あっははははははは!!!!!!!!あははっあは…あはははははははははははははは!!!!!!! ホント、鴉クン…名前通り、くろ、苦労人…っあーっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!! もう、笑い止まんない~死んじゃうって~~!!!!》

我慢しきれず、爆笑しだした。
一度切れたクロウの堪忍袋がまた切れかけたその時。

「エ、エレクタ…あまりクロウさんを困らせちゃ駄目だよ…」

奥から現れたのは、白いレースやフリルのついた、ピンクのワンピースを身に纏っている少女。
毛先がロール状になったオレンジの髪に、ピンクのリボンがつけられている。

《ブラン! 別にいーじゃんか~》
「良くないよ、クロウさん忙しいんだし……あのっ、ごめんなさい」
「……はぁ、お前は関係ないから、気にしなくていい」
「でも…」
「気にするなーっつってんだから、もういいだろ」
「まあ、エレクタの悪戯には少々目に余るものがありますね」
「んー、ほどほどにしときゃ、良いんじゃない?」

今度は二人の少年と一人の少女。
少年の内一人は頭に赤いバンダナを巻き、簡素な小汚ない服を着ている。
片手には何故かボロボロの自転車が。
もう一人は物静かな雰囲気を放つ普通の少年だが、下半身には二本の足は無く、代わりに悍ましく、六本の足のついた奇妙な機械が取り付けられている。
一方少女は、紫の長髪をポニーテールにし、学校の制服の様な着こなしに学ランを羽織っている。

「リキ!」
《それに魎とレンコだ~元気?》
「元気って、さっき会ったばっかじゃん」
「………エレクタ、あまりクロウに嫌がらせしないでよ。雑音に等しい怒声はもう聞き飽きた」
「雑音で悪かったな」
《ぷくく…雑音だって……》
「お前も笑うな!!」

頭を押さえ、クロウは溜め息を吐く。

「とにかく、もうこんな悪ふざけはするな。分かったか」
《え~~~~? つまんな~~~~~~い》
「駄々をこねるな。お前は与えられた役割をこなせばいい」
《えー。ぼくちん、鴉クンほど真面目じゃないし~》
「真面目だろうがなかろうがやれ! ったく…」

その場を去ろうとした時、クロウはふと5人を見渡す。

「あ?」
「どうしました?」
《ん~?》
「何だ?」
「………?」

それぞれの反応を見せる少年少女達。

「…いや」
『?』

(ドグマシックスズ…ジングウの申し子共、か…)


ドグマの児達


「…しかし、よりによって何故、”最強”の武器がウスワイヤに保護されたのやら……さて、どうしたものでしょうかねえ」

(炎・氷・森・雷の力を宿し少女)
(番型GF-001)
(名をルーン、通称「精霊戦士」 今の名は)

(氷雷森 炎(ヒョウライシン ホムラ))

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最終更新:2012年11月20日 16:27