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能力者が集うレストラン(仮)

さいきんのってる。熱が下がってからのりまくってる。
ということで、由衣たちのレストランの小話でも

名もない土地にある小さなレストラン。
レストランというよりは、カフェのほうが正しい気もしないでもない規模のこのレストランは、由衣達が来るまで女店長一人で経営されていた。
この女店長、実はウスワイア公認の能力者。
特別な許可を受け、能力者に手軽に利用できる食堂も兼ねて経営しているのだ。
由衣と奏がそれを知ったのは、引っ越して2ヶ月後。
彼女ら自身がしっかりと能力を認識した翌日だった。

「道理で女一人なのに被害0なわけだ。」
「能力使って撃退していたんだろうね。」
その日、店長は買い出しに出ていておやすみ。
店は由衣と奏の二人が経営することにした。
ちょうど昼時。店はほぼ満席となっていた。

「ゆーいちゃーん!かーなでちゃーん!」
突き飛ばすような勢いで扉をあけ、入って来たのは、由衣と同じ学校のトキコ。
「おー、いらっしゃい!今日も一人?」
「ちょっと、お姉ちゃん、お客さんなんだから。」
「いいっていいってw」

「ううん、今日はお友達も連れてきたの!」
トキコが入ってくる。その後ろからは白い長髪の女子が。
「珍しいな、友達連れてくるなんて。」
「…そんなつもりなかったんだけど…。」
友人の方が小声で言ったが、二人の耳には入らなかったらしい。

「奥の席が丁度開いてるぜ。」
「ありがと!注文はいつものね!」
そう言って、彼女は友人と奥についた。

「…ねぇ、お姉ちゃん。」
「何だ?」
「ここにいるのは、皆能力者なんだよね。」
「…ああ。多分な。」

少なくとも、何人かは同じ学校の生徒で、そのうち何人かはクラスメートだ。
そして当然、能力者もいる。
しかし、それについて由衣は深追いしたことはない。
「自らの能力」があまりに悲しいため、他人の事情はきかないようにしていた。
それは奏も同じことだ。
好き好んで能力をつけたわけでない人がいることを、知っているから。

「ほい!オムライス一丁!ケチャップおまけしとくから!」
「ありがとw」
「お姉ちゃん、ここ屋台じゃないよ…;」
苦笑いをしながらレジを打つ奏。二人でも大変なこの業務を、店長は一人でやっていたのだから大したものである。
「あんまりかけると体にわるいぞ?」
「いいのいいのw」
そういいながらトキコは大量のケチャップをかけていく。
由衣は軽く笑うと、奥に戻って行った。

付け合わせを炒めながら、由衣は考えていた。
もし、自分に能力がなかったら、こんな生活はしていなかっただろう。
もし、「ホウオウグループ」に目をつけられていなかったら、この街にこなかっただろう。
もし、店長が自分たちを拾ってくれなかったら、不良から抜けられていなかっただろう。

もし、もし、もし…。

考えればきりがない。
奏もこんな風に考えたことがあるのだろうか。
きっとまじめな彼女のことだ。
自分より前に考えていたかもしれない。

「由衣ちゃーん!おかわりー!」
トキコの声だ。もう食べ終わったのか。
由衣はふきだすと、卵をとりあげた。

今はこの生活を楽しもう。
直ぐにこの平和が崩れ去ろうとも、幸せだったといえる人生を送ろう。
そうだ、まずはちょっと豪華な料理をつくってみようか。
そして、私と奏と店長と3人で食べるのだ。
もし余ったら、学校の皆におすそわけ。
それだけでほら、幸せじゃないか…?
 


 

作者 登場人物
大黒屋 夏香 由衣夏香 奏トキコ


投下順
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最終更新:2013年06月21日 22:13