某日、3年の教室での出来事。
「せんぱ~い…あら? いない?」
「あっ、想ちゃん!」
いつもの様に阿久根 実良の元へ立ち寄った想。
だがそこにいたのは敬愛する先輩ではなく、隣のクラスの友人、トキコだった。
「貴方は確か…朱の破壊者さん! せんぱいはどこですか?」
「…想ちゃん。最初から私の事、そう呼んでたっけ?」
「あら、そうですよ?」
「ふぅん…まあいいや」
「それより、せんぱいは?」
「ああ、ウララ先生の手伝いに行ったよー」
「そうですか……」
とそこで。
「……ところで、朱の破壊者さん」
「んー?」
「貴方は今、何をしてるのですか?」
「先輩のお弁当からご飯もらってるんだー。先輩の美味しいし」
「…………」
「想ちゃん?」
「やめて下さいな」
「え?」
「せんぱいの供物を奪うのをやめなさい。直ちに」
「ッ!?」
突然、友人が出した気迫と凄みについ、怯んでしまうトキコ。
笑っているが、どう見ても顔だけだ。
しかも心なしか、目に殺意が籠っている。
「貴方みたいな迷惑者がせんぱいの供物を奪うなんて正直虫酸が走るんですよあの人が力を取り戻したら貴方なんて一瞬でこの世界から消え去っちゃいますからせんぱいはとても凄い人なんです冥闇の使徒の異名を持つ方なんですもの貴方の様な破壊しか脳がない小娘なんか足元にすら及びませんわでもせんぱいの手を煩わせる訳にはいきませんから私が直々に貴方をこ――」
「王女、来てたのか」
「! 阿久根せんぱーい!」
「ちょ、待て! 抱き着くな!!」
「あら、ごめんなさい」
「全く……ぬ!? 破壊者貴様、また俺の供物を!」
「ま…まだ卵焼きと、唐揚げ1個ずつしか食べてませんよー」
「そういう問題じゃない! 何度も勝手に盗み食いするなと…」
「じゃあこの辺で~」
「ってああこら、待て!」
「……」
『私が直々に貴方を』
――殺す。
「まさかとは思うけど…そう、言いかけたよね? 想ちゃん…」
予兆・怠惰の熊
「…しかし」
「はい?」
(破壊者の奴…何か少し、様子がおかしかったような…)
最終更新:2012年12月17日 17:01