店長の提案
星にいわれ、しばらく
レストランのバイトをすることになった月光。
その仕事の僅かな休憩時間に、店長が出してくれた緑茶をすすっていた。
「…で、星ちゃんの様子はどうなの?」
「案の定毎晩うなされとるぜよ。記憶が全て戻ってきてたら、多分暇あるごとに頭抱えてそうじゃ。」
そう言いながら、月光は星の苦痛に歪む顔を思い出し、顔をしかめた。
「でも、少しずつ冷静にはなって来たぜよ。記憶から証拠を少しずつつかみつつあるけ、何もないことを祈るだけじゃ。」
「星ちゃんのことだから、大事故は起こさないだろうけどね。」
「…それで、ノア殿と
ノルン殿のことじゃけど、やっぱり殺処分が下されたそうじゃ。」
それを聞き、店長はため息を吐いた。
「しばらくは気を抜けないわけだ…。」
「まぁ、二人とも腕の立つ能力者じゃし、大丈夫じゃないんがか?」
「例えそうでもやっぱり姉としては気になるじゃない?弟の無事のことなんだし。」
「まぁ、確かに…。」
店長はカウンターに座り、頬杖をついた。
「…それにしても、このところ働きづめで、由衣達に休みあげてないなぁ…。」
「ああ、確か年中無休じゃもんな、ここ…。」
月光は表の看板を見ながら言った。
あ、勿論年中無休とはいえお盆と正月は休みますよ、ええ。
「たまには休みあげるか。店はもともと一人でやってきてたんだし。」
「あしも手伝うぜよw」
「ありがとw…でもどうせ休むんだったら…。」
店長は何処からか大量のパンフレットを取り出した。
「思いっきり遊んでもらうか!ね、月光君、何処がいいと思う?」
「用意周到…;ていうか何時それ持ってきたがか…;」
「上の自分の部屋にあったからちょろっと持ってきたw」
「…便利じゃねぇ、その能力;」
このとき、店長にはもう2つ考えがあった。
一つは、星のリフレッシュ。記憶と戦い続けている星に、少しでも気分を楽にする手助けをするのだ。
もう一つは、噂に聞いていた氏型環を、多くの人に触れ合わせて、学校に行けるように促進すること。
そしてあわよくば、皆の絆が深まってくれればいいなと思っていた。
皆の笑った顔が見たいから。
店長…いや、亜音にはそれだけで十分だった。
最終更新:2011年03月05日 20:12