企画されたキャラを小説化してみませんか?
- 1
:サイコロ:2008/04/19(土) 08:47:37
- 男擬人ムリ香さんが立ち上げた「キャラ企画つれっど」で企画されたキャラを
ショートショートストーリー化(短編のアナザーストーリー化)してみませんか?
age sage構いません。
それと、できるだけ自分の企画したキャラを搭乗させましょう。
ナイアナのキャラは、性格を変えないように。
気に入らなければ消してください、(有)さん…
- 201
:しらにゅい:2011/01/29(土) 21:29:25
- ここになんだかかっこいい二人がいると聞きましt(ry
スザクとシスイどちらのサイドも読めるなんて幸せだァァァ(*´∀`)
出来ることなら漫画化とかFLASH化とかそれこそボイスドラマ化とか
やってみたいぐらい、お二人のシナリオのレベルが高いっ!
そしてスザクちゃんに釘刺されました、おいしいですこの設定←
書きたい話が溜まり過ぎてまだ形に成してませんが、次回あたりは少し
トキコの過去に触れておきましょうかね・・・書きやすいようにw
シスイ君を一角呼び・・・お、おいしいですねこちらも!いただきましょう!←
交流したいなぁシスイ君とも・・・フフフ
- 202
:しらにゅい:2011/01/29(土) 21:38:28
- 「たまちゃん、ごめん、今日も・・・・・・あれ?いないのかな・・・?」
___・・・ガサッ
「・・・え?」
わんっ!!
「きゃぁああ!?」
「こら、マサムネ!!何をしているんだ!?」
・・・
「すいません、ののかさん・・・驚かせちゃって。」
「ううん、大丈夫・・・だけど・・・えぇっと・・・そのわんちゃんは先生のペットなの?」
「はい、名前はマサムネで犬種はシベリアンハスキー。性別は男で言う事はよく聞くのですが、
人懐っこいのがキズでして・・・今みたいに、誰彼構わず突っ込んではベロベロと顔面を舐めるんですよ。
でもそれが彼の魅力かなぁとか長年一緒に過ごしてきてそう思ってまして、最近ではもっと皆にこの
魅力が伝わるように写真も撮ってましてそれがこれで」
「うん、たまちゃんが動物好きなの分かったから、写真押し付けてこないでね。」
わんっ!
「・・・?あれ、マサムネくんの片目・・・」
「見えませんよ。」
「え?」
「怪我をしています。それは僕が彼を引き取った時からついているんですよ。」
「・・・どうして怪我をしているの?」
「・・・いじめられてたんです。」
「・・・!」
「五匹の中でマサムネは一番小さい体格だったので、兄弟からいつもいじめられていました。
それは身体が大きくなるまで続けられていましたから、日に日にいじめはエスカレートしていって・・・
ついにはそれが災いして、目を抉られてしまったんです。」
「かわいそう・・・」
「そうですね、とても可哀想です。・・・ところで、ののかさんは戦国武将の伊達政宗を知っていますか?」
「え、うん、どくがんりゅー・・・だっけ?」
「はい、三日月兜の隻眼武将・・・有名人ですよね。彼もまた、幼少期に病気にかかり片目を失ってしまいました。
片目のないその姿は母親から気味悪がられ・・・彼は、一体どのような思いをしていたでしょうかね。」
「・・・・・・・・・」
「しかし、彼はひとりではありませんでした。腹心の片倉小十郎、従兄弟の伊達重実、また彼を支えた家臣達・・・
彼は片目を失っても、かけがえのない人達と出会い、その人達に支えられ、志高く天下を目指したです。」
「・・・そうなんだ・・・」
「僕がこの子にマサムネ、という名前をつけたのはその戦国武将伊達政宗のようにたくましく育って欲しいという思いと、
これから彼を支えてくれる人達と出会いますように、という願いを込めたんです。その一人目が、僕なわけですけどね。」
「・・・・・・・・・」
「・・・ののかさんも、マサムネの支えになってくれませんか?そりゃあ、こんな体格のおっきい問題児ですから、
ちょっと嫌な気もしますけど。」
わんっ!!
「いたっ!?マサムネ、こら!!噛まない!!・・・あ、待って、マサムネ、タンマ、乗り上げてこな、
っぎゃああぁぁあ!!?」
「・・・ぷ、っはは・・・こーら、マサムネ!たまちゃんいじめちゃ駄目だよ!」
わう?
ののかと談笑中
「マサムネ」
(彼女の氷を溶かすのは少しずつでいい)
(俺もまた、彼女の支えとなりたいのだから)
【おまけ】
「ほらコウスケ!嫌がらないで来なさいよ!!」
「いててて!!だからひっぱんなっての!!」
「・・・?たまちゃん、誰か来たよ?」
「え?・・・どうかしましたか?」
「せんせー!コウスケが突き指したんですよ!」
「っそれは大変だ!コウスケ君、早く指を見せて!!」
「これぐらいほっとけば治るっつーの・・・」
「駄目だよ!放置していれば内出血が酷くなるし、変にくせになると・・・」
「そうだよ!素直にせんせーの治療を受けなさい!」
「あー、おおげさなんだよ!たかがこれぐらいの怪我、保健医に世話になるぐらいじゃな・・・」
ガシッ
「・・・いいからさっさと受けろよこの羊(*自主規制)野朗、それとも納得出来るよう全部の指へし折ってやろうか?」
「「「・・・・・・・・・」」」
「すいません、お願いしますタマキ先生。」
「分かった!じゃあ今からテーピングするから、そのままの体勢でね!」
- 203
:しらにゅい:2011/01/29(土) 21:42:21
- 「失礼しましたー。」
「おう、またな。」
・・・
「失礼しま………した。」
「おいこら帰んな、シスイ。」
「後生ですから先生、見逃してください。ケイイチさんみたいな英雄になる前に死ぬなんて嫌です。」
「てめぇはここを何だと思ってやがんだ…?あ?」
「保健室です……サバイバルナイフを頬にくっつけないでください…」
「シスイ君、分かってるならちゃんと治療は受けようね?」
「はい…すいませんでした…」
・・・
「…ったく、任務以外で怪我作んな。」
「サーセン。」
「お前みてぇな積極的に動けるアースセイバーは貴重だから、くだらない怪我で足引っ張んなよ。…ほら、終わりだ。」
「…すげー、そっちでもちゃんと丁寧にやってくれるんですね!」
「良い的があるなー、投げてみようかな?サバイバルナイフ。」
「すいませんでした!!」
クルックー
「…え、鳩?」
「あぁ、窓辺で煙草吸ってたら寄ってきたから、試しに餌付けしてたら懐いた。」
「へぇー………あぁ、そういえばさっき保健室に来てた女の子って、確かスイネさんですよね?」
「あぁ。」
「…俺の記憶が間違ってなければ、の話なんですが、先生、いっつもスイネちゃんの前だと覚醒してません?」
「そうだな。」
「え、認めるんですか?そこ。」
「嘘ついても事実だからしゃーないだろ。」
「……どうしてそうなるんですか?」
「…さぁなぁ…俺もよく分からん。」
「……無意識?」
「かもな。………あぁ、んでもひとつ思い当りがある。」
「?」
「似てるんだよな、あいつと。…それだ、たぶん。」
シスイと談話中
「記憶」
「…生きていたら、あいつもスイネぐらいの年頃だろうな…」
- 204
:しらにゅい:2011/01/29(土) 22:03:58
- というわけで玉置二連発で投稿させて頂きました!
使用キャラは以下のとおりですっ
>>202 緑音ののか(樹アキさん)
>>203 都シスイ(akiyakanさん)、スイネ(サト様)
まず>>202の話は、時間軸は『緑音ののかの発症』後となります。
能力発症後をイメージして作りましたのでケイイチ達と接触する前ですかね?
タマキはののかちゃんのいじめを薄々感付いてはいましたが、直接口に出すと
傷を抉りかねないと思い、本人の口から出るのを待っていたんです。しかし、
その結果能力が発症するという最悪のケースに繋がってしまったわけで・・・
ちょっと負い目を感じてるのが現状です´`;その為、少しでも彼女の傷が
癒されますように、と自分の愛犬であるマサムネと接触させたのが今回のお話
ですw完全に俺得妄想です(ry
そして>>203の話・・・上でかっこいいシスイ君だったにも関わらずこんな扱い方を
してしまい、すいませんでしたァァァ!!!全力で土下座する準備はできてます!!
どうやら学校内では、覚醒してしまった先生に出会うと死ぬという変な噂が流れている
ようです。赤い子の仕業ですかね←
年上の方に対する口調とかどうなんだかちょっと悩んで何か変な具合になってしまいました・・・
全然違ってたらごめんなさい・・・orzスイネちゃんに対する呼び方も「さん」付けでよかったの
かしら・・・(;´ω`)なんとなくスイネちゃんの方がウスワイヤじゃ先輩かなー、と少し見知ってる
人に対しては「さん」付けかな、という独断と偏見で今回は「さん」にさせて頂きました。
基本ちゃん付けでしたら脳内変換で!次回から気をつけますのでどうかそれでお許しを(ry
色々謎を匂わせてますが、詳細はまた今度書かせて頂きます´`
- 205
:しらにゅい:2011/01/29(土) 22:18:20
- ロットォ・・・一番大事なところ書き忘れてました・・・
>>203の話において、タマキのキャラ故ですが呼び捨てにしてしまい
すいませんでした;;
- 206
:akiyakan:2011/01/30(日) 09:55:47
- >>200 スゴロクさん>
面白いと言っていただき、感激です! 実はスゴロクさんのを読んでいた時、スザクが主人公だった事もありますが、シスイ側の戦闘描写が無かったので、「これは、そっち側を見たければ自分で書けって事か!?」と勝手に解釈しました(笑)
>>201 しらにゅいさん>
「一角」呼びは、トキコがスザクを「鳥さーん♪」って呼んでいるところから閃きました。「可愛いなぁ、もう……あ、だったらシスイの事角付き呼びしそうだな」と思い、トキコには「一角君」と呼んでもらいました。
>>204 そして保健室でのやり取りに登場させてくださってありがとうございます! って、玉置先生コエェェェェェェェェ!! 治療前に怪我増やしてどうするんですかw
シスイは親しい間柄には呼び捨てする傾向ですが、面識の濃くない相手、もしくは先輩格にはさん付けの傾向ですね。スイネは人工神の交配から生まれた設定らしいので、何となくさん付けいてしまう感じです。なので、さん付けで間違い無いですよー
- 207
:スゴロク:2011/01/30(日) 13:36:42
- >akiyakanさん
実は、シスイ側の方はあえて書かなかったんです。集団戦描写が苦手なので2対1×2に分けたんですけど、ここはスザクの話なので、その視点に絞った方がいいかと思ったので。
では、また。
- 208
:十字メシア:2011/01/31(月) 17:44:37
- 久々の登場ww
>鶯色さん
シノを使ってくれてありがとうございます!
しかし作った本人が馬鹿なので頭脳的キャラとして生かしきれるのかww
同じ大学通ってないシュウトさんに対して解かるって…シュウトさん何か不憫ww
>樹アキさん
ユズキを使ってくれてありがとうございます!
あの後彼はどうなったのか…多分寝てるんでしょうねww(目開けたまま
>スゴロクさん
上と同じくユズキを使ってくれてありがとうございます!
ちゃんと仕事してたのか怪しい彼ですがwww
何しろ目開けたままねm(ry
そしてシノもありがとうございます!
彼女の場合、普段は「歩く図書館」でもバイクに乗れば「爆走する図書館」になりそうなwww
カッコイイシノをありがとうございました~!
>しらにゅいさん
ユズキを使ってくれてありがとうございます!
そしてNGシーンめりこまれたwww
心配されましたが、多分彼は何でもない顔をしてます。
おお、トキコちゃんの質問スタート時の表情の描写ナイスですね!
実を言うと、何らかの意図を踏まえて聞いてきたって感じのつもりだったので嬉しいです!
ありがとうございました!
そしておまけ。
-NGシーンその後-
「……」
「ユ、ユズキ君大丈夫?」
「別に。どうでもいいし」
「へ?」
「ぶん殴られた事なんか、自分興味ないから」
「……」
「まあ、寝るのも飽きたし、ケイイチ達の所にいこーっと」
「ちょ、ちょっと!?」
「ユズキ凄いねー」
「いや、トキコが言うセリフじゃないと思うけど…」
「何でー?」
「もういいよ…」
であ。
- 209
:スゴロク:2011/01/31(月) 21:32:30
- >十字メシアさん そうですね、多分ユズキは看板持ったままねt(
シノさんについては年下への口調がちょっと不安だったんですが、正しかったみたいでよかったです。
今度はスザクとトキコのある一コマです。
いかせのごれ高校、某日朝。
「おはよ~、一角君」
「え? ああ、おはよう」
いつもと同じ、登校風景。その中でかわされる、朝の挨拶。
僕、火波スザクも、その中にいる。
「鳥さんおはよ~」
「・・・・・・ああ、おはよう」
いつものごとくフレンドリーに話しかけて来るトキコに、無機質に返す。これも、いつものことだ。
誰が見ても仲良しではないのが一目瞭然だと思うが、ののかとかは僕らを友達だと思っているらしい。
ほら、今日も聞こえる。
「しゅざくっちとトキちゃんだ~。今日も仲いいね~」
「……ののか。本当に眼科行け、一度でいいから」
「思うのはいいけど口に出すな。怒られるから、マジで」
「……怒りゃしないよ、この程度で。もう慣れたし」
ぽつりと呟いた言葉が見事に聞こえたらしく、ののかの後ろにいたユウイとユズキが凍りつくのが目の端に映った。
そんな彼らをちらりと一瞥した後、僕はトキコをぶら下げたまま教室へ向かう。
「……あれ」
教室に入ると、いつもは見かけない顔が真ん中の席にいた。蒼崎 啓介……最近欠席続きのクラスメイトだ。
2年ほど前に妹の真衣ちゃんがいなくなってからそれっきりだったのだが、今日はどうしたのだろうか。
「おはよう、啓介」
「おはよー、レーダー君」
「……ああ」
ぶっきらぼうに、それだけ返って来た。相変わらず、トキコのあだ名の付け方はワケがわからない。
僕が「鳥さん」なのはまあいいとして、何で啓介が「レーダー」?
