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企画されたキャラを小説化してみませんか?_ログ-401~450

  企画されたキャラを小説化してみませんか?

1サイコロ:2008/04/19(土) 08:47:37
男擬人ムリ香さんが立ち上げた「キャラ企画つれっど」で企画されたキャラを
ショートショートストーリー化(短編のアナザーストーリー化)してみませんか?
age sage構いません。
それと、できるだけ自分の企画したキャラを搭乗させましょう。
ナイアナのキャラは、性格を変えないように。

気に入らなければ消してください、(有)さん…

401akiyakan:2011/02/10(木) 12:19:52
 俺は頭を振って気持ちをリセットすると、頭上にいるジングウを見上げた。

「いい……それでこそだ! 無抵抗な者を倒したところで、生贄の価値など無いからなぁ!」

 ジングウの背中に、後光のような、翼のようなものが出現する。顔の表面にも、模様のようなものが浮かんでいるのが見えた。

「奴さん、仕掛けてくるようだぜ」

 ハヤトが両手に短剣を持ち、身構える。

「奴が俺達の日常を奪おうっていうのなら、容赦はしない。徹底的に叩き潰す!」

 リオトが彫刻刀を抜き、視線の先にジングウを見据える。

「やれやれ、昨日の今日だってのにな。俺達アースセイバーに休みは無いみたいだ」

 光一の両腕に、無数の光球が輝く。

「やろう、シスイ」

 スザクが幻龍剣を顕現し、決意に満ちた声で俺を促す。

「――ああ!」

 能力禁止の命令を守っている場合じゃない。躊躇無く俺は、全身を金色のオーラで包み込んだ。体中に力が溢れ、見る見る傷が塞がっていくの
が分かる。

「滅ぶがいい、五人の英霊よ! 私が絶対者である事の証明となるがいい!」
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 ジングウがこちらに向かって飛び降りてくるのを合図に、俺達は一斉に飛び出していた。

 ――to be continued

402akiyakan:2011/02/10(木) 12:21:18
「続く……」なんて終わり方をしてすみません。一度やってみたかったんです。

 そう言えばさっき気付いたのですが、ついに企画小説が100作突破しましたよ! みんなすげぇぇぇぇぇぇ!!

403傾児:2011/02/10(木) 15:21:00
初です。サイコロさん宅の「森山修斗」くんをお借りしました!
拙宅のシホと、修斗君の会話的なお話です。

【プレゼント】

 綺麗に掃除された部屋の床に、色とりどりのクレパスが散らばっている。その中心で大きな画用紙を広げ、らんらんらん、と何かの童謡を口づさみながら絵を描いているのは歳の頃15、6歳ばかりの少女、シホ。一年ほど前からここ、ウスワイヤで保護されている。
 何となく手にした手品用のロープを弄りながら、シュウトは楽しげなシホの様子を見守っていた。
 彼女、シホには障害がある。16歳になるシホだが、知能は4、5歳程度で止まっているらしい。いつ能力を暴発させてしまうかも分からないため、シュウトたちウスワイヤにいる誰かが持ち回りで彼女のことを見守る…監視しなければならないことになっている。
 でも、とシュウトは思う。シホが楽しげに遊ぶ様子は本当に微笑ましい。“監視”しているこちらの側まで心癒されるのだ。
 ウスワイヤでは色々ある。アースセイバーの一員として戦闘に駆り出されることもあれば、様々な環境から「保護」された能力者たちとの複雑な人間関係があったり。一般人のように、自由に行動することもできない。そんな生活の中で溜まったモノを、シホは洗い流してくれるようだった。

 パタン、と音を立て、シホは突然クレパスを置いた。そして側に置いていた薄汚れたウサギの縫いぐるみを抱き抱えると、小走りでシュウトの方に駆け寄ってくる。
「しゅうくん!それ、なーに?」
 笑顔でシホが尋ねる。
 しゅうくん、とはシュウトのことだ。シホは色々な人に、くんやちゃんを付けて呼ぶ。そうかと思えば、誰々おにいちゃんとかおねえちゃんとか呼ぶこともあったり、呼び捨てのこともあったり…。その基準はシホにしか分からない。
 ただ言えるのは、どんな呼び名であれそこには溢れるほどの親しみが込められている、ということだった。
 そしてシホが指した「それ」とは、シュウトがずっと弄っていた手品用のロープ。シホはしげしげとそのロープを眺めている。
「これのことかな?これはマジックで使うロープだよ」シュウトは笑顔で答えて続けた。「そうだ…また、マジック観たいかな?今日は新しいのもやってあげるよ」
「見せて見せてー!!」
 シュウトの提案に、シホは何度もぴょんぴょんと跳ねてはしゃいだ。
「よーし、じゃぁ…せっかくだから、まずはこれから」
 そういうとシュウトはハサミを取り出し、手に持っていたロープをちょきん、と切った。
「あれ、切っちゃうの、それ?」
「ふふ。でも、こうやって手をかざすと……ほら、元通り!」
「ええっ!?なんでなんでー?すごーい!!」
 シホは驚きの表情を隠さず、一度切れて再び繋がったそのロープを不思議そうに眺めていた。はい、とシュウトがロープを手渡すと、シホはそれを引っ張ったり、天井にかざしたりと興味深々だ。しかしまるで仕掛けが分からなかったらしく、ええー?、と言いながらロープをもってぐるぐる回ったりしている。

 …何のことはない、基本中の基本のマジックだった。種も仕掛けももちろんある。もっとも、“悪夢”を使えば、それこそ種も仕掛けもない大技だって披露できる。しかしシュウトは、この単純なマジックに対して純粋にきゃあきゃあと喜ぶシホの前でそれをする気にはなれなかった。

 ぐるぐる回るのにも飽きたのか、再びシホが彼の元へ駆け寄ってくる。
「しゅうくん、もっといろーんなマジック見せてー!!」
「OK。それじゃあ…」
 シュウトは様々なマジックをシホに見せる。トランプマジック、コインマジック、様々な小道具を使ったマジック…。
 手持ちのものだけで行っているため、大掛かりなことはできない。しかし彼がマジックを見せる度、シホは大きな歓声を上げ、手を叩いて喜んだ。

404傾児:2011/02/10(木) 15:22:03
 子供の頃、覚えたてのマジックをちょっと緊張しながら披露したときのことをシュウトは思い出す。ぎこちなくはあったけれど何とか成功したマジック。皆の驚きの歓声と喜びの表情が忘れられない。誰の笑顔もキラキラと輝いて見えた。嬉しかった。

 一通りマジックを終えると、シホを“監視”する時間も残りわずかとなっていた。
「はい、シホちゃん、今日はここまで。楽しんでくれたかな?」
 シュウトは手品道具を丁寧に片付けながらシホに尋ねた。
「うん!すっごーーく、たのしかった!!やっぱりしゅうくんはすごいなぁ!…またマジック、見せてね!」
「ああ、もちろんだよ」
 キラキラとした笑顔で喜ぶシホを見て、シュウトも自然と笑みがこぼれる。
「…あ!そうだ!」
 シホはパチン、と手を叩くと何かを思い出した様子で、たたた、とクレパスが散らばったままになっている方へ駆けていく。そこから何かを引っ張りだして、再びシュウトの元へ戻ってきた。
「はい!これ、しゅうくんにプレゼント!」
「えっ、僕に…プレゼント?」
 シホがシュウトに差し出したのは、散らばったクレパスたちの真ん中に置かれていた画用紙だった。丸められたその画用紙を受け取り、シュウトはゆっくりとそれを開く。
 そこには、眼鏡をかけた男性の笑顔がでかでかと描かれていた。そのまわりには、トランプや、シルクハットや……ロープの絵。上の方には一文字づつ違う色のクレパスで「しゅうくん いつもありがとう」と書かれている。
「しほ、がんばってしゅうくんのにがおえ、描いたんだよー!」
 無邪気な声が響く。


 …いつだったかな。
 シュウトは思い出す。
 
 こんなふうに、クレパスで一生懸命絵を描いたことがあった。
 父さんと母さんと。
 その真ん中に僕がいて、みんなで笑ってる絵。
 「おとうさん、おかあさん、いつもありがとう」って、
 そう書いたんだっけな。
 二人とも、凄く喜んでいた。
 母さんがその絵を台所に飾った。
 家族みんなが集まる台所に。一番よく見える場所に。

 幸せだった。

 それなのに。



「…しゅうくん……どうしたの…?」
 シュウトがはっとして声のした方を見ると、シホが心配そうに、そして少し不安げに、こちらを見つめている。
「あっ、ご、ごめん…ごめんよ。ちょっとした考えてごとをしていてね」
 我にかえり、シュウトは慌てて笑顔をもどす。
 そしてシホと目の高さが同じになるよう少し屈むと、
「ありがとう、シホちゃん。ずーーっと、大切にするからね」
 そう言って、シホの頭を軽く撫でた。

 シホは、撫でられて少しばかりくしゃくしゃとなった自分の髪をぽんぽん、と叩きながら
 えへへ、と、少し照れ臭そうに笑った。



 おわり。

―――――――――
なんだかもう色々とごめんなさい!修斗くんってこんな感じで良かったのかな…?
勝手に修斗くんの過去エピソード作ってしまってすいません!
ないない!ということでしたら無かったことにしていただいて構いませんので…!

ではでは、、失礼いたしました。
…それにしても企画小説100突破…凄いなぁ…

405サイコロ:2011/02/10(木) 15:56:03
>>しらにゅいさん

タカコのクラスチェンジ・・・なかなか面白かったですよ!
ギブアンドテイク、みたいな感じですね。勿論大会で勝ちあがる事が真の(ry

トキコとの戦闘!うおぉ凄い!貫通弾を受け止めるとは・・・トキコ、恐ろしい子・・・!
射弾の悪夢は大体そんな感じですね。
ますますショウゴは「訓練」に熱が入るハズだ…。
その前に道場なんとかしなきゃね、ショウゴ。

あ、ちなみに以前の小節で書いた「血と臓物の匂い」という表現は、あくまで感覚的なもので実際に匂いを放っていたというわけではないんです。分かりづらくてすいません。



>>スゴロクさん
ううむなるほど。いやしかし凄い闘いと表現でした…。
シュウトの戦い方はいろいろ考えてるんですけど、どこまでを「縄」とするか、「縄」をどのように扱うかでいろんな可能性が出てくると思うんですよ。ただ、今はまだ縛る絞めつける程度なので、後方支援。かっこいいよシュウト。

そしてやっぱり断られるショウゴ。大会で勝ちあがる日は遠いのか…!?



>>akiyakanさん
シスイ君も入らないっ!いや、だいたいそうなる事は予想してましたが。
彼の能力を知ってるのは今のところトキコとケイイチ、タカコくらいです。だからボロを出すまでは強制収監されないはず…!
もしかしたらスザクは感づいてるかもしれないですが(>>121での接触時)、スザクはアースセイバーではなかったとはずなので、積極的にアースセイバーに通報する事は無いのではないでしょうか。


>>傾児さん
おお、これはいいシュウト!
シホちゃん可愛いなぁ…。
マジックで万人を笑顔にするシュウト。相変わらず良いお兄さんだぞ・・・!
過去エピソードも全然問題無いですよー!


それにしても100越えか…。スレがこんなに進むとは思わなかった…。イヤッホウ!

