「
コオリ、コオリ」
「どうしたの、こんぺいとうのおねえちゃん」
「ひなまつり、知ってる?」
「うん。おんなのこのおまつり、なのよ」
「うん。アオね、さっき、これもらったの」
「おひなさま?」
「うん、卵のからで作ったんだって。作り方も教えてもらったの。コオリもいっしょに作る?」
「うん。おだいりさまとおひなさま、つくるのよ」
「おねえちゃん。なにがあればいいの?」
「えっと。卵のからと、おりがみと、黒いペンと、のり」
「どうやってつくるの?」
「卵の中身、出さないといけないんだって。こう、針で小さい穴をあけ」
ぐしゃ
「「あ」」
「「…………」」
「しっぱいしちゃったのよ」
「ぎゅってしちゃったのね。もう一度」
ぷすっ ぷすっ
「こんどは、ぐしゃってならなかったのよ」
「成功したね。中身を出したら、水であらって、かわかすの」
じゃー… ばしゃばしゃばしゃ
「どのくらいかわかすの?」
「たくさん。たくさんかわかすとね、かわくの。これ、かわいたもの」
「ほんとう、かわいてるの。このあと、どうするの?」
「顔を、かくの。はい、コオリのペン」
「ありがとう、おねえちゃん」
きゅっきゅっきゅ…
「かけたの」
「かけたの」
「つぎは、どうするの?」
「おりがみと、のりで、ふくをつくるの」
「このままだと、はだかだものね」
「うん。こうやって、ずらして、のりではって、丸めるの」
ぺた… ぺた…
「…できたの」
「できたの」
「かわいいね」
「うん、かわいい」
「かざっておこう」
「きょう、ひなまつりだものね」
「…あ」
「どうしたの、おねえちゃん?」
「おだいりさま、作らないとね」
「そうね。ふたりいっしょが、いいもの」
白い二人とひなまつり
(その日)
(卵の殻で作られた少しいびつな雛人形が)
(グループ内にちょこんと飾られていたとか)
最終更新:2013年03月05日 20:10