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血の狭間

血の狭間

…誰だ?
俺に呼び掛けるのは誰だ?
ここは何処だ?
暗くて何も見えないじゃないか。
そもそも俺はどうしてここにいる?
来た記憶は全くない。それなのになぜ?

目覚めた途端に疑問ばかりか。
うるせぇ奴だ。

…!
お前は?

誰でもいいじゃねぇか。
さっきまで呼びかけてたのは俺だよ。
あまりに目覚めないから、蹴ってやろうかとも思ったがな。

…ここは、この暗い空間は何処なんだ?

「俺」の中だよ。

…!?

ここは「俺」の中であり「お前」の中。
「血の狭間」とでも言おうか。
お前は今、この空間に閉じ込められたんだ。

閉じ込めた!?俺を!?
そんなこと、誰が!

俺に決まってるだろう?

!!

はっきりいって俺が目覚めるのに、お前は邪魔な存在だ。
妖怪であるにも関わらず、人間の情に目覚めやがって。
「百物語」として語られるつもりあんのか?

そんな理由でか!
分かってるのか!お前は…俺は許さざれることをやっているんだよ!
命の価値は如何な生き物の変わらない!お前も分かってるはずだ!

ああ、分かってるさ。
分かってないのは人間のほうだ。
人間の命が、とりわけ自分の大切な者の命が何よりも大切であると思いこんでいる。

かといって、力をつかってまで諭す必要はない!
そもそもあんなことしたら、変われるはずの人間も変われないだろ!

…っは。分かってねぇな。
自然が大切だと叫ばれながら、未だに減っていく森林を見て、変われるというのか?

…それは…。

お前じゃ妖怪として話にならねぇんだよ。
暫くそこで見ているんだな。


待て!お前が出ていけば…。

一々うるせぇ奴だ。

っ…!!?

…恐怖の具現ならそれらしくしろ。
たかだか餓鬼一人に従ってるような奴じゃ、雑魚にもほどがある。
見てろ。
自分勝手な人間なんて、俺が滅ぼしてやる。

「キムナ」、行くな…!

てめぇとはもうおさらばだ、「幹久朗」。

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最終更新:2011年04月24日 19:51