「……さっきからなんか男子の方がうるさくないか?」
「勇者がどうのこうのって聞こえたけど……」
「ゆーしゃって、何それ? いい歳して厨二発症?」
「単にいつもと違う状況だからテンション上がっただけでしょ。全く子供なんだから」
「子供、ってネイロ……同世代だろ、アタシら」
「精神年齢の話よ。少なくとも、こんな夜中に馬鹿騒ぎしないくらいには大人よ、私」
「ネーちゃんが言うと、なんか重みあるね」
「そういうトキコは半分くらい子供だろ、中身」
「中身が男の子の鳥さんに言われたくありませんよー、だ」
「む、うっ、ひ、否定できない……」
「鳥さん、そこは否定しようよ!?」
「あーあーあー、痴話ゲンカはその辺にしとけ、二人とも。それに瑠璃も大声出すな」
「ご、ごめんなさい、蛍さん」
「そういえば鳥さん、昼前からるりりー変じゃなかった? 何かやたらテンションの浮き沈みが激しいってゆーか」
「るりりーってお前ね……けど確かにおかしかったよな、どうしたんだ?」
「その、本、今日全然読んでないから、落ち着かなくて」
「……禁断症状?」
「あの、それってもう中毒ってゆわない?」
「手段が目的、の典型ね。本好きもいいけど、少しは他の楽しみも見つけたらどうかしら」
「他の……あ、お掃除かな」
「あー、瑠璃ちゃん綺麗好きだもんねー」
「うん。机の周りとか、椅子の下とか、ホコリが落ちてないかいつも気にしてるから」
「いつも?」
「そう、いつも。ちょっとでも落ちてたら徹底的に掃除しないと気が済まなくて」
「……なぁ、それは潔癖症って言うんじゃないのか?」
「同意見だ、ユウイ。というか瑠璃、お前極端すぎ」
「えー……?」
「えー、じゃなくて。もっとおおらかに生きろよ」
「まーまーホタルさん、その辺にしよ。別に神経質だからって死ぬわけじゃないんだから」
「そういうコトじゃなくてだな……ま、いいか。せっかくの修学旅行なんだ」
「同感、同感。……ところで鳥さん、最近何かあった?」
「へ?」
「や、いきなり物腰が不自然になった時あったじゃない? 元に戻ってから前より変わったみたいな気がするんだけど……」
「そ、そうか? 僕は別に……」
「? そう?」
(と、鳥さん、コロネちゃんまさか気づいてる?)
(いや、多分無自覚に「感じ取った」だけだ。下手に反応するより流した方がいい)
(う、うぃーす)
「話は変わるけどさー、スザクってなんか妙に旅慣れてるよね」
「あ、それ私も思った。昼間の寺社巡りも勝手知ったる、って感じだったし」
「……そりゃ、一度来たからな」
「???」
「あ、そっか。鳥さん一回留年してるんだっけ」
「あー、そうだったそうだった。出席日数が足りなくて単位落としたんだよね、確か」
「う、うるさい! ほっといてくれよ、気にしてるんだから」
「なるほど。つまり、修学旅行も二度目と」
「でもさー、普通二回も行けるんだっけ? 修学旅行」
「トキコ」
「? 何、ネーちゃん?」
「それは、深く考えてはいけない問題……だそうよ」
「??? ネーちゃん、誰かから聞いたの?」
「さぁ?(くすり」
「?????」
「それよりさー、修学旅行で女子の集まりって言ったらあれでしょ? 恋バナ♪」
「……その話は嫌だなー、僕」
「鳥さん、去年何かあったんだっけ?」
「あー、一回目の修学旅行でな。正人のコトあれこれ言われてキレちゃって……」
「あ、それ知ってる。確か『白い悪魔事件』だっけ? 就寝直前に女子で大ゲンカが起きて、8人くらい怪我したって」
「白? スザクって言ったら赤だろ?」
「あれ、ホタルさん知らないんだっけ? 鳥さんの髪って前は白かったんだよ」
「そうなのか?」
「うん、こっちが元の色。前のは……ま、ちょっとワケありでな」
「ふーん……」
「話戻していい、そろそろ?」
「いいけど、この面子だとまともにその手の話が出来そうなのはユウイくらいよ」
「それに、『誰が好き?』って聞いても、もう答え決まってるしねー」
「ば、違うって! リオトは幼馴染で、確かに信頼出来る奴だけど……!」
「あれー? 私、リオ君だって一言も言ってないんですけどー?(によによ」
「!!! こ、この……///」
「そういうお前達はどうなんだよ、二人とも」
「「へ?」」
「知らぬは本人ばかりなり、ね」
「あ、あのね……二人とも今、学校じゃ割と有名なんだよ? いかせのごれ高初の百合ップルだって」
「「…………………………………………」」
「……な、何か返事したら? 真顔で黙られると怖いよ」
「返事って言われても……」
「……一体僕らにどう返せと」
「怖い、怖いから真顔で言うな! ていうか否定しないってコトは事実か?」
「……そこは、まあ」
「認めるしかないよね、うん」
「事実なのか……」
「噂の内容は何なの? 私達知らないよ」
「う、うん、それはね……(かくかくしかじか」
「(まるまるうまうま)ち、違ーう!? 別に略奪愛とかじゃないしー!?」
「ていうか決闘ってナニ!? しかも何でアオイが出て来るんだ!?」
「(しーっ!)静かにしなさい、先生来るわよ」
「「(ぱっと口塞ぎっ)」」
「……やっぱ尾鰭がついてたか。予想はしてたケドも」
「前後の事情が一切わからないまま、第三者から見ればいきなり成立してたカップルだもの。憶測・妄想は当然の帰結よ」
「だからって説明する気にはなれない……」
「そ、そーそー、乙女には秘密があるものだし」
「わからなくはないけどー……スザクが乙女ぇ~?」
「絶対違う、それは絶対に違うと思うよ、アタシ」
「僕だって乙女なんてガラじゃないよ」
「うん、むしろ漢女……」
「そこ、何か言ったか?」
「いいえ、なにもいっておりません(カクカク」
「何でロボットみたいに……」
ガラッ
「……ちゃんと寝てるな。気のせいか」
パタン
『…………』
(……そろそろ行ったかなー?)
(そのようね。気配が消えたわ)
(い、いきなり来るなよ……心臓に悪いよ)
(み、見回りがあるのは予想済みだったはずだけど)
(それよりさ、今男子の方から「こんなもの読んで……」って聞こえたけど)
(誰かエロ本でも持ち込んだか? まったく男ってのは)
(ちょ、ちょっとー、誰か助けてー(ぱたぱた)
(Zzzzz……(ぎゅー)
(あれ? 何でトキコがスザクと一緒に寝てるの?)
(知らないよー、さっき潜り込んだ時に鳥さんがついて来てー。わー、寝相悪い―!?)
「……い、い、いったいこれはどういう状況なんだ……?」←半裸
「と、鳥さん寝相悪すぎ……何でそんなになるまで……」←目の下にクマ
「ていうか鳥さん……そこ、トキコちゃんの布団だよ?」
「え?」
<-しばらくお待ちください->
「…………」
「え、と、その……」
「……ああ鳥さんは今日もドジだった~♪」
「なんだその歌はーッ!? ていうか誰がドジだー!?」
「『長崎は今日も雨だった』が正解ね。それにしてもよくメロディまで知ってるわね」
「冷静にツッコんでる場合かネイローッ!!」
「そういう場合よ。他にどうしようもないもの」←即答
「……も、もういい……」←半裸でがくー
ガールズでトーキングin旅先~企画女子修学旅行~
最終更新:2013年06月25日 00:17