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怪盗狩り(仮)

「これが、幼いころの僕たちの写真ですか?」
「ノアとそっくりだな、お前!」
「というか、姉さんもそっくりだw髪染めたんだなw」
「皆かわいいw」
「幼いころの写真しか持ち合わせてなかったんだ。当然と言えば当然だけどね;」
客が少ない午前中。ノルンの要望で店長が取り出したアルバムを、皆は眺めていた。
何でも「自分の本当の姿が知りたかった」そうで。

そのとき、ドアのベルがなった。
入口を見ると、二人の人影。皆の姿をみとめると、手前の女が笑顔で手を振った。
その顔を見、店長も笑顔で出迎えた。

「よっ!久しぶり、姉さん!」
「星ちゃん!それに月光君!」

甘党のくせにブラックコーヒー。一口飲んで苦みを知って、あとから多量の砂糖を追加する。それがこの女浪人:天河 星のコーヒーの飲み方(?)だ。
気取っていた幼少期から、それは全く変わらない。
「よかったじゃねぇか。乃流も乃亜も帰ってきてよw」
「後から聞いたんだけど、由衣があんたに依頼したって?それで二人が兄弟じゃないかとにらんだらしいじゃない。」
「あ、ちょ!由衣!それは内緒にしとけっていったろーが!」
「悪い悪いw」

静かなはずの店内が、星たちがきてから騒がしくなった。
昔から暗いのは嫌いな性分だ。どんな時でも明るくふるまっている。それにつられて皆は笑う。
そう。この忌まわしき「左目」さえなければ。

「…その眼、まだ見つからないの?」
「ああ。なんかずっと「怪盗狩り」続けてるけど、骨折り損な気がしてさ。」
「怪しいとこはみんなあたったはずなんじゃけどねぇ…。」
横で月光が呟いた。
明るさゆえに暴走する星を引きとめる月光。
このバランスがなければ、二人は連れ添ってこなかったし、二人ともろくな人生を歩めていないんじゃないだろうかと店長は思うわけである。

「ねぇ、その「怪盗狩り」って、なんですか?」
「昔、本当に怪盗狩ってたんだけどよ、大分世の中に出てこなくなったから、今は夜な夜な悪さする能力者を成敗してるんだよ。」
「本当に怪盗っていたんですか?」
「あくまで私たちが思ってる中ではな。怪盗の友達もいるんだぜw」
明るくふるまっていたが、「怪盗」という言葉に微妙に表情が変化するのを、ノルンは見逃さなかった。

「…どうして怪盗を狩ってたんですか?」
「それは秘密ーw」
「えぇ;そこまで言っておいてなんで焦らすんですか;」
「まだ早いんだよ、おまえらにはなw」

「…それで、そっちは二人が戻ってから何事もないのか?」
話を無理やり切り替えるように、星が言った。
「ええ、今のとこはね。でも、ただで放っておくホウオウでもないから、しばらくは警戒しておかないと…。」
「…そうか。」

「それじゃあ、私たちはこれで。」
「あれ?なにも頼まなくていいんですか?」
「いいんだよ。久々に姉さんの様子見に来ただけだし。これからもちょくちょく遊びに来るさw」
星は立ち上がり、月光を率いて出ていった。

「…姉さん、星さん、昔何があったんですか?」
立ち去ったのを確認し、ノルンが口を開いたが、店長の答えは
「まだ語るには早すぎるのよ。」
というものだった。

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最終更新:2011年03月01日 22:16