「どうしたんだ、今日は」
「別に。たまには顔を出さんと進級できなくてな。お前のように」
「うっ」
痛い所を突かれた。去年は「奴」を探してはぐれ能力者と戦ってばかりいたので、出席日数が足りず留年してしまった苦い思い出がある。
しかも今思えば、あの時普通に進級してればトキコと毎日顔を合わせる事もなかったような気がする。
今言っても仕方ないが。
「鳥さん、今度は進級できるといいね」
「うるさい、トキコ。二年もダブってたまるか」
言い返しつつ自分の席に座る。小柄なトキコは僕が席に座ると、今度は後ろから抱きついて来た。もはや振りほどく気も起きないので、そのまま話しかける。
「トキコ、一つ聞かせろ」
「ん~、なーに」
「僕が『鳥さん』なのはまだわかる。何で啓介が『レーダー』なんだ」
「だって、啓介君危ない所には行かないもん。絶対」
「……まあ、それはそうだけど」
確かに、啓介の行く先に事故や事件が起こったことはない。異様なまでにカンが鋭く、そう言う場所を避けて歩くのだ。
だからレーダー……なんか微妙だ。
「……それじゃ、シスイが『一角君』っていうのは? あれはさっぱりだ」
「ん~……」
少しの間考えた後、トキコは耳元で囁いてきた。
(一角君の能力は「天子麒麟」でしょ。だからだよ~)
(……なるほど。麒麟だから「一角君」なのか)
なかなか面白い発想だ。だが……その論理には悲しいかな、一つ間違いがある。
(トキコ、教えてやる。麒麟の角は二本だ。一角じゃユニコーンだな)
してやったり、的な笑みを浮かべて、僕は自信満々に言ってやった。
ところが、トキコは変わらぬ笑みを浮かべて言う。
(鳥さんこそ知らないのー? 麒麟は元々角一本だよー。二本なのは間違い。……もしかして、ビールのパッケージとかでしか知らなかったりするー?)
(…………………………)
―――――とりあえず、その日はもうトキコと口をきかないことにした。
というわけで、とある朝の一幕でした。
akiyakanさんの「都シスイ」、樹アキさんの「緑音 ののか」、紅麗さんの「榛名 有依」、十字メシアさんの「ユズキ」をお借りしました。
- 210
:紅麗:2011/01/31(月) 21:54:39
- >スゴロクさん
お、スザクちゃんとトキコちゃんだ(^^)
このコンビ何気にお気に入りだったりします
なんだか和むというか
麒麟は元々角一本だって初めて知りましたw
- 211
:akiyakan:2011/01/31(月) 22:31:52
- >>209 >スゴロクさん
はめるつもりが、はめられたスザクが可哀想ww 意外に物知りなトキコだ! 流石ホウオウグループ所属!
- 212
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:40:25
- ※例のごとく、長文ですみません。しかし、自分では短い話が書けないのです……
※スゴロクさんの「火波スザク」、紅麗さんの「榛名有依」、「高嶺利央兎」、you-403さんの「遠藤正輝」、「景山浩美」、鳶色さんの「ハヤト」、町中の熊さんの「貝塚真二」、そしてハタラキ有本家様から「コウスケ」、「タカヒロ」、「B子」、「コヨリ」をお借りしました! 名前だけの登場だったり、ちょい役だったりする皆さんはすみません……
放課後、俺は調査を開始していた。
噂の発信源である目撃者の元へ行って直接話を聞いたり、ネットを検索して情報を掻き集めたり、そんな感じだ。
もっとも、これは既に調べた事がほとんどなので、実際は夜までの時間潰しというのが大きい。
向こうが動くのは、間違いなく日が落ちてからだ。
「かと言って、一人で過ごすのも癪だなぁ……」
ネット検索を一通りやり尽くしたが、日が落ちきるまでまだ少しある。てもちぶさになった俺は、あてもなく町を歩いていた。仕事中なのに不
真面目だと思われるかもしれないが、こう中途半端に時間が余ると消化手段に困る。
「お。誰かと思えばシスイじゃない」
聞きなれた声が後ろから聞こえたので振り返る。
- 213
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:41:00
- 「あ、ユウイとリオトか」
そこにいたのは榛名有依と高嶺利央兎だった。
ユウイは気が強いが気さくで、明るい性格の女の子だ。その性格のおかげで友達が多い。
まぁ、どこにでもいる普通の女の子だ……一年前までは。とある出来事でアナボライザー化してしまったと言う話を聞いている。何でも、親友
に殺されてしまったそうだ。
本来なら、先天的であれ後天的にであれ、アースセイバー本部に報告する義務がある。だが、俺は彼女の事を見逃していた。と言うのも、彼女
の死因は「シャープペンによる刺殺」であり、手に入れた能力はシャープペンへの耐性(刺殺と言う死因を考えると、もしかしたら刺突行為全般
への耐性も持っているかもしれない)と、「シャープペンを出現させる事が出来る」と言う事。到底大きな悪用には使えないような能力だし、そ
んな能力を手に入れたが為にそれまでの平穏な暮らしを捨てさせられるというのは、少々理不尽と言うものだ。
それに、他にも彼女を見逃している。隣にいるリオトの存在だ。
リオトは俺と同じ二組の生徒だ。真面目でクールな性格の持ち主な上に、誰にでも優しいと言う絵に書いたような「良い奴」。クラスでの人気
も結構ある男だ。
なんでも二人は幼馴染だとかで仲が良い。休み時間にリオトが隣のクラスにいるユウイの所まで遊びに行く事はしょっちゅうだし、たまに一緒
に町に出ているところを見かける。そんな仲の良い二人を引き離すのは、俺には躊躇われた。
「シスイ、お前は一人?」
「ああ。のんびり散歩、ってところかな」
「なんか爺むさいぞ? どうせ散歩するなら誰か誘えばいいじゃない」
「んー、まぁ、そうだよな……」
これから怪物退治に洒落込むのだ、友達と一緒に暢気に散歩なんか出来ない。が、そんな事この二人に言うわけにもいかない。俺はユウイの言
葉に、苦笑を持って答える事しか出来なかった。
「そう言う二人はデート?」
「まぁ、そんな感――」
「デートって言うか、まぁ二人で遊んでただけだけど」
「……え?」
「え? 男女で遊ぶ。これ、立派なデートでしょ?」
「え? デートって普通、彼氏と彼女でやるものじゃないの?」
どうやら、ユウイと俺とではデートの概念が異なるらしい。俺にとってみれば男女で遊べばそれは立派なデートなのだが、ユウイの頭の中では
「恋人同士でやるもの」という考えのようだ……あ、リオト。そんなに目に見えて落ち込むなよ……
「ほんじゃまぁ、熱々の二人に水差すのも何なんで、出歯亀は退散する事にしやす」
「ちょっとシスイー、そんなからかわないでよー」
そんなやり取りを交わして、俺達は別れる。
正直ホッとした。ユウイはそうでもないが、実を言えば、俺はリオトの奴があんまり好きではないのだ。
初めてあいつと出会ったのは、高校二年生になって同じクラスになった時だ。
前述したように、あいつは本当に「良い奴」だ。生真面目でクールな性格に加えて優しい。俺も最初から嫌っていたわけではなく、むしろ好印
象をもって接していた。
けれども、ある日俺はあいつの傍にいた時、思わず吐き気を覚えかけた。
濃密な鉛の臭い。生臭い血の香り。
実際に臭いを放っていたわけじゃない。けれども、リオトが纏っていたのはまるで死の象徴するものだった。その時は、俺がそれを感じ取った
事を悟らせまいとするのに大分苦労したのを覚えている。
それで感じた。あいつには、何かがある。
より疑念を強めたのは、ユウイがアナボライザーになったきっかけについて情報収集をしていた時だった。
『ユウイの友達なー、本当に仲良かったんだ。親友って言って間違いない位にね……だけどリオトの奴、ユウイの親友死んだってのに、あいつ悲
しむどころかずっとニコニコしてやがった。あれにはビビッたぜ』
そんな話を聞いた。驚きこそしたが、信じられないわけではなかった。俺にはどうしても、リオトが纏っていた血の臭いを忘れられなかったん
だ。
長く戦いに身を置きすぎた人間から、ごくたまにああ言う気配を感じる事がある。きっとリオトも、そう言う類なのだろうと俺は信じたい。信
じたいのだが……あの時生理的に感じた嫌悪感がなかなか拭えず、俺は今でもあいつを好きになれないでいるのだ。
「……考えすぎだろう」
悪い奴じゃないんだ、多分。そう、俺は信じたかった。
- 214
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:43:39
- 「よぉ、シスイじゃん。何やってんのー?」
「え?」
そう声をかけてきたのはハヤトだった。彼だけじゃなく、コロネや真二、浩美に正輝、コウスケにタカヒロ、B子さんにコヨリまでいる。
「よ。誰かと思えば、ケイイチを尊敬してる変わり者じゃねーか」
それほど面識が無いはずなのだが、そんな事気にしないようにコウスケが気さくに話しかけてくる。こう言うところが、彼の「モテる」所以な
のだろう、きっと。
「珍しい面子で、えらい大所帯じゃないか」
「これからみんなでカラオケ行くのー。浩美ちゃんや正輝君の歌をみんなで独り占めだよー」
「おいおい、コロちゃんそりゃないよ。俺達だけに歌わせるつもりか、君は」
「けどコウスケ。女の子少なくてちょっと残念じゃないの?」
「はっはっはー、何その俺についたイメージ? だけど問題無いぜ、既に集合かけてるから」
「手が早いな、おい!?」
正輝が突っ込むと、ドッとその場で笑い声が上がった。俺も釣られて笑ってしまう。
……平和だ。探せばどこにでもある、ありふれた日常。学び舎の仲間達と共に町へ繰り出して遊ぶ、ささやかな幸福。けれども、学生である一
定の時期にしか味わえない、かけがえのない幸福。
「シスイ君も一緒に来るー? 綺麗どころ、いっぱい揃えましたぜ、旦那?」
「何、そのキャバクラの客引きみたいな勧誘は」
「深く気にする事は無い。真二は突っ込み待ちなんだ、きっと」
あははは、と真二らしいのんびりとした笑い声が響く。それに釣れられる形で、また笑い声が上がる。
「うん、そいつは魅力的だ」
きっと行けば楽しいのだろう。みんなでわいわいがやがや、歌って騒いで。
そんな一時を過ごしたのは、一体いつ振りだろう。
ああ、懐かしい。そう言えば春に、進級記念のパーティーに呼ばれてからそれっきりだっけ。
あの時は、本当に楽しかった。アースセイバーの一員でも、超能力者である自分でもない。その時の俺は、間違いなく「ただの人間・都シスイ
」でいられた。
この平和と幸福は、絶対に失わせてはいけない。これは宝だ。
「……だけど、ごめん。俺、今やらなきゃいけない事あるんだ」
「ええー。シスイ君いてくれると、なんかみんなの調子が上がるからいいのに~」
コロネが不満げな声を上げるので、俺は苦笑する。よくもまぁ、春初めの出来事をこの子は覚えていたもんだ。
「ごめん。また今度、誘ってくれたら絶対に行くから」
「絶対だよー!」
みんなに背を向けて、俺はその場から離れる。
「……いいもの見せてくれて、ありがとう」
絶対に守らなければいけない。その意思が、俺の心に火をつけてくれた。
頑張れる。昨日みたいな苦境に陥っても、俺は絶対に負けない。
そんな自信が満ちていた。
※コロネが「シスイがいると調子がいい」と言うのは、シスイが高揚していると微量ながらも「天子麒麟」の力が周りに流れ、彼の周囲にいる人間の力を活性化させるためです。後、幻獣「麒麟」は、それと出会う事が吉兆の証とされる事から。
- 215
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:44:21
- 日が落ちた。辺りに夜の帳が下り、地上を照らすのは星の光ではなく人工の光。
古来、人は闇を恐れた。それは闇の向こうに天敵が潜んでいるかもしれない恐怖から来るものであった。人の生活に明かりが絶えないのはきっ
と、そんな昔の本能が自分達から「怖いモノ」を遠ざけようとしているのだろう。
かくて町に光は灯り、闇は何処へと追いやられた。だが、人の英知を持ってしても、町という空間からすべての暗闇を追い出せるわけではない
。
町の外を流れる水路。そこへ流れ込む下水溝の入り口の一つ。
ズルズルと、何かが這う音が聞こえる。それは下水溝の奥から響いてくる。
やがて音が大きくなるにつれて、それは外へと近付いて来る。ズルズル、ズルズル。それは外へと迫ってくる。
ようやく姿を現したそれは、ワニのようであった。と言うよりも、全長八メートルを超えるような爬虫類は、おおよそワニしか想像がつかない
。そうでなければ、コモド島に住むコモドドラゴンがいいところだろう。何にせよ、凡人の感覚であるならば、それを一目見て浮かぶのはワニの
姿である筈だ。
しかしそれは、ワニなどではなかった。狭い下水溝から出て気分が高揚したのか――あろう事か、そのワニは後ろ足二本で立ち上がった。よく
テレビなどで、木を支えにまるで立っているようなワニの姿が紹介される事がある。しかし、そうではない。下水溝から這い出てきた「それ」は
、前傾気味ではあるものの、自力だけで立ち上がったのだ。
前傾気味、と表現したが、立ち上がると元々その姿勢になるのであろう。ふらついたりはせず、全身でがっしりと大地を踏みしめている。
「それ」は頭を振ると、川の中から明かりの灯る町の方を向いた。きゅう、と瞳が小さく細められる。その様子はまるで、獲物を前にして喜び
、笑っているかのようであった。
姿勢を四足歩行へと戻すと、「それ」は川から岸へと上がっていく。
「それ」の名は「キュウエル」。ホウオウグループが生み出した、生物兵器の一つだった。
「見つけたぞ」
俺の声に反応して、馬鹿でかいワニかトカゲのような生き物がこちらに顔を向けた。
俺は川と岸との境界である柵の上に立っていた。数メートル先の川の中から、巨大なトカゲがこちらを見ていた。
「…………」
ホウオウグループのエンブレムが入っているわけではない。それでも俺の「感覚」は、あれが真っ当な生まれ方をした生物ではない事を感じ取
っていた。
ホウオウグループによって玩ばれ、イビツに歪んだ命。
「……行くぞ」
相手に行ったところで、向こうに理解出来る筈がない。それでも口に出したのは、自分に言い聞かせるためだ。
全身を金色のオーラが包み込む。身体強化が指先から頭のてっぺんまで施される。
それは「変身」。それは「武装」。それは「抜刀」。それは「装填」。
変える――戦える姿へ。
纏う――戦える力を。
抜く――戦う為の勇気を。
込める―-戦い抜く意志を。
儀式完了。俺は怪物トカゲ目掛けて身を躍らせた。
- 216
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:44:58
- トカゲが顎斗を開き、俺を威嚇する。だけど関係無い、俺の体は既に重力に捉まっている。俺の蹴りは勢いに任せるまま、奴の背中に決まった
。
「う……」
足裏に、生き物を打つ嫌な感触が伝わる。ミシ、と骨の軋む感触があり、痛みからトカゲが悲鳴染みた声を上げて暴れる。俺はその場を離れ、
岸辺に足をついた。
「……何度やっても慣れないな」
生き物との、命を持っている相手とのやり取りは嫌いだ。場合によっては相手の命を奪わなければいけないし、今がまさにその「場合」だ。そ
うでなくても、俺は何か生き物を傷付ける事が嫌いだ。もっともそんなんだから、いつまで経ってもKEAさんに半人前呼ばわりされるのだろう
。
「歯ァ、食いしばれ……!」
ここに来る前に、みんなの姿を見て覚悟を決めたんじゃないのか!? あそこを、あのかけがえのない日溜りを守るんだって。その為になら、
この手がどんなに血に染まっても構わないって、そう意志を込めたんじゃないのか!?
