アットウィキロゴ

企画されたキャラを小説化してみませんか?_ログ-901~950

  企画されたキャラを小説化してみませんか?

1サイコロ:2008/04/19(土) 08:47:37
男擬人ムリ香さんが立ち上げた「キャラ企画つれっど」で企画されたキャラを
ショートショートストーリー化(短編のアナザーストーリー化)してみませんか?
age sage構いません。
それと、できるだけ自分の企画したキャラを搭乗させましょう。
ナイアナのキャラは、性格を変えないように。

気に入らなければ消してください、(有)さん…

901しらにゅい:2011/03/27(日) 21:31:39
「・・・ファスネイ、有り難う。」

「君は、期待を裏切らないでいてくれて、そして誇りを守ってくれた。」

「ファスネイ、君は女神じゃない。」

「君は、君になったのだよ。」

「有り難う。」

「・・・ありがとう。」

「これは、オイラからのほんのお礼。」




***



「・・・・・・・・・」

(タカユキ、一人家路につく。)

「・・・?」

(タカユキ、向こうに何か横たわるものに気付き、近付く。)

「・・・!スイネ・・・!」

(タカユキ、走り、スイネを抱き起こす。)

「・・・・・・・・・」

(スイネ、か細く呼吸を繰り返すが、段々と体温が低くなる。)
(タカユキ、しばらくスイネを見つめた後、彼女を抱え、走り出す。)

「・・・もうちっと頑張ってくれや。」

(タカユキ、その声に確かな強さを秘め、走り出す。)

(走る獅子、導かれるように診療所へ。)

(猫、その後姿を見送る。)

「やはり丈夫な足でないと、ファスネイは運べないよね。」

(猫、一人呟き、消える。)










表題
「タカユキ、スイネを助ける。」



「任せたよ、獅子。」



これにて終劇

902しらにゅい:2011/03/27(日) 21:36:08
>>901 お借りしたのはスイネ(サト様)、タカユキ(本家様)でした。

もう衝動的に書いたので激短な上におかしくないが多々あると思いますが、
とにかくスイネちゃん死んじゃ駄目ぇぇぇ(´;ω;`)の思いで
書きました・・・
ちなみに診療所というのはエダタカシ(ヨシダサン)さんの診療所です。
お世話になりまーす!

903大黒屋:2011/03/27(日) 21:54:06
できるだけハイペースに。
スゴロクさんから「白波シドウ」「ヴァイス」をお借りしました。

紆余曲折

「…確認させてくれ。確かお前とクランケは、春美に呼び出されて寺にいったんだよな?」
「そうぜよ。」
「用件は確か、クランケへのお礼だったよな?」
「そうぜよ。」
「…なんか一人増えてる気がするんだが、錯覚じゃないよな?」
「…現実ぜよ。」

閑散としていた天河探偵事務所。
クランケが転がり込んでからぎりぎりの生活ながらも楽しくやってきていた。
しかし、何の前触れもなく一人増えるとは聞いていない。
というかこのオーラ、どう考えても…。

「…妖怪だろ?」
「その通りじゃ;」

先まで手入れされた綺麗な黒髪。
エナメルで統一された赤いコートと黒いインナーとズボン。同じく黒のブーツ。
それに相反するように白い肌。抜群のプロポーション。
そこまで聞けばかなり綺麗なお姉さんなのだ。

…赤い目と、大きすぎるマスクを除いては。

「こいつばっかりはきいたことあるぞ。一時期はやった都市伝説とかに出てきた『口裂け女』そのものじゃねぇか。」
「春美は「ミサキ」と呼んでいたぜよ。苦手なものが減っただけで、星殿の知ってる口裂け女と相違ないとおもうぜよ;」
ミサキはとりあえず申し訳なさそうに端の方に座っている。

「…とりあえず説明しろ。なんでミサキがここにいるんだ。」
「話せば長くなるぜよ…;」


春美に呼び出されたのは今朝方のこと。
春美を救出したクランケに、どうしてもお礼がしたいという用件だった。
星だけが事務所に残り、月光とクランケは寺院へ向かった。

陰陽師が集う寺院は他とまるで「世界が違う」。
慣れていないクランケの背筋が、しぜんとのびてくる。
そんなに固くならなくてもいい、と月光は言ったが、格式ある場所なのだろうと自負していると、やはり気がたってしまうのだった。

「お父様―。」
門から顔をのぞかせ、月光が声を上げる。遠くから声が返って来た。
「なんだ、月光か。裏にまわってこい。春美がまっておる。」
月光がクランケを連れてうらにまわると、縁側で何故か師範とキリが碁をうっていた。

「キリ、春美殿は?」
「この奥にいるのでありマス。ここからあがってもよいかと。っと。」
「あーっ!ま、待て!待ってくれ!」
「待ったなしをいい出したのは師範のほうでありマスw」
こいつ本当に悪い妖怪なんだろうか…;

904大黒屋:2011/03/27(日) 21:54:51
キリに言われた通り、すぐ近くの座敷で春美が待っていた。
「…あ、月光さん!クランケさん!」
「久しぶりじゃな、春美殿。大丈夫がか?」
「はい、平気です。大分落ちついてきました。」
春美は笑顔を見せた。

「あれから、お礼どうしようか悩んだんですよ。」
クランケを見ながら、春美は切り出していた。クランケはあわてて両手を振る。
「いやいや、気を使わなくてもよかったんだよ?いうようにキリに頼まれて助けたんだし。」
「そうは仰いますが、やはり個人的には気になりますので。厚かましい贈り物だと思ってくださってかまいませんからw」

自分の感謝を伝えようとする気持ちは、クランケには十分伝わった。
流石にこれ以上断るのも癪になって来たので、
「じゃあ、気持ちだけでもうれしいけど、受け取るよ。」
と承諾したのだ。


「…で、そのお礼が『妖怪の護衛』だったってことか;」
「春美殿を助けたクランケ殿は、既に妖怪の中では「第二の主」として通っとるらしいんじゃ。ミサキも襲うことはないから安心してほしいと言ってたぜよ。」
「…のわりにクランケ、あの状態だぜ?;」
星が指さした先には、ただでさえ白い印象のあるクランケが完全に燃え尽きて真っ白になったとでも言わんばかりに放心している姿。

「あれを襲ったと言わないでなんという?」
「クランケ殿、実は霊とか妖怪が苦手らしくて、あの一件さえ乗り越えればなんとかなると思ってたらしいんじゃ。」
「…成程な;」

隅にいたミサキが立ち上がり、クランケに近づく。
「あの…大丈夫?もしかして、私いない方がよさそうかしら?」
「あ、いや、大丈夫。はは、あははは…;」
だめだこいつ。早くなんとかしないと。


「それで、星殿のほうは、留守中に何かあったんがか?」
「ああ。例の「異能殺し」が、またうちに来た。」
「旅行以来週1のペースできとるみたいじゃね。今日は何を?」

「娘を捨ててまで追っていた「奴」を、見つけたらしい…。」



追記
「これを機に、少しずつ妖怪になれることにします…。」
「ごめんなさいね。これも「主」の命だから…;」

905サト:2011/03/28(月) 08:51:26
ヨシダサンの『エダタカシ』本家の『タカユキ』
鶯色さんの『ハヤト』
うちの子の『スイネ』です
地味にシリーズだな…

ガンガンガンガン!!

『のわっ!!』

診療時間というものは本来決まっているもので、
大体朝と昼と、あと夜の間っていうのは一時間の休憩がある
近くに大病院がある手前
こんな小さな診療所となれば尚更だ
普段は多く休みをとったところで
たいして問題はないわけだが

俺の仮眠時間は
何者かがドアを蹴破りそうな勢いで蹴り倒している爆音で妨害された

ガンガンガン!!!

『わーた、わーったって。そんなに滅茶苦茶叩くんじゃねえよ
壊れちまうだろーが!』


ガチャリと(若干もう持ちそうにない)ドアを開けると筋肉隆々な男が
小柄な少女を抱き抱えながら息を切らしていた

『うち、産婦人科と違うよ?』
『殺されてぇのか』
『うっっそです!!どれ、看して!!』

なんだ。妊娠がどうとかじゃないの。…………マジかよ

目の前の少女の体温は
どんどん冷たくなっていっているのが見ただけでもわかる
右胸からは鮮血がとめどなく溢れ、診療所の床を濡らしていた

『ちょっとやべぇぞこりゃ…』
『早くなんとかしろや…!』
『わ、ちょ、わかったから!』

少女をベッドに寝かせると
見たことのある顔をしていて二度驚いた

『(たしか…ウスワイヤの)』

一度だけ診察をしたことがある
…だが、この少女の体は、人間のものと酷似した全くの別物であった
そう、細胞操作が効かない少女だったのだ
その代わりに、致命傷と言うものを負わないよう
妙な力が働いていて、『なにがなんだかわからない』
という第一印象だったのを覚えている

『(…おかしいだろ。だってこの子、隊長サンの報告じゃ…)』
『おい』
『ちょっと席をはずしてくれ。いまから治療するから』
『………』
『一応手術だぜ?これ以上エグいとこ
アンタにはみられたくないと思うよ。この子』
『……失敗したら殺す』
『はいはい。わかったからよ』




診察室に(勝手に)遊びに来たハヤトは
戻ってくるなり不安そうな顔をして俺を見上げる

『どうかしたのかよ。急患か?』
『ちっとやばいことになった。悪いんだがあの子、ウスワイヤに連れていく』
『能力者なのか?!』
『青い髪でショートヘアーの子だよ。なんつったかな…す…』
『………スイネ?!』
『ああそれそれ。ちょっとシャレになんねぇから…』
『なんだよソレ?!…だって…俺とシスイは…あいつの、護衛で…』
『ハヤト?』
『ちくしょう!、ちくしょう…!!!』
『わめいてる暇があったらさっさと連れてくぞ!!
時間もあんまねーんだ。この子も…』

待合室で殺気を放ち続ける男を思い出す
だらだらと嫌な汗が流れる

『俺も死ぬ…!』
『は…?』
『いいから早く!!ジープ出すから乗りやがれ!!』




エダタカシ、未知との遭遇
(一刻を争う)
(後このこと、ケイイチに知らせろ)

906大黒屋:2011/03/28(月) 10:19:54
いい加減この騒ぎに由衣突っ込もうかともかんがえたのですが…;
自キャラオンリーです

裏寒表温

由衣が今起こっている全てを知ったのは、幹久朗との出会いから数日ほどたった後のことであった。
自分の知らない間にそんなにも大変なことが、しかもこのいかせのごれで相次いでいると知った由衣は、強く歯ぎしりした。
「あの店長…、そんなことまで隠してやがったのかよ…。」
「純粋にそういう事件に、君を巻き込みたくなかっただけだと思うんだけどね。」

「そうだとしても、これ以上友達が傷付けられてたまるかってんだ。」
どうして不良だったのか疑問になるほど、情が厚い由衣。
その性格が一喜一憂を生むことは、幹久朗も把握していた。

しかし、その諸悪の根源は何処にあるのだろう?

