廊下の隅で一人体操座りしてうずくまる少女がいた。
「うぅぅ、どうしよう・・でも気になるしなぁ」
彼女の名前は野原コノカ、茨の悪夢を持つナイアナ能力者である。
つい先程、憧れの学校に勤務している者を一目見ようとしたものの、
なぜか彼女の苦手な野良犬が近くにいた為にその場から逃げてきたばかりであった。
一人落ち込んでいるコノカの後ろからこっそり忍び足で近づく者がいた。
「コーノカちゃん!」
アースセイバーの一人、蛇の悪夢を持つミユカである。
「はひぃぃぃぃぃぃいいいいいいいっ!!??」
「わっわ!いつも以上にすごい花びら!!コノカちゃん落ち着いてってば!私だよ私!」
ミユカに後ろから抱きつかれたコノカが素っ頓狂な声を上げた刹那、
彼女の能力が発動して白い花びらが彼女等の周りを取り巻くように舞い上がったのだ。
「み、
ミユカさん!?・・・・っ びっくりしたよぉ~ 」
「それはこっちの台詞だってば!こんなに驚くなんて珍しいじゃない。何かあったの?」
「えっとその・・てっきり犬が追いかけて来たのかと思って。。。」
「へ?なんで犬?」
「実は・・」
ー間ー
「あ~、タマちゃんかぁ」
「タマ・・ちゃん?」
「あ、先に言っておくけれどあざらしの方じゃないよ?保健室の先生のあだ名。
まーったく、セラピストなのに怖がらせてどうするんだか・・・明日保健室に何か仕掛けようかしら?キシシシ」
「そ、それはだめ!」
にやりといたずらっぽく笑みを浮かべるミユカに対し、コノカが制する。
「ぇー、なんでよ?」
「その、克服できていない自分が悪いんだし・・」
「・・・」
「それにちょっとは大丈夫かなって思ってた所もあるの。でも駄目だったみたい」
「・・・・・・私もさ」
ミユカが真剣な眼差しでコノカに話し始める。
「私も、蛇苦手だからさ。その怖いって気持ちすっごくわかる。」
「・・・」
「でもさ、コノカちゃんの場合獣系全部だめじゃない?
それでも克服しようって頑張ってるコノカちゃんが凄いなぁって、私は思うわけ。」
「ミユカさん・・・」
「よって、そんなコノカちゃんを怖がらせたタマちゃんには制裁を与えなきゃ私は納得いかないわけだ!
というわけで、今から保健室に仕掛けてくるっ!キシシシシ!!」
「え、ええぇぇぇ!!??ちょっと待ってミユカさ・・・」
コノカがミユカをとめようとしたものの
高速ダッシュで走り去る彼女に触れる事ができるはずがなく、差し出した手は宙を切るだけだった。
「これ、ゴミ袋一枚で足りるかなぁ・・・はぁ」
一人取り残され、ため息をついたコノカ。
その足元には白い花びらの絨毯が広がっていた。
その翌朝、保健室から玉置先生の断末魔が聞こえたとか聞こえなかったとか。
最終更新:2011年03月04日 00:22