406akiyakan:2011/02/10(木) 17:32:06
>>403-404 >傾児さん
ほのぼのと切なさの組み合わせが何とも言えませんね。
見た目は少女、中身は幼女なシホちゃんが今後どんな風にウスワイヤの面々と絡んでいくのか、楽しみです。

407akiyakan:2011/02/10(木) 18:07:20
※「現れた主犯」の続きです。

 激戦 VSジングウ

 俺達とジングウとの戦いが始まった。

 こちらは五人に対し、向こうは一人。楽な相手ではないと思っていたが、それでもこの数なら有利だと思っていた。
 だけど、敵と俺達の力量差は、そんな事で埋まるほど生易しい相手ではなかった。

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 身体能力強化施した俺と、彫刻刀を武器にリオト、二刀の短剣を武器にハヤトが肉薄する。
 同時一方向から仕掛けても効果は薄い。だから三人で三角形を作るように、ジングウへと攻撃を仕掛ける。

 だけど、ジングウはまるで三百六十度すべての方向が見えているかのように、俺達の攻撃をかわし、或いは防いでくる。

「退け、三人とも!」

 距離を離し、攻撃の準備をしていた光一が叫ぶ。それに合わせて俺達が飛び退くと、そのすぐ後に強烈な光が大気を切り裂いた。光一の溜め攻
撃、加粒子砲にも匹敵する強力なレーザーだ。それは光の速さで進むが故に、理論上「攻撃を見てからの回避」は不可能だ。

 しかし俺が飛び退いた瞬間、ありえないものが見えた。奴の口元に、余裕の笑みが浮かんでいたのだ。それも、これから何が来るのか分かって
いるかのように。

「無駄だ!」

 最初は、レーザーが奴の身体を捉えたように見えた。しかし、実際は違っていた。ジングウがレーザーに向かって翳した手の前に、バリアのよ
うなものが出現していたのだ。

「嘘だろ!? 光一のレーザーを!?」

 あれの威力は知っている。いくら能力があるからと言って、生身で受けて無事で済むわけが無い。にも関わらず、ジングウは放たれたレーザー
を受けきり、涼しい顔を見せていた。

「無茶苦茶だろ、アイツ!?」
「大口叩くだけの事はある、っつーわけか!」

 再び俺達が向かうが、結果は同じ。すべての攻撃を容易く相手は凌いでしまう。

「リオト、ハヤト、下がれ!」

 相手の動きを観察していたのか、ここでスザクが入ってきた。彼女の声に対応し、二人はジングウから距離を離す。

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 俺とスザクの連携攻撃が始まった。幻龍剣が縦横無尽に振られ、俺の拳が大気を凪ぐ。先程よりも勢い付いたせいか、ジングウの動きについて
いけるようになっている。

「お、お? やりますね」
「そんな風に余裕ぶっていられるのも――」
「――今の内だけだ!」

 俺とスザクが更に加速する。俺達の攻撃について来れなくなってきたのか、ジングウの動きに攻撃の「防ぎこぼし」が見えてきた。

 そして――

「今だ、スザク!」
「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 俺が奴の腕を大振りに弾き、その結果ジングウの動きに大きな隙が出来た。それを見逃さず、スザクが幻龍剣を叩き込む。
 ザシュ、と言う肉の切れる音と共に、奴の右肩から左のわき腹にかけて袈裟懸けに傷が出来た。

「よっし!」

 攻撃が届いたのを見て、ハヤトがガッツポーズをとる。

 いける。ジングウは、決して倒せない相手じゃない!

408akiyakan:2011/02/10(木) 18:08:54
「……やれやれ、なんて事してくれるんですか」

 攻撃の勢いに押され、数メートル程後ろに下がったジングウがそう呟いた。

「私の一張羅が台無しですよ、まったく。後で誰が弁償してくれるんです?」
「誰も弁償なんかしない。お前はここで終わりだ!」

 スザクが幻龍剣を突きつける。しかしジングウは、それがさも可笑しい事であるかのように、くっくっくと不敵な笑みを浮かべた。

「終わり? 私が? 馬鹿な事を言わないでくださいよ。服は確かに切れましたが、私自身にはまだ傷なんてありませんよ」

 そう言ってジングウは白衣を脱ぎ捨てた。その下に着ている黒い服にも幻龍剣の切れ後は残っているが、奴の胸には傷が無い。

「な!? 馬鹿な、確かに手応えは……」
「……再生能力か」

 今までのウイルス感染者にも、強力な再生能力があった。今のジングウは、そのウイルスの感染源でありキャリアーだ。母体である奴自身に再
生能力があっても不思議じゃない。

「一気にダメージを与えて、再生する暇も与えずに倒す……これしかなさそうだな」
「ああ、そのようだ」

 スザクが後退するのを合図にして、俺、ハヤト、リオトの三人で再び仕掛ける。

「ははははは、何度やっても無駄な事だ!」

 ジングウもこちらの動きに慣れてきたのか、ただ防ぐだけでなく反撃も仕掛けてくるようになった。鋭い手刀が突き出され、それが俺の頬を掠
めた。

「い……」
「ああ、そうそう。分かっていると思いますが、私は今ウイルスのキャリアーになっています……そのキャリアーの攻撃をまともに受ければどう
なるか……」

 「分かりますね?」。そこまで告げる事はなかったが、言わなくても奴の行動がすべて物語っていた。こいつの攻撃をまともに受け、その結果
ウイルスが体内に侵入するような事になれば……俺達も、あの怪物のようになってしまうと言う事だ。

「ちっくしょ、やり辛ぇ!」

 ハヤトの言うとおりだ。この男、実にやり辛い。向こうはどれだけ攻撃を食らおうとビクともしないが、こちらは一撃たりとも受けてはいけな
いのだ。本当にやり辛い。

「ハヤト」

 その時、突然リオトがハヤトを呼んだ。攻撃を続けながらも、「ああ?」とハヤトがそれに反応する。

「俺がこの間やった攻撃、お前見てたか?」
「ああ、見てた見てた」
「……じゃあ、後は任せる」
「え……ちょ、おま!?」

 何をするつもりか、と俺が思っていると、いきなりリオトは自分の得物を自らの頚動脈に突き立てた。突然の出来事で何が起きたのか分からな
かったが、リオトは痛みを意に介する事なく彫刻刀を突き立てた左手を相手に向ける。

「食らえ!」

 噴水のように、リオトの傷口から血しぶきが上がる。それは最初、ただの血液のように俺には見えたが、どう言うわけか、それがジングウに降
りかかるとまるでショットガンでも食らったかのように、奴の身体じゅうに傷が出来た。

「がほ――そ、その手で来ましたか」

 突然の事態に対応出来なかったのか、ジングウはまともにその攻撃を食らっていた。と言うか、あんな攻撃を受けて即座に対応出来る奴なんて
そうそういないだろう。どうやらリオトの能力は、自分の血液をコントロールする力らしい。

409akiyakan:2011/02/10(木) 18:09:55
「おいリオト、大丈夫か?」
「いや、あんまし良くない。頭がぐらぐらする」
「ったくも、世話かかせんなー!」

 血を失い過ぎたのか、リオトの身体から力が抜けていくのが分かった。それを抱きかかえると、大急ぎでハヤトが戦線から離れていく。
 そろそろ頃合かと思って、後ろに視線を向ける。すると、二つの光球がそこに輝いているのが見えた。

「シスイ、避けろー!!」

 スザクの声が聞こえる。それに応え、俺はすぐさまその場から飛び退いた。
 それまで俺がいた空間を、二つの光が突き進んでいく。一つは光一のレーザーであり、もう一つはスザクの龍精落だ。大きな二つの力が束にな
り、ジングウへと襲い掛かっていく。

「俺もやるぜ!」

 リオトを巻き込まれない場所まで運ぶと、今度はハヤトも攻撃に加わった。二つのエネルギー流に、ハヤトの収束音波砲も加わり、更に破壊力
が増す。

「……やった……か?」

 射線上にあるものすべてを薙ぎ倒す暴力の渦。それが通り過ぎ去った後には、エネルギーの熱量に焼かれた大地の後だけが残っている。アスフ
ァルトは融解し湯気を立て、その先にあったビルすらも音を建てながら崩れている。

 これだけの惨事を起こした攻撃だ、まともに受けて生きていられるわけがない。
 誰もが、そう思っていた。
 しかし――

「やれやれ、容赦無いですね」
『!?』

 全員が思わず目を向いた。建物が崩れて起きた砂埃の向こうから、ゆっくりと人影が歩いてくる。衣服は吹き飛び、上半身が剥き出しになって
いるが、そこには無傷のジングウが立っていた。

「ば……馬鹿な!? あの攻撃を受けて無傷って……」
「おいおい、チートにも程があるんじゃねーの?」

 ハヤトが軽く言うが、その顔には冷や汗が浮かんでいる。光一やスザクは驚愕の表情を浮かべたまま固まっていた。

「君達の攻撃は終わりですか? ――では、今度はこちらの番ですよ」

 そう言うと、ジングウは右腕を掲げた。その先に、無数の図形が浮かんでいく。やがて空中を覆い尽くしたのは、密教に出てくる曼荼羅のよう
な円図形だった。

「塵となれ」

 掲げた掌を、ぐっと握り締めた。それに対応する形で、曼荼羅から無数のエネルギー流が放たれる。まるで雨のように、ビームの嵐が俺達に向
かって降り注いだ。

「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 突然の事態に、俺は成す術が無かった。スザクは龍義鏡によってかろうじて防げているようであるが、防御手段を持たないハヤトや光一はそう
ではなかった。爆風やエネルギー流そのものに煽られ、俺の視界はぐるぐると回転し、どっちが天と地なのかさっぱり分からない程だった。

410akiyakan:2011/02/10(木) 18:10:40
「……やれやれ、この程度とは呆気無い」

 若干、がっかりしたような調子のジングウの声が聞こえる。

 戦場は酷い有様だった。エネルギーの暴風に晒され、そこを固めていたコンクリートの床が粉々になっている。まるで砂利を敷き詰めた状態に
まで変貌しており、その上に俺達は倒れていた。

「く……」

 力を振り絞って起き上がろうとするが、全身に激痛が走る。思わずまた倒れ込みそうになるのを、歯を食い縛って堪える。

 なんて奴だ。今までずっと、本気で戦っていなかったのか……!

「はあぁぁぁぁぁ!!」
「スザク!?」

 まともに攻撃を受けた俺達は無事じゃなかったが、龍義鏡で攻撃を防いでいたスザクはそうじゃなかった。彼女は幻龍剣を顕現させ向かってい
く。

(だ、だけど無謀だ! 俺とハヤト、リオトの三人がかりでも傷一つ付けられなかったのに……!)

