ガンガンガンガン!!
『のわっ!!』
診療時間というものは本来決まっているもので、
大体朝と昼と、あと夜の間っていうのは一時間の休憩がある
近くに大病院がある手前
こんな小さな診療所となれば尚更だ
普段は多く休みをとったところで
たいして問題はないわけだが
俺の仮眠時間は
何者かがドアを蹴破りそうな勢いで蹴り倒している爆音で妨害された
ガンガンガン!!!
『わーた、わーったって。そんなに滅茶苦茶叩くんじゃねえよ
壊れちまうだろーが!』
ガチャリと(若干もう持ちそうにない)ドアを開けると筋肉隆々な男が
小柄な少女を抱き抱えながら息を切らしていた
『うち、産婦人科と違うよ?』
『殺されてぇのか』
『うっっそです!!どれ、看して!!』
なんだ。妊娠がどうとかじゃないの。…………マジかよ
目の前の少女の体温は
どんどん冷たくなっていっているのが見ただけでもわかる
右胸からは鮮血がとめどなく溢れ、診療所の床を濡らしていた
『ちょっとやべぇぞこりゃ…』
『早くなんとかしろや…!』
『わ、ちょ、わかったから!』
少女をベッドに寝かせると
見たことのある顔をしていて二度驚いた
『(たしか…ウスワイヤの)』
一度だけ診察をしたことがある
…だが、この少女の体は、人間のものと酷似した全くの別物であった
そう、細胞操作が効かない少女だったのだ
その代わりに、致命傷と言うものを負わないよう
妙な力が働いていて、『なにがなんだかわからない』
という第一印象だったのを覚えている
『(…おかしいだろ。だってこの子、隊長サンの報告じゃ…)』
『おい』
『ちょっと席をはずしてくれ。いまから治療するから』
『………』
『一応手術だぜ?これ以上エグいとこ
アンタにはみられたくないと思うよ。この子』
『……失敗したら殺す』
『はいはい。わかったからよ』
診察室に(勝手に)遊びに来た
ハヤトは
戻ってくるなり不安そうな顔をして俺を見上げる
『どうかしたのかよ。急患か?』
『ちっとやばいことになった。悪いんだがあの子、ウスワイヤに連れていく』
『能力者なのか?!』
『青い髪でショートヘアーの子だよ。なんつったかな…す…』
『………スイネ?!』
『ああそれそれ。ちょっとシャレになんねぇから…』
『なんだよソレ?!…だって…俺と
シスイは…あいつの、護衛で…』
『ハヤト?』
『ちくしょう!、ちくしょう…!!!』
『わめいてる暇があったらさっさと連れてくぞ!!
時間もあんまねーんだ。この子も…』
待合室で殺気を放ち続ける男を思い出す
だらだらと嫌な汗が流れる
『俺も死ぬ…!』
『は…?』
『いいから早く!!ジープ出すから乗りやがれ!!』
エダタカシ、未知との遭遇
(一刻を争う)
(後このこと、
ケイイチに知らせろ)
最終更新:2011年04月01日 15:43