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ワニの顎は約一トンもの力を持つと言われる。目の前にいる相手はどちらかと言うとトカゲと言った風体だが、それにしたってあの巨大な顎に
食らいつかれたらと思うとゾッとする。けれども、俺にはケイイチさんみたいな飛び道具は無い。幻龍剣みたいな、リーチの長い武器だって持っ
てない。
零距離近接のステゴロ。それが、俺にある唯一の武器だ。
食らいつこうとする奴の顎の下に潜り込み、思いっきりアッパーカットを食らわせる。後ろに向かって弾かれる頭部。しかし、見た目程有効打
ではない。鱗とゴムみたいな皮膚がまるで重装甲だ。
すぐさま距離を取る。あのまま連続攻撃を仕掛けたところで、向こうの膂力に押されてジリ貧であるからだ。
「ハァ……ハァ……」
相手に対する警戒を怠らず、それでいて奴の弱点を探る。
考えろ。全身を分厚い装甲で覆う事なんて出来やしない。それでが爬虫類をモデルにした生き物なら尚更だ。どこか、構造的な弱点がある筈だ
。
しばらくの間、睨み合いが続く。向こうが間合いに入りたいが、動きが遅いのでそううまくはいかない。かと言って俺の方は、いくら間合いに
入っても決定打が打てない。
どちらも、今は手詰まりだ。そう、思っていた。
しかし――
「ん?」
ヒュン、ヒュン、と。何かを振り回すような音が聞こえる。一体どこから? そう思い、前方に注意を払いながら辺りに音源になりそうなもの
を探す。しかし、音の発信源は特定出来ない。
一体、この音の正体は何なんだ? そう思った、次の瞬間、
「――が、はっ!?」
横殴りの衝撃が、俺の体を襲う。完全に不意を突かれた形であり、防御する暇も無く俺の体は吹っ飛ばされる。
(何が、起きた!?)
訳が分からないが、今のが奴の攻撃なのは間違いない。俺は受けた衝撃に成すすべもなく、その体は冷たい水中へと没していた。
- 217
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:45:48
- 「ぷはっ!」
濁った水の中を、必死に手や足をかいて水上へと上がる。相手を見失うまいと、慌てて奴の姿を探すがどこにも見当たらない。
「まずい……!」
陸は俺の領域だが、水中は向こうの支配下だ。場所が悪過ぎる。
こう暗がりで、しかも川の水は濁っている。これでは、一体どこから仕掛けてくるのか分からない……!
そう考えると、俺はすぐさま岸を目指して泳ぎ始めた。
「まだか、まだか……!」
なかなか岸に辿り着けないのがもどかしく、同時に焦りを覚える。奴がこの水中のどこかに潜んでいて、いつ俺に仕掛けてくるか分かったもの
ではない。そう思ってしまうと、心臓を鷲掴みにされるかのようだ。
後もう少しで岸だ。そう思ったのも束の間、目の前の水面に無数の泡が浮かぶのが見えた。
まさか――
全身の血の気が引いていくと同時に、奴が巨大な口を開きながら水中から飛び出してきた。
(野郎、俺が岸に戻る事を計算して待ち伏せを……!?)
どうする。水中では踏ん張りが利かない。こんな場所では蹴りにも拳にも威力が無い。だが、何かしなければ俺は奴に食い殺される。
「……待てよ、「水」中?」
俺はある事を思い出し、自分の周りを見る。
ここは川だ。そして俺の周りにあるのは膨大な量の「水」。
「……試して、みるか」
俺は一か八か、「天子麒麟」のオーラを自分の体だけでなく、周囲の水に溶け込ませるように放出し始めた。すると、オーラの溶け込んだ水が
僅かに金色の光を放ち始める。
まだだ、まだ足りない。相手はもう目の前にまで迫っている。けれども、これではまだ足りないんだ。
「ぬ、うぅぅぅぅぅぅぅ……」
力を込め過ぎて、全身がブルブルと震える。そんな俺の動きに合わせるように、水が放つ金色の光が強さを増していく。
ギリギリ間に合った。前を見ると、全開まで開かれた奴の口の中が見えた。ここなら、奴の牙の数を数える事さえ出来そうだ。
奴が水中から飛び上がり、俺を飲み込もうとする。それに合わせて、俺は水中を両手で思いっきり叩いていた。
「食らえ!」
さっきまで放出していた金色の光が消えうせ、代わりに、俺の真下からまるで水が吹き出すかのように溢れ出た。それは俺を避けるようにして
上方に向かって流れ、巨大な水柱となる。
「!?」
突然の事態に奴が驚くのが分かった。しかしそれは一瞬の事であり、水柱が直撃して奴の体は空高く吹き飛ばされる。そしてある程度の高さに
まで昇りきると、今度は奴の体を重力が捉え、大地に向かって引き戻し始める。
ドスン、と鈍い音が聞こえた。奴が岸辺に叩きつけられた音だ。仰向けにもがく奴の姿が目に入った。
- 218
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:46:28
- 「……流石に、今のは効いたらしいな」
岸に上がりながら、俺は再び構えを取っていた。向こうも丁度起き上がったところで、俺の姿を見つけて威嚇の姿勢を取る。
俺の能力は、理論上は「地上にあるものなら何でも強化出来る」ものらしい。今のだったら、水の量を増幅して巨大な水柱を作り上げたわけだ
。もっとも、未熟者の俺では出来る事に限度があるし、強化は永続的なものではなくて効果が無くなればそれによって強化・増幅された分は消失
してしまう。その証拠に、飛び散る水滴に混じって、金色のオーラに変わっては消えていく水粒がいくつかある。それらはすべて、今俺の能力に
よって増幅されたものたちだ。
向こうは威嚇の姿勢を取り続けている。しかしその一方で、再びあの、ヒュン、ヒュン、という音が聞こえてくる。もう一度あの、正体の掴め
ない攻撃で俺を川に落とすつもりか。
「だけど――その攻撃の正体は見切った」
空気を切り裂きながら、左から何かが迫ってくる。しかし俺はそれを冷静に、手刀の形にした左手で薙いだ。奴が苦悶に満ちた悲鳴を上げ、何
かが地面に落ちてくる。
それは、尻尾の切れ端だった。本体から切り離されても尚も動き続け、ぴくんぴくんと地面の上を跳ねている。
攻撃の正体は何て事のない。奴の体の長さの半分以上を占める尻尾によるスイープだった。ヒュン、ヒュンというのは、奴が尻尾を振って勢い
を付ける音であり、それを鞭のようにしならせて俺の体を吹き飛ばしたんだ。暗がりである事と凄まじいスピードで放たれた攻撃なので最初は気
付けなかったが、思考を回せばこれ以外に奴の攻撃は残っていない。眼球に集中的な強化を施せば、見切れない程の速さでもない。
ぐおぅ、と奴が唸る。見れば、切れた尻尾の先からブクブクと泡が立ち、やがて切り落とされたものと全く同じ部位がそこから生えてきた。
「再生能力か……」
機械の兵器では、こうはいかないだろう。生物が持つ特徴である再生。それを遺伝子改造で強化してやれば、普通の生き物なら致命傷になる傷
でもあっという間に復元してしまう。もしかしたら地面に叩きつけられたダメージも、既に回復してしまっているかもしれない。
やるなら一撃。頭部、もしくは心臓を打ち砕くしかない。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
全身に強化を施しつつ、右腕に集中強化。肉体の限界を超えた強化が、右腕の血管を破裂させ、骨を、筋肉を軋ませる。一歩進むごとにジリジ
リとした痛みが右腕全体に広がり、血管が破裂して手が赤く染まる。
「まだだ! 持ちこたえろ、俺の身体!」
玉置先生には、よくよく「無茶をするな」と言われる。けれども、俺はケイイチさん程強くはない。強敵を相手に圧勝できるような力が、俺に
はない。だから俺は望んで無茶をする。身体を削り、身を削る。それは代償だ。
その結果得るのが、強敵を打ち倒すための力だ。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
奴の目の前まで踏み込み、相手が俺を食らい付こうと飛び出してきたところを跳躍。眼下には、俺が突っ込んだその時から狙っている、奴の弱
点。
自らの血で真っ赤に染まった右腕を振り上げる。重力落下速度も攻撃力に加え、俺の拳は奴の脳天に突き刺さった。
拳から伝わる感触が、頭蓋を、そしてそれに守られている脳を砕いたのを伝えてくる。俺が奴の頭の上から降りると、それに合わせる様に、ど
っと巨大な身体が倒れる。
「……ごめんな」
ギルギガントを倒した時のような充足感は無い。今、俺の心にあるのは痛みだった。
- 219
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:47:48
- 「……はい……はい、そうです。すぐに回収班を寄越してください」
アースセイバーに連絡し終わると、ようやく俺は一息つく事が出来た。
視線を、目の前に横たわる巨大なトカゲに向ける。大きさで言えば、ギルギガントの方がずっと大きかった。けれども、あれには人間の弱点と
機械の弱点の両方があり、それを突く事で勝てた。今回の場合は、完全な力押しによる勝利だった。
「痛ッ……」
安心して気が緩んだせいだろうか。今の今まで気にならなかった痛みが、俺の右腕を侵食する。思わずその場で蹲ってしまいたい程の痛みが、
俺の右腕を焼く。
体温を感じない、感覚も無い。痙攣でもしているように手の震えが止まらない。無茶な肉体行使の結果だった。
「……こんなだから、何時まで経ってもKEAさんに半人前呼ばわりされるんだろうな」
ケイイチさんと同じ顔できつい一言を放つあの人の姿が目に浮かぶようで、思わず苦笑を浮かべてしまう。
その時俺は、完全に相手を倒したものだと思っていた。
それは半分正解で、半分間違い。
俺は甘く見ていたのだ。ホウオウグループが一体、どんな化け物を生み出したのか。
「――え?」
何かが、俺の足首に巻きついた。何が、と確認する間も無く俺の身体は宙を舞い、硬いコンクリートに叩きつけられていた。
「がッ、ごほッ!?」
咄嗟の事で、能力を使うのが送れた無防備な身体が、容赦無く地面に打ちのめされる。
「な、何、がッ……」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
しかしすぐに分かった。視界の先で、俺が倒した筈のあの巨体が、ゆっくりと起き上がっていたのだ。
- 220
:akiyakan:2011/02/01(火) 10:49:08
- 「そん、な……」
倒した。間違いなく俺は脳を砕いた。なぜ脳を砕かれて奴は動いている!?