その根源が一つとは限らない。
単純な問題が根を絡ませ合い、複雑になっているだけかもしれない。
ホウオウのように「分かりやすい」事例ならともかく、個人単位で動いている奴もいるだろう。
その根源を全て叩きつぶすなど、困難極まりない。

成程情には厚いが感情的で頭はよろしくないらしい。
そんな由衣を見ていると、どうしても心配になってくる。
――ああ、自分もこの世界で生活してきて、「人間くさく」なったらしい。
だが、それも悪くないとつい最近思えるようになってきた。
それもこれも、主のおかげと思えば、悪くない。

「…例えそうだとしても、君は誰を相手にするつもりなんだ?」
「え?」
「悪いのはホウオウじゃないかもしれない。そりゃ確かに、ホウオウは悪いことしてるさ。でも、それが今回の事例と関係するとは、必ずしも言えない。」
「あ…。」
「一度頭を冷やそう。特訓がこれで完成したわけじゃないんだしさ。最初に比べれば能力の使い方、大分うまくなったけど。」

「…そうだな。ありがとう。」
「いいんだよ。これからもがんばろうな。」
幹久朗はそういって、由衣の肩を引き寄せた。

「…じゃあ、暗くなりそうだから今日はこのくらいで。」
砂埃を映し出すのが光から闇にかわりつつあった。
由衣は持ってきていたタオルをはたき、汗をぬぐった。
「毎日ごめんな。」
「いいのいいのwこっちも閑古鳥鳴いてて暇なわけだし。」

「そういや、店やってたんだってな?」
「まぁね。とはいっても東の端の方にあって、「これる客もこない」し。」
「?」
東の方になにかあったっけ?と由衣は疑問に思ったが、深くは考えなかった。

「じゃあ、また明日!」
元気に由衣は片手をあげ、家路へと走って行った。
残された幹久朗もしばらく手を振っていたが。その手を下ろし、逢魔ヶ刻の灰色の空を見上げた。

「…くだらない世界になっちまったもんだ。自分や、自分の崇拝している命の方が大事だと誰もが思いこんでいる。そして、くだらない開発のためにたくさんの「命」を消していく…。」
逢魔ヶ刻。それは、妖怪の力をより引き出させる時間の一つ。
人間味を持った妖怪も、この時間、妖怪の血が動き出す。
「「人間の命」が「自然の命」より重く貴重だと、誰が決めた――?」

金緑色の眼は、血のように赤く染まっていた。

907しらにゅい:2011/03/28(月) 14:42:58
トキコ話がとんでもないことになっている件について(ぇ

>>886-889
予想通りでしたかwwwいずれはスザク姐さんや星さんのように、
過去の清算をしようかと思ってました・・・が、なんかとんでもないことに
なってしまって本人がワタワタしておりますw

ランカちゃん退院おめでとー!ランカちゃんと真衣ちゃんがキャッキャウフフしている
ところを見れるゲンブさんが羨ましいでs・・・あすいません仕事でしたね´`*エヘヘ
そしてとんでもシーンきたぁぁぁうわぁぁぁ(;´Д`)
トキコをよく知る姐さんだからこその気遣いですよね・・・うぅ・・・
しかしこのマナちゃんに指摘されても好きだと言い張るスザクさんマジイケメンすぎる。
お、男だったら間違いなく惚れてた・・・!(ぇ
しかしマナちゃん、結構色々知ってますなぁ・・・噂はすぐ広まるやらなんやらと言いますかw
かえって頼もしい存在なような気がします(´ω`)bΣ
そして目付けられたギャアアアア!!!!安心と安定の死亡フラグ職人、ヴァイス!
ほっといてもよさげな感じはしますがね、シギに天誅が下る的な意味でw

>>891-892
ドMにとってご褒美になりそうですね、それだとww
しかし冬也くんはノーマルだった!・・・ですよね?(ぇ

駄目ェェェ!!!返り討ちされるゥゥゥ!!超逃げてッ!!(;´Д`)

見せつけ愛!?これが俗に言う見せつけ愛ってやつですか!?
私も混じってこよう(ry
そしてお父さんまさかの能力者!?ナイトメアアナボリズムも知ってそうな
雰囲気ですね!一体何者だ・・・

>>893-894
カンクローさん、いや幹久郎先生!!
戦闘に関しては由衣ちゃんよりエキスパートですからね、
やはり経験者(?)に学ぶ姿勢は大事かと!・・・今の状況においては、
力になりたいの一心で気持ちは焦るかと思いますがねぇ(;´ω`)
しかし、「自分が弱い」その意識を乗り越えることが出来れば、能力者として
強くなれると思います。頑張れ由衣ちゃんっ!
>>903
妖怪類は苦手なのに「妖怪の護衛」・・・まさにありがた迷惑な話!!
しかし感謝の気持ちだと考えれば断るにも断れませんよねww
クランケ・・・あんた男や・・・(ぇ
それにしてもミサキさん可愛いよミサキさん。
>>906
来る者も去る者も拒まない、それが企画小説クオリティ!(ぇ
巻き込まれたいのなら巻き込むまでy(ry
幹久朗さんの言うとおり、今回はかなり複雑な問題です。
事の始まりの人間が言うのもあれですがね!w
ただそんな中でも、己の信じる物を信じて突き進んでもらいたいと思います!
そしてなんだか様子がおかしいような・・・?

>>896-898
スイネちゃんにとって、少し前の自分を見ているような気分だったかも
しれませんね・・・ベガは「自分が神である」それが彼女の絶対唯一の
自己証明でありますから。強い存在であったにも関わらずよく頑張った、
スイネちゃん・・・!!そして死んじゃ駄目だぁぁぁ!!(´;ω;`)
変わることの出来た、それがキミの始まりなんだからっ!!
全力で阻止するぞウオオオオ!!!=( `Д´)(その結果が>>901)
>>905
レスポンスどもです!
タカさん怖ぇぇ!!でもそれはスイネちゃんを心配してるからだよね、
分かりますっ(;´Д`)
これでスイネちゃん助からなかったらもれなく毎晩枕元に笑い口が現れます。
だから頑張ってエダ先生!!(ぇ

908しらにゅい:2011/03/28(月) 14:48:30
 揺り籠よ、揺り籠よ
どうか彼女を永遠に眠らせておくれ
何も心配せず、何も憂いずにいられるその中で、
もう二度と彼女が傷付かなくてもいいように
どうか彼女を眠らせておくれ
 揺り籠よ、揺り籠よ
これ以上彼女が傷付くならば、いっそのこと・・・


「・・・!」

 急に意識が覚醒して目覚めた。
誰かが今そこにいたような、そんな気がしたから。

「・・・鳥さん・・・?」

 今1番会いたい人で、今1番会いたくない人。
その人が今ここに来たような気がする。

「・・・気のせい、かな・・・」

 だって、本当に来ていたら凄く困る。
こんなところを彼女に見られてしまったら全てを話さなければいけなくなってしまう。
何をされたか、どうしてそうなったか、・・・写真のことも全部。
それだけはどうしても避けなければいけない。
もし私が鳥さんと接触したとしたら、それを誰かに見られたとしたら、

「駄目・・・それだけは絶対に・・・!」

 恐ろしい結末を想像し、私は自分の肩を抱き締めた。
思えば鳥さんはアースセイバーでもないし、ホウオウグループでもない。
どこにも所属していない普通の学生で・・・それでいて強い人だ。
力で屈するような人じゃないのは確かだ。けれど・・・それでも、彼女を
庇護出来る人物は、誰かいるのだろうか。
 そんなことを考えていると、ふと、ある違和感に気が付いた。

「・・・?」

 そういえば、辺りは薄暗くなってきたのにスイネちゃんの姿が見当たらない。
どこに行ってしまったのだろうか。

「・・・スイネ、ちゃん?」

 嫌な胸騒ぎがする。
スイネちゃんに何かが起こったのか、それとも・・・

「・・・まさか、スイネちゃんのことも・・・!」

 嫌な事しか想像出来ず、最悪の場面しか目に映らない。
そして気が付けば、私の足は走り出していたのであった。
仮初の母親の姿を、追い求めて。










朱鷺の少女

(そこにいるのは朱鷺ではなく)
(ただの子供だ、と)
(猫は嘲笑った)

909しらにゅい:2011/03/28(月) 14:49:42
>>908 名前のみ、火波スザク(スゴロクさん)、スイネ(サト様)をお借りしました。

お外に出たよー、というお話でした。

910しらにゅい:2011/03/28(月) 16:28:02
「火波スザクさんですよね?」
「・・・」

 ストラウル跡地を後にしたその後にスザクが出会ったのは、見慣れない制服を纏った男であった。
身なりの良さから相当地位の高い者であると察することが出来るが、
そのようなことなど彼女にとってはどうでもいい事であった。

「そう、邪険にならないでください、・・・と言っても、無理ないですよね・・・
トキコちゃんのあんな姿を見てしまったのだから。」

 トキコちゃんのあんな姿、それを聞いた瞬間ぶわりと揺れた。
あの姿を知っているということは、それはつまり・・・

「!・・・っお前!」
「少しお話しません?彼女のことについて。」

 男は調子を崩さず、話し続ける。
その表情に嘲笑いも恐怖もなく、どこか違う雰囲気があった。
思わず幻龍剣を出しかけたが、何故かこの誘いに乗らなければいけないような、
そんな気もしたのだ。

「・・・・・・・・・」
「君には知る権利がある、彼女を愛したいのなら尚更のこと。」
「・・・一体、お前は何者なんだ?」

 男は、ああ、とうっかりした様子で帽子を取ると丁寧にお辞儀をし、
自分の素性を明かした。

「俺はアルト、カルアートラズ刑務所副看守長、シギの友人だ。」

 そして、と男は言葉を続ける。

「シギはカルアートラズ刑務所の看守長で、トキコちゃんの父親。
・・・トキコちゃんを怪我させた、張本人だ。」

 火波スザクは、再び自分の感情が怒りで高まるのを感じた。
そしてその喉元へ剣を突きつけると、叫んだ。

「っそいつは、そいつは今どこにいる!?殺してやる・・・!!」
「それは教えられない。言っただろう?俺はシギの友人、
友達が殺されると知っておきながら、わざわざ場所を教えるわけがない。」
「黙れ!!喋らないなら、」
「殺すか?それでもいいぜ、俺一人の身で君の気が済むなら。」

 そう言って、アルトはただ真っ直ぐにスザクを見据え、死を待った。
もし彼女が少しでも手を動かせば、すぐその喉に刃が突き刺さるだろう。
それでも彼は、何もせずにスザクを見ているだけであった。

「・・・・・・・・・」

 しばらく二人の間に沈黙が訪れたが、ややあってから、
スザクは、剣を仕舞った。

「・・・悪かった。」

 ただそれだけ、口にして。
その様子に男は安堵し、先程とは砕けた様子でスザクに言った。

「あー、良かった・・・俺ここで人生終わるかと思ったよ・・・!
この仕事やってる内には何十回も思ったけどね。」
「・・・・・・・・・」
「・・・ま、まぁ積もる話は立ちながらじゃ難だし、レストランにでも行って話そうか。
お金はこっちの奢りっつーことで。」

 スザクはしばらく黙っていたが、分かった、と呟くと、
その返事に満足した男は彼女を停めていた車に乗せて、レストランへ向かうことにした。



***

911しらにゅい:2011/03/28(月) 16:31:09



(アルト視点)



「えーっと、コーヒーと・・・スザクちゃんは?」
「なんでも。」
「それじゃあオレンジジュースで。」
「・・・・・・・・・」
「・・・カフェオレで。」
「かしこまりましたー。」

 注文を受け取った女の子が、厨房まで走っていく。
ロビン・・・あぁ、俺とシギの上司ね、タメの。ロビンが言うには、
ここは元アースセイバーの人が経営しているお店らしい。
能力者やら何やら、そういう事情抜きでここの料理は美味しい、お店の雰囲気が良い、
と色々評判だそうで、いかせのごれに一度来たら寄ったほうがいいよ~、と
勧められたことがある。
本当はシギと行きたかったけど、それは叶わずに終わりそうだな、と
仏頂面を浮かべながら水を飲むトキコちゃんの友人を見てそう思った。
・・・いや別にあいつが殺されるとか、そういうことを想像してるわけじゃなくて、
おそらく、いかせのごれに今いる期間中に訪れることはないだろうなって、
そういうこと!

