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新たなる選択肢

新たなる選択肢

屋上にいたゴクオーに、ノラは凪に「やんわりと」断られたことを伝えた。
「え、駄目だった?;」
「当たり前でしょ!『地獄から来た』が盛大に響いてるんだって!」
「うーむ…;鉄槌探し、最初からやり直しになるんかの…?;」

「ていうか、本当に鉄槌見つけたかもしれないの?」
「凪とかいうたか。あの子から鉄槌の気配を感じ取れた。が…。」
「が?」
「本当に微かだったんじゃ。多分あの子の知り合いが持っているはずなんじゃけど…。」

独り言のように呟くゴクオーの意図がつかめず、ノラは訊き返していた。
「…要するに?」
「人脈がつかめればそこから探すことができるんじゃ。そんなに縁遠い人ではない筈じゃけぇのう。」
「あ、だから一度会って話して、人脈をつかもうと!」
「そういうことじゃ。「凪の知り合い」になっておけば怪しまれずに済むしの。」
「十分怪しいけどね;」

「というか、ノラは同じクラスなんじゃろ?誰と仲いいとか知らんのか?」
「…あ、そう言えば、下級生のトーヤが弟分とかなんとか。」
「トーヤ?アースセイバーにおる冬也とは違うんか?」
「いや、多分その子だよ。たまに学校休んで平日にアースセイバーいくけど、すれ違ったりするもん。凪っちの一つ下だったし、間違いないんじゃない?」

「成程な…。それじゃったら好都合。」
「あ、そっか。アースセイバーに行けば会えるかもしれないね。」
「うまく行けばばったり会えるかもしれんし、面会希望出しておけば確実じゃの!」
「念のため主にも相談しておくよ。」

一通り計画を組み立て終えると、ゴクオーは大きく伸びをした。
「っはぁ…、にしてもよかったわ。もしかしたら戦わずに鉄槌取り返せるかもしれんのう!」
「全くだよ。3割じゃ影響もたかが知れてるし。」
「いや、そういう意味じゃのうて;」
「…あ、そういうことか。」

『地獄を呼びよせる』ゴクオーの力。
加減すれば幻覚程度で済むが、本当に呼び寄せでもしたらとんでもないことになる。
人間なら簡単にに殺すことができるのだから、当然と言えば当然だ。
そのためもあってか、意外に戦闘そのものはゴクオーは苦手である。
とはいえ自らの所有物。力を強制的に制限されるよりは持っておきたいのだ。

しかし、現在の所有者が味方であるなら話は別だ。
必要な時以外は預かってもらった方が彼としては都合がいい。
万が一力が暴走した時も鉄槌がなければ抑え込めるからだ。
主が救い出されてから力の制御がきかなかった妖怪の話も耳に入っている。自分は暴走しないともいいきれなかった。

「頼むから、このまま無事にことがすすんでくれよ…。」
屋上の床に体を投げ出しながら呟いた。
「主は通すし、確実に物事は進むじゃろうが、断られたらどうするかのう…;」

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最終更新:2011年05月18日 21:02