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前言撤回

前言撤回

ストラウル跡地でいつも通り暴れてきた(?)由衣は、こちらも日課と化していたアースセイバーに足を運んだ。
特に意味はないのだが毎日顔を出し、情報などをもらっている。
その廊下でたまたま出会った顔に、由衣は少なからず驚いた。
始末書を書き終え、丁度出てきてはち合わせたのは、幹久朗だったのだ。

「なんで言ってくれなかったんだよ;アースセイバーに入ってたなんて私きいてねぇぞ;」
「ごめんな;言おうかどうか迷ってたんだ。ていうかノラから聞かなかったのか?」
「螺良華?暫く幹久朗さんが外に出れないってのは聞いてたけど、そこまで聞いてなくてな…。」
ロビーの一角で立ち話としゃれこむ二人。
久しくとまではないが、あってなかった分報告もあるし会話も弾む。

「ノラから聞いたよ。お前もアースセイバーに入ったんだってな!店長の説得大変じゃなかったか?」
「条件付きで許してくれたんだよ。妹にはまだ言ってないんだけど。」
「えっ、お前妹居たんだ!?道理で情に厚いわけだな。」
「そんなにか?不良やってなかったと思うけど;」

「…ところで、もう調子は大丈夫なのか?」
心配そうに由衣が問う。
いつもの軽い調子で幹久朗は答えていた。
「ああ、全然大丈夫!心配かけちまったな、ごめん。」

「…さっき、始末書書いてたっつってたよな?」
「あ、おう。」
「ここ数日で何かやらかしたのか?」
「…実はな。」

面目ないや、と力なく笑う。
「調子が悪かったってのは嘘だ。能力が暴走気味で、怪我させたくなかったんだよ。」
「そうだったのか…。」
「由衣ちゃんの特訓に付き合ってた時、一切能力を使わなかったのもそのためだ。そもそも俺の能力は他人に使えば直接的ダメージが激しいからな。」
「そっか…。」

「悪いな、嘘ついた上に心配かけて。」
「いいんだよ、無事だったなら。」
正直無事とはいえないが、と思いながら苦笑する。
まぁ、現段階が無事なら無事なのかなと、由衣を見ながら幹久朗は思った。

「なぁ、ここで会えたのも縁だ。また実践付き合ってくれよ!」
「え?構わないが…いいのか、俺で?」
「ああ!何かと慣れてるしさ、店長以外でまともに能力者の相談したの、幹久朗さんとか凪とかしかいなくて;」
笑いかける由衣。
日常が戻って来たんだと安堵すると同時に、妖怪は妖怪なりに日常を楽しめるということを改めて実感した。

「分かった。今から部屋借りれるか相談してくるよ!」
幹久朗はそう言い、受付に走って行った。



追記
「え?ノラがアースセイバーに所属してるのかって?あー…『野乃 螺良華』とか『ノラ』じゃ登録してないんだよな。」
「じゃあ、何て名前で?ていうかグループで登録してるってきいたんだが…。」
「『秋山 春美』って、名簿で見なかったか?彼女がノラの、てか俺たちの代表だ。」
「えっ?…春美って確か8歳位じゃなかったか…?;」

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最終更新:2011年04月27日 22:20