出雲寺組付近、ある建物の屋上。
黒ずくめの服を身に包み、バンドで交差状に組んだ腕を巻いた少女の姿があった。
緑色の爬虫類の様な目は輝いており、惨状に近い景色を見下ろしている。
「むふふふふーふ…♪」
「――何々してるのかな?」
「んー? あー『ヘルツ』ーか」
背後から奇妙な口調の声。
ヘルツ、と呼ばれたその声の主も、少女と似たような、黒ずくめの格好だった。
「いやーね。”邪駒”に良さそーな、人間…見つけちゃーった♪」
「ほうほうどれどれ…? おー! いいねえいいねえあの女の子! 弱肉強食、正義感=ゴミ、冷酷等々……実に実に…素晴らしい『人間の闇』だなあ!!!」
まるで、舌なめずりするかのような表情を浮かべるヘルツ。
少女も一層、目を輝かせている。
「でーしょ。どうしようかなーって、考えてーた」
「うーん、そうだなあ……邪駒にしちゃってもいいと思うけど、余計なオマケ役者つくかもしんないしなあ」
「あー………んだよ正義正義とか綺麗事ほざくなクソガキ集団」
「あははっ、相変わらず毒舌は早口だねえ」
「そーう? まあどうでもいーよ」
「とりあえずもう少し様子見しよっか」
「だーね。あーつまんないーの」
「邪駒にしただけでアイツらにバレたら、元も子も無いし。焦らない焦らない」
「むーう」
演目準備
「……殺しにいくまで精々、のんびり茶ァすすってろ」
「――守人共」
最終更新:2013年05月14日 10:50