訳が分からない。何で奴が。頭が混乱する。思考がうまく出来ない。
そうしている内に、奴はこちらへと近付いて来る。ズルズルと、芋虫が這うような動きだが、それは俺にとって死神の足音も同然だった。
その時になって、俺は正気に返った。恐怖という感情が、俺を冷静にさせていた。
「ま、まずい……」
もはや、俺は戦えるような状態じゃなかった。右腕は使えず、無防備な状態で受けたダメージが全身に響いている。その場から逃げようにも、
身体がうまく動いてくれない。
「く、くそ……」
そうこうしている内に、奴がすぐそこまで迫ってきた。
のそりと上体を持ち上げ、がぱりと口を開ける。恐怖のあまり、俺は自分の表情が引きつっているのが分かった。
(やられる――!)
そう思って、思わず目を閉じた。直後に、奴の顎斗が俺を捉え――
ブゥン、ザシュ。
「……?」
この場に似合わない音が聞こえた。俺は恐る恐る目を開く。
すると目の前にいる怪物トカゲは、俺に向かって口を開けた状態で固まっていた。いや、よく見ると目を閉じる前と状況が微妙に違う。奴の胸
から、赤い光の刃が伸びていたのだ。
ザン。刃が垂直に真っ直ぐ上へと動いた。たったそれだけの動作で、俺は奴の心臓と脳の両方が潰された事を理解した。
一体何が起きたのか。放心したまま動けない俺に、手を差し伸べる者がいた。一体誰だと思って顔を上げると――
「あ……」
「全く、格好悪い有様だな」
俺の姿が可笑しいのか、それとも何か別のところで笑っているのか。そこには、赤い髪の毛の少女が立っていた。
その姿を俺は知っている。普段の彼女は真っ白な髪の毛なのだが、能力を発動する炎のような赤色に変わるのだ。
「す、スザク……」
「また無茶をしたみたいだな……立てるか?」
「あ、ああ……」
スザクは俺の右腕に気付いていたらしく、差し出された手は左だった。俺はその手を取り、よろけながらも何とか立ち上がる。
「ありがとう、助かった」
「何、お前は今まで何度も僕を手伝ってくれただろ? その借りを少し返しただけだ」
そう言ってから、何かに気付いたように彼女は空を見上げた。見れば、回収班を載せたラーがこちらに近付いて来る。
「あんまり、無茶するなよ」
そう言われて、俺は彼女の方を見た。スザクはこちらを見ておらず、飛んで来るラーの方を向いたままだ。
「君だって、僕にとっちゃ日常の一部なんだ。いなくなられると困る」
「……あ、うん」
彼女の言葉に、俺は知らず驚かされていた。
忘れていた。こんな俺でも、学校では日常の一部なんだっていう事を。
「……ありがとう」
「ん? 礼ならもう言われたけど?」
スザクが不思議そうにこちらを見るが、俺は続けて、
「ううん、そっちのありがとうとは違うんだ」
そう返す。
ありがとう、スザク。俺は危うく、大切な事を忘れるところだった。
気付かせてくれて、ありがとう。
- 221
:akiyakan:2011/02/01(火) 12:22:01
- ↑時系列書き忘れた……「麒麟と朱雀」の直後になります。
- 222
:しらにゅい:2011/02/01(火) 19:37:27
- >>209 してやったりな鳥さん可愛いwwけどやっぱりそうきたか!!w
毎度のことながら、スゴロクさんが動かすトキコはまさに自分のイメージと
ぴったりのトキコで・・・も、もしやエスパー!?(ぇ
ニヤニヤさせていただきました(*´∀`)ww
>>212 いやいや!逆に羨ましいですよっ!しかも読んでて次は次はと
どんどん読みたくなる文章力ですから、長文でも飽きしませんよw
リオトがもしかしたら、って考えてしまうけれどそうじゃないと思いたい
シスイ君の葛藤がいいですね。真っ先に疑ったりしないところが、平穏な
日常を望むシスイ君らしさが出てて良いかと思います(*´∀`)その後の
ハヤト達とのやり取りにほのぼのさせて頂きましたが・・・真二wwwそれで
こそ真二君だ!ww←
戦闘シーンは見ててハラハラしますね!おぉ、さり気なくタマちゃんがいる!
ありがとうございますっ!wこんなこと知られたら真っ先にタマちゃんがシスイ
君を(以下省略(ぇ
うーん、勝ったという事実を素直に喜べない・・・確かに、元は真っ当に生きていた
ただの生き物ですからね・・・(´・ω・`)と油断していたのも束の間、次のシーンで
度肝を抜かされました(;゜Д゜)ナ、ナンダッテー!?ホウオウグループの科学力・・・
おそるべし・・・!しかしそこに颯爽と現れた王子さm・・・じゃなくて、鳥さんこと
スザクさん!かっけぇ!!かっけぇです姉御!!姉御の言葉に、自分は日常を守る
者であると同時に日常の一部であることを気付かされたシスイ君・・・また一回り
大きく成長したと思います!
長文お疲れ様でした!読んでてとても楽しかったです!w
- 223
:スゴロク:2011/02/01(火) 19:48:07
- >akiyakanさん あの後の話ですね。うおおおお、スザクがおいしい所持って行きましたねー!
シスイにとってスザクは頼りになる戦友であり、スザクにとってシスイは大事な日常の一部なんですね。
>しらにゅいさん 多分、事件とかが関わらなければああやってひらりひらりとかわされているんだろうなぁ、と思ったもので。
仲が悪いと言うより、スザクがトキコの波長についていけてないだけなんですよね。「なんであんなに自由なんだろう」と。
しかし、すっかりスザクが「姉御」と言う事に……拾おうかな?
- 224
:しらにゅい:2011/02/01(火) 19:48:19
- 「なんでトキコ、この学校にいるの?」
お昼時。唐突にコロネはトキコにそう問い掛けてきたのであった。
その発言によるものなのか、机を挟んで対峙する二人の間に少しだけ妙な沈黙が訪れる。
問い掛けられたトキコはといえば、自分の昼ご飯であるメロンパンを噛み切って口の中でモゴモゴと
させているだけで、答えようとはしなかった。何かを考えているような様子にも捉えられるが。
コクン、とメロンパンが消化されたところでようやく彼女は返事を返した。
「なんで、ってなんで?」
「んー、ここって皆理由が色々あって来てるでしょ?トキコも何かあったのかなーって。」
「・・・・・・・・・」
少しだけ、トキコの眼が細められた。
コロネはその変化を見逃さなかったのだが、彼女の感情の変化までは分からず、
ただその仕草に首を傾げるのみだけであった。
「・・・神様が、学校に行きなさいって言ったの。」
「神様が?」
「うん、本当は学校行くの嫌だったんだけどね。しょうがっこーの頃はは皆にいじめられてたし。」
「・・・え、トキコって昔いじめられてたの?」
意外だ、とコロネは驚いた。普段破天荒に振舞うトキコは「いじめ」とはまったく疎遠な存在だと思っていた。
しかしその少女自身の口から、いじめがあったとの事実が告げられたのだから、驚かないわけがないだろう。
トキコはそのことについてはあまり触れずに、次の言葉を続けた。
「家庭のじじょー、とか色々あったの。だから、神様に言われた時は嫌だーって言ったの。
だけどね、神様はもしまたいじめられるようなことがあれば、我慢しなくていいって言ったんだ。
お前はあまりにも我慢しすぎた、だから今度は我慢せずに好きなように振舞えって。」
「・・・へぇー・・・」
「それでね、神様からオシゴトを貰ってこの学校に来てるの。そしたら、毎日がすっごく楽しくなったんだよ!
ケイくんや鳥さん、ユーイちゃん、一角くん!それにハヤトやネーちゃん、たぁっくさんお友達が出来たの!
皆優しくて前の人たちみたいにいじめないから、私すっごく嬉しいんだ!」
「・・・そっか。」
トキコは、もちろんコロネもね、と付け足すと、コロネは照れたように笑った。
トキコの話しぶりから、本当に楽しいのだという気持ちが伝わってくる。
この学校が彼女にとって良い場所となって良かった、とコロネはそう思った。
「よかったね、トキコ。今すっごく楽しくて。」
「うん!」
満面の笑みを浮かべてトキコは元気よく頷いたのだった。
- 225
:しらにゅい:2011/02/01(火) 20:10:37
「トキコ、」
「ん?・・・なんだ、ゼアじゃん。またお出かけ?」
放課後。一人帰路を歩いているトキコに声をかけてきたのは、先のボルカノン再起騒動主犯者である、
ホウオウグループ開発部、ゼアであった。後ろから付けている気配はまったくなかった、にも関わらず
今この男はこうしてトキコの背後に立っているのだ。少なからずとも、彼女はそのことについて驚かない
ことはなかった。負けず嫌いの子供の性質上、そのような弱みは見せなかったが。
「どこに行くのですか?」
「どこって、決まってんじゃん。おうちに帰るの。」
「あの廃墟にですか?」
「・・・・・・・・・そーだよ、あんなんでも私のおうちだもん。」
「そうですか。」
人の良さそうな笑みを浮かべているゼアと、ただ無機質に答えるトキコ。
ただの質疑応答のやりとりではあるが、お互い腹の内を見せない冷戦を繰り広げていた。
考えの読めない面は流石ホウオウグループといったところか、とトキコはさも他人事のように思った。
「ほんで、なんか用?この前のことなら別に謝らないけど。」
「あれぐらいのこと、微塵にも気にしてませんよ。」
「そう、だったらそこどけてよ。おうち帰れない。」
「つれませんね、私達は同じ仲間じゃないですか?」
「・・・ぷ、あはは!それ本心で言ってんの?」
「さぁ?どうでしょう。」
かすかに、二人の間に殺気が漂い始める。今すぐにでも戦闘を始めてしまいそうな、一瞬即発の雰囲気である。
ゼアの全てを知っているわけではない、だがこの男が自分と同じように学校に通う少年、リオトのように仲間を
大切に思っているとは思いがたい。だから、トキコはこの男を元より信頼はしていないのだ。
そんな思考を遮るかのように、ゼアが口を開いた。
「・・・私の質問にひとつ答えてくれませんか?そうしたらおうちに帰してあげましょう。」
「いいよ、なあに?」
「何故、邪魔をしたのですか?」
「それはあの時言ったじゃん、鳥さんいなくなったら困るって。」
「違いますよね?」
「・・・・・・・・・」
自らの返答が否定されたにも関わらず、クス、とトキコが笑う。
その笑みは純粋な子供の笑みというよりも、狂気を秘めた歪んだ笑みに近かった。
「・・・鳥さんがいなくなったら困るよ、ホントだよ?」
「しかし、それはあの時貴方を突き動かした理由の”一つ”である。そうですね?」
「うん。」
「そして、滅多に接触することのない私とも戦いたかった、それも理由の”一つ”である。」
「でも一番の理由は、」
「今回の一件は、ホウオウ様の命令ではなかったから。」
「・・・当たり。」
ニヤリ、とトキコが口を歪ませれば、ゼアもまたククッ、と笑った。
「なるほど、本当に貴方はホウオウ様を崇拝しているようだ。」
「もちろんだよ、私にとってあの人は唯一の神。その存在でしかない。
何?裏切るとでも思ったの?」
「子供は大変気分が変わりやすい生き物ですからね、可能性はなくはないでしょう。」
「私がホウオウ様を裏切る時は、自分で自分を殺す時だけだ。」
その時のトキコは、いかせのごれ高等学校に通うあの純真無垢なトキコではなく、
絶対者に忠誠を誓うホウオウグループのトキコ・・・そのものであった。
そんな彼女を見て、ふ、とゼアは肩をすくめて呟いた。
「・・・狂信者、というわけですか。もう少し協力的なら助かるのですが。」
「ホウオウ様が言ったら協力したげるよ。」
ケケケ、と笑えば、もう普段のトキコへと戻っていたのだった。
朱鷺と少女と研究者
「その決意は、お友達との約束を破ることになりかねませんが?」
「嫌だなぁ、約束は破らないよ。だって、その時は私が殺すから。」
- 226
:しらにゅい:2011/02/01(火) 20:25:23
- というわけでトキコの(ちょっとだけ)過去編でした。
お借りしたキャラはこちらです。
>>224 コロネ・都シスイ(akiyakanさん)、火波スザク(スゴロクさん)、榛名有依(紅麗さん)、
ハヤト(鶯色さん)、ネイロ(砂糖人形さん)、ケイイチ(本家)
>>225 ゼア(遊び盛りの学生Lv15さん)
って前半はコロネ以外名前のみ(しかもあだ名のオンパレード)ですいません・・・!