「・・・おい、」
「ウェ!?」
「話があるんじゃないのか、・・・トキコについて。」
「あ、あぁ・・・そうだった。」
「まさかここまで連れてきてどうでもいい事を・・・」
「それはない!それはないから!!」
「・・・・・・・・・」

 髪の毛が感情と比例するようにふわりと上がり、
その瞬間嫌な予感がしたので俺は慌てて彼女を宥めた。
・・・まぁ、こうして言葉を交わしているけれども、心中は決して穏やかじゃないだろうな。
いつだったか、シギとは別の任務でいかせのごれに来た際、
トキコちゃんの元へ訪れた時がある。
その時、彼女は嬉々して俺に教えてくれた。

『あのね!殺し合う約束をした子がいるの!私、あんな子初めて!』

・・・凄く言ってる内容は物騒だったけど、トキコちゃんは本当に嬉しそうだった。
どんな子だろう、と少し気になって、本人には内緒で下校途中の姿を見に行ったことが
ある。その時、この火波スザクという少女を知ったのだが、うっとおしそうに
トキコちゃんを扱うものの、どこか安心しているような、そんな様子だった。
それから何があったかは知らないけども、
この子にとってトキコちゃんは大事な存在となったんだろう。
さっき俺を殺そうとしたのが良い例だしな。・・・え、髪の色違うのによく気が付いたな?
俺、女の子の顔は結構覚えるほうだからね。

「お待たせしました、カフェオレとコーヒーになります。」
「お、ありがとう。」
「・・・・・・・・・」

女の子が運んできたコーヒーを口に含む。
うーん、豆だけでもだいぶ違うな・・・流石評判なだけある、これはくせになりそう。

「・・・さて、じゃあまずはトキコちゃんの昔話でもしようかな。
・・・キミは、トキコちゃんの家まで行ったことある?」
「・・・いや、行ったことはない。」

じゃあ、あの惨状は知らない、ということはトキコちゃん自身は
自分の身の上の話はしてないんだな。・・・彼女がホウオウグループであることは
知っているのだろうか、とは思ったが、今この場で話すにはふさわしくない。
例えコーヒー豆に感動しても、ここの女主人がアースセイバーであった事を忘れてはならない。
なら、今この場で語れるのは・・・彼女の過去だけ、か。
思案している俺を、火波スザクは訝しげに見つめ尋ねた。

「それが何か関係あるのか?」
「大有りだ、・・・なんせ、彼女の家は家じゃないからね。」
「・・・どういうことだ?」
「それは・・・」

そこから、俺の知る限りの彼女の過去を火波スザクに話した。
俺の知る、トキコちゃんの過去。それはトキコちゃん自身から語られたものだ。
シギが知っていて、知らないふりをする娘の悲劇・・・この話は、本当に話したくない話だ。
聞いている火波スザクにも辛いだろうが、話す俺も結構辛い。
けど、これは知らなければならない。
俺は火波スザクに希望を託したいから、話すのだ。
十数年間、二人を元に戻そうと奔走した俺には出来ない、彼女になら出来るかもしれない。
トキコちゃんを、本当の意味で救うことが。

912しらにゅい:2011/03/28(月) 16:33:50
「・・・・・・・・・」

俺の知り得るすべてを話し終え、火波スザクはどのような表情をしているだろうか。
正直、見るのが怖い。・・・ホント、俺の立ち回りって心臓が縮む役ばかりだな、はぁ・・・

「・・・まぁ、感想とか、そういうのは良いから、ね?あはは・・・」
「・・・本当に、それはトキコにあった話なんだな?」
「・・・・・・・・・」

信じられない、けれども彼女の行動から思い当たる節はあった。・・・多分、
そんな気持ちなんだろうな。

「トキコは、」
「?」
「トキコは、ただ感情の赴くままに行動して、やりたいことをやって、
子供のようなふりをして・・・なんだろう、能天気なところがあると思ってた。」

それはそうかもしれない、と密かに心の中で賛同した。
けど、と彼女は言葉を続ける。

「一時期、あの約束を強調してきたり、
僕に言わずに一人で勝手に苛々している時があったんだ。
・・・思えば、僕はトキコのこと、なんでも知ってるような気がして、
実はそんなに知らなかったんだな・・・好きな人なのに。」

 そう言った火波スザクの表情には、自虐的な笑みが浮かんでいた。
そして、今度はしっかりとした眼で俺を見据えた。

「それでも、僕はトキコが好きだ。・・・過去も未来も関係無い、
僕はあいつが好きなんだ。」

一世一代の大告白、・・・相手は違うけど。けれども俺はそれを聞いて、安心した。
そうだ、その答えが聞きたくて俺は火波スザクに声をかけたんだ。
俺は、本当の意味で安心して、自然と笑いが込み上げてくる。

「・・・?おい、大丈夫か?」
「へ?」

気が緩んだついで、涙も出てきてしまったようだ。
女の子の前で涙流すとか、俺も随分女々しくなってしまったものだなぁ。
大丈夫、と彼女に声をかけて俺は涙を拭う。

「へーき、なんか安心して・・・涙腺決壊みたいな。」
「そうか・・・」
「・・・君のその言葉が聞けて良かったよ、ありがとう。」

こんな素敵な人に想われるなんて、ホントトキコちゃんは幸せ者だな。
トキコちゃんじゃなくても俺が惚れそうかも。

「スザクちゃん、あのさ」

913しらにゅい:2011/03/28(月) 16:34:23
ピルルル

「・・・・・・ごめん、ちょっと待ってて。」

 本題を切り出す前に、呼び出しをくらってしまった。
相手は誰だかわかってるけど、変に疑われない為にもここは出ておかなきゃなぁ・・・
そう思って、手持ちの携帯の通話ボタンを押した。

「・・・もしも、」
『ゴラァ!!アルト、てめぇどこに居やがる!?』
「・・・あー、えーっと、ちょっとそこで知り合った女の子とお茶してて・・・」
『いいか!?十分以内に戻ってこい、さもなきゃどぉなるか分かってんだろぉなぁ・・・』

うわぁ、鬼がいるよ鬼。

「わ、分かったから・・・ちょっと待ってて!じゃ!!」

ぷつ、と通話を切る。
すると、こちらをじーっと見つめる火波スザク。・・・もしかして。
ぞわり、と俺の背中に悪寒が走る。
まずい。

「・・・今の、」
「違う違う!!今の上司でさぁ、あはは!!
手荒いことに定評があるっつーの!?ほ、ホント困るよねー!!」

「・・・・・・・・・」
「まぁ、呼び出し喰らっちゃったから、また今度会って話そう!
あ、これ俺の携帯のアドレスと電話番号。」
「え、ちょ、」
「あ、あとお金ここにおいておくから!お釣りも取っといて!じゃ!!」

半ば逃げるように、コートを手に取るとばたばたと店を後にした。
・・・あ、大事なことを言い忘れてた!!
そう思い、車に乗る前にもう一度あの店に戻り、中に入る。
さっきの店員さんがびっくりした様子で俺を見ていたが、それには気をかけず、
再び火波スザクの元へ行く。
そして、言った。

「俺は、君の味方だから。」











朱雀と或る男

(初めて出来た『仲間』に感激し、)
(改めて見えてきた『希望』に歓喜する)


余談

「・・・思えば、怪しさ全開だよな俺・・・」

(男は車内で後悔ばかり駆られて、そのまま友人を迎えに行ったのだった。)

914しらにゅい:2011/03/28(月) 16:38:54
>>910-913 お借りしたのは火波スザク(スゴロクさん)、名前は出てませんが
夏香奏(大黒屋さん)でしたー!

一日に色々有り過ぎて急ぎすぎた感はありますが・・・!
とにかくこの接触だけはやりたかったんですorz
アルト共々てんやわんやしちゃいました´`;

時系列的には「彼女を巡るエトセトラ」後の話になりますが、
問題ありましたらずらしますんでー!;;

915大黒屋:2011/03/28(月) 17:13:48
今日1日で3本あがるかな、あがるといいな(蹴
自キャラオンリー…というか今回はカンクローオンリーかと^q^

孤人葛藤

「…畜生、まだ血が抜けねぇってのか…。」
朝、ふらふらと家に戻った幹久朗は、小さなデスクの椅子の上で頭を抱えていた。
やけに頭が痛むのは、「記憶はないが」また一晩中起きていたせいだろう。

「主がいなかった間、誰も人間を襲えてない」
春美に言ったときは、本当に軽い気持ちだった。
しかし、その時は忘れていたのだ。
自分自身も妖怪としての力を封印されていた者の一人。
力を解放されれば、逢魔ヶ刻や丑三つ時に妖怪の血が、再び騒ぎだす。

「…正しいよ。「俺」の言ってることは。でも、だからって…。」
震える右手を眺め、抑えきれなくなった万感を吐きだした。
「「自然の命」も「人間の命」も、消えちゃいけない大切な存在だろうが…!!」


本当に本当の話だよ
人にも命があるように
動物にも命があるように
植物にだって命はある

その妖怪はね
元々「キジムナー」って言われる種族の
森の精だったんだ
自然とともに暮らし
子供たちといっぱい遊んでいたの

とある理由で一時期森を離れたキジムナー
生まれた土地に戻って来た時
彼の住む場所は
消えてなくなっていたの

大きな開発のために
山は切り崩され
森は伐採された
彼は故郷を失ったことを嘆き
故郷を奪った人間を恨んだんだって

そして
彼は決めた

「自然の命を守るためなら」
「人間なんて」
「滅ぼしてやる」と

916大黒屋:2011/03/28(月) 17:14:39
閑散としている都会の跡地を見るたび、自然と悲しくなってくる。
悪い人間が無益な開発をしているのを見るたび、自然と強い憤りを覚える。
今でこそ大分落ちついているものの、昔はそうはいかなかった。
だからこそ自分は、
この「力」で人間を襲っていたのだ。
春美に出会い、命の平等さを諭され、人間を襲うことはやめたはずだった。
本当の人間のように明るくふるまい、接し、仲良くしていこうと心の内に決め、店を開いて生活していたはずだった。

しかし、長年使われていなかった妖怪の血が、今になって暴走気味らしい。
「力を使うことそのもの」を、体が欲しているようなのだ。
自分に向けて使う分には構わない。しかしそれを、他人になど決して使いたくなかった。

昨晩、己の意識が戻った時にいた場所は、「アカノミ」のいる平原近くの森。
人の手が加わることもなく、踏み入れるには勇気と覚悟がいる場所。
人もほとんど踏み入れず、月明かりさえも射しこむのが難しい暗い森で、彼は見たのだ。


幾本もの木…否、「幾人もの人間」を。


視界に入る木という木が、みな人の形をしている。
その表情は、苦しい以外の何物でもなかった。
彼は悟ったのだ。妖怪の血が暴れ出していることを。
「妖怪としての自分」が、人間への復讐をまだ行っていることを。

「…今日、主に相談にいったほうがいいのかな…。」
何もとらえない虚ろな目で、彼は呟いた。
でも、ああ、そうだった。突然店を休むわけにはいかない。それに…。
「由衣ちゃんに、早く強くなってもらわないとだな。」

誰にも相談できない。
例え相談しても、妖怪の悩みなんて誰も聞いちゃくれない。
それに、ただでさえ傷つく人間が一気に増えたこの時期に、そんなこと言えるわけがない。
和解できればいいのだが、「俺」と「俺」が一つになるのはきっと、あっても遠い話なわけで。

「俺」の意志でもう一度、力を使わないといけないことはなんとなく分かっていた。
そうしなければ「俺」は納得しない。
でも、やはり他人に力を使うことを「俺」は恐れている。

誰か、「俺」の声を聞いてくれないか。
そして、「俺」に教えてくれないか。
切実に、その時を「俺」は待ってるから。

だから、きっと――。

917スゴロク:2011/03/28(月) 18:20:49
>しらにゅいさん いえいえ、何にも問題はありません。
アルトが託した希望、スザクはどうするべきなのか、どうするのか。


今回はそのさらに直後の話です。聖さんの裏話です。



「うぃーっす」

楠原の姉さんのレストランに入ると、いつもの如く「いらっしゃいませ」の声が出迎えて来た。
能力者なんてのはバグみたいなもんだと思っちゃいるが、こうして店の連中を見ると、普通の人間と変わらなく見えるから不思議だ。
いや、見かけとしても生物的にも同じなんだが。

席につきつつ、さっき飛び出して行った変な男の事を考える。

(誰だっけな、あいつ……どっかで見たような……)

あまりに一瞬だったので顔が見えなかったが、全体的な雰囲気に覚えがある。それとも単なるデジャヴか?