 しかも龍精落を使用した直後のせいか、動きにキレがない。スザクの攻撃をひらり、ひらりと、まるで嘲笑うかのようにジングウがかわしてい
く。

「無駄な抵抗は諦めろ。私の力は十分分かっただろう?」
「だからって、はいそうですか、って諦める程僕達は物分りはいいわけじゃない!」
「ふむ……ならば、仕方が無い」

 ドン、とスザクの身体をジングウが蹴り飛ばした。彼女の身体は砂利の上を滑っていき、勢いを失ったところで止まった。

「スザク、大丈夫か!?」
「う……く……」

 命に別状はなさそうだけど、でも彼女にもこれ以上の戦闘は無理だろう。これでこちら側に、戦える者は誰一人いなくなった。そんな俺達に見
せ付けるように、空中に再び曼荼羅のような模様が浮かんでいく。

「さらばだ! なかなか楽しかったよ」

 曼荼羅が発光する。再び、エネルギーの嵐が降り注ぐ。

 俺達の視界を、絶望が塗り潰していった。

411akiyakan:2011/02/10(木) 18:11:19
「ふふふ……意外にしぶといですね、皆さん」

 そう言いながら、ジングウは満足そうに目の前の光景を眺めていた。

 粉々に砕かれた瓦礫の上。その上に投げ出されるようにして、シスイ達の姿があった。

 皆、酷い有様だった。衣類は引き裂かれ、剥き出しになった皮膚のいたるところに傷がある。かろうじて上下している胸が、彼らがまだ生きて
いると言う事を物語っていた。

「では、そろそろトドメといきましょうか」

 ざっざっざ、と音を立てながら、ジングウが歩み寄ってくる。

 しかしその行く手を遮るようにして、一人の少年が立ち塞がった。

「おやおや、リオト君。何の真似ですか?」

 それはリオトだった。彼の身体には、自分でつけた手首の傷以外にはどこにも傷は見当たらない。彼だけは、ジングウの攻撃範囲の外にいたお
かげで無傷で済んだのだ。

「……悪いが、ここから先へは通さない」
「正気ですか? あなた一人で、一体何が出来るって言うのです?」
「勝とうが勝てまいが、そんなのは関係無い……大事なのは、お前が俺達の日常を壊そうとしている事だ」

 リオトが構える。それを見て、ジングウは鼻で笑った。

「逃げるなら今の内ですよ」
「生憎だが、俺はホウオウグループである前に一人の人間、高嶺利央兎だッ!!」

 リオトには、ジングウの存在がどうしても認められなかった。
 それは、ジングウが存在する事でホウオウグループの存在が危うくなるからなのか、それともユウイの身に危険が訪れるからなのか。そのどち
らなのか、今の彼には判断がつかない。

 ほとんど衝動的に、彼はジングウへと向かっていた。

412akiyakan:2011/02/10(木) 18:11:54
「う……ぐ……」

 俺は悲鳴を上げる身体に活を入れ、無理矢理起き上がっていた。
 顔を上げると、その先でリオトがたった一人で戦っていた。彼だって血を流して消耗しすぎているのに、しかも一人で戦うなんて無茶だ。

 加勢しようとした時、俺の腕を掴む者がいた。咄嗟に振り返る。

「スザク!?」
「止せ……お前一人行ったところで、状況は変わらない……」
「だけど、リオトが……あいつ一人で戦わせてなんかいられないよ!」

 見れば、それは戦いなどと到底呼べるものではなかった。リオトの攻撃はことごとくかわされ、あしらわれ、ジングウに弄ばれているのがはっ
きりと分かった。そんな状況を見せられて、じっとしてなんかいられない。

「冷静になれ、シスイ! 今この状況でどうやってあの男、ジングウに勝つか。それを考えなきゃいけないんだろう!?」
「ッ!!」

 何時の間に起きていたのか、光一が俺を一喝した。その隣には、同じくボロボロになったハヤトもいる。

 ……その通りだった。今血気に逸って突っ込んでいっても、同じ目に会うだけだ。今重要なのは、どうにかしてジングウを止める事だ。

「スザク、もう一度龍精落行けるか?」
「ギリギリ……まさか、もう一度あれをやるつもりか?」
「ああ……だけど、今度はもっと強力なやつだ」

 光一の視線が俺へと向けられる。なるほど、そういう事か。

「さっきのに、今度は俺の能力でブーストをかけるわけか」
「ああ、そうだ」
「だけど、それじゃあリオトを巻き込むんじゃないか?」
「それに関しては少々酷な役目だけど、ハヤトにお願いしたい……出来るか?」
「正直、足腰きてるからあんまり頼まれたくないんだけど……やるしかない、よな」

 全員が頷く。これが、最後のチャンスだ。

413akiyakan:2011/02/10(木) 18:12:33
「ははははは、どうしました? そんな事では、張り合いがありませんよ」
「く……っそ……!」

 リオトの攻撃は、その一つとしてジングウに掠りすらしていなかった。

 遊ばれている。その事実がリオトから正常な判断力を奪い、時間と共に彼の体力も奪っている。既に血のショットガンを使用してリオトの力は
もはや限界だ。

「さて、そろそろこの戯れにも飽きたので、終わりといきましょうか!」

 ジングウの右手が、手刀の形を作る。それが何を意味するのかリオトにも分かり、悪寒が背筋を駆け抜けた。

「貴方も私の僕となりなさい!」

 眼前に手刀が迫る。もはや体力も尽きかけた今、リオトにそれをかわせる余裕なんかどこにも無い。

(やられる――!)

 そう思って、思わずリオトは目を閉じてしまう。

「リオトー!!」

 その直後、自分の身体が横から誰かに突き飛ばされるのが分かった。目を開くとそれはハヤトであり、二人とももつれ合うようにして転がって
いく。

「おやおや、ご友人の助けが入って良かったですね。もっとも、私の僕になるまでの時間が、ほんの少しだけ延びただけですが」
「へ。誰がてめぇなんかの手下になんかなるか、っつーの。そんな事だったら、今のままアースセイバーにいた方が百倍マシだ」
「減らず口を……」

 ジングウが二人に迫る。しかし、ハヤトの口元には不敵な笑みが浮かんでいた。

「今だやれ、三人とも!」
「なッ!?」

 ジングウが振り返ると、そこには既に攻撃の準備を終えたシスイ達がいた。スザクと光一の手の中にある光球は、今やはちきれんばかりにまで
膨れ上がっている。

『いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

 弓から手を離す。極限まで威力を高められた破魔の矢が、その手から放たれる。

「う、うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 その光が、ジングウを飲み込んだ。

414akiyakan:2011/02/10(木) 18:13:30
「――そんな!?」

 手応えあり。そう俺は感じ取ったが、光の向こうから奴の高笑いが聞こえてきて俺はゾッとした。

 網膜を焼きそうなほど強烈な光。少しでも気を抜いたら、溢れ出る光に飲み込まれてしまいそうだ。
 そんな凄まじいエネルギーに晒されていながら、ジングウはまだ倒れていなかった。

「くは、くはははははは! やりますねぇ、本当に……危うくやられるところでした」
「くそ、またあのバリアか!?」

 光一の最大出力のレーザーを易々と防いだ、あの光の障壁が頭に浮かぶ。スザク、光一、ハヤトの三連攻撃を防いだのも、おそらくあのバリア
の力なのだろう。

「く、くそぉ……」
「ここまで来て……」

 二人の表情を見て、もはや限界だというのが分かった。正直俺自身、もうこれを凌がれてしまったら後が無い。

「く、くそ……」

 光が、少しずつ弱くなっていくのが分かる。それを否定するように、俺はなけなしの力を注ぎ込む。

「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ! こんなところで負けるなんて――そんなの嫌だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 そう叫んだ、その時だった。

「な、なんだ!?」

 足元から、何か俺の中に入り込んでくるのが分かる。それは何かの力で、それは俺に力を貸してくれていた。消えかけていた「天子麒麟」の力
が、再び光を取り戻していく。

(この感覚は……)

 その感覚に、俺は覚えがあった。
 まだ俺が小さかった頃、俺が弱気になるといつも爺やと婆やが励ましてくれていたけれども、俺を励ましてくれていたのは何も二人だけじゃな
かった。耳を澄ませれば、木や、風や、大地が、俺に語りかけ、俺に「負けるな」、「頑張れ」と声をかけてくれていた。

 町に出てから、すっかり忘れていた。子供の頃の俺にとって、俺の故郷であるあの山全部が味方だった。そして今、このいかせのごれの大地が
、俺に負けるなって力を貸してくれている!

「う――おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 滾る。力が溢れ出す。

 まだだ。まだ俺達は、これ位で負けたりなんかしない!

「こ、これは!?」
「力が、戻ってくる……!」

 俺の身体から溢れた力を浴びて、スザク達にも力が戻ってきた。

「二人とも、もっとだ! もっと力を込めろ!」

 俺が促すと、それに応えて二人も再び光に力を注ぎ込む。光に再び勢いが戻り、それどころかさっきよりも勢いを増していく。

「な、なん、だと……!?」

 光の向こうで、ジングウが戸惑っている声が聞こえた。
 バリアがもう持たないのか!? 後もう一息だ!

「二度と――」
「姿を――」
「成すんじゃ――ねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 最後の最後、俺達の覇気と呼応するように、光が最大級の輝きを放った。その力がジングウのバリアを砕き、奴自身も飲み込んでいくのが分か
る。

「ば、馬鹿な……私が、この私が……ホウオウさえも超えた、この私があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ジングウが残した最後の言葉はそれだった。

 光が抜けていった先には、もはや何も残っていない。
 それが意味するところはつまり、ジングウと言う人物がこの世から消え去った事を意味し、
 それは即ち、俺達の勝利を意味していた。

415akiyakan:2011/02/10(木) 18:14:09
「か、勝った……」

 勝利を確信すると、俺達三人はその場にへたり込んだ。もう無理だ、一歩も動けない。

「おおーい!」

 ハヤトが興奮気味に近付いてくる。彼は俺達を見下ろしながら、ガッツポーズを取った。

「やったじゃねぇか! 俺達、あいつを倒したんだぜ!?」
「ああ、そのようで……」
「くー……まだ興奮が抜け切らないぜ!」
「しょーじき、もっかいあんな戦いやれとかこりごりだけどな」
「まったくだ」

 ジングウを直接ぶっ飛ばした俺達三人は、思わずため息をつく。
 正直、今回は「本当なら負けていた」戦いだった。奴に勝てたのは時の運と、俺に力を貸してくれた「いかせのごれ」の大地のおかげだ。

「ありがとうな……」

 思えば、山に住んでいた頃は自然に対する恩恵を常に感じながら生きていた。けれども、町に出て暮らすようになってからは、そう言った事を
あまり考えられないようになっていた。

 それでもこの大地は、俺達をずっと見守ってくれて、そして今回力を貸してくれたんだ。まったく、頭が下がる。

「今、本部に連絡した。迎えを寄越してくれるって」
「うわ、マジで助かる。もう一歩も動けねぇよ」
「……あれ? リオトはどうした?」
「んー? あれ、あいつどこ行ったんだ?」

 ハヤトが周囲を見渡すが、どこにもそれらしい姿は無い。まさかあれだけの戦闘の後なのに、自力で家まで戻ったのか?

