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六つ花の夢

しらない、ところにいた。
大きなたてもの、しろいふくの人、みあげても先の見えない“てつじょうもう”。
そこに、「わたし」はいた。
たくさんの友達たちと、いた。


「わたし」には、誰にもないしょのひみつがある。
お休みの時間に、こっそりと部屋を出て、一人で行ってはいけないと言われてるお外にでる。
いつもの場所にいる、まぶしいまぶしいおねえちゃん。

「きつねのお姉ちゃん!また来てくれたの?」
「もちろん。妾は---の友達じゃからの?」
「わぁい!!ありがとう、お姉ちゃん!!」

“てつじょうもう”の、むこうと、こっち。
小さなすきまから、お姉ちゃんが「こんぺいと」をくれる。
お外の世界の食べ物は、本当はもらっちゃいけない。だから、お姉ちゃんと「わたし」だけのひみつ。

「お姉ちゃんお姉ちゃん!!お外の世界のお話、して!!」
「ああ。今日は何の話をしようか」

お姉ちゃんのお話は、何でもおもしろい。とても、楽しい。
お外の世界のお話も、本当はあまり聞いちゃいけない。これも、二人だけのひみつ。

「……---」
「?どうしたの、お姉ちゃん?」
「…お主は、外へ出たいと、思わぬか?」
「うーん…お外の世界は見てみたいよ。でも、まだダメ」
「まだ?」
「まだ、『テスト』を受けてないもの。テストにごーかくすれば、一人前ってみとめられて、お外の世界にいけるようになるんだよ。
ゆーくんも、あーちゃんも、テストにごーかくしたからお外の世界に行っちゃったんだって」
「………」
「だからね、お姉ちゃん!わたしも、がんばってテスト受けるから!絶対にごーかくして、お外の世界に行くから!だから、」


そのときは―――








ぴぴぴぴぴぴぴ… ぴぴぴぴぴぴ…

「……………」

目が、覚めた。
アオの横で『めざましどけい』がなってる。
これ、花丸からもらった。起きる時間、教えてくれるんだって。

「………えい」

教えてもらった場所をぺしってたたくと、『めざましどけい』はならなくなった。
…今日は、何のお勉強、するんだろう。
たくさん、お勉強、しないとね。

「…………」

…不思議な、ゆめ。
アオの知らない人たちの、ゆめ。
どうして、見たんだろう。

アオには、わからないや。


六つ花の夢


(まぶしいきつねのおねえちゃん)
(あなたは、だぁれ?)

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最終更新:2012年12月28日 15:16