(ま、いいか)

どっかと椅子に座り、コーヒーを注文する。無論ブラックだ。程なく運ばれて来たそいつに口をつけ、独特の苦みを存分に味わう。
と、

「ん? あいつは……」

窓際の席に、赤い髪の女が座っていた。ありゃスザクだったな、確か。髪は白かったはずだが……染めたか?
手に持った紙を見て、何やら呟いている。聞き耳を済ませて見ると、

「……アルト、とか言ったよな……あいつの言ってたことが本当なら……それに……」
(……アルトだ?)

その名は聞いた覚えがある。アースセイバーに所属する前、いかせのごれに来る前の「職場」の同僚の名前。
しかし、

(本当にあいつだったらヤベぇな……あのボケまで来てるんじゃねぇだろうな)

とにかくソリの合わなかったボケ看守長まで来てる可能性がある。
正直、今鉢合わせるのは御免蒙りたい。奴の能力は、ただ武器を呼びだすだけの俺の力と相性が悪い。が、生身での戦力は奴が上。
今トラブル起こしたら、隊長にも啓介にも迷惑がかかる。それは避けたい。

(何にしても、ここはさっさと本部に帰――――)
「あれ、聖さん?」

――――見つかった。

「よ、よぉ」
「何でこんな所に?」
「何でって……俺はここの常連なんだが」

目を見開かれた。おい、そんなに意外か。

「いいだろうが別に。この格好じゃ、まともな店には入れねぇんだからよ」
「ちょっと聖さん、それはうちの店がまともじゃないってことか?」

厨房から店長の険悪極まりない声が飛んできた。しくった、さすがに言い過ぎた。

「そうじゃねぇよ、店長。一般の店にこの格好で入ったら通報されてもおかしくねぇって。勝手知ったるこっちのが楽なんだよ」
「……着替えればいいのに」

何だか妙に得意そうな顔のスザクが言う。てめぇのドジと一緒にすんな、理由があるんだ。

「持ってる服が全部これなんだよ。ほぼ年中仕事場にいるからよ、俺はこっちのが楽だからな」

何だよその目は?

「んなことよりよ、てめぇさっき『アルト』とか言ってたな。誰の事だ?」
「……それは」
「カルーアトラズ副看守長の、アルトか?」

スザクが「え?」と返した。俺も頭を抱えたくなった。――――ビンゴかよ。

「………………やっぱりあいつかよ……」
「し、知ってるんですか?」
「……まあな。ここじゃ何だ、ちょっと付き合え」

918スゴロク:2011/03/28(月) 18:21:23
スザクを伴って訪れたのは、「跡地」の近くにある公園。

「さっきのこと……アルトって奴を、知ってるんですか」

当然だ。なぜならば、


「俺はな。元々、カルーアトラズの看守……つまり、そいつの同僚だったんだよ」


「……え、ッ」
「つっても、俺は大分前に辞職したんだがな」

原因は他でもねぇ、シギ看守長だ。
ただでさえあの刑務所は所員の質が悪いんだが(アルトは数少ない常識人だったな)、シギはずば抜けて壊れてやがった。
すぐに手が出る思慮の足りなさ、俺様至上主義の思考、無駄に高いプライド。俺も人のことが言えた立場じゃねぇんだが、それでもあいつはどうかしてたぜ。

「………っ。そんな、奴が、トキコを……」
「あ?」

飛び出した名前に思わず聞き返すと、スザクがハッとして口を押さえた。
だが遅いな、しっかり聞いたぞ。それに、隠しても無駄だ。

「そうかよ……あのボケ鳥、娘をボロボロにしやがったか。ったく、いくらあの娘が『連中』の一員だからって、そこまでするか」

小さく呟くと、聞き咎めたスザクの顔色が明らかに変わった。

「……なん、で……それ、知って……!?」
「知ってるよ。最近、とある筋から聞いたんでな」

実はマナとか言う女の子とゲンブなんだが。ったく、俺に話してどうする気なんだよ、あいつら。

「ともかく、スザクよ。てめぇ、シギをどうにかするつもりか?」
「……出来る事なら」
「やめとけ。それは無駄だ」
「どうして!?」

わからねぇか、火波 スザク。

「確かにあいつは人間としては最低だが、それだけだ。今下手に手ぇ出してみろ、パクられちまうぞ」
「………!」

ようやく気付いたか。ったく、ゲンブの愚痴もよくわかるぜ。恋は盲目とはよく言ったもんだ。

(夜波 マナとか言ったか? あいつの話が正しけりゃ、形の上だと家宅不法侵入・殺人未遂・脅迫……ってところか。しかし、そう簡単には行かねぇんだよなぁ)

確かに奴はれっきとした公的機関の職員だが、やった事は紛れもない、犯罪だ。しかしそれが通るかと言えば、悲しいかなそれは難しい。

(現行犯だったら、俺がアースセイバーとして何とでもしたんだが……)

下らんことには頭が回ったからな、あいつ。

「ともあれ、スザク。シギをどうにかするのは諦めろ。リスクばっかでリターンが欠片もねぇ。そもそも能力の相性が最悪だ、てめぇじゃどうあっても勝てやしねぇよ」
「でも……でも! それじゃ、僕はどうすれば……」

……らしからぬ『弱さ』だな。その割に、自然な感じがあるが……。

「―――ひとつあるぜ」
「え……?」

無力感に苛まれるのも、落ち込むのも勝手だ。けどな、それで出来る事を見失っちゃ本末転倒だろうが。
無力ってことは、何もできないってことは、何もしない理由にゃならねぇんだからよ。

「トキコを、守ってやれ。本当に、あいつが好きならな。それが、今お前のすべき、唯一のことだ」
「……守、る」
「そうだ。だが、どうするかは、お前が決めろ。決めるのは、お前だ。自分で決めた道を、進め」

かつて、俺がそうしたように、な。

「………………………」

長い沈黙、そして。


「……守る。トキコを、守る」
「いい答えだ。安心しな、素性の事は黙ってるよ」

下手に話してもデメリットのがでけぇし、ゲンブを怒らすのもあれだ。何より、最終的には俺が消されるしな。

「じゃあ、俺はこれで行くぜ。てめぇも今日は帰りな、遅くならねぇうちに、よ」
「……はいっ」

919スゴロク:2011/03/28(月) 18:34:17

踵を返して公園を後にし、俺は密かに決意を固める。

(夜波 マナとか言ったか、あいつの言ってたことが本当なら、危険なのは二人とも……)

ったく、俺はいつからこんなにお人好しになった。だが、看守長の好きにばかりさせるのもなんだ。ことに、俺達の護る、このいかせのごれではな。
ならば俺のすべきことは、

「スザク。てめぇがトキコを守るなら、俺は看守長を何とかするさ。少しでも、な」

看守長の能力は能力そのものによる攻撃に対応する。ならば、武器を呼びだすだけの俺の力や、自分自身に作用するタイプの能力が通じるはず。

「まずは様子見だな……」




「……そうか。そんなことがな」

某所の喫茶店。
いつもの如くエイトから話を聞いていたシドウは、マナがエイトを通じて伝えたシギの暴挙を聞き、ゆっくりとそう言って、目を伏せた。
エイトの知る限り、この仕草は怒りを押し殺す時のものだ。全てを捨て、妻の仇を追う「異能殺し」。だが、娘のことを忘れた事は、一日たりとてない。
そんな彼だからこそ、親にあるまじき所業を行ったシギが許せないのだろう。
ややあって、彼はゆっくりと顔を上げる。

「礼を言うぞ、エイト。おかげで、俺のすべきことは決まった」
「え?」

唐突な切り出し方に当惑するエイト。シドウは続ける。

「マナの言う事が正しければ、綾音、いやスザクも、彼女が愛する者も、同様に危険と言う事になる」
(女の子同士なんですが……そこはスルーなんですね)
「ならば、俺がすべきことはひとつ」


「ブランカのもとに帰る。そして、全てを話そう。俺が消えた理由も、この力の由来も」


「!!」
「ブランカだけではない。スザクにも、大悟、いやゲンブにも、このことを伝えよう。そして、守ろう。この力を尽くして」

決意に満ちた声で言う、シドウ。

「たとえ憎まれようとも、俺にとって」


「子供達、なのだからな」


「それが、無責任な親としての、せめてもの償いだ」
「シドウさん……」

その瞳に宿る光は、紛れもない、見かけの年齢とはそぐわない「親」としての感情だった。


なすべきこと、できること

(異能嫌いは捨てた過去に牙を剥き)
(異能殺しは捨てた過去を取り戻す)
(その先に待つのが、希望である事を)


というお話でした。聖が昔どこかの施設にいたという設定は最初からあったんですが、しらにゅいさんが見事な施設を考案されましたので。
大量の能力犯罪者を見たせいで、すっかり異能嫌いになってしまったということで。

920大黒屋:2011/03/28(月) 19:13:20
よし、いった、3本目!
自キャラオンリーです。なじむといいな(

思遣反発

寝癖が残る髪を掻き、由衣は階下のレストランに降りてきた。
当然のように店長はカウンターでコーヒーをのんでいる。
白い湯気が立ち上るコーヒーの香り越しに、店長はこちらを見た。

「おはよ、由衣。」
「…はよざいます。」
「…何の用?」
「!」

驚いて由衣は顔を上げた。
店長は微笑む。
「あんた分かりやすいからね。大切な話があると、無理して早起きして、私のところに来る。大切だから、できれば誰にも聞かれたくないんでしょ?」
「…店長、あんた本当に何者なんすか;」
「店長は店長ですっとw」

「実は、何言いたいかも大まか分かってるのよね…。」
真顔で店長…いや、亜音は言った。
「…分かってるなら早いや。」
由衣は店長の向かい側に立った。

「…亜音さん。私に、アースセイバーに入る許可をください。」
「…。」
無言で亜音は考える。
由衣は続けた。

「知ってしまったんです、今、この街で起こってること、何もかも。そして、それを助けるどころか全く知らずにのうのうと暮らしてきた自分が、悔しくて…。」
「…悔しいとか、感情だけでどうこうできるようなものじゃないのよ。」
口調を強め、亜音は言った。
「あんたは強いわよ。でも弱い。心が。感情に振りまわされるようじゃ、戦えない。」
「でも…!」

「分かってる?もしかしたら、あんたの知った顔と戦わなきゃいけないのよ?」
そう。それは情に厚い由衣にとって、最大の難点。
友人や知り合いを敵に回してまで、戦える覚悟が彼女にできるのだろうか。
できるわけがない。これであきらめてk――。


「分かってるよ!!」
「!」
憤慨したように由衣は叫んでいた。そのまま、一気にたたみかける。

「分かってる!でも、今の私は昔より弱い!皆を守るためには、強くなきゃいけない!情報も欲しい!でも、今の私にはそれが足りなさすぎる!」
分かってる。彼女に見えている世界はきっと、過去の記憶と重なった世界。
過去と違うのは、彼女があまりに無力で、誰一人として守れていないこと。

