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「死なない男の死にそうな日々 失敗作のワルツ 前編」

数年前
――――――???????????―――――――

「脱走者だ!!追え!!」
「ック!ハァ、ハァ...」
赤いライトが照らす長い廊下を少女の手を引き走る少年の背後から男の叫び声が
響く

「まて、No2-A!!被検体No00‐Aを開放し、速やかに投降しろ!!」
マシンガンを構えた男が叫びながら追いかける、
しかし少年は振り向きもせず少女の手を引き走り続ける
「止まるんだ!!」
叫び声と同時に発砲音が響く
「?!ッ危ない!!」
突然の発砲から少女を守るために少女を抱き込むような形にして背後から放たれた銃弾から少女をかばう

命中、
「あっ…」
「……大ッ丈夫か?」
しかし、少年は少女に笑顔を向ける、
「う、うん...でも、あなたが...」
「大丈夫、簡単には死なないんだ、」
背中から流れる血もすでに止まっていた、
少年はそのまま少女を抱きかかえて走り出す。
「まてッ!!!」
「いいじゃないですか、あの二人を逃しましょう…」
「Dr(ドクター)...」
そこに現れたのは背の高い白衣のDrと呼ばれる科学者であった
「しかし、Dr!これで8人目ですよ?」
「クックク...良いんですよぉ、それだけ元気ならばいずれ会えましょう、そ・れ・に」
体を大きくのけぞらせ不気味な笑顔を浮かべ、
「私の言う事を聞かないような子はいりませぇん...私の計画の邪魔になってしまいますからねぇ...」
そういって踵を返し長く薄暗い廊下を歩きながら男を横目に見ながら
「あぁ、警報、切っといてくださいねぇ...五月蝿いですから...」
「は、はぁ...」
「あ、それと、彼らの担当者は誰ですかな?」
「は、研究№2210です」
「そのものを私の部屋によんどいてください」
罰を...とつぶやくとそのまま歩いていった
「うっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃはーひゃーひゃーひゃーっ!!」
狂気じみた笑い声が廊下に響き渡っていた


―――――――現代――――――――――
コウジの部屋

「コウジー、私の下着知らない?」
「知るかよ」
あきれた顔で武器の手入れをしながら答えるコウジ
同じ部屋で寝泊りをしているジミーとコウジはこのような会話を年中行っていた
「なによう、私の魅惑のボディにめろめろの癖にー」
「魅惑(笑)」
「何ですって?!」
そんな会話をしているとコウジの携帯電話が鳴り響いた
「ん?誰だろ?」
表示画面には「トリスタルトラム」と表示されていた
「あ、トラムさんからだ」
トラムとは、過去のコウジとジミーの恩人であり、現在はひっそりと喫茶店でマスターをしている
紳士な男性であった
「もしもし?」
『よぉ、久しぶりだな、元気か?』
「どうもっす、トラムさん、珍しいですね、電話嫌いのトラムさんが電話かけてくるなんて」
『いやぁ、ちょっとね電話させてもらった』
「そうなんですか...それで?何のようですか?』
『とりあえず、店に来てくれ、ジルちゃんもつれて』
「ジミーを?...わかりました」
「じゃぁ、またあとで」
電話の電源を切ると振り返り
「ジミー、トラムさんがお店に来てくれって…」
振り返った先には真っ裸のジミーが立っていた
「まだ服きてねぇのかよ...風邪引くぞ」
「パンツがないのよー」
「ハァ、洗濯機の裏は探したか?」
「あぁ、そこか」
洗面所に裸で向かっていくジミーを呆れ顔で見送り出かける準備を進めるのであった
「まったく...」
ため息をつきつつばらばらの拳銃を急いで直すコウジであった

