「エンー!」
「あ、メイちゃーん!」
「今日も一緒に遊ばないか?」
「うん!もちろん」
僕の近所に住んでたメイちゃんは僕より一つ年上のお姉さんだった。とっても面倒みが良くて優しかった。
お姉ちゃんのいない僕にとっては憧れのお姉ちゃんだった
「わあ、もうこんな時間だ!帰らなくちゃ!ごめんね、ホウ・・・お父さんが心配するから、じゃ、またね!」
「うん!またね!」
僕のうちはお父さんもお母さんもお仕事に行ってるから帰ってくるのが遅くて、うちに一人でいるのがほとんど。
この時間が一番退屈だった
「・・・ちょっと散歩に行こうかな」
この日はとても退屈に思えたので、近くに散歩をしに行くことにした。5歳だったから一人だと少し危ないんだけどね。
暫く歩いていると、視界にふと植物園が目に入った。
「わあ、凄いいっぱい植物がある・・・。こんな所あったっけ・・・?」
植物を見たくて近くに寄ってみた。
すると、いきなり僕に何かが飛びかかってきた。
「!」
それは植物の蔓だった。
「あ・・・く、苦し・・・い」
蔓が僕の首に巻き付いてきた。僕を殺す気だ。この植物は。
「エン・・・」
どこからか、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ごめん、エン・・・」
それは眼鏡を掛けた、ツインテールの少女だった。
「だ、大丈夫?!ちょっと、しっかりして!」
「・・・」
「ちょ、ちょっと!生きてる?!死んでる?!」
「う・・・」
「あ、良かった生きてた・・・」
「死んでたら、返事が・・・出来ませんよ・・・」
どうやら、僕は植物園のそばで眠っていたらしい。さっきのは夢だったのかな?
「ちょっと坊や、首に何かの後みたいなモノがついてるよ。
服にも葉っぱがたくさんついてるし・・・」
「!」
首には、まだ痛みが残っていた
夢じゃ、なかった・・・
「キャアアアア!」
「嘘だ・・・今のは夢・・・」
僕は目の前の人の首を蔓で絞めた
「やめ・・・誰かっ!助けて!!」
「これは夢なんだあああああああああああああ!」
気がつくと、僕はどこかのベッドに横たわっていた
「無理です・・・!あんなのうちの子じゃありません!」
「しかしですね・・・困るんですよ・・・あんな化け物をうちに置くわけには・・・」
「そういうのを引き取るのがこの施設の役目でしょ?!」
「ですが・・・」
部屋の外で、お母さんと知らない人の口論が聞こえる
僕はベッドから起き上がって、部屋から出た
「お母さん!」
「ひっ!寄るなこの化け物!」
「え、お母さ・・・」
「あんたなんかうちの子じゃないわ!」
絶望した
唯一の親にあんな事言われてしまった
『この化け物!』
お母さんの声がこだました
「う、うぅ・・・」
泣きそうになった、その時
「うちで預かります」
「「えっ?!」」
突然、後ろから女の子の声が聞こえた
その女の子は僕より年上で髪が長かった
「うちで預かりますと言ってるんです。そんなにうちの子じゃないと主張するんなら、私がもらっても良いですよね?」
「え、ああ、まあ・・・」
「解りました。じゃあ、行こう。えっと・・・、名前は?」
「エンです・・・。」
「解ったエン帰ろう・・・?」
「・・・うん」
「あ、あの」
「ん?何?」
「貴方はいったい・・・」
「あ、ごめんね急に連れ出しちゃって、私の名前はネイロって言うのよろしくね」
「あ、よろしくお願いします・・・」
「私ね、あの施設に入れられてたの」
「え・・・」
「突然両親が事故で亡くなっちゃってね、それからあの施設に入れられたの」
「・・・」
「でも、今日はその施設から出られる日だったの。
だから久々に家に帰れるんだ。」
「そうなんですか・・・」
「その時たまたまエン君がいてね、居ても立ってもいられなくなっちゃたから、つい・・・ごめんね。嫌だった?」
「いえ、全然、そんなこと・・・」
「ふふ、ありがとう」
しばらくの沈黙があった。少し立つとその沈黙は破られた
「あ、そうだ」
「はい・・・?」
「これから敬語無しね、姉弟なんだし」
「きょう・・・だい・・・?」
「ええ、姉弟よ!」
「・・・はい」
「あ、敬語」
「あ!」
「じゃあ、罰として・・・」
「わっ!」
ふにっと、僕はネイロさんにほっぺを掴まれた
「ああ、ふにふにだー」
「いひゃい、いひゃい」
「ぐいーっと」
「いひゃひゃひゃひゃ!」
「・・・変な顔」
「えっ!ひどい!」
「ふふふ」
「あはは」
笑っていると、ネイロさんと目があった
「あ、初めてお互いの笑顔見れたね」
「そうだね」
「これからよろしくね、エン」
「こちらこそ!」
最終更新:2011年03月01日 00:20