死んだ両親や「死んだ」妹を見ている由衣は、これ以上「赤」を見たくないのだ。
そう、無理やり染めた青い髪の残像のような赤を。


「…約束しなさい。任務にいっても、ちゃんと生きて帰ってくること。そして、レストランでの仕事はさぼらないこと。」
「!」
「いずれ言い出すとは思ってたのよ。でもこのことは奏にはしばらく内緒ね。」
亜音はもういちど笑顔を作ると、由衣に笑いかけた。
「私も、家族を眼の前で失った一人。あんたの気持ち、重々把握してるつもりだから。」
「店長…。」

「それに、個人で毎日特訓してたんでしょ?いや、誰かに付き添ってもらって、かな。」
「な、なんでそれを;」
「毎日砂埃だらけの汗だくだった。喧嘩なんてしないって決めたあんたが、あそこまで暴れるようなことそうそうしないとおもってね。」
「…結局なにもかもお見通しってことか。」
やっと、由衣も笑った。

由衣がアースセイバーに入るのは、この後すぐの話である。



追記
「そういや、店長ってノアやノルンと兄弟だったんだよな。何が起こって別れたんだ?」
「そうねぇ…。いずれその話も、教えないといけないんだろうなぁ。」

921大黒屋:2011/03/29(火) 13:19:37
他人にも取れるフラグの立て方を、誰か教えてくださいorz
自キャラオンリーです。時間軸は「孤人葛藤」の直後になります。

呼妖聞人

…甘えたこと言えないのは分かってるんだけどね。
ただ単に、今は危ないような気がしただけ。
皆には迷惑かけちゃうけど、「熱が出た」ってことで休ませてもらった。
「年中寒そうな格好でいるからですよ」って、笑われた。
こっちも笑えたことには、自分自身で安堵できた。

意図的に姿を消し、いつもの東の平原に向かう。
午前中いっぱい、あの森の「人間」をできるだけ戻そうとしたけれど、
先にかけられた能力が強すぎて、3人が限界だった。
それほどまで「俺」はまだ人間を憎んでいるのだと思うと、悔しいうえに、情けない気がしてきた。

「はぁ…。どうしたものかね、全く…。」
森を抜け、ぽつんと佇む巨木に体を預けながら、一人ぼやく。
独り言のつもりだったが、この巨木――アカノミは態々返事をしてくれた。
「…俺、昨日そんなに怖かったのか?;…そりゃそうだよ。あれ、いつもの「俺」じゃなかったし。」
平日の昼間、しかも姿を消している手前、話し相手になってくれるのはアカノミだけだ。
主に話せば過剰に心配するし、ミサキは別任務。他の奴らも…今一人挙げなかったのわざとだからな!空気読めよ!

「なぁ、アカノミ。お前も逢魔ヶ刻に人間襲ったりする?」
風もないのに、僅かに枝が揺れた。
「…そりゃそうか。人が来ないのに襲えるかってな;」
つまり、早い話が人間にかかわらなければいい。
しかし人間の生活にあこがれた以上、今更縁を断ち切るわけにもいかないのだ(俺の場合店のこともあるし)。

日が沈む瞬間。光が闇に染まる瞬間。それが「逢魔ヶ刻」。
その時間に妖怪の血が強くなることは重々承知だ。
今までは日が沈む前に家に帰れていたからよかったのだ。
だがこの頃かの女の子…夏香由衣の特訓を手伝っていたおかげで帰りが遅くなっている。
自分自身は構わないが、「俺」の問題がある以上あのままギリギリの時間まで付き合うのは難しいだろうと思い始めている。

「所詮、妖怪は人の世に馴染んじゃいけないってか…。」
人間の恐怖が「妖怪」というものを形作る。
どこかで聞いたことあるような言い回しだが、俺たちは「人間が作ったもの」なのだ。
こうして姿をなしているのは運よく主の力に引っかかっただけだが、根本を作ったのはたくさんの人間だ。

「人の恐怖は語り継がれる。眼にも見えぬ、耳にも聞こえぬ恐怖は「妖怪」として形を成し、語り継がれる。それこそが「百物語」。」
誰かがそんなことを言っていた気がする。つまり、俺たちは人間にとって恐れられ、忌み嫌われる存在だ。
「語られる百の物語は百の恐怖を纏う。時が流れれば流れるほど、恐怖は増えていく。」
ほとんどの現象が科学で証明されるこの時代。極論を言えば、説明がつけられなくても「能力」で片づけられる。

その「能力」でさえ説明がつかないことこそ「恐怖」なのだ。

俺たち「妖怪」は「恐怖」の具現。
人の世にいてはならない。
「俺」のせいで改めてそれを思い知った。

どうしよう。今日はこのままアカノミの麓で過ごそうか。
由衣ちゃんには悪いけど、今日の特訓は行けなくなったことにしてしまおうか。
どのみちあんなギリギリまで付き合っていたら、その由衣ちゃんを襲ってしまう可能性もあるのだ。
「俺」としての自我がなくなる以上、止めることはできまい。

「…だれかもう一度、「キムナ」を呼んでくれねぇかな…。」

気を使ったアカノミが呼んでくれたけど、「俺」は反応しなかった。

922しらにゅい:2011/03/29(火) 14:59:06
感想です!

>>915-916
人間の発展による開発、その為の避けられない犠牲とはいえ、
怒りを抱かずにはいられないですよねぇ・・・人の我儘で勝手な事情で
ありますから。しかし春美ちゃんの事を思えば・・・うーん・・・
相談出来ないのも、また哀しい話でありますね(´・ω・`)
>>920
亜音さんは何でも知ってるなぁ・・・いや、結構な付き合いだからでしょうかねw
兎にも角にも、これで晴れて由衣ちゃんもアースセイバーの一員です!
おめでとうっ!(*´∀`)ノ
>>921
フラグは作るんじゃない、突っ込むものd(ry
強いて言うならガンガン他宅のお子様を扱うとかですかね?(´ω`)
私も一級建築士ではないのでよく分かりませぬが・・・orz

切ない葛藤ですね・・・確かに説明の付かない、自分の常識の範囲内を越える
ものを「恐怖」と呼びますが、それがいくら定めとは言え、人間との関係を
断ち切るなど簡単には出来なさそうに見えます(´・ω・`)
人の世にいてはならないわけではないんですよ・・・!そう信じてますっ!

>>917-919
聖さんと同僚!?元職場仲間!?そんなおいしい設定貰えると妄想が
止まりませんのですがぁぁぁ!!!(*´Д`)ハァハァ(ry
あ、ちなみに前回表記打ち間違ってましたのでこの場を借りて、謝罪させて
頂きます。「カルーアトラズ」です、作った本人が間違ってすいませんでしたorz
しかし持ってる服が一様にそれとは・・・いや、某救世主さんも寝間着もオフも
一緒ですからね!w
ボケ鳥って言われたー!ありがとうございます!!(ぇ
シギって漢字表記したら、「鴫」になりますからね!そして、
聖さんが本人に代わって今回の難点を説明してくれたうわぁい(*´∀`)
今回のテーマはある意味本編でもテーマにされている、「正義」と「悪」の
についてですからね!・・・難題だなぁ、ちゃんと終わらせられるだろうか・・・←
なんだか良くも悪くも、それぞれのきっかけとなれて嬉しい限りですw

923しらにゅい:2011/03/29(火) 15:11:28
「・・・っはぁ、はぁ・・・」
「!シスイ、」
「スイネさんは、っスイネさんは!?」
「落ち着け!今集中治療室に入ってる!・・・中でエダや、
リエさんが中心になって治療にあたってる。」
「なんで、なんでスイネさんが・・・」
「俺だってわかんねぇよ!!エダのとこに遊びに行ってたら、
何故かスイネが運ばれてきて・・・あいつ、胸に穴あけてて・・・っくそ・・・!!」
「・・・・・・・・・」
「なんでだよ、どうしてスイネがあんなことに・・・!!」
「おい、うっせぇぞ餓鬼共。」
「「!!」」
「お友達が頑張ってんのに、お前らがみっともなく泣き喚いててどうすんだ。」
「・・・タマキ先生、」
「そんなことしてる暇があったら、別のことに手ぇ動かせ。無駄だ。」
「んだよその態度・・・!?仲間が死に掛けてんだぞ!?」
「ハヤト!!」
「あぁ、そうだな。お前等の不注意のせいで、スイネが死に掛けている。」
「っ・・・」
「・・・・・・・・・」
「お前らがそこにいたら、こんなことにならなくて済んだかもしれないな。
相手が誰であれ、スイネが傷を負わなかったかもしれないし。」
「・・・・・・・・・」
「けど、それで?それで終わりか?護れなかった、だから悔やんで自分を責めて、
それでお前らは終わりか?」
「それは・・・」
「お前らがそうやってる間に、スイネは生きるか死ぬかの瀬戸際で頑張っている。
スイネだけじゃねぇ、エダもリエもスイネを生かそうと必死になって治療をしている。
なのにお前等はなんだ?後悔しか出来ねぇのか?・・・なぁ、シスイ、ハヤト。」
「「・・・・・・・・・」」
「スイネを、あいつらを信じろ。」
「・・・タマキ先生・・・」
「そして、お前らに出来ることを精一杯やれ。何をするかは自分で考えろ。」
「・・・はい!」
「分かった・・・」
「・・・うし。」
「先生!」
「あ?」
「ありがとうございます!」
「・・・ん。」



***



「・・・説教されちまったな。」
「そうだな、・・・けど、タマキ先生の言うとおりだ。
過去を悔やんでいられない。」
「俺らに今出来るのは、スイネが助かることを祈ること。
・・・んでもって、スイネをこんなにした奴を見つけ出す!」
「ああ!」
「そうと決まれば、早速犯人探しと参りますか!」
「・・・あ、ちょっと待ってくれハヤト。」
「なんだよ?トイレか?」
「いや、・・・俺、莉絵さん達のところに行ってくる。」
「は?けど今、スイネの治療をしてて・・・」
「俺の力、使えないかなって思って。」
「?・・・・・・!お前、それって・・・」
「・・・・・・ああ、


俺の『天子麒麟』の力を、スイネの治療に役立てたいんだ。」










麒麟の決意

(分かってる、分かってるんだ)
(けど)
(助けたいんだ)

924しらにゅい:2011/03/29(火) 15:19:25
>>923 お借りしたのは都シスイ(akiyakanさん)、ハヤト(鶯色さん)、
名前のみで、スイネ(サト様)、エダタカシ(ヨシダサン)、三葉 莉絵(ネモさん)
でした。

スイネを救出し隊!(`・ω・´)
スザクやトキコの欠席についても触れたかったのですが、こっちの方が重要かな、と
思いまして・・・だって護衛対象が怪我してるとなればなぁ・・・(;´ω`)
うちのタマキ(裏仕様)が偉そうに物言ってすいませんマジすいません。
彼もきっと治療には参加したと思います!この会話の後!
使っちゃ駄目とは言われてたのですが、きっとシスイくんならこう言うだろうな、と
思い、妄想で書きましたヒイイイ(;´Д`)
どうか助かりますように・・・

925サト:2011/03/29(火) 15:35:52
しらにゅいさまが素敵な続きを!!
しらにゅいさまのお話の前あたりの話になりますね~





『そういえば』

レストランから帰宅する途中、はたとスイネのことを思い出した
僕のこととトキコのために、どうやってか連絡先を調べて連絡してきたスイネ

トキコのためを思うなら、僕に黙っておくべきではないと思ったのだろう。…はじめて会ったあの日から、随分と彼女も変わったみたいだ

『お礼は…するべきだよなぁ』

カチャ、と携帯を取り出してコールする。…番号あってるよな?
………でないぞ?