「あいつはあいつで事情があるんだろ」
「ま、だろうな」
「取り合えず――」

 今はゆっくり休みたい。それがこの場にいる、全員の共通意思だった。


※劇中、シスイが大地から力を借りていますが、あれは彼自身の能力と言うより「都シスイ」という人間に備わった「徳性」のようなものです。

416大黒屋:2011/02/10(木) 20:32:03
昨日に続いてレストランの小話をば。ちょっと店長に触れたいと思います。
スゴロク様の「火波 スザク」をお借りいたしました。

閉店間近に店に入って来たのは、きれいな白髪に赤い目をもった高校生だった。
それを見た「彼女」は、すこしだけ入れるのをためらったが、黙って、誰もいない店の奥にいれた。

カウンターについた客…火波スザクは、出された水を一口含んだ。
「珍しいね、あんたが来るなんて。」
「彼女」は向かい側に立った。
夜遅いため、由衣と奏は既に2階にもどっている。

スザクは真っすぐに「彼女」を見据えた。
違う色味を帯びた赤い目と髪。スザクが「朱」なら、「彼女」は「紅」だ。
「別に。気が向いたから来ただけだ。」
吐き捨てるように、そういった。
「彼女」はふっとわらうと、自分の水をテーブルに置き、座った。

「あんたも頑固だね。まだウスワイアに入ってないらしいじゃないか。」
「個人の都合だ。水を注すことじゃない。」
「まぁね。私は勧誘する気はないよ。」
その言葉にスザクは少し顔を上げた。
「私は一介のレストランの店長。ウスワイア公認でも、勧誘なんて関係ない話だよ。」

「よく言うな。あんたも現役時代は暴れまわってたんじゃないのか?」
「昔のこと。」
「2、3年が昔か?」
「過去過去。」
そういいながら水を含む「彼女」。しかし。
「…はじめてあんたを見たとき、驚いたんだよな…。」

「腕がなくてさ。」

その言葉に、手が止まった。

417大黒屋:2011/02/10(木) 20:32:48
「…それも過去の話じゃないか。」
「でも、気にしてるんだろ?」
「…まぁね。」
「彼女」は混乱したようにかるく頭をかきまわす。

「私だって吃驚したさ。あんたがケイイチと同じ力を使うもんだから。」
「ま、知ってる人はそうだよな。」
「チャドが「スゲーですぜ!」とかいってたっけ。」
「それも過去だろうが。」
「はいはい。」
都合がいい店長だ。全く持って。

「…じゃ、そろそろおいとまするよ。」
「ここにきて何にも頼まずか、あんた;」
「今度来た時に頼むよ。」
「何時になるか分からないじゃないか。」
「まぁな。」
「もう腕がないとか言っておどろかせないし。」
「分かってる。」
スザクは笑い飛ばすと、扉を開けた。

「…由衣達とも仲良くやってちょうだいよ。あの子、初めて学校が面白いって言ったんだから。」
「…ああ。」
二人の間は、それだけで十分だった。

418akiyakan:2011/02/10(木) 21:43:42
>>416-417 >大黒屋さん
店長の話ですか。「腕が無かった」とはまた、何やら物騒な話ですね……
店長視点なので、店長のビジュアルがどんなものなのか気になるところです。

419スゴロク:2011/02/10(木) 22:14:26
なんか、予想以上にスザクの出番が多くなってて嬉しいです。

>akiyakanさん ついに出現、ジングウ! 予想はしてましたがやはり来ましたね。
5人がかりで手も足も出ない、連携攻撃すら防ぐとは……強い。そして最後の最後で大逆転!
なんか、私の小説より熱い気がします。シスイには味方がいたんですね。大地全部が力を貸してくれるというのは正直予想外でした。でも、麒麟の落とし子ならあってもいいのかな?
お疲れさまでした。……ところで、スザクの「龍義鏡・偽」はケイイチのものと反対で、「物理を防いで」「ビームが素通り」なんですよね。迷いが消えて強化されたのか……!?

>大黒屋さん スザクと店長に縁があったんですね。ううむ、どんな人なんだろう……腕がなかったって。
本格登場を楽しみにしております。……こっちでもレストランを使っていいですか?

420akiyakan:2011/02/10(木) 22:28:04
スゴロクさん>「物理を防いで」「ビームが素通り」
ありゃりゃ、そうだったんですかー!? 全然把握してませんでしたね、すみません……

421スゴロク:2011/02/10(木) 22:32:16
>akiyakanさん いやいや、そういうこともありますって。今回は、精神状態がよかったので強力になっていた、ということで。
「龍義真精・偽」についてちょっと詳しい設定をwikiに追加しておきます。

422akiyakan:2011/02/11(金) 00:07:04
※十字メシアさんの「シノ」、ネモさんの「七篠獏也」、スゴロクさんの「火波スザク」をお借りしました。

 嵐の後に、見える景色は

 アースセイバーの談話室。そこに、シノと獏也の姿があった。

「一先ず事件が収束して良かったっす~」
「だけど、お前が作った特効薬無駄になっちまったな」
「いっすよ、それ位。また何時か、必要になる日が来るかもしれないじゃないすか」
「まぁな」

 そう言って、獏也はコーヒーを啜る。その表情は穏やかだ。

「どうしたんすか、バクさん?」
「ん? いや、これででかいヤマが一つ無くなって、ガキ共を危険な目に合わせる心配が無くなったな、って思ってさ」
「そりゃそうっすけど、表に出ないだけでいかせのごれで起きる超常現象はキリがないっす。これじゃ、何時か人手が足りない日が来るかもしれ
ないっすね」
「ふむ……」

 そこが、アースセイバーの少人数精鋭による対応の欠点だと獏也は思っていた。有能な能力者に、あまりにも多くの仕事を任せ過ぎている。お
そらくは、これまでケイイチが仲間達だけでホウオウグループを倒して来たその体質が、組織設立からも抜け切っていないのだ。
 またそれだけでなく、政府に対する対応として隊編成が出来ないという問題点もある。どんな能力を持っているにしても、能力者であるだけで
国家にとっては脅威の存在なのだ。その能力者が数人と群れを成す事態になれば、その脅威の度合いはより多くなる。その為、獏也の考えとして
はせめて小隊だけでも組ませたいところなのだが、それさえ叶わず一人、二人で対応させざるえない状況なのだ。

「ガキ共には、これからも苦労をかけるな……」
「だけど、あの子達の多くは強要させられているんじゃなくて、自分達の意志で力を貸してくれているっす……まぁ、一部はそうじゃないんすけ
ど……」

 彼らは、自分が能力者であるからと言って他と自分、能力者と非能力者を分けたりはしない。みんなただ、自分達の日常を守りたいから。或い
は、自分の力が他人の為になるからと力を貸してくれている。

 獏也は思う。彼らのような若者がいる限り、まだ世界は明るいと。

423akiyakan:2011/02/11(金) 00:07:46
「ここにいたのか」

 屋上で何となしに外の景色を眺めていたら、後ろからスザクに呼ばれた。振り返ると、何時も通りの彼女がそこにいる。

「元気が無いけど、何かあったのか?」
「いや、別に……」

 口ではそう言うけど、俺自身、実際は傷心している事に気付いていた。
 つい昨日の事。俺達は、元ホウオウグループの男、ジングウを倒した。その時は、勝利に対する高揚感で俺の心は満ちていた。
 でも、一晩経ってからはどうしようもない空虚さが心の中にあった。その原因は、俺が初めて「本物の悪人」と出会ったからだろう。

「なぁ、スザク」
「ん?」
「君は、ホウオウグループが悪だと思うか?」
「はぁ? 君は突然何を聞くんだ、そんな事分かりきっているだろう」

 そうスザクは、当たり前の事のようにホウオウグループが悪であると言う。確かに奴らは、目的の為なら手段を選ばないところがあるし、スザ
ク自身も奴らの被害者であると言えるから、そう言っても仕方が無いだろう。
 だけど、その延長線上には「他人の幸せ」が確かに存在する。ホウオウ「だけ」が幸福になる世界なら、ホウオウグループには誰もついていっ
たりしないだろう。彼らは皆、ホウオウが与える幸福が自分にとっても幸福になるものだと信じているから、ホウオウに協力しているんだ。目的
の為なら手段を選ばない姿勢も、ある意味それだけ彼らの意志が強固だからとも言える。

 だから、俺の中ではホウオウは決して「悪」なんだと完全に言い切れる存在ではなかった。俺達を「正義」とするならば、彼らは「もう一つの
正義」みたいなものだったんだ。

 だから、昨日出会ったジングウと言うあの男は、俺にとって初めての「本物の悪人」だった。

 奴は、自分の事しか考えていなかった。世界は自分だけのものであるのだと当然の事のように思い、命をそこら辺にある小石となんら区別する
事無く扱っていた。

 奴は「完全な悪」だった。だから俺も、躊躇無く拳を振るう事が出来た。それを倒した後に、心から勝利を感じ取る事が出来た。

 だけど一晩経ってから、俺はどうしようもなく虚しさを覚えていた。

「……俺は昨日、本物の悪を見た」
「ん?」
「己のみを考え、他を何とも思わない、ホウオウにも勝る本物の悪……俺は今まで、本当に悪い奴なんかこの世にいないと思ってた……」
「…………」
「だけどそれも、正義の味方と同じで幻想だった。そんな都合の良い世界は、この世には無かったんだ。この世界は、〝ああ言うもの〟も生み出
してしまうんだ……」

 俺はまだ、「夢を見る子供」のままだった。世の中には悪人がいっぱいいるけど、でも根っこから全部悪い奴なんて本当はいなくて、世界はと
ても綺麗なものだと思っていた、思い込んでいた。
 でも実際は違っていた。正義の味方と同じで、そんな都合の良い世界は無かった。世界は決して綺麗なものではなくて、時にはジングウのよう
な悪人を生み出してしまうんだ。

「……シスイ、そう悲観するなって」

 ポン、とスザクが俺の肩に手を置いた。

「世界は確かに綺麗なものじゃない。でも、だからと言って汚いわけでもない。世界の綺麗な部分を受け入れるのはいい。けれども、世界の汚い
部分から目を背けちゃいけない。両方受け入れた者だけが、本当の意味でこの世界を語る権利を持てるんだ」
「スザク……うん、そうだな」

 スザクの言うとおりだ。世界の汚い部分が見えたからと言って、世界が突然汚くなったわけじゃない。今まで綺麗なものだけしか見た事がなく
て、たまたま汚い部分を目にする機会が与えられたに過ぎない。二つを受け入れる器量無しに、この世界を語る権利は無い。

「……ありがとう、スザク」
「別に。僕は大した事をしてないよ」

 そうスザクは、何でもないように言う。でも、それはスザクが強いからだと俺は思う。

(……何時まで経っても敵わないな)

 出会った時からそうだった。火波スザクと言うこの少女はとても強い。その強さに、いつも俺は助けられる。

 強くなろう。その為には、この世界を今よりもっと愛さないと。綺麗な部分も、汚い部分も、丸ごと全部。

「よっし!」

 自分に活を入れるべく、声を上げた。何だか世界が、今までよりも違って見える気がした。

※というわけで、これで一先ず「都シスイの仕事」から始まった生物兵器騒動は終了となります。
※スゴロクさんには、時系列の問題でご迷惑おかけしました。本当にすみませんでした。

