『…え?』
信じられないものをみた
いつも健康的で、
にこやかな笑顔を見せてくれる明るいわたしの“友達”トキコが、
目に見えて傷だらけで街を歩いていた
『トキコ!!』
『…っ?!』
恐怖にひきつった顔をして振り返ったトキコ
そんな表情をわたしはみたことがない
何かあったんだ
疎いわたしにもわかる
『トキコ、なにがあったの』
『スイ…ネちゃ…』
『トキコ!話しなさい!』
『う…ぇぇ…っ』
『トキコ…』
『うわぁぁぁぁぁん!!』
トキコは、目にいっぱい涙をためて
わたしの胸にすがり付いた
顔の筋肉を動かしたことで切れた頬から血が滲んで
わたしの制服についたけれど
今はそれよりも
『わた、し、なにも、できな…っちち、おや、に…っ』
『………肉親に、こんなことされたっていうの?!』
『ごめんなさい、ごめんなさいっ…ごめ…な…ああああっ』
『…!!』
“親”のことを思い出し、粟立つ心臓
しゃくりあげるトキコの頼りなげな背中が、傷だらけの彼女が
『トキコ…』
『スイ…』
『大丈夫よ、大丈夫。…このこと、スザクさんに話すべきじゃ』
『!だめっ!』
泣きながらも、トキコは血相を変えてわたしを見据えた
スザクのことを一番信頼しているはずのトキコが、スザクを拒絶している
どういうことなの
『鳥さんにはだめ!だって…だって……っ!しゃ…』
『しゃ?』
『……』
ちからなくわたしに身体を預けて、またすすり泣き始めたトキコを優しく抱き締めて、わたしはギリッと唇を噛んだ
《約束だよ、スイネ》
ごめんなさい
ケイイチ
わたし、どうやら本当に人間臭くなったみたい
『(殺してやるわ)』
蒼の神の憤怒
(わたしの大切な友達に)
(手を出す愚か者には)
(制裁を)
最終更新:2011年03月27日 00:49