『おかしいな。』
《もしもし?!スザク?!》
『どわっ?!誰…ハヤト?』

なんでスイネに電話をかけたのに
ハヤトが出るんだ?意味がわからない
息を切らしたような、切羽詰まったような声

『…何かあったのか』
《察しが早くて助かるぜ!
なぁお前、スイネなんか変なとこあった?!》
『変?』
《何かに怯えてたとか…狙われてる様子とか…》
『いや……ていうか』

(どちらかといえば、狙ってるというほうが正しかったような…)
『で?何?』
《スイネが…スイネが血、とまんなくて…胸に、穴が…!》
『?!』

まさか、あの男…トキコの父親に返り討ちにでもあったか?!
ウスワイヤには確か、細胞操作を使える医者がいたような気がしたが…

《ハヤト!!手が緩んでんだよ!しっかり止血しやがれ!》
《頼むスザク!!情報が足りなさすぎるんだ!協力してくれ!》
『…わかった!』

携帯の電源を切ると、僕は走り出した。スイネが僕に残した思念が、どうやら彼女とリンクしているらしい

『トキコを頼むぞってときに…絶対死なせないぞ…!』



駆ける朱雀
(彼女の体温が低くなっていく)
(一刻を争うのかもしれない)

926サト:2011/03/29(火) 15:38:34
お借りしたのは
スゴロクさん『火波スザク』
ヨシダサン『エダタカシ』
鶯色さん『ハヤト』
しらにゅい様『トキコ』
自キャラ『スイネ』でした

927スゴロク:2011/03/29(火) 15:44:55
>しらにゅいさん スザクについては欠席連絡を入れてありますよ。「彼女を巡るエトセトラ」冒頭参照されたし。

>サトさん スイネの危機にスザクが走るッ! 助かるか否かは……まさに神のみぞ知る、って状況ですね。

928スゴロク:2011/03/29(火) 17:15:16
>しらにゅいさん っと、そういう意味じゃなかったですね。すいません。

929砂糖人形:2011/03/29(火) 19:05:42
しらにゅいさんの「トキコ」ちゃんお借りします


ホウオウ様がどれだけ大好きかという雑談


ホウオウグループの隅の部屋で、朱色の髪と茶髪の女子高生二人が話していた。
小さいテーブルの上には、苺大福と緑茶が置かれていた。

「あ、この苺大福おいしいね」
「そりゃあ、ネーちゃんがお勧めしてくれた風月堂の苺大福だからね!
 おいしいに決まってるよ!」
「本当にユウムってネイロ大好きだねー」
「もちろん!学校の中で一番好きだよ」

「ホウオウ様より・・・?」

しばらくの沈黙

「そんな訳ないじゃん!ホウオウ様の方が、大好きだよ」
「ふーん」
「少なくともトキちゃんよりホウオウ様大好きだもんねー」
「それはないよ、あたしの方がホウオウ様大好きだもん!」
「いや、あたしだね!」
「絶対あたし!」
「絶対絶対あたし!」
「絶対絶対絶対あ・た・し!」
「絶対絶対絶対絶対あ・た・し・な・の!」

30分後

「だから、・・・ハァ、っあたしの方が・・・好きなの!」
「い、や・・・あたしの方が・・・!大好きなの!」

「「あたしの方が好きだもん!」」

「何の告白大会してんのー、おばさん達」
「「?!」」
トキコとユウムがメイのほうへ振り向くと、メイはその二人の形相に驚いた

「うわ、何その顔!少なくとも、少女じゃなくて鬼婆・・・!」
「「誰が鬼婆だあああぁぁあぁぁぁあぁ!」」

930大黒屋:2011/03/29(火) 19:47:55
時間軸はサトさんの「駆ける朱雀」の直後のつもりです。不都合が生じるようでしたらお申し付けください。
スゴロクさんより「火波スザク」、名前のみサトさんの「スイネ」、しらにゅいさんの「トキコ」、鶯色さんの「ハヤト」をお借りしました。

単純複雑

何もかも、一足遅すぎた。
自分が動き出した頃には、眼の前にトキコもスザクもおらず、アースセイバーにはいって初めて耳に飛び込んだ報告は、スイネの危機だったのだから。

ストラウル跡地には何故か幹久朗の姿はなく、由衣は一人で瓦礫の山に座り込んでいた。
ハヤト曰く、スイネが何者かに襲撃を受け生死の境をさまよっているらしい。
その前にも彼女は過去2回、謎の人物による襲撃を受けていた。
関係あるにしろないにしろ、あんなに明るくふるまっていたスイネは、常に危険と隣り合わせだったという。
「一体…誰がそんなことを…。」
分かるはずのない問いを口にし、由衣は憤りをこらえていた。

と、眼の前を何者かが通り過ぎた。
見たことのある風貌。たしかあれは、隣のクラスのスザクだったか。
髪の色が違う気がするが。

スザクは確か学校を休んでいるはずだ。
ここで走っているということは、怪我や病気ではないらしい。
由衣は彼女を呼びとめていた。

「おい!スザク!何処に行くんだ!」
「!…由衣か。話は後だ。急ぎの用が…。」
「その先、確かウスワイヤあったよな?」
「!」

もどかしそうに足踏みをしていたスザクだったが、やがてこちらに走って向かってきた。
由衣の立場を察したのだろう。
そのまま彼女の手首をつかむと、由衣を引きずるように元の道を走り出した。

「わっ!な、何だよ!」
「だから話は後だ!黙ってついてこい!」
ウスワイヤに向かう足取りが徐々に速まっていく。
今由衣の頭に浮かぶウスワイヤ絡みの出来事と言えば、スイネのことしかでてこなかった。

スイネは自分と同じクラスだ。
隣のスザクと頻繁にあっている様子はないし、特別仲がいいとも思えなかった。
しかし、眼の前の彼女は焦っている。

(スイネを通して何かあった…とか?それとも、アースセイバーの結束が元々強いとか?)
元々頭が悪い上に切羽詰まった状態の頭にはそのくらいしか出てこなかった。
とにかくもたついている暇はないだろう。
由衣は引きずられていた足をなんとか地面と反発させ、スザクについていくように手をひかれたまま走り出した。

931しらにゅい:2011/03/29(火) 21:39:05
自分なりにここまでのお話の時系列をまとめてみましたー。
本当に大変なことになってr(ry
とりあえず今のところ流れはこのような感じになってます。

『籠われた朱鷺』(夕~翌朝)--->『とある父親と男の話』(夕~夜)
『夢の終わり、戦いの始まり』(夜~翌朝)

<<一日目>>
●『蒼の神の憤怒』(朝)
--->『交差する、点と線』(朝~昼?)
--->『猫、ファスネイに忠告をする。』(*『交差する、点と線』直後)
   『彼女を巡るエトセトラ』(*登校直後、トキコ、スザク、スイネ不在)
--->『二人の神』(*『猫、ファスネイに忠告をする。』後)
   『朱鷺の少女』(*『二人の神』間。トキコ、外出)
--->『過去に決別の一太刀を』(*『二人の神』直後。スイネ、負傷)
--->『タカユキ、スイネを助ける』(*「タカユキ、一人家路につく。」→放課後)
--->『エダタカシ、未知との遭遇』(夕方?)
--->『麒麟の決意』(夕~夜)(*スイネ治療中の間の話)
●『彼女を巡るエトセトラ』(朝~昼?)
--->『朱鷺と或る男』(*直後)
--->『なすべきこと、できること』(*直後)
--->『駆ける朱雀』(*ハヤトとエダの会話→『麒麟の決意』前後?)
--->『単純複雑』(*直後)
●『自己嫌悪』(放課後?)
--->『一喜一憂』(*「お、やっぱり昨日の子かw」→一日経過?)
--->『裏寒表温』(*事のすべてを知ったのは『自己嫌悪』から数日後の話)

<<二日目>>
『思遣反発』(朝)
--->『単純複雑』(*『駆ける朱雀』直後)

トキコやシギ達が関わっている話のみを抜粋させて頂きました。
(*)表記は時間経過のヒントとなれれば、と思い書きました。
書いた本人ではない作品に関しましては、あくまで予想として書きましたので、
指摘がありましたら教えてください。
・・・が、このままでいくと『単純複雑』がだぶってしまうんですよね・・・!
うーん、どうしましょう・・・とりあえず大黒屋さんの意見を聞かせて頂ければと
思います´`;

932大黒屋:2011/03/29(火) 21:45:05
>>しらにゅいさん
あー、そうか;全部一日でおこってしまってるんでしたね;
可能であれば内容を少しいじりますが、端的には自分の作品は一日ずつ前日に戻してもらって構いません。
それでなんとかなるかと;

933大黒屋:2011/03/29(火) 21:54:20
>>しらにゅいさん
wikiの小説「自己嫌悪」の出だしを訂正し、トキコの欠席がこのときなかったことになりました。
これで何とか…なりますかね?;

934しらにゅい:2011/03/29(火) 22:01:13
>>大黒屋さん
返信ありがとうございます。
そうなんです、実は一日だけでかなり色々起こってるんですよ!w
とんでもない流れの発端となってしまいすいませんでしたァァァ(;´Д`)
なので・・・そうですね、由衣ちゃんがアースセイバーに入るくだりを一日目、としての
流れにすれば、恐らくちょうどよくなるかと思いますよ!
あとはトキコの欠席についてですが、大黒屋さんの訂正した通りで問題ないと
思いますっ

935スゴロク:2011/03/29(火) 22:11:32
大黒屋さんの修正を受け、内容を拾ってまとめてみました。おそらくこんな感じですね。
前々日
由衣、カンクローと遭遇する(自己嫌悪)
カンクロー、春美に一報を入れる(生存報告)
前日
由衣、カンクローと訓練をする(一喜一憂)
由衣、アースセイバーに加入する(思遣反発)
当日夕方
①トキコ、シギと遭遇する(籠われた朱鷺・前半)

②シギ、アルトと合流する(とある父親と男の話)
②スザク、「綾音」を受け入れる(夢の終わり、戦いの始まり)
翌日
③トキコ、スザクの写真を発見する(籠われた朱鷺・後半)
④スイネ、トキコを発見して保護。スザクに連絡して部屋を飛び出す(蒼の神の憤怒)(交差する、点と線)
⑤スザク、スイネの部屋でトキコを目撃。その後、「跡地」でマナと話す。ヴァイス、シギを目標に行動開始(彼女を巡るエトセトラ)
 →スザク、アルトから話を聞く(朱雀と或る男)
 →スザク、聖から話を聞く。シドウ、帰還を決意(なすべきこと、できること)
⑤チェシャ、スイネを制止する(猫、ファスネイに忠告をする)
⑥スイネ、ベガと遭遇、戦闘に。撃退するも負傷(二人の神)(過去に決別の一太刀を)
⑦タカユキ、スイネを発見(タカユキ、スイネを助ける)
⑧エダタカシのもとにスイネが担ぎ込まれる(エダタカシ、未知との遭遇)
⑧トキコ、スイネを探して飛び出す(朱鷺の少女)
⑧スザク、帰宅途中にハヤトから連絡を受ける(駆ける朱雀)
⑧スザク、由衣と遭遇。彼女を伴ってウスワイヤに急行する(単純複雑)
⑨シスイ、スイネの治療に参加表明(麒麟の決意)

のはずです。今の所、時間的に最新なのは「麒麟の決意」なので、この時点での現状は

スイネ、治療中。シスイが能力使用による治癒を試行。スザク・由衣は急行中。トキコは詳細不明

ですね。番号が同じなのは、同時かほぼ直後というタイミングを現しています。食い違いがあればどうぞ。

936スゴロク:2011/03/29(火) 22:13:34
>しらにゅいさん うお、そうでしたか。表の「前々日」と「前日」は、「前日」と「当日昼間」でお願いします。

937しらにゅい:2011/03/29(火) 22:17:26
>>スゴロクさん
うぉぉお!!こっちの方が詳細があって分かりやすいです!
ありがとうございますっ(*´∀`)

あ、スゴロクさんの表記された時系列だと話の筋も違和感なく通ると思うので、
問題ないですよー!
「前々日」「前日」部分の最終決定は大黒屋さんに委ねたいと思います(´ω`)

938大黒屋:2011/03/29(火) 23:11:09
>>しらにゅいさん、スゴロクさん
訂正分を含めて時系列はそれで大丈夫かと思います。
ただ、「思遣反発」はもしかしたら当日早朝かと(

ほんとうに申し訳ありませんでしたorz
以後気をつけます;

939しらにゅい:2011/03/29(火) 23:17:46
>>大黒屋さん
了解しましたー!