―――――喫茶『jackpot』
喫茶店には似つかない名前の看板を見上げる
「久しぶりに来たなー、3ヶ月ぶり?」
「そんなもんだと思うね」
のんびり眺めていると、とても渋い声が頭に響いてきた
『やぁ、お二人さん...久しぶりだね?』
周りを見渡しても誰もいなくいるのは一匹の犬であった
「おぉ、バウか、でかくなったな」
「久しぶりー」
バウと呼ばれた犬は、伏せの体制をとり尻尾を軽く振ると
『トラムは中にいるよ、そろそろ食事の時間だと伝えてくれるとありがたい』
この犬は念波を飛ばし人間と会話をすることが可能な犬であり、
ほかの犬とは比べ物にならないほどの身体能力を有している
「おっけー...」
『私はさばの味噌煮を所望する』
「多分駄目だと思うけど…」
そんな会話をしながら扉を開くと中から落ち着いた声が聞こえてきた
「いらっしゃい、ゆっくりしていって...やっときたか、」
「こんちわッす、お待たせしました」
「久しぶりートラムさん」
「久しぶりだねジルちゃん、いやぁ、こっちもゆっくりしてたからぜんぜん問題ないよ」
中にいたのはすらっとした紳士的なトラムと呼ばれた男性であった
この男は、コウジの古い知り合いであり恩人である男であった
「まぁ座って座って」
トラムはカウンター席に座る2人にコーヒーを差し出す
「あれ?いいんですか?」
「いいよいいよ、急に呼び出したお詫びだよ...砂糖は2つでよかった?」
「えぇ大丈夫です」
「ありがとトラムさん」
店内には落ち着いたBGMが流れ、二人はその中で静かに珈琲を飲んでいたがコウジが
「ふぅ...で、用事ってなんですか?」
珈琲を置き、たずねる
「うん、二つあるんだけど...ひとつは、ジルちゃん、」
「なに?」
「お留守番…というより今日これから出かけるからバウと一緒にいてくれないかい?」
「いいけど、どこ行くの?」
「それが二つ目、コウジ、俺と一緒に『嘆きの町』に来てくれないか?」
「『嘆きの町』?それって何ですか?」
聞きなれない単語を聞き返す
「神宮寺に頼まれたんだよ...こっから東に行くとゴーストタウンがあるんだがな?
そこにもしかしたらなんかいるかもしれないんだと...」
神宮寺とは、トラムの友人であり、アースセイバーの指揮官的存在である
「何かってなんですか」
「それを調べてこいって話なんだ、なぁ~頼むよぉ『ベル』とも連絡取れないし、頼れるのお前だけなんだよ」
「『ベル』さんに頼る気なのが駄目なんですよ、彼女自由奔放ですしそのくせ生真面目ですから」
ガジガジと頭をかくと大きなため息をつき
「はぁ~...わかりましたいきますよ、
でも簡単な調査だろうから装備は軽装でいきますよ?戦闘めんどくさいし」
現在、コウジの持ち物はサバイバルナイフ2本、拳銃一丁、予備の弾奏3本という本当に軽いものであった
「私は?ここでお留守番?」
「そうなんだが、いいか?」
ジミーの問いに申し訳なさそうに答えるトラム
「別にいいよ?お店はもう閉めるんだろうから私が掃除とかもやっとくよ」
「それは助かるよ、お、じゃぁそんなジルちゃんにはこのチョッパチャップス(メロン味)をあげよう」
そういってポケットから棒つきの飴を取り出しジミーに手渡した
「ありがと、帰ってきたらオムレツの作り方教えてね」
「お安い御用さ...さて、コウジは準備はいいのか?」
コウジに振り向きたずねる
「えぇ、まぁ特にこれといったものもありませんねこっちの準備はできてるんで先にどうぞ」
「わかった」
そういってカウンターを出ると近くの洋服掛けにかかっていた上着をとり、腰にナイフが4本刺さったベルトをつけ扉の前に立つ
「よしいくか」
「いきましょう、」
そういって扉を開け目的地へと向かうのであった
―――――道中――――――
「そーいや、何で俺なんですか?」
唐突に切り出すコウジ
「何が?」
「仕事の手伝いっすよ、別に俺じゃなくても錬さんとかキョウアとかに頼めなかったんすか?」
「ん、まぁお前にはいっといたほうがいいかも知れんな...今回のこの件、もしかしたら『ラボ』が関係しているのかもしれないんだ」
「・・・・・『ラボ』が?」
その言葉に反応をするコウジ
「まぁ、確証はないんだがな?その可能性が高いってことなんだ」
「なぜそう思うんです?」
「この前、お前らでかい兵器破壊してたろ?」
「あぁ、でかラッパですか?」
ほんとの名はヴァサアエングルだが見た目からコウジはでかラッパとよんでいた
「そうそれ、それを調べたところ何でもホウオウグループの今まで使っていた兵器とは構造がまるっきり違ったらしいんだ」
ポケットから飴を取り出しそれを口に放りながら続ける
「んで、お前は元ホウオウだったろ?でもお前はホウオウの戦闘員でありながらホウオウを裏切った」
「んまぁ、気に食わなかったんで」
「フツー、アレの元にいるやつは裏切るなんてぜんぜん考えねぇだろ?あいつの理念を理解してんだから、」
「それと何の関係が?」
「簡単に言うと、神宮寺はなんらかの組織が兵隊をホウオウに援助してる可能性がありお前はその集団の人間だったんじゃないかと
言われてんだ」
「んー...じゃぁ逆になぜ俺本人に聞いてこないんでしょうか?」
「そりゃ俺が止めてるからさ」
カカカ、と笑うトラムは続ける
「今回はその関係性とお前の身の潔白の証明のためでもあるんだよ、残念ながら」
「そうっすか...」
「まぁその辺はおいおいってことで...ほれ、ついたぞ、ここが『嘆きの町』だ、調査だからって油断するなよ?」
「...『ラボ』の存在が上げられてるせいで俺も人事じゃないんでまじめにやらせてもらいますよ」
腰の拳銃にそっと手を乗せて警戒態勢をとるコウジ
(あの男が人と『協力』?いや、多分『利用』だな...
どっちも利用し利用しつつの関係って所か?...くっそ、あの男は目的がさっぱり過ぎる)
そんな事を考えつつトラムの後ろをついてゆくコウジであった

―――嘆きの町―――
「ここが...」
「そう、嘆きの町だな」
廃墟となったビルが点々と並ぶ何処と無く暗い感じのする町であった
「なんでも数年前、大量の行方不明者が出て、その後色々な所で死体が発見されてその後も
突然死する人が出たり者が急に壊れたり、知らない建物がいつの間にかできてたりとでいろんな奇妙な現象が起きた町なんだと」
「何ですかそのオカルトチックな話...」
「尾ひれはついてるだろうがな、行方不明者したい云々の話は本当らしいぞ」
「捜査はされなかったんですかねぇ…」
「それを今回するんだろうが」
ポケットから赤い飴を取り出し口に放りながらいう
「すきっすよね、飴」
「お前もほしいのか?」
「いや、いらねぇっす」
町の一本道を歩きながら会話をしていると分かれ道が現れた
「分かれ道か...」
口の中の飴を噛み砕きながら苦い顔をする
「効率はいいが...危険性がなぁ」
「まぁ危なかったら逃げますよ」
少し悩んだ顔をしたがトラムは
「わかった、気をつけろよ」
「了解」
そういって、トラムは右、コウジは左へ向かっていった...

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最終更新:2013年07月03日 16:10