『感情爆裂~ウスワイアにて~』
ウスワイア、談話室。
数分前から、薄紅の長い髪の少女が、満面の笑顔を浮かべて小躍りしていた。
そこに、アースセイバー独立隊員―――ミユカが入ってきた。
「あれ、カナちゃんどしたの?」
カナちゃんと呼ばれた少女―――
カナミが髪をなびかせて振り返る。
「あ、
ミユカちゃん!ついさっき、
風月堂で人気の苺大福買ったんですよ~♪」
喜色を含んだ声で話すカナミ。
すると―――。
「おわ!は、花が!」
突如、カナミの周りに花が咲き始め、何故か蝶や小鳥が現れた。
「あ、ごめんなさい!」
「いや、別に大丈夫だよ。カナちゃん、今凄く嬉しいんでしょ?」
ミユカの言葉に、はにかんだ笑みを見せるカナミ。
ミユカと同じ、アースセイバーの独立隊員である彼女の能力は、ハートブースター―――「感情増幅」。
喜びや悲しみ、怒りといったあらゆる感情を増幅し、エネルギーに変える。
今、彼女は「喜び」の感情を増幅・エネルギー化し、周りに活力を与えているのだ。
学校では上手く制御しているが、ウスワイアではどうも緊急が解けるらしく、感情を表す度にこうなっている。
「今お茶入れてくるので、見ていて下さいね」
鼻歌混じりに、カナミは談話室を出て行った。
「もう少し控えめにすれば、子供っぽく見られないんだけどな~…」
自分だけになった談話室でぼやくミユカ。
「ま、カナちゃんらしくていいか」
「ここにいたのかミユカ」
背後から男の声がした。
ミユカは振り返って見る。
「何だ、やーさんか」
「…その呼び方やめろ」
眉間にシワを寄せるのは、ヤクザの様な風袋の能力者、蒼井 聖。
「見た目ヤクザだからいーじゃん」
「俺はヤクザじゃねえ!」
「あはは、こわ~い」
言葉とは裏腹に、全然怖がってない様子のミユカ。
そんなミユカを見て、聖はこめかみに青筋をピクつかせた。
最終更新:2011年03月17日 14:50