【悪戯ナイトゲーム】
―第12話、性質の悪い話―
同時に余りにも不可解で謎の多い少年である
静葉の親友であり『シリウス』の最初期メンバーでもあり、古参メンバーでもある。
また、他人と積極的に接点を持とうとする(そして時には悪戯を)ような好印象の遊び好きの少年であることは間違いない。
だが『それ以上のこと』が全くの不明なのだ。
まず静葉でさえ亮の住んでいる場所は知らず(成見の家の近くとは言っているが)、学校に行っている様子もなく朝早くから集会場(要は巴邸)に来ては遅くまでだらだらと居座っている。
集会場には部屋がたくさんあるので泊まっていくことさえ、珍しくない。
と、思えば突然ふらりと居なくなっては数日間集会場に来なくなり、それどころか全く姿を見なくなったと思えばいつの間にか戻って来ている。
本人に聞いてもニヤニヤするか嘘くさい話ではぐらかすかのどちらかで、まともに話を聞けたことは静葉ですら無かった
以前ダニエルや静葉、影士がこっそり尾行しようとしたこともあるが『かくれんぼ』で姿をくらまし、撒かれたこともある。
優人や
アリスが学校で姿を探したり、先生や生徒に尋ねたりしているがいずれもそれらしい人物には行きつかなかった。
故に、亮の私生活を知る人間は誰一人としていないのだ。
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「まぁ、詮索されるのは好きじゃないし♪」
携帯電話を閉じ、寝転がっていた亮は立ち上がり埃をはたく。
時刻は23:00、少年が出歩く時間帯では無い。
亮が寝転がっていたのは廃ビルの屋上で、おそらく『かくれんぼ』で忍び込んだのであろう。
「さて、今日は楽しい事があるかな?」
そんな言葉と共に、亮は廃ビルを出る。
『かくれんぼ』を発動して姿を消しながら亮が練り歩くのはアーケード街で、まだ人通りは多く周囲はライトアップで明るい。
「いいね♪この空元気みたいな電飾がおかしくてたまらないねぇ~
…っと、あれあれ?」
ニヤニヤ笑いながら歩いていた亮の目に入ったのは、明らかに不良っぽい少年数人に囲まれた気の弱そうな青年だった。
金がどうのこうのというセリフげ聞こえてくるあたり、カツアゲだろう。
聞こえているはずにもかかわらず、周囲の人々は我関せずといった態度で無視している。
「ん~面白そうなオモチャ発見。」
ニヤニヤ笑いながら亮はリーダーらしき金髪の少年につかつかと歩み寄ると、
「そおぃ!」
その股間を思いっきり蹴とばした。
ぐえっ、という情けない悲鳴を上げながら少年はうずくまる。
「な…だれだ!どこにいやがる!?」
「はいは~い!みなさんこんにちは~
あれ?もう今はこんばんは、だったっけ?まあいいけど。」
怒鳴り散らす少年たちの目の前に『かくれんぼ』を解除した亮が姿を現す。
「イケないですねぇ~君たちみたいなゴミクズは狩る側じゃなくて狩られる側でしょ?
ちゃんと身の程はわきまえて欲しいんだけど?」
「ってめえ!!」
「ほいっと。」
少年たちは激昂しながら殴り掛かってきたが、亮は姿を消すとその拳を避け、先頭の少年の鳩尾に拳を入れる。
そのまま集団の背後に移動すると再び『かくれんぼ』を解除した。
「ひ…おまえ、どこから湧きやがった!?」
「さぁね~オバケかもよ?」
ニヤリと笑いながら殺し文句のように言うと、少年たちは悲鳴を上げながら逃げて行った。
周囲の人々は『?』な顔でそれを見ていたのだが、その理由は亮が少年たちだけに対して『かくれんぼ』を解除していたからに過ぎない。
「さて、ねぇねぇ~そこのお兄さん。」
「は、はいっ!?」
「もし僕の事、誰かに言ったらきっと不幸になるよ?」
ずいっ、青年に顔を近づけ囁くように言うと『かくれんぼ』を発動しながら、その場を離れる。
後にはポカンとした表情の青年だけが残された。
「あ~あ、なんかあっさり終わってつまんなかったなぁ~
仕方ないけど、明日静葉が早く来いっていってたし、もう帰ろ。」
勝手なことを呟きながら、亮は欠伸を一つすると、裏路地へと消えて行った。
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―数日後―
「なぁ亮よ?」
「何、静葉?」
「この新聞記事の『怪異!消える少年の亡霊!』って…お前か?」
「ん~?まっさかぁ~僕は亡霊じゃないよ~」
「…そうか、余計なことをしてたらしばき倒してやろうかと思ったのだが、それならいいんだ」
「ん~?そう?あ、ちょっとコンビニに行くね。」
「ん?ああ、わかった。」
「…もしもし、しゃべるなって言ったでしょ~?
ああ、あの不良君たちにキミの住所教えといたから…あれ?もう来ちゃったんだ?」
<To be continued>
最終更新:2013年12月02日 19:22