動き出す流星
万年金欠状態の天童探偵事務所に、久しぶりにテレビがついていた。
ニュースキャスターが無表情でニュースを読み上げていく。
既にブラックコーヒーとはいえない、激甘のブラックコーヒーを飲みながら、星はテレビを見ていた。
「あれ、珍しいぜよ。テレビがついとるなんて。」
「ああ、月光。帰ってたんだな。久々の寺はどうだったよ?」
「相変わらずじゃ…て!あしの団子また勝手に食うとる!」
「ははw」
真実を導き出した星は、記憶にうなされることはほとんどなくなった。
前と変わらず、のんびりとした生活を送っている。
しかし、こころなしか最近星の表情が険しくなったと月光は感じるのだ。
「お前さぁ、陰陽師の息子ならいい加減術使えるようになれっての。」
「仕方ないじゃろ。元々素質がないんじゃ。」
「幼いころに修行さぼって剣術ばっかり極めてたからだろ。お前この先もっと強力な能力者が出たら太刀打ちできないぞ。」
「今までどうにかしてきたんじゃ。これからもどうにかするぜよ。」
反抗期の子供のようにベー!と舌を出し、月光は奥に入って行った。
『…ストラウル跡地の建物が、突然つぶれたとの情報が入ってきました。』
月光はアナウンサーの声を聞きながら、木刀の手入れをしていた。
『目撃者の情報によりますと、何もない所に行き成りクレーターのような穴があき、建物がつぶれるように崩れ、全壊したということです。幸い、怪我人はいませんでした。』
(また
ホウオウあたりじゃろうか…。)
月光はため息をつき、木刀を置いた。
と、机の上に紙が置いてあるのを見つけた。
気になって取り上げる。ウスワイヤから定期的に届く報告書だろう。
さらさらと目を通していたが、最後の報告に、月光の眼は釘づけになった。
『ストラウル跡地建造物破壊
先日、ストラウル跡地の建造物が、上から強い力で押しつぶされるような形で崩壊しているのを発見
能力者の力によるものと思われる
建物は元・ホウオウグループのアジトと思われる(裏付けるホウオウのエンブレムが数個見つかっている)
現在使用されていないため、中に人はいなかったが、兵器の保管庫として使用されていた可能性大』
「…これって…。」
月光は慌てて、星の元に向かった。
星は変わらずニュースを見続けている。
「星殿!この報告書…。」
「…ああ、読んだか。相変わらず察しがいいな、お前は…。」
星は振り向き、月光に笑顔を見せた。
「流石、私の助手だw」
「月光、この間の、前言撤回するわ。私はホウオウに全面的に反発する。」
最終更新:2011年03月17日 14:51