皆トキコのお友達なんです!しかしあだ名ばっかりだときっと本名覚えていないってオチに(ry
後半はゼアとのやり取りでしたが、時系列的には「狂気の翼のオラトリオ」後の話です。
ゼアとは気が合わないみたいで、会う度にお互い腹のまさぐり合いみたいなやり取りをしている
ようです。そしてホウオウ様絶対忠誠なトキコちゃん。ホウオウ様の命令には忠実に聞くのですが、
逆を返せば、ホウオウ様の命令「しか」聞かないのです。厄介な。
それぐらいホウオウは彼女にとって大きな存在なのです。
とりあえず何か狂信者的なトキコが書きたかったんです・・・orz面白くない文だわさ(´・ω・`)
ちなみに最後の台詞はスザクを絶対殺す、と、ホウオウからの命令でない限り死なない、という
意図を含んでの発言でした。うわー、もっと分かりやすい表現したい!!
文才ェ・・・orz
- 227
:しらにゅい:2011/02/01(火) 20:29:31
- すいません!
>>225 名前のみで高嶺 利央兎(紅麗さん)お借りしました!
ちょっとリオト君に血で切られてきます・・・(ぇ
- 228
:スゴロク:2011/02/01(火) 20:49:18
- >しらにゅいさん トキコにそんな過去が……しかし、今の状況と背景を考えると……最後の満面の笑みが怖ぇぇぇっ!!
トキコはよくも悪くも裏表ないですけど、鬱屈した状態から一気に解放されたせいでこうなっちゃったんですね。しかも公認で。
では、「約束」に関するスザクの反応と、彼女の本質を少しだけ……お見せしましょう。
「……学校生活は楽しいか、スザク」
「ああ、もちろんだとも、ゲンブ」
いかせのごれのアンダーグラウンドとも言うべき、ストラウル跡地。ここに呼び出したスザクは、いつものように不敵な態度でそう答えた。
「そうか。それは何よりだ」
「そんなことは思っていないだろう? 本心を言ったらどうだ」
「……」
「お前は、ホウオウグループであるトキコと不必要に接触している僕を信用していない。だからこうして呼びだした。違うか?」
「その通りだ」
否定する意味はない。俺は正直に応えた。そうだ。あの高校には、最低でも3人、ホウオウグループの手先がいる。
特に、今スザクが言ったトキコという女の子は危険に過ぎる。スザクも気付いているようだが、純真無垢なその裏には狂気―――否、狂信が隠れている。
「……命の取り合いの約束までしたらしいな。何のつもりだ」
「何のつもりとは、また陳腐な質問だな。僕はあいつをこの手で殺したい。それだけだ」
「なぜ殺す? なぜ拘る? その理由は」
俺の質問に、スザクはすぐに答えない。―――嫌な感じだ。こいつがこうして答えを溜める時は、大抵……。
果たして、
「他の誰かの手にかけさせるには、あいつは惜しい。僕の手で、僕の剣で殺したい」
「またそれか。愛情を抱いた相手に対する殺意。それしか愛情表現を知らんのか」
「知らないわけじゃない。ただ、これが一番手っ取り早いんだ」
ため息が出た。相変わらずのようだ。おかげで、何度俺がフォローに奔走した事か。
しかも今回は、本気の本気で狂っているあのトキコが対象だ。アルマから聞いた話では嫌っているとのことだったが、どうやらある一点で反転してしまったらしい。
「わかっていると思うが、奴は敵だぞ。その時がくれば、奴も容赦はしないだろう」
「そうだな。トキコは本気で僕を殺しに来るだろう。ホウオウグループの一員として、僕を壊しに来るだろう」
釘を刺すつもりだったのだが効果なし。どこか楽しげに、スザクは語る。
「いいのか。お前が死ぬかもしれないぞ」
「そうなったら、そうなっただ。シスイやコロネ達には悪いけどな」
「……命が惜しくないのか」
ここで、ただ、惜しい、と答えてくれれば、まだやりようはあった。だが、
「ああ、惜しい。少なくとも、トキコと殺し合うまでは」
……これはダメだ。完全にトキコにのめり込んでいる。こうなると、対象を殺すまでスザクは止まらない。
ホウオウグループに所属していた、その代償がこれだ。今まで何度、スザクを叩きのめして正気に戻す羽目になったか。
「……今回は相手が相手だ、見逃してやる。だが」
「一般人や味方に刃を向けるな、だろ? わかってる」
そう言って立ち去るスザクの姿は、学校に通う頼れる姉貴分のスザクではなく、殺害と言う形でしか愛を表せない、歪んだ少女だった。
そんな彼女を見て、思わずため息が零れた。今日で何度目か。
「……少しは自戒してくれると、ありがたいんだが」
「全面対決になったら考えてやるよ」
この性癖さえ、これさえなければ頼れる姉貴分なのだが。
友人は全力で守ろうとするのに、好きになったら殺意が芽生えるというこの性癖さえなければ。
まあ、アースセイバーや一般人にそれが向いていないだけマシかもしれないが。
「じゃあな、水波 ゲンブ。縁があったらまた会おう」
「出来れば、火波 スザク。次も味方として会いたいものだ」
余談。
「あの少女、ホウオウから救う気はないか?」
「無理だな。それに、それじゃ困るんだよ。トキコを殺せなくなるじゃないか」
(……やはり、ダメか)
というわけで、スザクの裏話でした。
- 229
:スゴロク:2011/02/01(火) 21:09:19
- 今回実際に会話してるのはオリキャラのみです。新キャラ「水波 ゲンブ」の視点でお送りしております。
スザクは実はこういう奴だったんですよ……。シスイや真二、ハヤト、コロネのような「友人」は全力で守り、助けるのですが、一度恋に落ちてしまうと終わり。
その人を殺して「自分だけのもの」にしないと止まれなくなってしまうんですね。ちなみに途中で出て来た「アルマ」ですが、こいつは新ではないです。
このスレで既出のとあるキャラなのですが……わかりますか? わかったら凄いです。
>しらにゅいさん 私が投稿するより前に後半が来てましたね。これが「ホウオウグループのトキコ」ですか。
ストラウル跡地の一件で見たことはあるんですが、会話シーンだと余計怖いですね。
そして、そんなトキコにのめり込んでしまっている「鳥さん」がいますという。
スザクの「仲間」は後二人。その内出したいです。
- 230
:akiyakan:2011/02/01(火) 22:09:16
- >>224
>>225 >しらにゅいさん
学校でのトキコ、ホウオウグループのトキコ。全く違って見えるけれども、どちらも「朱鷺子」に変わり無し。
この無垢な邪悪さがトキコの魅力っすねー。ほとんど無能力者に近いコロネとのやり取りが、和やかでなんともいえません。
欲を言えば、こっち側に寝返ってくれるとシスイ的にもありがたいんですがね。もし刃を交える事になれば、あいつはおそらく泣きながら戦うでしょうし。
まぁ、それは私の我侭ですんで、お気になさらず。
>>228 >スゴロクさん
そしてこっちはこっちで、なんかやばいし(笑)。スザク嬢、まさかの隠れヤンデレですか。って、事はやばい! 正人逃げてー!!
こうなると、そろそろシスイがスザクの血の匂いも嗅ぎ取りだしかねませんね。なんや、仲良くなればなるほど、なった相手の性格に難がある……報われんな、シスイ(笑)
しかし、龍(ケイイチ)、鳳凰(ホウオウ)、朱雀(スザク)、麒麟(シスイ)、そして玄武(ゲンブ)と。
何時の間にか、いかせのごれが幻獣王国に。
- 231
:スゴロク:2011/02/01(火) 22:27:24
- >akiyakanさん シスイについては多分大丈夫です。ゲンブのおかげで今の所、誰も殺してませんから。
しかし……確かにこれだとトキコより先に正人が殺されますね。……フフフ、実h(ry
なるほど、幻獣王国……加えて神だの巨人だのサムライだのワーラットだのがいる世界ですからねぇ。
- 232
:紅麗:2011/02/01(火) 22:56:24
- >akiyakanさん
幼馴染みコンビktkr(ぇ
リオト乙、って感じですねw
そういえば『シャーペンの悪夢』ってあんまり強くなさそうですよねw
まぁでも刺さるとそれなりに痛いです(経験有)
なんだか地味だし、刺突行為全般への耐性、つけみてもいいかもしれない…
それよりもスザクちゃん格好良いよスザクちゃん←
戦友って良いですねぇ(*´∀`)
>しらにゅいさん
トキコちゃんのお友達の中にユウイがッ…!
いやぁー、嬉しいです
しかし…トキコちゃん昔は虐められていたとは
許さん、虐めた奴全員表出r(
- 233
:スゴロク:2011/02/01(火) 23:10:19
- ここに来てまたしても投稿です。エンジンかかって止まらなくなったので。
さすがに堪えた。ゲンブに呼び出されて、話している時は、あれが僕の中で最高の答えだった。
しかし、家に帰って改めて1人で考えてみると、とんでもないことを考えていたものだ。
―――トキコは敵。僕の敵。抱く感情はどこか歪んでいて、僕はあいつをこの手で殺したい。
それは確かに事実だ、認めよう。……僕が堪えたのは、またあの衝動が出てしまった事に対してだ。
好きになった相手を殺す、それを以って愛情表現とする……短絡的にも程がある。わかっている。わかっていても、気を抜くと衝動に支配されてしまう。ゲンブやマナに改めて突きつけられないと、僕は自分が衝動に囚われていることを自覚出来ない。しかもそうされても、すぐには気付けない。こうして改めて振り返らないと、そのまま突き進んでしまう。
「…………」
ベッドに転がり、大きなテディベアにぎゅっ、としがみついて考える。
今はこうして落ちついていられる。でも、明日学校に行ってトキコや正人と顔を合わせれば、また殺意が芽生えるのだろう。愛おしさゆえの、殺戮の衝動が。
「……っ」
トキコは最悪、仕方がない。敵だ。奇跡でもない限り、いずれ戦わなければならない。
だけど……このままだと、僕はその内正人を殺してしまう。それだけは嫌だ。僕が本気で好きになった、初めての人なんだから。
僕のこの衝動は、相手を殺すか、失恋するまで止まらない。幸いと言うか、ゲンブのおかげで、まだ誰も殺してはいない。……だけど、今は学生だ。ゲンブはいない。もし、正人に告白して、彼が受け入れて「しまったら」……何の事はない、「終わり」だ。僕のスクールライフも、クラスメイト達の平穏も、全てが壊れてしまう。シスイが事件の相談に来てくれるおかげで何とか踏みとどまっているのが現状だ。
「そんなの嫌だ……殺したくない、殺したくないよ……」
子供のように、身体が震える。本当は誰も殺したくない。クラスメイトと一緒に笑っていられれば、それでいい。本当はトキコがホウオウグループだということさえ、忘れたいくらいだ。
――――なのに、顔を合わせると衝動に心が呑まれてしまう。こうしている間だけ、僕は「私」に戻れる。
「スザク」になる前の、私に。ホウオウグループに心を壊される前の、私に。
「……どうしよう……どうしよう……!」
あの頃に戻りたい。誰かを殺めることなど考えもせず、ただ無邪気に笑っていたあの頃に。
殺したい。殺したくない。聞いてほしい。聞かせたくない。伝えたい。伝えたくない。
相反する感情が心をかき乱す。私が私でいられなくなる。
「助けて……誰か、助けてよぉ……!」
