「はい! ロッギーのお面なのサ!」
『わあ~凄い! 僕そっくりだね!』
小さなビルの一室、始末人の尓胡がアーサーの相手をしていた。
因みに何故アーサーがここにいるのかというと。
「会ったのはいつ以来だっけ?」
『確か、1ヶ月ぐらい前に、少し話したぐらいだったかな?』
「もうそんなに過ぎてたのか」
驚いたように言ったのは、始末人のリーダー、コハク。
そしてアーサーに質問をしたのは、尓胡と同じ始末人メンバーの
シザキ。
アーサー、もとい情報屋と彼らは、仕事の関係上で知り合った仲なのだ。
「それにしても、災難だったねえ」
『全くだよ』
「少年を連れ去ったその男……どうにもきな臭さが否めないな」
「きな臭さも何も、拳銃持ってる時点で普通じゃないよ」
「……それもそうだ」
「あたしゃー、真っ赤な嘘をつく奴は大嫌いだけど、人の幸せぶっ壊す奴も大嫌いサ」
怒りを含ませた声で言い放つ尓胡。
「おやおや、お怒りのようだね」
「当たり前サ!」
『………』
「どうした、アーサー…いや、ロッギー」
尓胡を訝しく見つめるアーサーを、不思議に感じたコハク。
すると次の瞬間、三人と彼女の間で、空気が凍りついた。
『尓胡は、どうして僕と話す時は、作り笑いしてるんだい?』
「………」
「………」
「………」
まさか、自分達以外で見破られるとは思っていなかったのか、彼らの顔には驚きの色が差している。
気まずい空気に耐え兼ねたのか、ロッギーは。
『あ…………ご、ごめんよ……その、つい……』
「いいサ。バレてビックリしただけサ。……あたしゃーはこうでもしないと、二人以外の人間には、敵意しか向けられないのサ……」
『……人間不信?』
「まあ、そんなもんサ。何年経っても、どんな人間でも敵に見えてしまうのサ……」
『………』
始末人との会話
「……ま、まあとりあえず! そろそろ資料庫に行くべきじゃないかい?」
『あ、そ、そうだね!』
「じゃあ一応、私も一緒に行くよ。特殊能力を持たない、小さい女の子一人じゃあ危ないし」
『ありがとうシザキ! 助かるよ』
「………尓胡」
「ん?」
「無理に変わろうとするな。今は……自分の信じたいものだけ、信じろ」
「……ありがとうサ」
最終更新:2013年07月30日 22:43