424(六x・):2011/02/11(金) 02:59:07
企画小説が100突破か!・・・昔書いた作品を加筆修正したくなるな。

さて本編。今回は、本家様からケイイチ、しらにゅいさんのトキコさん、砂糖人形さんのネイロちゃん、鶯色さんのハヤトくんをお借りしました。

ガールズ(ボーイ一名)トーク

「顔だけショタのマッチョ男が追いかけてくる夢をみた・・・。」
「ケイイチ君、今日は早く寝るべき。」
「そんなことより、もうすぐバレンタインだねー」
「世の女・・・最近は男たちもこぞって高いチョコを購入。菓子会社やデパートは儲かる。これを陰謀以外になんという?」
「ロマンチックのかけらもない発言きましたー。凪っちには夢が足りないよー」
「なぜ、そこまで好きでもない奴にやる必要がある?金と時間の無駄なのだよ。」
「凪ちゃんそんなこと言って、ハヤト君にあげるんじゃないの?」
「聞いてたのか、ネイロ。というかなんでハヤトなんだ?」
「いつもノート見せてるし、仲いいじゃない。」
「席が近いからな。それに、ノートならモコやマっさんにも見せてるしハヤトだけが特別というわけじゃないのだよ。」
「そう・・・私の勘違いだったかな」
「そうそう。ネイちゃん、凪っちの彼氏になる人はドM豚なんだよ」
「おいトキコ、違うってこないだ言ったじゃないか」
「「えっ・・・そういう趣味?(ドン引き)」」
「だから違うっていってるのだよ!ケイイチ君もネイロも信じるな!」
「わー、凪っちが怒ったーww」
「私だって怒るときは怒るぞ。」
「ところでさっきから何作ってるんだ?」
「ラムネと金平糖で、クッキーをデコってみた」
「かわいい・・・」
「ネイロにあげるよ。あと、こないだ貸すって言ってたゴスロリの本な。」
「ありがと。わあ・・・(早速読み始める)」
「いいなー。凪っち、私にも作って!」
「任せろー。あ、ケイちゃんも欲しい?」
「いや、別に・・・」
「ああ、逆チョコ送るほうだったか。相手は言わないであげるけどw」
「なっ///」
「ふふ、照れなくてもいいんだぞ。」
「普段照れまくってる凪にだけは言われたくねぇ!///」
「そ、そんなことはない・・・///」
「あ、もう顔真っ赤・・・」
「う・・・い、言うな!そして見んな!///」
「凪ー、ノート返すぜ。って、なんか赤くね?」
「大丈夫だ、問題ない///」
「青春ですなぁ。凪っちがんばれ^^」
「リボンがいっぱい・・・素敵(本に夢中)」
「こっちはいったいどうすれば・・・・」


鶯色さん、凪さん→ハヤト君みたいになっちゃいましたが大丈夫でしょうか?
もし駄目だったらフラグ真っ二つにします。

425スゴロク:2011/02/11(金) 11:58:12
>akiyakanさん お疲れさまでした! 都シスイの仕事、ついに完結ですね。
……こうして見た感じだと、シスイは弱さ→裏に強さで、スザクは逆なんですよね。
私の方は連載が二つもあるんですが、当分続きそうです。シスイにも引き続き登場願う予定なんで、よろしくお願いします。

次は旅行かな?

426しらにゅい:2011/02/11(金) 13:07:00
>>397->>401>>407->>415>>422->>423
「生物兵器騒動」連載お疲れ様でした!全体的に読んでて楽しかったです!
読む度に「次は!次はどうなるんだ!?」って気になっちゃって、掲示板を
チェックする毎日でしたw
出やがったなこの野郎!と思いながら読んだ「現れた主犯」では、ジングウが
なかなかの外道っぷりでしたね。やはり真っ直ぐなシスイくんが怒らないはずが
なかった!「to be continued」の綴りを見た時は、akiyakanさん、憎い演出を
しなさるなwwwと思いながら次回作までwktkして待ってましたw
今までの戦いとは比にならない激戦を繰り広げた「激戦 VSジングウ」では、
ジングウのチートっぷりに更にイラッと。←
戦ってるシーンは皆相変わらずかっこいいぜ!シスイくんとスザク姐さんの連撃も
また熱い!でもジングウのチートっぷりがまた(ry
リオ君の「ホウオウグループである前に一人の人間」という台詞は私の中で名台詞に
なりました。確かにホウオウグループとして考えれば自分ひとりだけ生き残ることを
考えればいいものの、リオトとして考えれば大切な仲間が死んでしまうわけですから、
元々燃費の悪い能力でありながらも身を犠牲に彼らを守りたいわけで・・・うぉぉぉ
かっこよすぎるよリオ君!
ハヤトの回避、三人の渾身の一撃、にも関わらずこの男はまたチートをウオオオオ!!!
早くやっつけられないのかこの男はぁぁあ!!と思っていたら、シスイ君すげぇぇ!!
大地を味方につけた!!何ですかこの燃える展開は!?そういえば設定をよくよく
見返してみれば、彼の「徳性」によって大地から力を借りる事が出来ると・・・ほうほう、
まさに奇跡・・・いや、彼の「徳性」、そしてあきらめたくない一心による勝利だったん
でしょうね。とにかく奴に勝ったんだ!うわーい!ハヤトばりに喜びましたw
そして後日談の「嵐の後に、見える景色は」では、獏也さんとシノさんの会話に
思わずうんうん、と頷いてしまいました。もっと能力者がいれば、今回の戦いはまだ楽
に戦えたかもしれない、けれどシスイ君達の様な能力者が全員なわけでないですから、
だからといって強制をかければウスワイヤの意義が違ってきますし・・・うーん、難しい
ですね(´・ω・`)
シスイ君がまた一つレベルアップしましたよ!精神的な意味で!!←
そうですねぇ、ホウオウが例え万人から「悪」と呼ばれたとしても、シスイ君の言うとおり
そこには彼だけの幸せではなく、彼の元につく人達の幸せが確かに存在しているのです。
だから彼を完全な悪、と呼ぶよりはもう一つの正義・・・食い違ってしまうのは、ただ考え方が
食い違うだけ、それが正義と悪の正体なのです。・・・ということをトキコに言わせてやろうと
思っていたのにシスイ君に先悟られちゃったよ!彼を弄るネタがなくなtゲフンゲフン
まぁ、これからも彼には幾多の困難が待ち受けるわけですが・・・仲間と共にまたひとつ
成長していく彼に期待です!連載お疲れ様でした!!

427しらにゅい:2011/02/11(金) 13:24:36
>>403 ウスワイヤに可愛い子が入ったと聞きまして(シュバッ
なんかシュウト君のお兄さんっぷりを見て思わず、
=ヽ(*´∀`)ノ シューオニイチャーン
って駆け寄りたくなりました。マジシャンお兄さんマジお兄さんすぎる・・・!
シホちゃんが見た目高校生で中身は幼女・・・な、なんという俺得少女!!
でもそうなってしまったのはそれなりの理由があるからこそなんですよねぇ・・・
うーん、心中複雑(´・ω・`)
シホちゃんをもっとよく知りたいのでこれから交流させて頂きますね!

>>416->>417 店長さんに腕がなかった・・・ですと・・・!?
え、これは過去話が凄く気になるのですが(ry

>>424 凪さんのような発言をする女子は必ず一人はいるはずwww
って何!?凪がハヤトにフラグ有ですと!!?全力で俺が許s(ry
キャラ同士の恋愛だって交流企画の醍醐味ですよ!・・・まぁ本人同士の同意が
必要なわけですが、ね(;´ω`)
とりあえず凪さん、お礼もこめてチョコ渡してきなさいな。←

>企画小説が100突破
うぉぉぉ!!?もうそんなにいったのですか!?皆様すげぇ!!
いやー、こんなに企画小説が増えたのもひとえに皆様のおかげです・・・無謀に
企画を立ち上げたにも関わらず、皆様が積極的に他キャラと絡んでくださって、
連作が出来たり、共有設定が出来たり、今恋愛フラグが立ち上がろうとしてくれたり・・・←
企画キャラもそれにともなってどんどん増えてますからね!ホクホクさせて頂いてますw
これからもどんどん作品を投稿してくださいな!ってwiki編集者様方に大変な苦労を
かけてしまうような発言を(ry
また、交流したいけど文章書けぬ・・・´`という方がおりましたら私のほうに連絡をくださいっ
企画主が貴方に代わって他キャラと交流しませうw

428akiyakan:2011/02/11(金) 14:00:18
>(六x・) さん
バレンタインデーが近いですからね、時事ネタを投下してくる方も出てくるかもしれませんね。
何やら、凪からハヤトでフラグオン!? 他人の作ったキャラ同士のカップリングとかになったら、それは面白いですね。

>スゴロクさん
一先ず「生物兵器騒動編」としてこの話は終わりですが、自分としてはシスイに、かつてのケイイチが歩んだような道を進ませたいので、これから「~編」と題して新しい戦いを用意するかもしれません。もっとも、この話を終わらせるので手一杯だったので、また何も構想が浮かんでいない状態なのですが(苦笑)
シスイはガンガン使ってやって下さい! むしろ願ったり叶ったりなので!

>しらにゅいさん
熱い感想ありがとうございます! 見てるこっちまで滾ってきそうだ!
ジングウは中途半端な強さだと、五人にたこ殴りにされて終わるだけなので、「私はホウオウを超えた!」と豪語できる位の強さになっています。書いている自分も、「これ、どうやって倒そう……」と冷や汗が出る位強くしてしまいましたが、おかげで「倒したー!」という感じがよく出てくれました。
リオトは仲間の為に戦う、って姿勢がちょっと彼らしくないかなぁ、とは思っているんですけど、ここには「ホウオウを侮辱したジングウが許せない」っていう意地と、「こいつを野放しにしたらユウイに危害が加わる」っていう感情も混ざって今回彼にこのような行動を取らせた事にしています。もう少しリオトらしい打算的な部分を加えたかったのですが、後で見直すとこれ、完全に熱血君になっちゃってますね(苦笑)
シスイの「大地を味方に」っていうのは、麒麟が土の属性を持つ関係から元々ついていました。ただ、プロフィールに初めから記入しておくと「読み手の意表を突けないかなぁ」と言う事で、今まで未記入で、「激戦 VSジングウ」で蔵出しした後、プロフィールに追加しました。ちょっと手法がズルかったかなぁ、と内心に思っている部分もあります。
トキコに言わせたかったですか! それはすみませんー。でも、これは元々シスイが持っている性格で、彼は根っこから「誰も憎む事ができない」性格なんですよ。表向き悪に見えても、それは見方が違うだけなんだー、って思える優しい子なんで。まぁだからこそ、今回ジングウと言う「真性の悪」の登場に思い悩んだわけですが。
思いこもった感想、ありがとうございます!

429十字メシア:2011/02/11(金) 15:19:54
新しく投下したミユカで。

『いたずらの蛇の子』

「いててて…」
「だ、大丈夫か?リーダー」
「あぁあんのおぉお…クソアマァアアア!!!」

ここ―――いかせのごれ高等学校の階段の踊り場に、マサカズの怒号が響き渡った。
その怒りの対象は、先ほど自分に向かってバケツを放り投げた少女―――ミユカであった。

「あいつ、いつもいつも…調子にのりおってぇええ!」
「まあ、ホントにいつもの事だけどさ」
「追いかけるぞケイ!」
「はあ?何でこっちまで?」
「お前も、あいつのいたずらに引っ掛かったんじゃろが!」
「いや、そうだけどさ…」

実は先ほど、ケイイチもミユカのいたずら―――マオからの手紙と偽って、スタンガンを握らせ―――に引っ掛けられたのだ。

「キシシシシシ!追いかけてみなよー!」

上の階からミユカの笑い声が聞こえてくる。

「ぬぁあああ!!腹立つ!!!待てやコラァアア!」
「ちょ、リーダー!」

怒りにまかせて突っ走ったマサカズを止めようとするケイイチだったが、今のマサカズにはもはや聞く耳を持たなかった。

「追いかけてもまた引っ掛かるのに…」

一人ごちるケイイチであった。



「どこに行ったんじゃあいつ…!」
「ここだよ~」
「おわッ!」

いつの間にか、ミユカが背後に回り込んでいた。
しかしミユカはすぐ逃走に戻った。

「待てや!!!」
「待ったないもーん!キッシシシシ!」

特徴的な笑い声を上げながら逃げるミユカ。
そのれを追いかけるマサカズ。
すると、階段まで来たミユカは軽々と全段を飛び越えて行った。
元々体育の得意な彼女だっが、もはやその運動神経は並どころではない。

「この…ッ!」

ミユカの名人芸に驚きつつも、マサカズはすぐに追いかけ始めた。
が、1つ目の階段を降り、2つ目の階段に差し掛かったところで―――。


ビシャッ!!