呟きは届かず、闇に消える。だけど、本当に誰かに言う訳にはいかない。私の目的を果たすまでは、「奴」を見つけ出すまでは、私は強くあらねばならない。そう言い聞かせて、自分を保った。
そして、私はまた「僕」になる。火波 綾音は火波 スザクになる。
「……シスイが事件の相談に来るかもしれないんだ。ホウオウグループが動いてるんだ。僕は弱音を吐いてる場合じゃないんだ。僕は僕でいないといけないんだ。心を乱してる場合じゃないんだ…………」
――――翌日、火波 スザクは何も変わらず、いつも通りだった。
……調子に乗り過ぎましたかね? この短時間に連続はさすがに……。
- 234
:akiyakan:2011/02/01(火) 23:33:01
- ※しらにゅいさん、スゴロクさんの両名がキャラクターの過去に触れているので、自分もちょろっとシスイの過去について触れてみようと思います。
麒麟の産声
「なぁ、シスイ。ずっと前から気になっていたんだけど……」
「何、どうかした?」
昼休みの屋上。そんな風にスザクが切り出してきた。一体何だろう。
「君って、一体どこに住んでいるんだ? 家族構成もさっぱりだし」
「ああ。今は一人暮らし。芸備線が近いから色々と便利なんだよね」
「一人、か。親は?」
「ううん。家族はもういない。親は二人とも、二年前に亡くなってるからね」
「あ……それは悪い事を聞いた」
迂闊な事を聞いたと思ったらしく、スザクが申し訳なさそうな顔をする。しかし、俺は全く気にしていなかった。
「ううん、いいんだ。二人とも、そんなに永くなかったからね」
「……病気、だったのか?」
「ううん、寿命。八十歳まで生きたんだから、十分じゃないかな」
「……何?」
スザクが目を丸くする。珍しい、彼女でも驚くような事があるんだ。
「待て待て待て……言い間違ってないか、それ?」
「いいや、あってるけど?」
「……えぇと……君、今いくつだっけ?」
「十六歳」
「……えらい、高年齢出産だったんだな……」
「……ぷ」
何やら深刻そうな顔をするスザクに、俺は笑わずにはいられなかった。ああ、そういう事ね。
「違う違う……そういう事じゃなくって……」
「??? 一体、どういう事なんだ?」
「俺、拾い子なんだ。生まれた時には本当の親はいなくて、爺やと婆やに育てられたんだ」
「ああ……」
異能力者の捨て子というのは、決して珍しいものではない。ウスワイヤに保護されている能力者の中には、その能力ゆえに家族から捨てられた人達も結構いる。それ故に、人の愛情を素直に受け入れられない、或いは受け取り方が分からない能力者はごまんといる。それらはすべて、幼少期に負ったトラウマや、正しい教育を受けられなかったのがほとんどの原因だ。
「ただ俺、どうも捨て子ってわけじゃないらしいんだ」
「何? それはどういう意味だ?」
彼女が首を傾げるのは無理も無い。捨てる神あれば拾う神あり。その言葉通り、捨てる人がいるからそれを拾う人がいるのであり、そのどちらかがかけては成り立つ事はない。だから、「拾い子であっても捨て子ではない」という言葉には矛盾がある。
けど、実際そうなのだ。俺は「拾い子」ではあっても、「捨て子」じゃないんだ。
- 235
:akiyakan:2011/02/01(火) 23:33:34
- ムカシムカシの話です。
ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
二人は人里離れた山奥でひっそりと暮らしており、慎ましくはありますが、しかし充実した毎日を過ごしていました。
ただ、一つの事を覗けば。
「お爺さん。私達、この歳になっても、ついに子供は出来ませんでしたねぇ」
「ああ、そうじゃのう……」
二人は大層仲の良い夫婦でしたが、残念な事に子宝に恵まれる事はありませんでした。老い先短い二人にとって、遣り残した事があるとすれば、それは二人で自分の子供を育てる事でした。
しかし、ある日の晩です。
二人の枕元に、一頭の、今まで見た事も無い美しい動物が立ちました。それは麒麟でした。
麒麟は何も言わず、ただある一つの方向をじっと見つめています。
夢はそれだけで終わりでしたが、朝目が覚めると、麒麟が残した綺麗な真円の足跡が畳についていました。
「婆さんや、これは麒麟様があの方へ行けという事なんじゃろうか?」
「ええ。きっとそうですよ」
そう思い立つと、二人は麒麟が見ていた方向へと歩いていきました。
それはずっと山の奥まで続いていて、山暮らしが長い二人でも老体には厳しい道のりです。ですが、二人は「麒麟様の導きじゃから」とお互いを励ましあい、やがてある場所へと行き着きました。
そこは竹林の中にあり、大きな石がまるで台座のようにあります。竹はその台座を避けるように生えていて、まるで広場のようになっています。
見れば、台座の上に何かが置かれています。恐る恐る二人が近付いてみると、
「お婆さん、お婆さん、赤子じゃ! 子供が寝かされておる!」
「まぁ、なんとめんこい子じゃ」
そこに寝かされていたのは、一人の子供でした。子供はお爺さん達が近付いた事に気付いて目を開けましたが、不思議と泣き声を上げる事はなく、それどころかじっと二人の様子を見つめています。
「なんと可愛くも賢そうな顔付きの子じゃ。しかし、なんじゃってこんな山奥に赤子が……」
「お爺さん、もしかして麒麟様が、この子を私らにくださったのではなかろうか?」
「おお、もしかしたらそうかもしれんな」
そう二人は考えると、赤子を大事に抱え、喜びながら家へと戻ったのでした。
- 236
:akiyakan:2011/02/01(火) 23:34:07
- 「……で、その赤子って言うのが俺のコト。まるで桃太郎みたいだろ?」
にわかには信じがたいらしく、スザクは何とも言えない表情をしている。まぁ、誰だってそうだろう。
けれどもまぁ、超能力が実在し、世界を変えようとする悪の組織が実在するような世界だ。コウノトリならぬ、麒麟が運んできた子供がいたって何にも不思議じゃない。
「まぁ、そんな感じで爺やと婆やに拾われて、普通の子供と何にも変わらないように育てられ、普通の子供のように育った。まぁそれでも、麒麟が連れてきた子供だから、一つだけ違う力が宿っていた訳で」
それが天子麒麟。俺の名前同様、名付けてくれたのは爺やだ。麒麟は俺を連れてきてくれた麒麟から。天子は、俺が天から授けられた子供って意味から付けてくれた。最初は仰々しいなと思ったけれども、爺やがつけてくれた大切な名前だから、今はこの呼び名でしっくり来てる。俺にとっては都シスイとは別にある、もう一つの名前みたいなものだ。
「爺やは、俺にこの力をどう使えばいいのか教えてくれた。超能力者は、普通の人には出来ない事が出来る。だから、その力が役に立つように使いなさい。力が無いために、泣いたり苦しんでいる人達がいたら、その人達のために力を使いなさい、って」
俺達超能力者の力は、常識で括る事は出来ない。そう言った意味では、この世界にとってのイレギュラーなのだろう。
蒼井聖。ウスワイヤにいるあの人は、異能力全般をこの世界にとっての異物として忌み嫌っている。俺達超能力者はこの世にあってはいけない存在であり、そしていつか淘汰されるのだと、まるで予言のように口にする。
でも、俺は思う。
「超能力」は、きっと「可能性」と同義なんだ。可能性を作ろうとすれば、同時に良い可能性と悪い可能性の二つが出来る。それと何も変わらない。
俺達という存在は常識を破壊する。けれども同時に、俺達という存在は今まで出来なかった事を可能にする。
不要でもなければ、存在していけないわけでもない。俺達は、ただ在るがままに存在するんだ。
「だから俺は、この力を必要としている誰かの為に使う。それが、爺やから教わったこの力の使い方だから」
「……そうだったのか」
何やらスザクは、俺の言葉に納得したような、感心したような様子を見せている。もしかして彼女は、今まで俺の行動原理がよく分かっていなかったのだろうか。割りかし、分かりやすいようなもんだと自分では思っていたんだが。
「それで、アースセイバーに?」
「いや、アースセイバーはどっちかと言うと保護者かな。爺やと婆やが亡くなると、あそこが俺を引き取りに来たんだ。始めから、そういう決まりだったらしい。爺やと婆や以外に、俺には身寄りなんかなかったから」
麒麟が連れてきた子供である俺には、まともな出生届なんか存在しない。世間的に見れば、俺は「誕生していない人間」みたいなものなんだ。それを爺やと婆やは分かっていた。それと同時に、自分達が俺より長く生きられない事も。自分達がいなくなったら、俺に頼れる人間は誰もいないって事も。
だから爺や達は、アースセイバーに託したんだ。自分達がいなくなっても、俺が大丈夫なように。
「…………っ」
やばい。もう泣かないって決めたのに……あの二人の事を思い浮かべると、目頭がじんって熱くなる。こんな顔、とてもスザクには見せられない。
「ありがとな……爺や、婆や」
俺、頑張ってるよ。いつか俺も、そこへ帰るから。
だから今は、天の上から見守ってて。
二人の自慢の息子は、今日も元気だから。
- 237
:しらにゅい:2011/02/02(水) 19:30:18
- わわっ、感想ありがとうございます!!
拙い文章にも関わらず伝えたかった部分が伝わっているようで、
凄く嬉しいですwよし、感想書くぞー!
>>228 ヤンデレだー!うぉぉぉ萌えr(ry
四獣仲間のゲンブさんはイケメンと見た、なんだこのイケメン率は!?←
またそれか、と、今まで何度~のくだりから見まして、スザク姐さんはもしかして
過去にも同じ過ちを・・・?うーん、彼女の性癖が発症してしまったわけも是非
見てみたいですね(*-ω-)勝手に妄想しちゃいますが(ぇ
あとの仲間のお二人も楽しみです~w
>>233 綾音ちゃん!?本名綾音ちゃんですと!?姉御可愛いです!!←
こういうギャップさのあるキャラ、ホント大好きです。いつも凛々しく振舞って
いるスザク、けれども自分の性癖に悩まされ過去に戻りたい綾音・・・うーん、
なんだかトキコと対照的ですねぇ・・・。こうやって何かの為に頑張っている子や
弱さを隠す子、みんな幸せになって欲しいです(´・ω・`)
正人が殺されるなんてBADENDがありませんように・・・!怖いもの見たさはあるけど←
>>230 ぐはっ、シスイ君には確かにとんだ悪いことを・・・!しかし現実は非情・・・
トキコは狂信者ですから、先に述べた通り、裏切るとしたら、その過ちをすぐに
悔いて自殺を図るぐらいのホウオウに対する信仰心なんです。なので結果シスイ君を
泣かせてしまうかと(´・ω・`)別に泣きながら戦うシスイ君が見たいとかそんな
邪な考えは(ry
>>234 こ、これが俗に言う神童か・・・!いやちょっと意味合いは違うけど!
なんだか、シスイ君は能力からの麒麟、というよりも麒麟そのものみたいな感じが
しますねぇ・・・前の話でもあったように、吉兆っていうのもありますし(*´艸`)
シスイ君がこんなにいい子に育ったのも、一重に爺やと婆やのおかげだったわけですね・・・
じんじ・・・ばんば・・・ブワッ(´;ω;`)
>>232 ユーイちゃんもリオくんもお友達だぁぁぁ!!!
