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ショウゴのおせっかい



ショウゴのおせっかい



工場に溜息が重なる。
バイクを確認するショウゴとタクミから発せられたものだ。
じろり、とバイクの落ち主であるシスイに冷たい視線が注がれる。



時は少し巻き戻り、放課後。
シスイのバイクの隣に、ショウゴが立っていた。
「よう、元気か」
「あれ…どうしたんすか先輩。」
「いやな、聞いたぜ朝のレースのこと。面白そうな事やってたらしいじゃねーか。」
「な…どうしてその事を」
「まぁまぁ。結果も聞いたぜ、負けたらしいじゃねーか。」
「ぐっ…」
言い訳はせずとっも露骨に渋い顔をするシスイに、ショウゴは続けた。
「どうせお前のことだ、あんまり整備とかもしてないんだろ?バイト先の工場に持ち込んで整備しようぜ。やり方教えっからよ。」


そして今に至る。

「シスイお前最後にエンジンオイル入れ替えたの何時だ?あと、ブレーキフルードも。もしかしてクラッチ板も擦り減ってんじゃねーか?」
「点火プラグもかなり劣化してんなコレ。チェーンは…うわ、ユルユルでサビ入ってんじゃん。よく外れなかったな―これ。」
「タイヤもスプロケットもブレーキゴムももう限界じゃねーか、これでよく走ってたなー。」

ダメ出しのオンパレード。専門用語ばかりで、シスイには2人に怒られているという事以外はちんぷんかんぷんである。

「だ…だって日常の足程度にしか…」
「アホウ!バイクは普通手入れをするもんだ!スクーター以外は大体な!洗車くらいはしてるみたいだけどこのまま走ってたら事故に繋がる所だぞ!」
「うーん、これ全部キチッと手を入れればレスポンスは段違いに変わるだろうなぁ。少なくとも朝のような結果にゃならねぇ。」
「本当っすか先輩!」
「おう、だからお前簡単な整備くらいできるように勉強してけ。工場長、どのくらいかかると思います?」
「人集めて全員でかかりゃ今日中には終わるさ。改造なんてしなくても、部品取替えと調整だけでコイツのフルスペック叩き出してやらぁ。」
「そういうことだシスイ、全部学んでけ。」
「せ…先輩、俺明日テストなんすけど…」
「交通事故に繋がるバイク整備とたかが小テストどっちが大事だ?」
「俺にとっちゃテストのほうが」
「えーいうるさい、必要経費のみにしてやるんだから文句言うな!」
「横暴だー!」



その日、工場の電気が消えることはなかった。
新品近くまでピカピカにされ、細かいセッティングを施されたシスイのバイクが、再びアッシュと相対するのはまた別の話。

 

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最終更新:2012年11月23日 15:09