いえいえ、これだけ複雑に絡むと時間経過もごっちゃなりますし、
仕方ないと思いますよ~;;
まさかこんなにお話が絡んでくるとは本人もびっくりですかr(ry

940スゴロク:2011/03/29(火) 23:20:57
>大黒屋さん 
時系列の問題をこの掲示板で一番最初に出したのは何と自分だったり。
ある種のリレー小説ですからね、企画キャラ小説は。冒頭に「○○の後(前)です」と但し書きをしておけばさほど問題はないかと。

>しらにゅいさん
そりゃ、「アレ」は衝撃の一言でしたから……(汗)
スザクやスイネはまず黙っていないでしょう、これは。

941ヨシダサン:2011/03/30(水) 00:08:19
ちょっと書いてみます。
初めてなのでぐだぐだになりますがよろしくお願いします。

『エダとKEA』

ここはいかせのごれの小さな診療所。
ここには腕がいい事で有名な医師がいた。
もっとも別の方面でも有名なのだが…

「先生ー、次の患者さんだいじょうぶですか?」
看護士が診療室にいる中年の男に声をかける。
先生と呼ばれた男はカルテに目を通しながらけだるそうに返事をした。
「おう、大丈夫だよ、カオリちゃーん」
そういい彼は看護士のお尻に手を回す。
が、すぐに手をつかまれ捻られる。
そのまま笑顔で看護士は男に話しかける。
「先生、患者さん部屋に入れて大丈夫なんですか?」
彼はこの診療所の医者であるが、見てのとおり女性にすぐ手を出してしまう。
もっともこの看護士とのやり取りはもはや日常風景であり、お互いもそれを理解しているのでさほど問題ではない。
頭をかきながら苦い顔で笑みを浮かべる男を見ながら、呆れ顔で看護士は言う。
「先生、馬鹿なことやってないで患者さんいれますよ。どうぞー」

この男の名前はエダ タカシ、いわゆる特殊能力者だ。
このいかせのごれでは珍しくない存在だ。彼は生まれながらに肉体の細胞を操作できる力を持っている。
幼いころはその力を持て余し苦労したそうだが、今ではそんな風にはとても見えない。
今も笑顔で患者に接し適切な治療をしている。
今日はどうされました?他に何か変わったことは?ではお大事に
お決まりの言葉を言う時間。
特別なことがあるわけではない、だが彼にとってはそれが何よりの喜びなのだ。
幼いころは能力のせいで母親に迷惑をかけた彼にとって、誰かの役に立つことが今は亡き母親への親孝行なのだ。
診察をしている最中待合室から子供の泣き声が聞こえてきた。
エダは診察の手を止め看護士の名をよんだ。
「カオリちゃん外なんかあった?」
外と中、両方から声をかけられあたふたしつつ答える。
「キヨシ君が滑り台から落ちたそうで…先生どうしましょう」
痛みで泣き叫ぶ男の子にどう対応すればいいかわからずオロオロする看護士
少しの間をおきエダは目の前にいる患者に申し訳なさそうに声をかけた。
「あのー」
エダが言い終わる前に患者は返事をした。
「いいんですよ先生、先にあの子見てあげても」
エダの言うことを見越した返事だ。
エダは表情を明るくし、礼をして診察室から出て行った。

942ヨシダサン:2011/03/30(水) 00:13:18
>>941の続き

男の子は右肩を押さえ泣きじゃくっていた。
右耳からも地面に落ちたとき擦ったのだろう血がでていた。
エダはひとしきり様子を伺い落ち着いた声で看護士に指示を出す。
「カオリちゃん、消毒液とガーゼ持ってきて」
彼女はアタフタしたまま診察室へ走っていった。
「走っちゃだめだよー」
エダの声は届いていないようだ、それと間もなく部屋の奥からがらがらと崩れる音がした。
エダはもちろん、周りの患者、それどころか怪我した男の子まで笑っていた。
優しい笑いを浮かべエダは男の子に話しかける。
「しょうがないねえちゃんだな。男なんだからないちゃいけねえぜ?男はつねにさわやかな笑顔、それがモテる秘訣だ」
そういい男の子に触診を開始する。
男の子は痛みで顔を歪めたが、頑張って笑顔を維持している。
男の子の表情から傷の程度が思ったより浅い事を理解した。
エダは安心し男の子の肩をなでながら能力を発動した。
「おう、大丈夫だ、大丈夫。もうすぐ痛いの治るからな」
男の子の骨に入っていたヒビがエダの能力により再生され、男の子の表情も安らいでいく。
そこにあいかわらずアタフタした看護士が戻ってくる。
そんな彼女をみてまた周りに笑顔がこぼれる。

そんなこんなで診察時間も終わりが近づき、診療所内は落ち着きを見せ始める。
事務仕事をしながら看護士は診察室でのんびりしているエダに話しかける。
「先生ってほんとすごいですよね」
「はっはっは、どうしたの急に?」
「だって、今日のキヨシ君の手当てもすごかったじゃないですか、あんなに痛いって言ってたのに」
エダは苦笑いをうかべていた。
特殊能力を持っていることを看護士は知らない。
もっとも彼女以外でも知っている人間はほとんどいないのだが。

二人きりで聞こえてくる音は看護士の触るPCのキーボードのみ。
そんな静かな診療所に騒がしい声が飛び込んできた。
「おい!おっさん!!いるか?!」
突然の大声に驚く看護士とエダ
飛び込んできたのはエダと同じくウスワイヤに所属している特殊能力者の一人KEAだった。
看護士はすぐに笑顔になりKEAの対応をする。
「今日はどうされました?」
「お、おお、実は…」
二人のあいだにエダが割り込んだ
「KEAまたか…いい加減にしてくれよなー」
エダを見るや近づいていくKEA、そして距離をとるエダ
「おいおい、野郎が近づいてくんなって」
「そういうなよまたマッサージしてくれよ!あんたにやってもらうといい感じに疲れがとれんだよ!」
「俺だってお前の体さわりたくねえんだよ!」
「前はやってくれただろ?」
「あん時は、アキヒロ君に言われて仕方なくだな…」
しばし、揉め揉まないの言い合いが続き、看護士が口を挟む。
「いいじゃないですか先生マッサージしであげたら」
突然の口出しに焦りだすエダ
「おいおい、カオリちゃんなにいってんのさ」
「今日はもう患者さん来なさそうですし、揉んであげたらいいじゃないですか」
それにKEAが言葉を被せる
「そうだぜ、この姉ちゃんの言うとおりだ」
二対一の状況になり苦悩の表情を浮かべるエダ、だが咄嗟に思いつき発した。
「じゃあ、誰か女の子つれてこーい!!」
エダの提案に思わず二人は声をそろえた
「なんだってー!!」

しばしの沈黙の後KEAが口を開いた。
「…わかったよ、だから早くマッサージしてくれよ(チャド辺りを引き渡せばいいだろ)」
言葉を聞くやいなや上機嫌でKEAを診察室に招き入れた。
「約束だぞ!」
「はいはい…」
診察室にはいる二人を見送り看護士は頬を膨らませぽつりとつぶやいた。
「まったく、すけべめ…」

943(六x・):2011/03/30(水) 01:21:18
無謀にも参加してみる。
サトさんの「駆ける朱雀」の後のお話です。


風と凪

「…ただいま。」
「おかえり。そういえば昨日、凪があまりにも変態糞親父って言うもんだから面白半分で検索してみたら絶望した…orz」
「へえ。」
「(知ってて言ったわけじゃなかったんだ、よかった。)ちなみに絶対検索しちゃいけないからね。ガチで。」
「そう。今日はさ、トキコもスイネもいなかったよ。親父、なんか知らない?って知ってるわけないよなw」
「知ってると言ったら?」
「へ?」
「知ってると言ったらどうするつもり?(知らないんだけど」
「わ、私にできることがあれば実行する…かな?」
「うん、いい考えだね。…それが戦うことでもかい?」
「ああ。私が戦うことで誰かが救われるなら。」
「そうか、凪は優しいね。でも…お父さんは凪が無事じゃなきゃ意味がないと思ってる。他人のために何かしてあげるのもいいけど、自分が傷ついたら悲しむ人がいることを忘れないでね。」
「なにそれ、漫画の受け売り?」
「さぁw」
「…ありがと、お父さん。」
「はい。(「親父」呼びじゃなくなったよw」
「んぁ、もしもし…冬也?ってなんで泣いてんのお前。聞こえないって、落ち着いてしゃべれよ。…スイネが?病院で?うわ…マジかよ…わかったよ今から行くから泣くな!」
「行くのかい?」
「あぁ。大丈夫、無茶はしないさ。」


「風」と「凪」似ているようで真逆。

戦うことでもか?と言ったとき、凪は一瞬だが泣きそうな顔をしていた。
冷たく見えるが結構熱くて…氷のように繊細。
そんな子を戦わせるのは、親という立場を抜きにしてもつらい。

…なんとなく気分が滅入ってきたので風を読んで精神統一しよう

「…なんだ、嫌な風だな。」

944(六x・):2011/03/30(水) 01:28:11
名前のみですが、しらにゅいさんのトキコちゃんと、サトさんのスイネさんをお借りしました。



あと、「変態糞親父」は内容が内容なので本当にぐぐってはいけません。
軽い下ネタジョーク漫画かなんかだと思って検索して気分悪くなったアホ(私)が言うので間違いありません。


風真の決め台詞(未登場)はここから引用しておりますがw←

945ヨシダサン:2011/03/30(水) 01:59:00
>>942の続き

診察室内に大の男が二人っきり、KEAは上着を脱ぎ上半身裸でベッドにうつ伏せで寝ころがっている。
「じゃあ、よろしく頼むぜ」
しかし、エダはため息をつき立ち尽くしていた、そんなエダをみてKEAが声をかけた。
「どうしたんだよ?」
力なく返事をするエダ
「お前が女の子だったら最高のシチュエーションなのにな…」
「悪かったな」
いやいやながらKEAの体にマッサージを始めるエダ。
あまりの気持ちよさについつい声をあげるKEA
「気持ち悪い声ださねえでくれよ、まじで…」
思わず苦情をもらすエダ、それでも喘ぐのをやめないKEAに少々いらっとしたのか力を強く押し上げる。
「うおっ!!いてっなっにすんだっ!」
「がまんがまん…それにしても…随分と無茶やってるみたいだな」
エダの言葉に表情を曇らせるKEA
触れば体がどんな状況かだいたいわかる、相当ハードなトレーニングをしたのだろう。
凄まじい肉体疲労を感じる。
かまわず言葉を続けるエダ
「あんまり無茶して訓練するんもんじゃないぞ、肝心なときに体がぼろぼろじゃただの馬鹿だぞ…」
エダの言葉に徐々に力をなくしていくKEA
しばらくの沈黙の後独り言のように話し出した。
「もう、二度と大事なものを護れないってのは嫌なんでな…
もっと強くならないと…どんなやつが相手でも…」
エダはKEAの言葉の意味を理解した。
KEAは過去に大切な人を護れなかった、そして今も後悔をしている、だから今も体に大きく負担のかかるトレーニングを続けているのだと。
そしてこれはエダにとってもつらい事件だった。
エダの到着があとわずかに早ければ助かったかもしれないのだと…
全員仕方のないことだと理解はしているが、苦しかった…
なによりもエダ自身が救えた命を救えなかったという事実に苦しんでいた。
KEAは続けて話す
「だから、俺はなんて言われてもやるぜ。少しでもやつを倒せるように…な」
「勝手にしろ、だがこれだけはいっとくぞ」
「?」
「俺の手にかかった以上お前は俺の患者だ、命を粗末にすることはゆるさねえぞ」
エダの言葉に思わず噴出すKEA、それを聞きエダは慌てだす。
「な、なんだよ!なに笑ってんだ!!」
KEAは笑いを必死でこらえて押し殺し口を開いた。
「悪い悪い、俺にたいしてそんなキザな事言うなんてな」
「お前の治療は面倒なんだよ」
「そうかよ」
エダはそう言っているが、本心は違う。
KEAとの付き合いは古く彼がウスワイヤに所属する前から知り合いだった。
自分の命を軽く扱っていたため、重傷を負うことが多く度々治療するはめになっていた。
そんなKEAの変化をしっているからこそ、エダはKEAを気遣っている。
そしてエダの気遣いはKEAにもわかっていた、KEAが強くなるもう一つの理由はそれも関係していた。強ければ医者もいらない、と。