「キシシシシシ!また引っ掛かった~!」
「な…」

現状に戸惑うマサカズ。
彼の顔面は、ミユカの投げた泥団子で黒く染まっていた。

「ばいばーい!」
「ばいばーい、じゃないわボケーー!!」

またしても、マサカズの怒号が響き渡った。





上手いイタズラが思いつかない;
では~。

430スゴロク:2011/02/11(金) 16:09:12
簡単ですが、たまには一日の流れでも。



「うわ――――っ!! 遅刻だ遅刻~ッ!!」

大騒ぎしながら走る僕、火波 スザク。
って、落ちついている場合じゃなーい!! 何で目が覚めたら8時なんだよ!?

たたでさえ留年したということで覚えが良くないのに、この上遅刻するわけにはいかない。
自転車もかくやという速度で走る、走る、走る。
学校に着くや否や玄関に飛び込み、靴を素早く履き替えて階段を駆け上がる。
現在時刻、AM8:28。

「間に合った――――ッ!!」

がらりとドアを開けて教室に飛び込むと、教室内の目が一斉にこちらを向いた。若干怯みつつも、席について鞄を置く。

「はーっ、はーっ、危なかった……」
「珍しいな~、鳥さん。ギリギリだ」

どこかのんびりと、前の席から真二が言う。肩で息をしている僕とはえらい差だ。

「いや、それが、起きたら、朝、8時、で……」
「えぇ~ッ? 何でまた」
「僕が、聞きたい、くらいだ……」
「……まあ、そうだよね~」

ようやく息が落ちついて来た。最後にふーっ、と大きく息をして、椅子に深く腰掛ける。

「とにかく、みんなおはよう」
「ん~、おはよう」
「おはよう、火波さん」

クラスメイト達と挨拶している内に、ホームルームの時間が来た。担任の先生が入って来て、出席を取る。
一日の連絡、次の授業などの伝達事項が終わり、5分休憩だ。
隣の席のネイロに話しかける。

「おはよう、ネイロ」
「うん、おはよう。どうしたの、急に」
「ん、何となくだよ。ちょっと話がしたくなって」

フリル付きの改造制服を着たネイロは、とにかく目立つ。いや、白い髪の僕も相当だけど。
ジト目で無表情と言う外見、1人でいたがる行動律から冷たい性格と思われがちだが、そんなことはまったくない。ちょっとマイペースで、音楽が好きなだけの普通の女の子だ。

「ネイロは、将来どうするんだ?」
「音楽の道に進もうと思ってるの。だから、ここを出たら音大に行くつもり」
「そっか……」
「……スザクは、そういうこと考えてないの?」

言われてちょっと考えた。僕の目下の目的は「異能殺し」――――ランカの父親探しだ。だけど、それが終わった後はどうしよう。
順当に考えればアースセイバーに行くべきなんだろうけど、気が進まない。今までが今までだし。
どうしようかな、と考えていると、ネイロが言った。

「考えつかないなら、トキコに相談してみれば?」
「え?」

固まった。トキコに相談? 何で? 確かにあいつのことは好きだけど、立場的に考えれば敵だ。
そんな内心の「?」には気付かず、ネイロはいう。

「いつだったか、トキコが言ったんだ」


『もしもどこにも進められなかったら、私のとこ来てね』
『トキコ、そういうところ知ってるの?』
『うんっ、思い当たりあるからさ~』


「……って」

今度は青褪めた。――――それって十中八九、ホウオウグループのことじゃないか!?
さすがに甘く見ていた。遠回しではあるが、布石はきっちり打っていたということか。

「い、いや、せっかくだけど自力でなんとかするよ」
「そう? まあ、自分の道だからね」
「そうそう、そういうこと。……あとさ、ネイロ」
「ん?」

小首を傾げる友達に向かって、僕は力強く言う。

「その夢、絶対に叶えるべきだ。ネイロなら出来る、必ず出来る!」
「そ、そうかな」
「そうさ、必ず出来る。諦めなければ絶対に叶うんだ、僕は知ってる」
「……ありがとう、スザク」

ちょっと照れたように、ネイロはそう言った。

431スゴロク:2011/02/11(金) 16:10:00
一時間目は数学だった。

「……つまり、この公式にここの値を代入することによって……」

教師の声がチョークのカッ、カッという音を混ぜて響く。
さすがに一時間目とあって、居眠りをするような奴はいない。

真剣かそうでないかという違いはあるが、みな一様に授業を聞いている。かく言う僕はというと、とにかくノートを取ることに集中していた。
この教師は生徒を指名して解かせるということがなく、説明と板書だけで50分を使う。そのため、とかく退屈だ。

「ん~……」

公式だけ覚えてしまえば楽だ、と教師は言うが、実際にはそんなことは全然ない。応用力がなければ無駄に終わる。
典型例が隣のネイロだ。数学が苦手な彼女は、公式を当てはめるまではいいのだがその後が続かない。いわゆる「応用問題」が苦手なのだ。

「あぅぅ……」

必死で考えているのが目に見えてわかるが、声をかけるわけにもいかず静観する。教室が静かだと、何となく喋るのをためらうのは集団心理というやつだろうか。
数学が苦手なのは、他にもいる。

「……………………」

さっきから完全に固まっている紀一だ。あの様子では妄想に逃げ込んでいるのだろう。目があらぬ方向を泳いでいる。
さらには、

「むぅ……」

ユウイもそうだ。ただ彼女の場合、数字自体見るのも嫌なレベルらしい。一体何があったのだろうか。裏情報ではアナボライザーらしいが、何の悪夢だろう。
まあ、考えた所でわかるはずもないし、今は関係ない。ため息をつき、僕はノートに戻る。

結局、この時間は一同を退屈させただけで終わった。




二時間目、現代文。

今度は、前の時間で放心していた面子が復活している。
中でもさっきから凄いのが瑠璃だ。

「―――この場合、『情報は整理するな』という言葉の意図として、次のように考えられ――――」

元来読書好きの彼女、水野 瑠璃は、古文・現文・英語で真価を発揮する。中でも現代文が得意で、その実力は見ての通りだ。
「情報は整理するな」という言葉についての考察なのだが、前後の一文から筆者の意図をほぼ読みとってしまっている。

「――――ということです」

たっぷり20分近くの発表を終え、ようやく席に座った。相変わらず読解力が凄い。その理解力、少しシノさんにわけてあげてくれないものか。




三・四時間目は二時間続けて体育だった。今日の種目は男女別、2チームに分かれての野球。
思い切り動けるとあって、特に男子チームの気合いの入りが半端ではない。

「よぉぉ―――っし、やるぜーっ!!」
「おおう!!」

ハヤトの気合の入った叫びに、男子一同の応えが重なる。大した士気だ。
一方、僕ら女子チームはというと、

「走るの嫌いー。遅いもん」
「投げて、打って、走る……あえてバットを投げるとか……」
「ちょ、セナ! 不穏な言動ヤメテ!」

このありさまだ。男子はよくも悪くもまとまっているが、僕達は癖がありすぎる。
果たして勝てるだろうか……。

432スゴロク:2011/02/11(金) 16:12:27
3回ウラ、男子チームの攻撃。
向こうは攻守ともによく連携が取れていたが、こちらも何とか喰いついていた。浩美やののか、由衣が頑張ってくれたおかげで、どうにか0対0で推移していた。
しかし、3回の表で満塁のチャンスを迎えるも、2回で登板したリオトのピッチングが奮い、そこで攻撃が終わってしまった。
現在カウント、ノーアウト・ランナー2・3塁。

(このままだとまずいな……)

外野手の僕からは、フィールドの様子が一望できた。2塁ランナーにはシスイがいる。あいつは逃げ足が速い……つまり足が速い。もし、バッターのノルンがバントでも何でも当ててくれば、即座に2塁に到達してしまうだろう。
ピッチャーはセナ。ただ、普通と違う遊び方を好む彼女の悪癖はここでも発揮されており、球速は速いのに打たれたり、盗塁されたりしている。
このピンチでどう動くか……。

「……っ!」

短く息を吸い、セナが振りかぶり――――投げた!
ボールは……一直線にキャッチャーミットに向かっている。どうやらやってくれたらしい。

「むうっ!」

ノルンがバットをスイングしたが、当たる事はなく空振り。が、

「あっ!」

ユウイが零した。途端、ノルンが一塁目掛けて走る――――振り逃げ!!

「三塁に投げて、都君が来る!!」
「回れ回れ回れーっ!! 都、回れーっ!!」

男子の声援に混じってコロネが叫び、それに従って、ユウイが全力で三塁に投げる。一塁のノルンはこの際仕方がない、次で何とかしよう。

「アウト!」
「セーフ!」

『へ?』

二つのコールが同時に響いた。三塁を見ると、シスイは三塁ベースを踏む直前に由衣にタッチされている。では、セーフとなったのは何?

「……あっ!?」

女子全員の視線がホームベースに集中する。―――笙汰が滑り込んでいた。
しまった、気付かなかった。三塁にはあいつがいたんだった。しかも笙は野球が大得意で部活にも入っている。だというのに、何で今までシスイばかり警戒していたのか。

「よっしゃー、間に合った―!!」

待機しているチームメイトの所に戻って快哉を上げている。持ち前の影の薄さが、まさかこんなところで役立つとは本人も思わなかっただろう。

「な、なんてことだ……」

二重の意味で、僕は呆然としていた。



9回の裏、浩美の奮戦で何とか1対2に持ち込んだ。
しかし、9回表、この女子チームの攻撃で追加点を取れなければ自動的に敗北が決定する。逆に男子チームは、この回を守り切れば勝利は確定する。それだけに、目の輝きもモチベーションも、こちらとは比べ物にならない。中でも笙とハヤト、正輝はまさに燃えていた。
勝利を目前にした男子チームの士気は高く、こちらで二度あった追加点のチャンスは悉く潰された。シスイの俊足と笙のボール捌き、8回から登板したハヤトのピッチングが強すぎる。
何とか一塁にスイネが出たものの、焼け石に水だ。
そして、次のバッターはトキコ。

「まずい……負ける……」

ツーアウトランナー一塁。最悪の展開だ。だというのに、バットを持って打席に向かうトキコの顔は、場違いに明るかった。思わず声をかける。

「トキコ、大丈夫なのか?」
「大丈夫、大丈夫。いいから鳥さんは見てなさいって」

軽くそう言って、打席に入るトキコ。

「さー、来なさーい」

構えがどこか危なっかしい。本当に大丈夫か? そもそも、ハヤトの投球はスピードが尋常ではない。少なくとも、高校生の投げるレベルではない。
さっき打席に立った僕もほとんど反応できなかったから、本当に容赦がない。
そもそも、あんな構えでは打てるものも打てな


キィン、


と、快音が響いた。

「……え、っ?」

口からこぼれたのはそんな声だった。一瞬何が起きたか理解できず、トキコに視線が映る。バットを振り切った姿勢から戻る、彼女の姿。
視線を追うと、運動場の外へ消えて行く白い点が見えた。

「――――場、外、ホームラン……?」

思わず口にしてから気付いた。――――ホームランだって!?
男子チームが防戦とする中、悠々とスイネの背を押し(追い越すとアウトになってしまうのだ)、トキコがホームベースに戻って来る。
二人がこっちに戻ってきて、トキコがVサインをしてから、ようやく、

「……や、やった―――――ッ!!」

歓声が爆発した。現在―――3対2。


結局、トキコのホームランによる予期せぬ大逆転で男子チームは浮足立ち、最後の攻撃は無得点に終わった。

433スゴロク:2011/02/11(金) 16:14:18
昼休憩。

さすがに予算が厳しかったので、今日は弁当だ。
今日は天気がいい。屋上で顔を合わせるのは、ののか、コロネ、ユウイ、凪、そしてトキコだ。

「……(ぱくっ)」

卵焼きをひとつ。今日はちょっと趣向を凝らして、幕の内を意識して見た。

「鳥さーん、ひとつちょーだい」
「これ? しょうがないな」

トキコがあーん、と口を開けていたので、卵焼きをひとつ放りこんでやった。

「あま~い」
「あれ? ……うわっ、普通のだった! とほほ、楽しみにしてたのに……」

出し巻き卵の方が残ってしまった。何と言うイージーミス。
気を取り直して箸を進めていると、

「しゅざくっちー、あげるー」
「ん?」

ののかが自分の卵焼きをくれた。でも、本当にいいのか?

