揺り籠よ、揺り籠よ
どうか彼女を永遠に眠らせておくれ
何も心配せず、何も憂いずにいられるその中で、
もう二度と彼女が傷付かなくてもいいように
どうか彼女を眠らせておくれ
揺り籠よ、揺り籠よ
これ以上彼女が傷付くならば、いっそのこと・・・
「・・・!」
急に意識が覚醒して目覚めた。
誰かが今そこにいたような、そんな気がしたから。
「・・・鳥さん・・・?」
今1番会いたい人で、今1番会いたくない人。
その人が今ここに来たような気がする。
「・・・気のせい、かな・・・」
だって、本当に来ていたら凄く困る。
こんなところを彼女に見られてしまったら全てを話さなければいけなくなってしまう。
何をされたか、どうしてそうなったか、・・・写真のことも全部。
それだけはどうしても避けなければいけない。
もし私が鳥さんと接触したとしたら、それを誰かに見られたとしたら、
「駄目・・・それだけは絶対に・・・!」
恐ろしい結末を想像し、私は自分の肩を抱き締めた。
思えば鳥さんはアースセイバーでもないし、
ホウオウグループでもない。
どこにも所属していない普通の学生で・・・それでいて強い人だ。
力で屈するような人じゃないのは確かだ。けれど・・・それでも、彼女を
庇護出来る人物は、誰かいるのだろうか。
そんなことを考えていると、ふと、ある違和感に気が付いた。
「・・・?」
そういえば、辺りは薄暗くなってきたのにスイネちゃんの姿が見当たらない。
どこに行ってしまったのだろうか。
「・・・スイネ、ちゃん?」
嫌な胸騒ぎがする。
スイネちゃんに何かが起こったのか、それとも・・・
「・・・まさか、スイネちゃんのことも・・・!」
嫌な事しか想像出来ず、最悪の場面しか目に映らない。
そして気が付けば、私の足は走り出していたのであった。
仮初の母親の姿を、追い求めて。
朱鷺の少女
(そこにいるのは朱鷺ではなく)
(ただの子供だ、と)
(猫は嘲笑った)
最終更新:2011年04月01日 15:44