この世界は不思議だ。たくさんの不思議で溢れかえっている。
時間はあっという間に過ぎていく。歩みは、駆け足に変わる。
たくさんの命が存在している。私の知らない、遠く、遠くにも。
そして、何度も繰り返される争い。馬鹿馬鹿しい争い。
どれだけの血を見てきただろう。どれだけの血が、この場所に流れたのだろう。
君は今私を見てくれているだろうか。私の声を聞いてくれているだろうか。
私のことを、忘れてはいないだろうか。思い出してくれているだろうか。
…「記憶」とは非常に奇妙なもので。覚えているものより忘れていくものの方が多い。
記憶は多すぎてもいけないし、少なすぎてもいけない。
多すぎればその重さに自分がつぶれてしまうし、少なすぎれば空しさによって壊れてしまう。
そして、嫌な記憶ほど心に根強く残りやすい。…いや、これは、私が勝手にそう思っているだけか。
その嫌な記憶を思い出す度に、胸が締め付けられる。
苦しくて、苦しくて、たまらなくなる。あぁ、こんなことならば。
こんな思いをするならば、いっそ、死んでしまえば。そんなことまで思うようになる。
「記憶」とは本当に不思議だ。
自分から望んで消すことは出来ないのに、必要なときに限って消えているのだから。
星が見える。
どんなに辛いことがあろうとも、人々は手を取り合い、支え合いながら生き続けてきた。
希望を今日に、明日に、――紡ぎ続けている。歩き続けている。
命ある人々は、今日も生き続けている。いくつもの季節を越えて。
私は忘れない。忘れてはならない。彼女のことを。彼女達のことを。
この地で起こる、全てのことを。どんなことがあろうとも、それでも、生きていく。
生きていかなくてはならない。
私はいつまでも、見守り続けたい。
――あぁ、どうか。
どうか、あなたにも、心から会えてよかったと思えるものが存在しますように――。
どうか…、幸せでありますように――。
とあるモノの独白
最終更新:2013年07月13日 23:10