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店長、恋の助言(仮)

その客は、わざと人の少ない時間帯を選んでレストランにやって来た。
そして、店長との面会を望んだ。
店長はためらうことなく、その客を奥のテーブルに連れ込んだ。

「すみません、突然呼び出して…。」
申し訳なさそうに客…スイネは言い、注文したミルクティーを一口含んだ。
「いいのいいのw丁度誰もいなかったしw」
「ウスワイアからお話を伺っておりましたので、一度顔をあわせておこうと思いまして…。」
「堅くならなくてもいいから。私のことは、『姉(あね)さん』でいいよ。」
「で、では私はスイネで…。」
小さな声でスイネが言うのを、由衣と奏は傍観していた。
「…店長って、本当に何者?」
「今度調べてみっかな…;」

「…何も話すことがないから、と言ってはなんですが…。」
ミルクティーを半分ほど飲み、スイネは言った。
「…姉さんって、恋人いるんですか?」
「え?恋人?」
素っ頓狂な声を上げる店長。慌ててスイネは両手を振った。
「いえ、違うんです!興味はありましたが、その程度なので…;」

「そうねぇ…こんなこと言うのもなんだけど」
スイネを制し、店長は呟いた。
「いないよ。生まれて一度も、恋なんて考えたことなかった。」
「そうですか…。」
「ま、性格が性格で、能力が能力だし。人を好きになっても嫌われるだけと思ってたからね。」

「…私、好きな人がいるんです。」
思い切ったように、スイネは打ち明けた。
店長は笑いもせず、ただ真剣にスイネを見た。
「でも、私って生い立ちが特殊な上に、能力者だから、付き合っても嫌いにさせてしまいそうで…。」
「成程ねぇ…。」
「能力とかは隠そうと思ってるんです。でも、ホウオウとかウスワイアとか、どうしても絡んでくるので隠しきれる気がしなくて…。」

「そうねぇ…私はそういった話ほとんど駄目なんだけど…。」
店長はふっと笑った。
「最初に、何もかも打ち明けてしまえば?」
「え…?」
「少しずつでもその相手に話しておいて、まずはお友達から始めなよ?」
「お友達から…。」
「もし、彼があんたを受け入れきれなかったら、あきらめるしかないけどね。」
店長は、後少ししかないミルクティーを見ながら言った。

「それに、周りを見たらもっといい人、いるかもしれないじゃない。」
「もっと、ですか?」
「例えば、いつでも貴方を見守ってる人とかさ。その人は好みじゃなくても、心は貴方のこと、許しているはずだから。」

「まぁもっとも、最後は顔なんだろうけどねw」
軽く笑うと、店長は席を立った。
「その紅茶、サービスにしとくよ。またおいで。何時でも待ってるから。」
「…はい!」
彼女は、店長に笑顔を見せた



追記
「…つーこと言っておいたから、問題ないね?」
『遠回しすぎるんだよ!もっとはっきり言ってくれよ姉さん!』
「KEA、なら自分で言え!」

「仕組まれてたんか、あれ…;」
「店長、流すのうまい…;」
 


 

作者 登場人物
大黒屋 店長スイネ夏香 由衣夏香 奏KEA


投下順
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最終更新:2013年06月21日 23:30