「だって、楽しみだったんでしょ」
「……ありがとう、ののか。もらうよ」
「鳥さーん、私もあげる」

今度はコロネがウインナーをくれた。ありがとう、と口に運ぶ。が、

「?」

妙な感触だった。やけに歯ごたえが……って、おい。

「……(もぐもぐ)」
「あれ? スザク、どうしたの?」
「……コレ、タコだ。ウインナーの形に切ったタコの足だ」
『えぇっ?』

ユウイとののかの声が重なる。実際僕も驚いた。なんだ、こりゃ。

「いやー、ちょっとはサプライズが欲しくて」
「サプライズって……あのな」

ちょっと呆れる僕達をよそに、トキコはトキコで凪と盛り上がって(?)いた。

「…って先日言われたんだが、気持ち悪いったらなかったな。誰がやるかっての」
「言ってくれれば潰しに行ってあげたのにー。全然関係ないけど、凪っち色白いよね。雪みたい」

何やらトキコが物騒な事を言ったのが聞こえたが、これもいつものことだ。

「つ、潰……? 雪といえば、最近スキーとかスノボしてないなぁ」
「そんなのできたの!? すごい! カッコいい!」
「や、そんなに賞賛されるほど上手くはないのだよ…」

俯く凪だが、声に覇気がない。これは……。

「凪っち、顔がピンク色だよ」
「!!」 

案の定だった。



5時間目は音楽だった。

「今日は音楽鑑賞か……」

正直助かった。僕は歌はそこそこだが、楽器が壊滅なのだ。だから、とにかく音楽の成績は悪い。
今日流れているのは、とある音楽家の軌跡だった。出生から続くエピソードの数々、そして曲。
―――正直、半分も共感出来ないのは僕が日常から乖離しているからか?

「感想を書けって言われても……」

困る。さっぱり浮かんでこない。ほとんど聞き流してたし。
逆にネイロはすらすらと書いている。さすが音楽好き、気の入れ方が半端じゃない。なんか、長すぎるような気もするが。
結局、僕はありきたりなことしか書けなかった。


6時間目、最後の授業は歴史。
といっても今日はテストなので、板書をとったりはしない。全員黙々と、問題を解いていく。

(問6……古代中国において、瑞兆とされていた想像上の動物を三つ述べよ。これは……)

考えるまでもなく答えは出ていた。が、ちょっと皮肉だ。

(王の象徴とされた「龍」。命と大地の守護神と言われた「麒麟」。名君の到来を告げる「鳳凰」。…………)

微妙な気分になりつつ、次の問題に目を通す。

(……問7。208年に発生した、現在の湖北省における戦いは何か)

どこかで聞いたような名前だった気がする。えーと、確か……?

(……………………ああ、思い出した。「赤壁の戦い」だ)


50分の間用紙と格闘し続けて、目が痛くなった。そういえば瞬き忘れてた。

434スゴロク:2011/02/11(金) 16:14:56
放課後。

今日は何か用事があるとかで、トキコは先に帰ってしまった。ちょっと残念。
シスイからも事件の話は聞かないし、他に何か用があるわけでもない。
平々凡々とした一日だったが、こういう日々が続くのはありがたい。それが砂上の楼閣に過ぎないと言うのならば、それが波を被らないように頑張って見るとしよう。

というわけで、今日はまっすぐ家に帰る。



「あー、疲れた」

弁当箱を洗って干した後、自室に入るなり鞄を投げ捨て、ベッドに転がる。朝の猛ダッシュと昼の野球が効いた。
今になってあちこちが重い。

「お風呂はまだ湧いてないしな……どうするかな」

早めにさっぱりしたかった所だが、仕方がない。ゆっくり考えるとしよう。



――――やけに暗い。ここはどこ?
思って目を開けると、部屋の中が真っ暗だった。

「………」

はっきりしない頭で考える。えーっと、さっきまで僕は何をしてた…………?

―――あ!!

「うわ、しまったっ!? 今何時!?」

気づいて跳び起き、手探りで携帯を探して開く。

「PM11:24……!? ぎゃーっ、寝てしまった!!」

しまった、うっかり寝こんでしまった。慌てて電気をつけ、浴室へ向かう。
沸かしっぱなしだった風呂はというと、

「あちゃー……」

完全に湯がなくなっていた。蒸発してしまったらしい。仕方なくもう一回溜め直して、沸かすことにした。あーあ、せっかくゆっくりしようと思ったのに……。

結局、入浴はそれから2時間ほどしてからだった。今日は外で動きまわったので、全身念入りに洗っておく。

「ありゃ」

気付くとシャンプーがもうなかった。仕方がない、明日にでも買い足しておこう。髪の手入れにやたら使うからなー……。

見たい番組は全部終わってしまったし、食欲はさっぱりなくなったし、今日はもうすることがない。
明日のお弁当の準備だけして、寝るとしよう。

「メニューは今日と同じで良いか……」

手早く用意したあと、包んで紐でくくる。気付けば既に2時を回っている。

「……さすがにもう寝るか」

パジャマに着替えて、再びベッドへ。もう、なんかグダグダだ。




翌朝。

「うわーっ、また遅刻だーっ!!」


―――――こんな毎日。それが火波 スザクのいつも。




余談、その頃トキコは。

「む……」
「あ、おはよー亀さん」
「誰が亀だッ!! 俺はゲンブだ!!」
「もっしもし亀よ~、亀さんよ~」
「だから歌うなっ!?」



というわけで、スザクのある一日でした。

435大黒屋:2011/02/11(金) 16:41:04
>>419 スゴロクさん
もちろん大歓迎です!
レストランが皆様になじんでくれればうれしいので!

436スゴロク:2011/02/11(金) 17:04:42
>大黒屋さん ありがとうございます。早めに何か考えておきます。

>(六x・)さん 先ほど投稿したスザクの話ですが、昼休憩のシーンに(六x・)さんの「凪とトキコとお弁当」をそのまま持って来ると言う掟破りに走ってしまいました、はい。
何とか凪を出して見たかったんですが、どう絡ませたものかと悩んだ挙句がこれです。
気分を害されたようでしたらすいませんでした。

437十字メシア:2011/02/11(金) 17:39:50
何かシノ人気ある!?
嬉しい・・・!

>大黒屋さん
また寝てるのかユズキよwww
でも何かカッコイイです~
確かに彼はぶっきらぼうな癖してあんまり喋らない人間ですが、決して冷たい人間ではないから
由衣に話しかけたのかも?(聞くな
ありがとうございました!

>akiyakanさん
シノでもお手上げとは・・・
まあ生み出した本人が本人だかr(ry
悩んでもまじめに取り組むあたりシノらしくてニヤニヤww
とりあえず頑張れシノ先生(←他人事のように言う馬鹿作成者
そして呼び名多いww
確かに彼女の悪夢は全く攻撃能力持ってないので、珍しいタイプですな。
でも勝手にシスイの黒歴史公開したら駄目だろうwww
ドアガラス5回壊した人間が言うセリフではないぞ(←やらした張本人
そして頑張って作った特効薬!
でも無駄になってしまったwwwお疲れ様ですシノ。

>スゴロクさん
またしてもカッコヨスなシノwww
これでいてドアガラスぶち破ったり、お化け苦手だったりする彼女です。
因みに中身人間でもビビりまくりです。

438akiyakan:2011/02/11(金) 17:46:38
>>429 >十字メシアさん
いかせのごれ高校に、新しい悪戯っ子が誕生しましたね……リーダーを手玉に取るとは、何という恐れ知らず……

>>430-434 >スゴロクさん
おお、スザクの一日ですね。こう言うのあると、何だかスザクを使う時どんなタイムスケジュールで動いているのか、分かりやすくていいですね。
二時間ぶっ続けで体育って、なんだかいかせのごれらしくていいなぁ。
歴史の問題の解等が……「龍」「麒麟」「鳳凰」って、何らかの作為を感じるぞw もしや、この答案作ったのホウオウグループか?
ところで、この体育って合同ですか? 二組のシスイが混じっているので、「おや?」と思ったのですが。

439スゴロク:2011/02/11(金) 17:54:55
>akiyakanさん 
はっ、合同であります。というか、実はクラスの設定がされているキャラが意外にいなかった上にスザクのクラスを決定していなかったので、今回の話は「クラス合同授業の日」という(強引な)裏設定でクラス分けを無視して全員登場と相成りました。
……ところで余談ですが、白銀天使さんの企画キャラに「シスイ」っていう子がいるんですよね。

440akiyakan:2011/02/11(金) 18:11:06
>スゴロクさん
はい……作ってから気付いたんですよね……まぁ、実際の事を考えれば、同姓同名の人間もいるわけですから、そこは容赦していただきたいなぁ、と。

441スゴロク:2011/02/11(金) 18:17:19
>akiyakanさん 
いやいや、実はこれ、ネタにならないかな、と思ってずっと考えてたんですよ。
ただ「シスイ」の方は年齢も立ち位置も不明なので、どう使ったものかな、と悩んでいる最中なんです。
まあ、「ナイアナ」は基本カタカナ表記の名前ですから、漢字表記が違うんでしょう、きっと。とりあえず、今の所その辺りは気にしない方向で行きましょう。
もし今後「都シスイ」と会ったら、多分会話の取っ掛かりが出来ますから。

442大黒屋:2011/02/11(金) 18:19:13
>>430-434 スゴロクさん
成程、こうしてみると、非現実的な彼らが楽しむ日常がよく見えてきますね!
面白いとおもいました!w

性懲りもせずレストラン第3段。
今回は砂糖人形様の「ネイロ」をおかりしました!
いい加減普通の小説もかかねば…。


小さなレストランに、さんさんと朝日は降り注ぐ。
一面ガラス張りの店内には、朝日から夕陽まではいってくる。
電気代の節約と、店長が考え出したものだ。

開店1時間後。
今日は日曜日とあって、朝早くから高校生の客が多い。
「たく、なんでこんな小さなとこに好んで来るかねぇ…。」
「まぁ、いいじゃないの。能力者が集まると言えば、こんなとこしかないんだろうからさ。」
朝からフライパンを振りまわしっぱなしの由衣を、店長はなだめるように言う。
基本的に、厨房には由衣と店長の二人が立つようにしており、会計は奏がうけもっている。
規模が小さいからこそできる連携だ。

