(白い花畑にて。)
(猫、白いベンチに座りながら妹と談笑。)
「・・・へぇ~、そんなことがあったんだ。」
「んにゃ、もーそっから沈黙の嵐。あの空気が痛いの何の。」
「でもちょっと見てみたいかも、その人って地獄から来たんでしょ?」
「リアルにな、けど妹ちゃんはあの人と関わっちゃ駄目だ。」
「え~!そんなぁ…」
「そういやぁ、あいつはなんでも、なくした『鉄槌』を探してるらしくてねぇ、
あれが無いと100%力を引き出せないらしい。」
「そうなんだ、…じゃあ、その人今、凄く困ってるんじゃ?」
「いやいや、あれはあのままで良い。力を思いっきり振るうような馬鹿じゃなさそーだけど、
あの世界の、能力者のバランスを考えりゃ、見つからないままのほうが俺的には良いね。」
「そう?…でも、その力も私たちみたいに幸せを作る力なんでしょう?」
「それもそうなんだけどねー、でもやっぱ駄目だわ。」
「ふーん…」
(妹、白い花で作った花の冠を猫に渡す。)
(猫、受け取るとフードを降ろし、頭に乗せる。)
「妹ちゃんは手先が器用だな。」
「そう?ありがとう。」
「こんないかにも女の子~な女の子に会ったの久しぶりかも。」
「おんなのこみたいな、おんなのこ?」
「むっちゃ可愛いっつーこと。…だいたい、あの学校自体刺激が強すぎんだよ。
もし妹ちゃんをそこに連れてって何かあったら、キミの兄さんにギタギタのギニャーされちまう。」
「に、兄さんはそんなことしないもん!優しいんだから!」
(妹、勢いよく立ち上がる。)
(猫、苦笑。)
「はは…それ、妹ちゃんだけ限定だと思うけどなー。」
「それに・・・」
「ん?」
(妹、俯く。)
「私だって、本当は・・・ほんと、は…」
「・・・」
(静寂。)
「・・・ん、まぁー、なんだ。」
(猫、立ち上がり妹の頭を軽く撫でる。)
「妹ちゃんが心配せんでも、願いはすべて、キミの兄さんが叶えてくれる。」
「・・・けど、」
(妹、顔を上げる。)
(猫、妹の口端に指を添え、引き上げる。)
「ほら、スマイルスマーイル。女の子がそんな顔しねぇの、ね?」
「れ、れも・・・」
「お姫様がそんな顔して騎士を迎えてどーすんの?
待つだけしか出来ないって思うなら、元気に笑ってあげないと。」
「・・・」
(猫、にんまり笑い指を離す。)
(妹、頬を押えながらもつられて微笑む。)
「・・・ありがとう、チハルさん。」
「いえいえ、・・・あ、そーだ!騎士って言えば、この前スザクが・・・」
(二人、再び会話を始める。)
「・・・・・・・・・」
(
ウォッチャー、その二人を遠くから無言で見つめる。)
(ただ、何も言わずに。)
表題
「猫、白い花畑にて。」
(束の間の、平和。)
最終更新:2011年05月14日 20:14