アットウィキロゴ

「後始末屋」から「教官」への転換点5

そして、数ヶ月の月日が流れた。
訓練室に、モノクロと聖が居た。モノクロの腕と聖の全身には鎧が付いている。
「ふっ、はっ!」
肘打ちや裏拳といった基本的な打撃の流れから、大降りの叩きつけ。
「石礫棍!」
モノクロの数歩先、聖の足元に、人間サイズの石柱が隆起する。
しかし「遅い」と余裕で後ろに避ける聖。
駆け寄り、両足に鎧を具現し蹴りで砕く。散弾の様な攻撃を右に動いて無効化する。
脚が着地すると同時に再度、石柱を具現。今度は聖の左右と背後の3つ。
モノクロの渾身の右ストレートを、聖は鉄山靠で相殺しつつ片手銃を召還。
銃撃に対し石柱を壁状に展開する。
そこで、時間経過と終了を告げるブザーが鳴り、二人は休憩に入る。

「しかしまぁ、そこそこ動ける様になったじゃねぇか、モノクロ?」
「そうでも、ないさ・・・。鎧の効果も否めない」
「ま、その能力の制御も上等ってのは喜んでおけば?」
「・・・応」
「ところで、今まで保護した奴の能力まで流用できそうか?」
「いや、全員とまではいかなかった。先天性のがそうだな」
「やっぱり『死に損ない』ばっかりか」
「その言い方はよせ。能力者を憎んでるのは分かるが・・・」
「ま、自重はするさ」
その時、扉越しにラムの声が通る。
『ショウさん、モノクロさん、今いいですか?』
「お~、入れ」
「大丈夫ですよ~」
「お疲れ様です。モノクロさん、先日の件、受けてくれて有難うございます」
「モノクロ、お前何を引き受けたんだ?」
「簡単に言うと、私の手伝いを少々」
「ま、将来的には代役だがな」
「いや、だから何をって」

「「新人教育」」

「ぇ、なにモノクロが?つか声揃えるな」
「私が前線に出ない分、裏で新しく保護した能力者の訓練を受け持ってますが」
「技術職も担当してるから、手が回らない時もあるそうで」
「モノクロさんの訓練の継続、もといショウさんをあまり裏に引き止めない様にする
 為の、アキヒロさんの配慮も含めて熟考した結果」
「私がそこを受け持つ事になったんです」
「・・・何でお前らそんなに仲良くなったの?」
「裏方で、保護から訓練に管轄が変わるときの引継ぎだが?」
「保護した能力者と3者面談っぽい感じで話してる内にです」
「ま、裏方が連絡を密にするのはいーんだがな;」
「それにその『鎧』は防御がメインで、訓練中の負傷も減らせますし」
「石柱は『機能』で暴走の不安も少なめだからな」
「なにその訓練向け後付風味なノリは:」
「そういうショウさんもモノクロさんと仲良い方だと思いますが」
「・・・ま、この喋り方も聖さんの影響と取れなくも無いが・・・」
「いや、そんなぶっきら棒な話し方してるか?」
「少なくともあの丁寧さが消失したのは確かだな」
「シノさんも驚いてましたよ、『いつから呼び捨てになったっすか?』と」
「・・・俺、もうあんま裏に来ねー様にすっから。まぁ頑張れ」
「応」「お疲れ様です」
『何だかなぁ』という表情で立ち去る聖。

さらに数ヵ月後、モノクロは「後始末屋」から「教官」とも呼ばれる様になる。
「モノクロ」から「七篠獏也」に代わるのは、また後の話。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年04月03日 05:01