――世界は相変わらず、無意味に満ちているらしい。
自分、
壬道 外芽はこの廃都市の様な場所(他の人間はストラウル跡地と言っている)で、夜のいかせのごれを眺めていた。
崩壊から何も変わらず、それ以上の退化も修復もないこの態は、自分と同じ、”神に見捨てられた”のと同じ。
ふと耳に足音が入り、後ろを振り返ってみると――。
「やっほー」
「………貴方は」
いつか、赤と青の目をした姉妹の元に、共に訪れたあの男。
確か名は……。
「覚えてーるかなー? 赤銅 理人だよー」
「……はい。その奇天烈な話し方、今でも頭に残る」
「奇天烈? そうかねー?」
「…自覚、無い?」
「まあ」
「そう…まあ、どっちでもいいです」
再びいかせのごれを眺める。
すると理人が隣に来た。
「面白いーかい?」
「別に」
「じゃあ何でそーしてるんだ?」
「…別に何をしようが、自分の行動は全て無意味です」
「ふーん。どうして?」
「………」
どうしても何も、無意味なものは無意味。
それ以外に何もなく、価値すらだって無い。
それは他の人間にも言える。
現に『自分』がこうなのだから。
ところで話は変わるが、いつも思うのだが。
「ん?」
「似ている」
「似ているーって、何がかな?」
「…あの、『灰に濁ったような町』と。ここが」
「そこって、キミの故郷?」
「故郷………半分、違う」
「違う?」
あそこは――。
『もう”赦”して!!!』
「おーい?」
「! …何でもない」
「急に静かーになったから、どーしたのかと思ったよ」
「…………」
「ま、この辺でおさらばするよ。じゃあ」
…同行していた自分が言うのもなんだけど、嵐みたいな男だ。
一体、どのような意思があるんだろう。
結局無意味だけど。
…何で他人(ひと)は正義だの悪だのに拘るんだろう。
「どうせ消えて、別の存在になるのに」
友情も家族も思想も意志も情も全て、全て、いずれは消える。
いずれは変わる。
ならそれらは無意味で無価値だ。
そう、『愛』だって。
孤独な『 』
(赦される訳がない)
(神の世界から外れている自分、見捨てられている自分)
(『つくられた』、自分)
最終更新:2013年04月06日 16:19