ハッΣ(*´Д`)そんなことを言ってくださるなんて・・・!いやー、我が娘がこんなに
愛されるとはww幸せ者だなぁトキコはwww
明るい話を2,3本ほど書かせて貰ってから、また過去編に触れていきたいと思います、
いじめられてた理由も含めてw
- 238
:スゴロク:2011/02/02(水) 20:24:35
- >akiyakanさん いい話ですねぇ。シスイの思いが伝わってきて、最後の方はほろりと泣けました。
しかし、見事にスザクと対照的なキャラクターですね、こうして見ると。長編の主役にしても問題ないくらい、立派にキャラが立ってますし。
>しらにゅいさん ヤンデレなのは衝動に呑まれた時だけなんですけどね。本人としてはこの状態が嫌なわけで。
確かに、一面性のみのトキコと、両面性を持つスザクは真反対ですね。「奴」を見つけるために、ホウオウグループと戦うために強くありたい、という願望から生まれたのが
「火波 スザク」としての顔なんです。
それでは昨日の今日ですが、スザクの過去話を本格的にやってみようと思います。「麒麟の産声」の続き、ということで。
いつか「私」であるために
過去を一通り語り終えた後、シスイは空を見上げていた。表情は見えないけど、きっと笑っているだろう。
眩しい思いでその姿を見つめていると、シスイが空を見たまま言って来た。
「そういえば、スザク。そっちはどうなんだ? よければ聞かせてくれないか?」
「え……」
僕は答えに窮した。シスイのあの過去を聞いた後で僕の話をするのは、さすがに間が悪すぎる。あんな日々のことを語るのは、正直今でも気分的に厳しい。ましてや、この間
ゲンブに例の衝動が再発したのを自覚させられたばかりだ。
「……え、と。もしかして、話しにくいことだったりするの、か?」
「…………」
答えられない。しかし、この場で沈黙するのは肯定と同じだ。実際、シスイは目に見えて狼狽えた。
「ごめん、無神経だったかな」
「……いや、いいんだ。その内、誰かには言わなきゃならなかったし」
僕の過去は、そして現在は、ホウオウグループと密接に関係する。あの「絶対者」のおかげで、僕は「私」でいられなくなった。……だけど、このまま黙っているわけにもい
かない。それはわかっていた。
誰か、信頼できる人に知っておいてもらわないと、精神的に持たなかった。その点、シスイは無条件に信頼できる稀有な人物だ。いざと言う時は、非常に頼りになる。
「……何が、あったんだ?」
「……そうだな。何から話そうか……」
「僕には両親がいない。今どうしているかも知らないんだ」
「……もしかして……」
シスイの言葉を先取りし、僕は街並みを見つめたまま続ける。
「いや、捨てられたわけじゃない。……攫われたんだ」
「攫われたって……ホウオウグループに?」
「ああ」
目をそむけたくても、それが事実だ。強いて感情を殺し、僕は淡々と語る。
「僕の『偽』は生まれつきの力だ。どこから知ったかわからないが、連中は僕が3歳の時、僕から日常を奪い去った」
幼い頃のことなので、さすがに細かくは覚えていない。でも、一つだけ覚えていたことがある。
庭で遊んでいた僕の手を引いて車に引きずり込み、どこかに連れ去った男。あの特徴的な髪型は忘れようがない。
「気付いた時、僕はどこかの施設に入れられていた。僕と同じような子供たちが大勢捕まっていて、みんな一様に怯えた表情をしていた」
「………」
アースセイバーに所属する以上、シスイもこの手の情報は既知のはずだ。ちらりと横を見ると、怒りとも悲しみともつかない、何かを堪えるような表情で、口を引き結んで俯
いていた。
「後になって知ったんだけど、そこは異能の力を持つ子供たちを、グループの戦闘兵器として教育するための施設だったんだ。だから僕は、ホウオウ自身を見たことはない」
「………それで、どうしたんだ?」
「……僕が受けたのは、純粋な殺戮兵器としての精神改造だった。殺戮の衝動を心に植え付けられ、目に入った全てを壊して殺す、生きた兵器にされたんだな」
語っている内に衝動がざわめくのを感じたが、無理矢理押し殺す。意志と無関係に湧きあがる正人への想いをあえて閉じ込め、意識して無機質に語る。
「ケージに閉じ込められ、出たり入ったり……その都度、実験や訓練を受けさせられて、時間の感覚すらなくなって来ていたようだ」
「……酷い、な……」
「ああ。実際そうなんだろう」
どこか他人事のように語っている事に、僕は気付いていた。さすがに、正面から過去と向き合うには、まだ時間が必要だった。
- 239
:スゴロク:2011/02/02(水) 20:25:08
- 「そんな日々がどれくらい続いたかな。ある時、施設が何者かの攻撃を受けた。混乱する中、僕の手を引いてどこかに連れだした人がいた」
「え……誰、だ?」
「水波 ゲンブ。一応アースセイバーの所属なんだけど、知らないか?」
「名前くらいは……」
歯切れの悪い答えだが無理もない。ゲンブはアースセイバーの中でもかなり特殊な立ち位置で、外から情報を集める永続調査員としての役割が与えられている。そのため、基
本的に誰かと組んで行動することはない。
本部にもほとんど顔を出さないらしいから、シスイが知らなくても無理はないだろう。
「その人に?」
「ああ。逃げて、逃げて……それからしばらくは路上生活だったけど、それよりまず、僕は衝動から逃れないとならなかった。ゲンブに何度も叩きのめされながら、少しずつ
兵器としての自分から脱却していったんだ」
逃げ出した当初は、人の姿を見かける度に殺そうとしていた。ゲンブも例外ではなかったけど、彼は幸い強かった。僕は誰も手にかけることはなく、少しずつ、少しずつ衝動
から解放されていった。
「そうして、今に至るということだ」
「そうか……それじゃ、元に戻れたんだな」
安心したようにシスイが言う。さすがにこれ以上語るとウスワイヤへ連れて行かれかねないため、ここで話を打ち切る。
「ああ。そうだな」
「よかった……よかったな、スザク」
心底嬉しそうなシスイに笑い返しつつ、僕は内心で自分を押さえつけていた。
衝動は、完全に消えたわけではない。僕がより強く意識する――――大抵の場合、恋に落ちた相手に対して、その衝動が復活するのだ。植え付けられた衝動は、既に僕の心を
侵食し、今や一つの性癖と化している。下手をすると、僕自身の判断力さえ呑み込まれてしまう。こうしてシスイと話している間は、「天子麒麟」の作用で精神力が強まるた
め、衝動に呑まれずにいられる。だけど、正人やトキコと顔を合わせてしまうと、もう持たない。
(いつまでもこのままってわけには……いかないよな)
正直、もう限界が近かった。このままではまともに恋愛が出来ない。1人の時に「私」に戻ることで逃避し続けるわけにもいかない。幸いにして、今までにはゲンブが制止し
てくれたおかげで誰も殺していない。
だけど、それは今までそうだった、というだけの話だ。このままの状態が続けば、精神的に完全に参ってしまう。そうなった時に衝動が目を覚ましたら――――僕は、本当に
殺戮機械になってしまう。
(どうすれば、いいんだろう)
僕がこの衝動にかられるのは昔の名残だが、強く意識した相手に対してのみ、というのは何か理由があるはずだ。ゲンブやランカは感づいている風だったが、教えてくれない
。僕が自分で気付け、ということなのか。
(…………)
ふと、隣のシスイを見る。家族に思いを馳せているのか、寂しげで、それ以上に嬉しそうだった。
僕も彼も家族がいない……違うのは、シスイは家族の愛情に包まれて過ごした日々があって、僕は誰かの思惑に踊らされた日々があるということ。
シスイがうらやましいとは思うが、弱音を吐いてはいられない。「奴」を見つけ出すため、僕は今「私」に戻るわけにはいかない。強い自分である「スザク」でいなければな
らない。
(………?)
ふと、何かが心を過ぎった。僕は――――。
「……寂しい、のかな」
ぽつりと、呟いていた。そこに、答えがある気がした。
(…………)
多分、この衝動との戦いは当分続くだろう。「スザク」として恋した相手には殺意を抱いてしまうが、今の僕にはその顔が必要だ。たとえ、この間のような、歪んだ自分にな
ってしまうとしても。もしかすると、僕は長くは持たないかもしれないけど、
「? 何、スザク? どうかしたのか?」
「……いや。何でもないよ、シスイ」
シスイがいる。そして、コロネが、ネイロが、ハヤトがいる。みんなの輪の中にいれば、僕はまだ、人でいられる。
だから、もう少しだけ頑張ってみよう。いつか、「私」として、「綾音」として誰かに想いを伝えられる、その時まで。いつか、「僕」と「私」がひとつになる、その日まで
。
もう一度、空を見上げる。
「……あぁ……なんて、綺麗………」
――――突き抜けるように青い空は、僕の全てを包みこんでくれていた。
- 240
:スゴロク:2011/02/02(水) 20:27:14
- うぉあああ!! 改行ミスッたぁぁぁぁ!! すみません、脳内補完でお願いします……。
- 241
:(六x・):2011/02/02(水) 20:50:35
- デコ職人
「ohΣ(カバンが床に落ちて中身ぶちまける)」
「大丈夫?(ノートやら拾う)」
「悪いな、ネイロ。」
「ううん。あっ、凪ちゃんのバッグ可愛いね。レースがいっぱい…」
「あぁ、これ?暇だからやってみた。」
「器用なんだね」
「切って貼っただけさ。30分もかからないのだよ。」
「すごいね…もしかして職人さん?」
「いや、あくまでも趣味の範囲内だから…そこまで褒められることじゃない///」
「照れてるの?」
「うう…ネイロにもなんか作ってあげるから許して///」
「怒ってないんだけど…。え、作ってくれるの?嬉しい(*゜∀゜)」
「あぁ。デコ電子辞書か?それともネイルアートか?」
「俺もー」
「モコは男じゃないか。」
「男性差別反対ーw」
「いや、差別はしてないのだよ。なんか怪しい趣味に走ったのかと心配に」
「我輩もー」
「まさかの需用?!男子向けデコとか考えようかな…。」
今回は、砂糖人形さんのネイロちゃんをお借りしました。ついでに顔文字も作ったのでどうぞ。 川*・.・)
「凪は細かい作業が得意。デコ電やネイルアートもお手の物で、女子によく頼まれる。」って設定があったり。
ちなみに、改造制服はネイロちゃんのお手製ですか?
- 242
:しらにゅい:2011/02/02(水) 21:39:31
- 「「「王様ゲーム!!」」」
「「「………は?」」」
「ノリが悪いなぁ、もういっかい!王様ゲーム!!」
「イエーイ!!」
「いや、何いきなり。」
「スザクちゃん、王様ゲーム知らねーの?」
「…王様ゲーム?」
「王様ゲームっていうのは、割り箸を使って行うミニゲームみたいなものだよ。
一本だけ端っこに目印をつけて、他は数字を書いておく。全員がそれを引いて、
目印のついた割り箸をとった人が王様になれるんだ。」
「王様はね、好きな命令が出来るんだよ!」
「へぇー…」
「まぁ、習うより慣れろってことで…一本引いてみろよ。」
「あ、あぁ………………これは…?」
「あ、数字は隠しとけよ!あとで王様が命令するんだから!」
「?分かった…」
「俺は余った奴でいいや、ほれ、ケイくんも。」
「え、こっちも参加すんの?」
「当たり前じゃん!ほら、早く引いてー!」
「うーん………」
「次、ハヤト!」
「よっしゃー、王様当ててやんよ!うりゃっ!!」
「凪っちも引いて引いてー!」
「私も?…そうだなぁ、じゃあこれにしようかな。」
「じゃー、わたしこれ!」
「よっしゃー、皆引いたよな?せーの・・・」
「「「王様だーれだ!!」」
「・・・げぇ、私違うー。」
「む、私も違うのだよ。」
「ハヤトとモコは?」
「残念、はずれ。」
「俺も俺も。ケイイチは?」
「こっちも数字だね。・・・ということは、」
「・・・わ、私か?」
「鳥さん割り箸みーせて!・・・おぉ!王様だ!鳥さん王様だよー!」
「なんだ、スザクかぁー・・・んじゃ、命令してくれ。」
「命令?」
「そ、全部で1~5まで数字あっから、・・・そーだな、例えば1番の人が3番の人に肩揉みをしろ!
っつー感じで命令してくんだ。」
「ふーん・・・・・・・・・それじゃあ、2番と4番、窓開けてきてくれ。」
「軽っ!?もっとやらせたいこととかないの!?」
「僕はこのゲームを知らないから、そんなこと言われても・・・」
「2番・・・あ、私だ!4番はー?」
「・・・」
「なんだ、ケイくんか。ツマンネ。」
「ちょ、何その態度!?」
「早くあけてこよー、鳥さんの命令だよー」
「んじゃあ、二人が窓開けに行っている間に次の準備しますかな。」
「え・・・まだやるのか?」
「やるに決まってんじゃん?まだまだこれからだぞ王様ゲームは!」
・・・
「はい、せーの」
「「「王様だーれだ!!」」」
「私だ!!」
「ゲゲッ、凪かよ!?」
「・・・ふっふっふ、既にもう私の中で命令は決まっているのだよ。」
「頼む、命に関わる命令だけはしないでくれ!」
「どれだけ過酷なんだこのゲーム。」
「ささ、王様!命令を!」
「ああ、・・・そうだな、5番の人、3回回ってワンと鳴け。」
「・・・・・・・・・」
「どした?ケイくん。・・・お、5番じゃん!」
「ケイくん5番―!3回回ってワンと鳴けー!!」
「無理無理無理!!人権無視しすぎ!というか何で凪若干見下した眼でこっち見てんの!?怖っ!!」
「往生際が悪いぞ、ケーイーちゃん?」
「早くしろよケイイチー、次進められないぞ?」
「う・・・い、いやでも流石にこれは、む」
「3回回ってー・・・ワンと鳴け!!」
ズドォォォォォン!!!!!
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「あ、しまった!三回回したけどワンって鳴かせてない!」
「い、いやいいよ、トキコ・・・次やろう?」
「えー、でもケイくんは?」
「・・・壁に突き刺さってる・・・」
「・・・ま、まぁ・・・このまんまじゃゲームできねーし、誰か男一人誘おうぜ。」
「そだねぇー、うーん・・・・・・・・・あ、キー君!」
「・・・キー君?」
- 243
:しらにゅい:2011/02/02(水) 21:40:41
- 「・・・その呼び方するのは、トキコか。何度も言ってんだろ、キイチって呼べって!」
「だってキー君のほうが可愛いからいいじゃん、それともましかく君って呼ぶ?」
「どっちも断る!つか、ましかくってなんだよ!?」
「(・・・確か、瀧登紀一だったか?あんまり面識は無いが・・・)」
「キイチもやんない?王様ゲーム。今トキコが無茶して一人再起不能なんだよ。」
「え?再起不能って・・・・・・・・・・・・・・・あれか。」
「あれです。」
「キー坊もやろう、これから盛り上がるところなのだよ。」
「キー坊ってなんだ!?トキコの影響か!?」
「じゃあ強制参加ってことで。おら、みんな引けー!!」
「えぇー・・・・・・ったく、しゃーねぇなぁ・・・。」
・・・
「せーの」
「「「王様だーれだ!!」」」
「はい俺―!!」
「モコかー。」
「モココはセクハラまがいな命令しそう!」
「おいおいトキコちゃん、その言い草はないだろ。大丈夫だって、
放送コードギリギリの命令するからよ。」
「コウスケ逃げてー、超逃げてー。周りの眼が若干怖いよー。特に女子。」
「・・・止めさせて貰う。」
「待ってスザクちゃん!分かった、真面目にやるから!!」
「とりあえず命令をしてくれ、モコ。」
「・・・・・・よし、んじゃあ、・・・1番と4番がキスだ!」
「ちょ、真面目にやるんじゃなかったのか!?」
「いやいや、これは王道だろ!?だよな!?ハヤト!!」
「コウスケ空気読め。」
「ひっでぇ!!初めノリノリでやろうっつったのお前だろ!!」
「あっ、私1番だよー!!」
「トキコが1番・・・私は2番なのだよ。キイチは?」
「俺は5番。じゃあハヤト・・・」
「いや、俺は3番だけど?」
「コウスケは王様だろ?・・・ということは・・・」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・かっ、帰る!!」
「鳥さん駄目だよー!!ルールにのっとってちゃんとやらないとー!!」
「来るな!!トキコ!!あっち行けぇぇええ!!!」
「恥ずかしがらなくてもー!!」
「うわぁぁああああ!!!!」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
「・・・とりあえず、お開きにすっか。」
「そうした方が懸命なのだよ・・・」
「・・・あ、ケイイチどうする?」
「・・・・・・抜いておくか。」
「「「うん。」」」
みんなでプレイングin教室
「王様ゲーム」
「あ、しゅざくっちとトキっちだー。仲良く鬼ごっこしてるのかな?」
「・・・・・・・・・スザク先輩の顔が、追い詰められそうなウサギのような顔してるけどな。」
- 244
:スゴロク:2011/02/02(水) 21:53:10
- >しらにゅいさん わははははははは(ry あ、哀れなスザク……。
しかし、こういう輪の中にいるからスザクがスザクでいられると思うと、ちょっと和みます。
そして本編の主役がもっと哀れな……。ケイイチの扱いが酷い……w
- 245
:しらにゅい:2011/02/02(水) 22:08:33
- 久々(?)のギャグ回でした。
使用キャラは以下の通りです。
ケイイチ(本家)、コウスケ(本家)、ハヤト(鶯色さん)、凪((六x・)さん)、
火波スザク(スゴロクさん)、瀧登紀一(サイコロさん)、緑音ののか(樹アキさん)、
アラタ(くわいさん)
結論:私は一体姉御をどうしたいの(ry
ちなみにトキコの言うましかく君とは、漢字に直すと「真死角」になります。
このキーワードをもって、wikiにてキイチ君の紹介ページをご覧くださいなw
とりあえずトキコ・・・恐ろしい子!←
-----以下感想-----
>>238 そうか・・・姐さんにそんな過去が・・・なるほど。これまた非人道的なことを
しやがりますよホウオウグループめ(´・ω・`)「僕」と「私」がひとつ・・・うーん、
深い言葉ですね、スザクちゃんが言うと。でも、大切なことに気付けた彼女も
また、今後大きく成長していくことが出来るはずですよっ(*´∀`)自分の弱さを
克服し変わっていく姐さんにこれからも期待です!
