「そりゃあ、私が作ったんだもの!」
―――かなっちーだったら、危険な意味・・・になるよね・・・
そんな事を考えながら、ミユカはカルボナーラをフォークに絡ませ、それを口に入れた。
「あー、美味しい~」
とろけるような笑顔のミユカ。
一方で
シグマはというと―――。
「うー・・・」
ミユカの真似をするつもりで、一生懸命カルボナーラをフォークに絡めようとしている。
だが何度も口に持っていこうとすると、カルボナーラがするりと、フォークから落ちてしまうだ。
それを繰り返している内に、シグマの目に涙が浮かび始めた。
すると―――。
「不器用だねぇ。貸してごらん」
それを見かねた店長が、シグマからフォークを貸り、カルボナーラを絡ませる。
「1回回して絡ませただけじゃあ駄目なんだよ。4回はしなきゃ。ほら、やってごらん」
「う、うん」
シグマは再びカルボナーラをフォークに絡ませる。
勿論、店長の言うとおりに4回回して。
そしてそれを口に持っていく。
さっきまではその度にフォークから落ちてしまっていたが、今回は落ちる様子も無い。
「お、シグたん出来るじゃん!」
「えへへ・・・」
照れくさそうに、シグマはカルボナーラを食べる。
「・・・美味しい!」
目を輝かせてシグマが言った。
何度も美味しい、美味しいと言いながら食べる姿は、生物兵器である事を忘れさせてしまうぐらい、年相応の子供らしく見えた。
その勢いですっかり完食させてしまった。
「私より後に食べ始めたのに、凄いなぁー」
苦笑いのミユカ。
彼女もたった今完食したところだった。
ヨーグルトパフェでもシグマが先に完食してしまった。
「美味しかったぞ!ゆいっちー!!」
突然あだ名で呼ばれた由衣は驚いたような表情をしたが、すぐに笑顔になった。
そしてシグマの頭をわしゃわしゃと撫でた。
その後、少しの会話を交えた後、2人が会計を済ませて出ようとしたその時―――。
「シグマ」
店長がシグマを呼び止める。
「何だ?」
「例えあんたが戦えなくても、皆はあんたの事仲間だと思ってるからね」
「!」
微笑する店長。
そしてシグマは「おう!」と力強く返事し、ミユカの後を追った。
最終更新:2011年04月13日 20:02