「あ、おい店長!また片腕消えてるぞ!さぼってるんじゃねぇの!?」
「誰がさぼるか。鍋が邪魔だったんだよ。」
店長はそういうと、取り上げてた鍋を上に放り投げた。
その先には、壁から生える「腕」。
それが鍋をキャッチし、上の戸棚に鍋を直して消えた。
「…便利な能力だこと;」
「いつもやってることでしょうが。」
そういう店長には、何事もなかったかのように両腕がきちんとあった。

443大黒屋:2011/02/11(金) 18:19:58
「ごめんくださーい。」
そっとドアを押し、入口から誰かが入って来た。
すぐさま奏が出迎える
「いらっしゃいませ!」
「あの、カウンター席、開いてますか?」
「はい!こちらにどうぞ。」
そう言って奏は、椅子を引いた

「おー!ネイロじゃないか!」
厨房から顔をのぞかせた由衣は、真っ先にその名前を呼んでいた。
きれいな黒髪に青い目。上から下までフリッフリのゴスロリの彼女は、由衣を見て軽く笑い、手を振った。
が、その直後、由衣の頭上からフライパンが叩き落とされた。
「こら由衣!さぼってんじゃないよ!今月家賃まだもらってないからね!」
「~~~っ;」
頭を押さえながら、引きずられるようにして奥に戻って行った。

「お待たせいたしました、チョコレートパフェです。」
テーブルにおかれるグラスを前に、ネイロはスプーンをとりながら喜んだ。
「まってました!おいしそうw」
いただきます!と一声あげ、彼女はパフェについていたポッキーを取り上げた。

「…ねぇ、奏ちゃん…だっけ?」
あっという間に半分ほど食べ終えたネイロは、奏をよんだ。
「あ、はい。」
「奏ちゃんも、能力使えるの?」
言葉に詰まる。今までそんな質問されたことなかったからだ。
悩んでるのが先方にも通じたのだろう。ネイロは慌てて両手を振った。
「あ、いや別に、聞きたくて聞いてるんだから答えなくてもいいの。ただここって、能力者の間で有名だったから…。」
「そんなに有名だったんですか?」
「だって、進んで能力者の相手するなんてなかなか聞かない話だもの。だから、店員も能力者なのかなって。」
「ええと…そうなんです。私もお姉ちゃんも店長も…。」
「そっかw」

444大黒屋:2011/02/11(金) 18:20:34
ネイロはスプーンをグラスに差し込んだ。
「なら、仲良くなれそうだね、私たちって。」
「え…?」
「私、由衣ちゃんとも学校で仲良くしてるんだ。その妹でしょ?なら仲良くして当然じゃない!」

はじめて言われた言葉。
借金取りに追われていたあの頃、絶対にかけられることのなかった言葉。
うれしすぎて、戸惑いさえ覚えた。

「…いいんですか、私が…?」
「勿論!数少ない能力者じゃない!」
…業務中なのに涙が…。
やばい、店長に怒られちゃう。なのに…。

「…ありがとう。」

この言葉だけで通じたかな。
私の…気持ち。



追記

「そのくらいで私が怒るわけないじゃんw」
「ありがとうございます…。」
(私には結構怒ってる気がするんだけど…なんで?;)

お粗末さまでした。

445しらにゅい:2011/02/11(金) 18:48:15
>>429 好きな子ほど虐めたいというわけですね分かりまs(ry
微笑ましいわぁミユカちゃん・・・いたずら好きだとなんだか友達として付き合うと
面白そうな子だ(*´∀`)

>>430 キャラだけでなくお話も引用してくださるとは!有り難うございますw
姐さんの読み大当たりですwwトキコのあの発言は引き入れる為のものですww
数学の時間は退屈ながらもそれぞれキャラの個性が出てますね、ちなみに自分は
紀一タイプです←
体育の時間みんな活き活きしてますねぇwやっぱり子供は風の子!(ぇ
野球のプレイにもキャラの個性が出てますね!特に笙くん、持ち前の影の薄さで
見事一点取りました!そしてトキコがいいとこ取ったー!!彼女のことだからむしろ
玉壊すかバット折るかのどっちかだと思ってましたが・・・ヒーローになってよかったw
総じて読んでみると・・・あれ、姐さん意外にドジっ子ですか?卵焼き間違えたり、お風呂の
お湯とかシャンプー・・・あすいませんこっちの勘違いd(チーン
ゲンブが亀さん・・・いいですねぇ、これ使わせて頂きますww

446しらにゅい:2011/02/11(金) 18:55:03
*>>286「あにまるとーく(仮)」の続きとなります。



「イリオモテヤマネコとは、動物界脊索動物門哺乳網ネコ目ネコ科に分類されるベンガルヤマネコの亜種です。
生息地域は沖縄の西表島のみで大変希少価値の高いお猫様です。ここテストに出ますよー。
身体の形態はとても原始的な特徴を持っていまして、胴が長く、四肢は太く短いのですが、大きさはイエネコとほぼ変わりません。
耳の先端は丸みを帯びていて、房状に体毛は伸長しません。毛衣は暗灰色や淡褐色。
頬に左右に2本ずつ、額から肩にかけて5本の縞模様が入ります。
そして問題の肉球なのですが、これがイエネコより大きいのです。
さて次に生態についてなどですが、イリオモテヤマネコは夜行性でして、昼間は岩穴などで休みます。
食べる物はクマネズミ、ヤエヤマオオコウモリ、リュウキュウイノシシの子供といった哺乳類、
カルガモ、オオクイナ、コノハズク、シロハラ、シロハラクイナといった鳥類、あとは爬虫類、
魚類などなど・・・ちなみに鳥類を食べるときには門歯で羽毛をむしらず、
また他のネコと違い脊髄を破壊して獲物をすぐ仕留めたりはせず、動かなくなるまで咥え続けます。
そういった意味ではアカショウビンのように相手をいたぶったりはせず、
じわじわと死に追い詰めるような傾向がありますね。あぁ、アカショウビンというのは・・・」
「先生、タマキ先生。」
「はい、なんでしょうかシスイ君?」
「あの、なんで俺らまで巻き込まれているんでしょうか・・・?」
「皆さん、ののかさんに誘われて来たんじゃないんですか?」
「いや、確かにののかが『しゅざくっち!シーくん!助けてあげて!!』と切羽詰った表情で言ってきて、
一大事だと思ってきたのですが、なんかホワイトボードの前に座らされたあげくさっきからタマキ先生の
不思議生物談義を聞かされて・・・えぇっと・・・」
「一大事だよ!しゅざくっちやしーくんが来てくれなきゃ、ゆいちーが一人寂しくお話を聞くところだったんだからね!」
「横でユウイがとんでもないことになっているんだが。」
「ってよくよく見れば、俺らの他にもユウトやミヤや・・・・・・え、ケイイチさん!?」
「・・・な、何してるんだ・・・ケイイチ?」
「あはは・・・こっちも同じだよ、というか・・・トキコが無理矢理。」
「せんせー、ケイくんが話を聞いてませーん。」
「ちょっ」
「マサムネ、ゴー。」

わうっ!!

「ぎゃああああ!!!」
「さて、次はイリオモテヤマネコにまつわる問題についてですが・・・」
「「・・・・・・・・・」」









皆に講話中
「イリオモテヤマネコ」


「・・・どっちも怖いな、タマキ先生。」
「そーだな・・・特に、ののかとタッグだと。」

447しらにゅい:2011/02/11(金) 19:08:48
というわけでいつにも増して激短文でお送りしました。
使用したキャラは次のとおりです!

緑音ののか(樹アキさん)、都シスイ(akiyakanさん)、火波スザク(スゴロクさん)
ケイイチ(本家様)、名前のみでユウト(鶯色さん)、ミヤ(らぅさん)、
榛名 有依(紅麗さん)

イリオモテヤマネコ情報はwiki先生から頂きました←
いつだかののかとタマキ先生って最強タッグだなぁとのコメントを頂いた気が
しましたので、今回はその強調回・・・ということでww
無自覚さんとムツゴロー(二面性有)・・・いいトラブルメイカーですね´`*


以下感想


>>442 店長さんの能力が・・・!確かに便利そうな能力ですねぇw
ネイロちゃん優すぃ・・・お友達が出来て良かったね、奏ちゃん!
こういうほのぼの話ももっと書いていいんですよっ!

448砂糖人形:2011/02/11(金) 20:05:44
「ねえ、ふーちゃんって、怒ったことあるの?」
「え?怒ったこと?」

お昼中にトキコがフウコへ訪ねてみた

「んー、そうだなあ・・・」
フウコが考えていると

「隙ありっ!」

フウコの横を音速で通っていった
ユウムだ

「いえーい!フウコのプリンゲットだぜ!」
「うわ!ふーちゃん?!」

「へ?」

ユウムが後ろを振り返るとそこには鬼のような顔をしたフウコの姿が

「ユウムちゃん・・・?」
「ひいいいいいいいいいいいいいいい!」

すぐさまプリンはフウコの手元に戻り、フウコの後ろから出てた禍々しいオーラは消えていきました




今回も四コマ!

今回はフウコのプリンに対する愛は異常ということです。
今回は、しらにゅいさんの「トキコ」ちゃんをお借りしましたー、ちなみにフウコの呼び方はふーちゃんにしてみました

449紅麗:2011/02/11(金) 20:09:55
>>428 長編完結お疲れ様でした!ジングウさん、チ―ト並のお強さで…w
でも勝てて良かった! あ、リオト熱血君については全然大丈夫ですよっと
むしろもっとやr(ry プロフィールではクールとか真面目とか書いてありますが
口調はそれなりに男らしく崩れているし、ギャグキャラ(!?)でもあるんで
オールオッケーですw

>>446 タマキ先生wwユウイはノックアウトされたのですねw

450紅麗:2011/02/11(金) 20:12:33

※鶯色さんのハヤトをお借りしました!何時もと変わらず混沌です(^^;)


バカなの?本気なの?


「ハヤトとリオト、なんか最近よく話してるの見掛けるけど…なんか二人とも」

女の子っぽいよね

「「はぁ!?」」
「ほら、ハヤトは足細いし、リオトは目大きくてたれ目だし。女子の制服とか似合うんじゃない?」
「…いくらユウイが相手でも怒るぞ」
「なんでそんなことで女扱いされなきゃいけねーんだ!」
「だってさー…っていうか二人とも毎日どんな話してんの?」
「…食べ物の話しかしてねぇよな?」
「そーだな、リオトの食べっぷりは見ててオモシレー!こいつ食べ物が口の手前で消えんだぜ!?漫画みたいに しゅっ って!」
「あー、大体予想つくわ」
「それとさ、聞いてくれよユウイ!こいつこの前メール
「え?」
「ッ!何言おうとしてんだてめーは!」
「ぐぇえっ!?ちょっ…首、締め…っ…!」
「あーもう!アンタらうるさい!」

キーンコーンカーンコーン

「「「あ」」」
「お昼の時間かー」
「やっべ…!早く行かねぇと焼きそばパンとメロンパンなくなっちまう!」
「!?」
「あ、こら待てリオト!焼きそばパンは俺のもんだ!お前は今日も蒸しパンで我慢しやがれ!」
「るっせぇ!焼きそばパンは譲らねえ!」


「「うぉおおおお!!!」」





「…………」
「…バカなの?本気なの?」

残されたユウイは小さくそう呟くのだった。



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最終更新:2011年05月24日 20:15