>>241 デコ女子・・・だと・・・!?いいじゃない(*´∀`)ウフフフ
ゴス系なネイロちゃんにも良いもの作ったげてくださいな!w
意外にも男子にも人気・・・うう、手先器用が羨ましい><w
- 246
:akiyakan:2011/02/02(水) 22:58:50
- >>237 >しらにゅいさん
このエピソードは正直、しらにゅいさんの言うとおりシスイに聖性のようなものがついてしまいそうで、正直敬遠していたのですがね……もっとシスイには俗っぽくいてほしいので。
>>238 >スゴロクさん
スザクも十分主人公然としていますよ? ただ、シスイは温室育ちなのに対し、スザクは野生育ちのような違いがありますね。まさに対極です。
ぎゃあぁぁぁぁ、シスイが幸せ全開で過去を振り返った直後にこれ……何というアップダウン。スザクが不憫過ぎてなんにも言えねぇ……
しかし変なところで役に立つ男、シスイ。シスイの傍にいれば衝動が抑えられる? だったら常に一緒にいれば……(え? ちょ、スザクさん顔怖い
しかし、なぜスザクはシスイの能力の詳細について知っていたのだろう……さてはゲンブの野郎か、うおのれ。
- 247
:akiyakan:2011/02/02(水) 23:00:13
- ※ネモさんの「三葉莉絵」、「七篠獏也」をお借りしました。
※前回の生物兵器との戦闘の後です。
その痛みから彼は何を学ぶ?
「痛、痛ててててててて!?」
「ほらほら、じっとして!」
「莉絵さん、痛い痛い痛い! せめて麻酔が完全に効いてからに――」
「いっつも無茶して傷だらけになる罰! ほら、男の子なんだから我慢する!」
「あばばばばばばばばば!!!」
ウスワイヤ施設内にある医務室。そこで絶叫を上げているのは、俺都シスイ。つい先程スザクの助けを得てなんとか相手を倒し、そのまま倒した怪物ごと回収班にここまで運ばれた次第だった。
いつもだったら、「天子麒麟」の能力を使ってその場で傷を治すんだけど、今日は運が悪かった。何せ三葉莉絵、この人が回収班に同行していたんだもの。
「はい、手当て完了! 傷口が開いちゃうから、しばらく安静ね」
自分ではそんなに重傷だとは思っていなかったのだが、いざ治療を受けてみるとそんな事何も無かった。全身打撲、頭に二センチの裂傷、右腕に至っては過度の能力行使によって血管と皮膚、筋肉などがもうズタズタになっていた。
「安静なんてそんな。だったら、能力で即効治癒――」
「能力の使用は絶対禁止よ?」
ギロリ、と効果の付きそうな感じで莉絵さんは睨みつけてくる。それに圧されて、俺は頷くしか出来ない。怒らせると怖い事で定評のあるのは伊達じゃない。
「まったく……ナイトメアアナボリズムもそうだけど、特殊能力って言うのはそれを使う本人でさえ、まだ分かっていない事が多いの。特に、自分の肉体に関わる能力は重要よ。能力を乱用して、一体どんな反動が起きるか……」
そう言って、莉絵さんはため息をつく。
莉絵さんが言いたい事は分かる。「訳の分からない力を肉体に行使し続けて、一体どんな反応が起きるのか全く分からない」。そう言う事だ。
ずっと前の事だ。ウスワイヤで保護しようとした能力者がいて、その時アースセイバーに入ったばかりの俺も駆り出された。
保護対象は、一人の少年だった。俺とそう年齢は変わらないのだろう。自己再生特化型の能力者で、ウスワイヤに保護されるのが嫌でとにかく抵抗しまくっていた。それこそ、能力に任せて「手錠された腕を引き千切ってでも逃げる」くらいに、彼は抵抗していた。
そんな風に、無茶な能力行使を続けた代償なのだろう。彼の身体に異変が起きた。
まるで、風船が膨らむように彼の身体が膨張を始めた。彼の身体は見る見る大きくなっていき、ついには二階建ての建物と同じ位にまで膨張した。
そして、彼の身体はぐずぐずに崩れた。後に残ったのは、原型を留めないほどにまで変形した彼の遺体だった。
自己再生能力のスタンピード。つまり、能力の暴走。彼の死因はそれだった。
本来なら傷を負った時だけに機能していた筈の能力が壊れ、傷が出来ていない正常な状態でも発現し続け、ついには自己崩壊を招いたのだ。
あの事件の時は、本当に恐ろしいものを見たと思った。
「自分もああなったら……」
おかげでしばらく、俺は「天子麒麟」を自分や他人に向かって使う事が出来なかった。
莉絵さんが「天子麒麟」の使用を俺に禁じたのは、そういう経緯からだ。玉置先生も、「どんなに小さな怪我でも作ったら保健室に来い。能力は絶対に使うな」と言っている。二人とも、超能力が決して便利なだけの力じゃないんだって事を、それどころか一つ間違えば能力者本人を殺す諸刃の剣である事を理解しているんだ。
「傷口が塞がるまで絶対安静よ! いい?」
「はーい」
きつい言葉の裏に隠れた莉絵さんの気遣いを想いながら、俺は医務室を後にした。
- 248
:akiyakan:2011/02/02(水) 23:01:24
- 「相変わらずだな、お前は」
「バク教官!」
廊下を歩いていると、一人の男性に出会った。白髪交じりの黒髪の、三十代の男性。
七篠獏也。かつては偶然ウスワイヤに保護された一能力者に過ぎなかったが、「記憶操作」と呼ばれる単純かつ強力な能力ゆえに、今ではウスワイヤにとって無くてはならない存在だ。
「その様子だと、莉絵にしぼられたみたいだな」
「あ、あはははは……」
図星なので、苦笑でもって答えるしかない。癖で頭を掻きそうになったが、縫合直後だったのを思い出して慌てて手を引っ込める。
「お前はいつもそうだ。帰ってくるとどこかに傷を作ってくる」
「仕方ないですよ、俺って弱いですから」
俺の能力は「強化」。地上にあるありとあらゆるものを増幅・強化する事に特化している。口にすれば便利に聞こえるが、実際のところはそうでもない。「強化」するには、強化対象となる媒体が必要だ。火を強化したいなら火が、水を強化したいなら水が、と言った具合に。
つまり徒手空拳が基本である俺には、仲間がいない限り自分の五体以外に強化する術が存在しない。その身体強化にしたって限度がある。その証拠が、今も感覚が戻っていないこの右腕だ。
「弱いなんて事は無いと思うぞ。俺の教え子の中で、一度として能力に呑まれなかったのはお前くらいだ」
「〝あんなもの〟見ておいて、一体誰が能力に呑まれるって言うんですか」
バク教官の賛辞はありがたいが、正直自嘲しか浮かんでこない。
「天子麒麟」。仰々しい名前の能力を背負っていながら、俺の戦闘能力はアースセイバーでは決して高い方ではない。むしろ、仲間がいなければ勝てない非力な能力者だ。
歯痒い。本当に歯痒い。爺やが立派な名前を付けてくれたってのに、俺はその力を完全に使いこなせてない……!
「おい、気を付けろよ」
「え?」
「力み過ぎだ。傷口が開いてる」
見れば、右腕の包帯が赤く滲んでいた。感覚が無いせいで気付かなかったが、思った以上に俺は力を入れていたらしい。
「うわ、うわ……」
「全く……自分が弱いと思っているのなら、なぜ武器を使わない? お前の能力なら、手に取った武器をそれ以上の性能に引き上げる事だって可能だろう」
「……それじゃ、駄目なんですよ」
「ん?」
「それだと、手に相手を傷付けた感触が残らない。相手の命を残った感触が、手に残らないじゃないですか……それが嫌なんですよ」
「……ああ、そうだったな」
バク教官は俺の様子に呆れたようなため息をつく。
常人なら、今の俺の発言がまるでシリアルキラーの一言に思えただろう。
生き物を傷付けるって言うのは、本当に気持ちが悪い。命を奪うのは尚の事だ。
でも、だからこそ、俺は自分が何かを傷付けた感触が、何かの命を奪った感触が、一番よく伝わる素手で戦う事に拘る。
命と言うのは、そこにあるだけで美しい。行動はどうあれ、ホウオウグループに所属している者達にだって言える事だ。命に貴賎はない。獣であろうが、人であろうが、人間であろうが、能力者であろうが、悪人であろうが、善人であろうが、命の価値は平等だ。
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」。正にそうだ。
命のやり取りさえありうるこの職場では、命と言うものに対して真摯に向き合う必要がある。命を奪うからには、それがどれだけ大切であるのかを理解しておかなければいけない。
「悪人だから殺してよかった」。そんな言い訳は絶対通ってはいけないんだ。
「今日はもう遅い。ここに泊まっていけ」
「はい……ありがとうございます」
俺はそこで、バク教官と別れた。
- 249
:akiyakan:2011/02/02(水) 23:01:56
- 「……駄目だな、あいつは。この仕事に向いていない」
シスイの姿が見えなくなると、獏也はそうポツリと呟いた。
都シスイは優しすぎる。そして何より、命というものに対して誰よりも真っ直ぐに向き合い過ぎている。そういう人間は、時に誰かの傷付け、時には誰かの命を奪う事を強いられるこの職場には向いていない。
特に、素手で戦う事に拘る彼の精神性は問題だ。あれは自らに無理を強いている。彼が生き物を殺す感触を覚えていたいと思うのは、何かを殺すという事に慣れたくないためだ。本当は何も傷付けたくない、何も殺したくはないのに、そうしなければいけないから自分に無理矢理言い聞かせている。
すべては、「自分の力を必要としている誰かの為に」、だ。
都シスイは潔癖過ぎる。
獏也は、シスイがアースセイバーに入る事を最初は反対していた。悪人の命をも尊重し、虫を殺す事も嫌うシスイの心では、いずれ限界が来てしまう事が目に見えていたからだ。
正直、今まで持っているのが不思議な位だ。それでもいつか、シスイの心は壊れてしまう。
しかしそう思う一方で、獏也は彼がこの仕事を続けている事に意義を感じていた。
『仕方ないですよ、俺って弱いですから』
何気なくシスイの口から零れた言葉が、獏也の脳裏をよぎる。
「そんな事はないぞ、シスイ。もしかしたら、お前はある意味最強の能力者なのかもしれないぞ」
穢れを知らない心が穢れを知り、それでも前へと目指すその先に一体何があるのか。
もしかしたら。そんな希望を、獏也は思わず考えてしまうのだった。
- 250
:ネモ:2011/02/03(木) 11:06:40
- >>247 akiyakanさん
獏也だけでなく莉絵まで!書いていただき有難うございます。
イメージ通りで嬉しさが止まらないッ!!
そしてバクヤの武器を薦める台詞がなんかグッときました。
小事情で小説化してませんが、バクヤが使える能力に鎧纏(ガイソウ)の悪夢というのがあり、
応用で武器を取り出せるんで「裏設定が活かされてる!?」とビビリなぅ。
他含め、いつか説明します。
最終更新:2011年05月24日 20:04