「あい、おわりっと」
そう言い、マッサージが終わる
「ふぅー、気持ちよかったぜ、ありがとうな」
そういい上着を着るKEA
無言で手をアルコール消毒をするエダ
そんな後姿をながめKEAは呟いた
「大丈夫さ、死なないさ……じゃあな」
KEAが出て行こうとしたときエダが呼び止めた。
「まて……ちゃんと女の子紹介しろよ」
「…あ、ああ」
「チャドはだめだぞ」
「ぐっ…」
「たまには違う子がいいなあ。。そうだあの髪の毛の青いかわいい子いたろ?あの子は…」
エダの言葉を言い終わる間もなくKEAは声を荒げた。
「だ、だめだ!!!あいつはだめだ!スイネはだめだ!」
「なにがだめなんですか?」
KEAはどきりとした。
なぜなら、その話題の本人の声が聞こえてきたからである、恐る恐る後ろを向くと、そこにはスイネがいた。

続く

946ナイアナファン ◆ovDwR2rfNs:2011/03/30(水) 03:32:25
無謀ってレベルじゃねーぞ!だけど参加!
※注意この話は現在進行されているナイアナ本編、企画キャラ小説家とは
なんの関係もございません。※

一人さびれた酒屋でヤケ酒をあおる全身白スーツの男が居た。

「辛気臭い顔してんな、飯くってんのか?デュフッw」

うさんくさい気味の悪い男が白スーツに話しかける。

「…ほっといてくれよ……」

「まぁそう言うな、マスター!これオゴリね!」

「俺にかまわないでくれ」

「え?コイツのオゴリだよ!俺がおごるわけないだろ?」

君の悪い男が白スーツの拳によりふき飛ばされる。

「ナイスなパンチだな」

四角い何かが白スーツに話しかける。

「あの、聞いてる?」

四角い何かは増殖を繰り返しながら話しかけ続ける。

「あの…」

心が折れて黙った。

「何があったのよ、私に話しなさい」

小柄な女性であるがそのたたずまいと格好からしてマスターであろう。

小柄、というより子供。という表現のほうが似合っているかもしれない。



今度は一人の気味の悪い男が高熱で溶かされた。

947ナイアナファン ◆ovDwR2rfNs:2011/03/30(水) 03:38:17
「ま、男に興味はないけど」

子供、否、女性はグラスを丁寧に拭きながら話しかける。

「悩みくらいなら聞いてあげるわ」

「…いくらマスターでもこの話は…」

「いいじゃない、こんなご時世(ウスワイヤがたつような)だもの、何でも信じるわ」

「…いやそうじゃなくて……」

「ん?」

「俺の組織に関係する銀行の店舗が少なくてな…非常に組織としても困っていて…」

「あー、それ関係の話は私もなぁ…」

やはり子供である。また一人気味の悪い男が溶かされる。

「なんていう銀行だっけ?」

少女、いや女性は悪戯っぽく笑いながら男に問う。」

「アンタ分かって言ってるだろ?」

「いいじゃない、言ってみなさいよ!そもそもヤケ酒煽るほど深刻でもないんだし」

「いやそれでも…」

「大声でね」

「いや」

「今夜はオゴリだわ」

「乳首銀行っほおおおおおおおおおおおおおお!」

「yes」

「yes」

「けいおん再始動だよ」

次々にホウオウグループの頂点に君臨する男に似た風貌の男たちが現れる。

948ナイアナファン ◆ovDwR2rfNs:2011/03/30(水) 03:46:54
「そういえばアンタも例の人に似てるんじゃない?」

似てる、と言うより、同じであると言った方が正しいほど似ている。

「アイツ嫌いだわさ」

「一気に元気になったわね。アンタは顔以外何もかも反対だもんね。」

「ああ。元気だけがとりえだからな」

「さっき落ち込んでたくせに」

「忘れてくれよな」

カランカラン、と音を鳴らし、女性客が一人入ってくる。

「いらっしゃいま…、あら、いい女」

「ほぇ?」

「ふふ、何でもないわ、この『特別製』のお酒はサービスだから」

言葉の最後にハートマークがつくほど艶めかしい声で、おっと子供相手に私は何を

また一人気味の悪い男が溶かされる。

たちまち女性客の目は熱っぽくなり、どこか艶めかしくなる。

「じゃ、私は私で楽しんでくるから、店番よろしくね♪」

「俺帰る、吉田!お前頼むわ」

「御意」

ホウオウグループの頂点に君臨する男に似た男が気味が悪い程爽やかな笑顔で接客する。

今日もウスワイヤ経営のバーは人気である。


あとがき?

2度目ですが、他のアナザー作品様とは何の関係もございません。
「ウスワイヤ経営」とかふざけたことを書きましたが本当に何の関係もありません。
なんとナイアナwikiに他のみなさまと一緒に俺の名前が!いやっほぉぉぅ!
嬉しい!嬉しいザマス!

「ねえ」

少女、いや女性は気味の悪い男性客に話しかける」

「な、なに?デュフッw」


「ここさびれてんじゃないの?」

「あっ」

949サト:2011/03/30(水) 11:03:40

『ね、起きて。起きてってばあ』

誰かの明るい声がする
子供のような、甘ったるい甲高い声
誰かに似ている…聴いたことがある

『あ、起きたね。おはよう』

視界が開けると、そこには…
“わたし”が、見たこともないような少女のような笑顔を浮かべてわたしを見ていた

『…ベガ?!』
『うっひゃあ?!ち、違うよ!!びっくりしたなぁ
怖いから睨まないで!』
『……』
『あ、あたしが誰かって思ってる?あたしはあたしだよ』
『…』
『せ、説明が難しいなぁ』

ぽりぽりと頭をかいたり、困ったような笑顔をみせる“わたし”は、トキコのような無邪気さでわたしにじゃれてくる
…なんなの、コレ

『あのねぇ、あたしは、あなたで。あなたはあたしなの。』
『…はぁ?』
『うっわ!鳥維みたいな顔された!!スイネちゃんショック!!』
『……なんだか頭が痛いわ…』
『こっちの“あたし”は随分とおとなしいねえ…
ん?大人っぽいってカンジ?』
『わたしの顔でトキコみたいな振る舞いは似合わないわ
やめてちょうだい』
『そっちこそあたしの顔で大人ぶらないでよー!ばかあ!』

一向にらちのあかないやりとりに頭痛は増す
…ねえ、この子馬鹿なの?

『さっきベガって言ってたけど、それが“あたし”を殺した人?』
『…!!』

そうだ、確かわたしはベガに胸を貫かれて…
“殺した”と言うことは
わたしは、死んだのか?

『正確にはまだ死んでないよ。
このままだとやばいみたいだけどねー。あはは』
『ここは…?』
『あたしの夢の中?かな
パラレルワールドの交差点?
だっけ、うーん』
『…どうしたらわたしは助かるの?』
『え?助かりたいの?』

きょとんとわたしを見る“わたし”は、意外だといわんばかりの表情をつくっている
…助かりたいに決まってるじゃない

『だって、“死にたい”ってずっと思ってたでしょ?』
『何の話…』
『あははー、とぼけてる』
『わかるように話しなさいよ』
『“あたし”は、大人っぽいけど子供だね』
『あなた…』
『やっと死ねるチャンスなのに、どうして死なないの?
もったいないよ』
『わたしは今死ぬわけにいかないのよ!あたしが…守らなきゃ』
『大切な人を失うのが怖いのに、
どうしてまたその世界に飛び込もうとするの?
…ねぇ、“あたし”はまだ死んでないけど
このままだったら死んじゃうんだよ?…
“あたし”が生きたがってないから』
『………』
『ねぇ、“あたし”にはあたしと同じ思いはして欲しくないよ。
……おわりにしようよ』

“わたし”の言葉が
胸に痛い
わたしは
わたしは…


“わたし”の本心
(彼女に彼らの声は)
(まだ、届いていない)

950大黒屋:2011/03/30(水) 20:44:43
また時系列がずれないことを祈るしかないorz
名前はあげてませんがスゴロクさんより「火波 琴音」をおかりしました。
(以前みたく)性格に矛盾が出ないよう配慮しましたが、そもそもこのタイミングでこんな重要人物使うことが間違いだった気がする…orz

偶然必然

…いかんいかん。気がついたら眠っていた。
空を見る。まだ「例の時刻」までには時間があった。
彼は一つ伸びをする。術の解除をしていなかったので、姿は見えないままだ。
久しぶりに半日寝て過ごした気がする。
昔はしょっちゅうそんなことしてたっけと、自然と過去に思いが馳せられた。

「…あ、そう言えば由衣ちゃんは…。」
ストラウル跡地の方を見る。
この時間とっくに来ているはずの由衣の姿はなかった。
おかしいなとも思ったが、来てないならこっちがこれなかった理由づけもいらないと、直ぐに切り替えた。

とはいえ今日は来てないにしても明日がある。
一日二日で何とかなる問題でもないのでどうしようかまた考え出していた。
「とりあえず、今日のところはさっさと家に帰るか…。」
悪いなアカノミ、また明日と言い、彼は立ち上がった。

立ち上がると視界が一気に開ける。
だからどうという話ではないが、視界の端の方に、彼は何かをとらえた。
平原の端の方。何かがいる。
目を凝らすと人のような形が見えた。

山吹色の長い髪。女の人だろう。
隠れることもなくこちらをじっと見ていた。
(…て、あれ?俺確か今術で見えてないはずなのに…?)
アカノミを見ているのかと思い、離れてみると、目線がこちらの方を追いかけた。

「…あのー…?」
気になって少し声をあげると、彼女ははっと顔をあげ、そそくさと立ち去ってしまった。
彼はその様子を見ながら、首をかしげた。

彼は暫くそちらの方を見ていた。
既にその女性は消えるように居なくなっていたのだが。
普通の人間ではないのは分かる。とはいえ前に寺に行った時にはあのような女性は見なかった気もする。
霊や妖怪に通じても、よほどの力がないと消された姿まで見えないだろう。
なによりあの女性、纏っている空気が普通ではなかった。

うまく言い表せないが、なんというか、穏やかなのだ。
現代の張りつめた空気には全く似合わないほどに。
その張りつめた空気にあっさり押しつぶされそうなのに、何の抵抗もなく広がっていくような空気が、かなり離れていたはずの自分にも伝わった。
そして彼は気がついた。あの人が「人間」でないことに。
「…って、分かったところでどうってことはないんだろうけどな。」
自分を小さく嘲笑し、まだ日の形が残るうちに平原を立ち去った。

彼は知らなかった。
彼の寝ている間に由衣は手をひかれウスワイヤに向かったこと。
「山吹色の髪の女性」も、ウスワイヤに向かったことを。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年05月24日 20:47